JPS6246360B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はノーカーボン複写紙用顕色シートに関
するものであり更に詳しくは顕色剤としてフエノ
ール樹脂を使用する場合、あるいはフエノール樹
脂と活性白土を併用した系において接着剤として
カチオンデンプンが含有されることを特徴とする
ノーカーボン複写紙用顕色シートに関する。 ノーカーボン複写紙は公知であり例えば米国特
許第2712507号、同第2730465号、同第2730457号
明細書などに記載されている様に電子供与性、被
吸着性、呈色反応性を有する無色有機化合物（以
下発色剤と称す）の有機溶媒の溶液を含有したマ
イクロカプセルと電子受容性の反応性、吸着性物
質（以下顕色剤と称す）を利用したものである。
従来よりマイクロカプセル化法にはコアセルベー
シヨン法、界面重合法、in situ法等によりおこ
なわれており、発色剤としてはマラカイトグリー
ンラクトン、クリスタルバイオレツトラクトン、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、ローダミンＢ
ラクタム、３−ジアルキルアミノ−７−ジアルキ
ルアシルフルオラン、３−メチル−２・２−スピ
ロピ（ベンゾ−〔〕−クロメン）などが使用され
ており、前記の顕色剤としては一般に酸性白土、
活性白土、アタパルジヤイト、ゼオライト、ベン
トナイトなどの固体酸を用いる方法とパラターシ
ヤリブチルフエノール樹脂、パラフエニルフエノ
ール樹脂などの各種フエノール樹脂、或いはコハ
ク酸、タンニン酸、マロン酸、マレイン酸、没食
子酸、などの有機酸化合物さらに安臭香酸、サリ
チル酸、置換サリチル酸、ナフトエ酸、ジフエン
酸などの芳香族カルボン酸又はそれらの金属化合
物などを用いる方法がある。 これら顕色剤のうち有機顕色剤のフエノール樹
脂を用いた顕色シートは発色が良く発色文字の退
色性も優れており一般に広く使用されているが日
光照射ならびに屋内における大気中の窒素酸化物
吸着による黄変が激しいという欠点がある。また
最近特公昭50−17888号公報の様にフエノール樹
脂と固体酸、特に活性白土とを併用することも行
なわれる様になつたが、この場合この様な顕色シ
ートはさらに黄変しやすいという欠点が目立ち改
良を要望されていた。 これらの欠点を改良するために酸化亜鉛、酸化
チタン、水酸化アルミニウムなどの顔料、紫外線
吸収剤、酸化防止剤などの添加剤は知られている
が充分ではなかつた。 従来よりノーカーボン複写紙用顕色剤シート用
の接着剤としてデンプン、ポリビニルアルコー
ル、アラビアゴムなどの水溶性の接着剤、スチレ
ンブタジエンラテツクス、アクリルラテツクスな
どのラテツクスなどが知られている。 またデンプンとしても特公昭41−16822号、同
46−4615号、同47−51736号、同50−16968号、同
50−16969号、同53−91267号に記載があり、特公
昭49−4053号、同49−10856号、特開昭50−
102413号、同53−95704号に記載されている酸化
デンプン、酵素化デンプン、尿素リン酸デンプ
ン、アルキル化デンプンなどの変性デンプン、又
特公昭42−20143号にはエーテル化デンプン、特
開昭53−111809号にはリン酸エステル化デンプン
などが公知となつている。 これらのデンプンは接着力、塗抹適性において
は欠点はあまりないが該顕色シートの黄変の欠点
を改良するために検討されたことはなく、また現
実に黄変抑制効果はほとんどないことが本発明者
らの研究により判明している。本発明者らが研究
した結果、従来顕色紙用には使用していなかつた
カチオンデンプンを含有させることによつて該顕
色シートの日光照射ならびに屋内における大気中
の窒素酸化物吸着による黄変を少くなくすること
を発見し本発明に至つた。 カチオンデンプンは紙加工用の内添用、サイズ
プレス用、コーテング用と多数市販されている。 その製造法及びその用途については例えばRoy
L.Whistier、Eugene F.Paschall“Starch
Chemistry and Technology”vo12 Academic
Press（米）、1967、p.403〜420〔ロイエル ウイ
ステイア、ユージーン エフ パーシヤル「スタ
ーチ ケミストリ アンド テクノロジイ」２巻
アカデミツク プレス、1967 P403〜420〕に記
載されている。 本発明のカチオンデンプンの含有量はフエノー
ル樹脂100重量部に対して50重量部以上であり特
に好ましくは80〜150重量部である。 本発明のカチオンデンプンは単独使用、ラテツ
クスとの併用、酸化デンプン及びラテツクスとの
併用、酸化デンプンとの併用でもその効果は何ら
影響を受けるものではない。 本発明に用いられるフエノール樹脂は、パラフ
エニルフエノール樹脂、パラターシヤリブチルフ
エノール樹脂、パラオクチルフエノール樹脂、パ
ラクロルフエノール樹脂、パラクミルフエノール
樹脂、及びその金属塩などがあるが特にパラフエ
ニルフエノール樹脂が発色濃度が高く好ましい。
活性白土は酸性白土あるいはこれに類似の粘土類
を鉱酸にて処理し、酸に可溶のアルミナ、鉄、そ
の他の塩基性成分を溶出してその表面積を200
m²／ｇ以上としたものであるが本発明に使用する
活性白土は亜鉛、マグネシウムなどの金属塩が混
合されていてもさしつかえない。 本発明には顔料として炭酸カルシウム、酸化亜
鉛、カオリン、クレー、活性白土等の無機顔料や
尿素−ホルマリン樹脂等の有機顔料を適当量含有
させる。 本発明のカチオンデンプンと併存できるラテツ
クスとしてはスチレンブタジエンラテツクス、酢
酸ビニルラテツクス、アクリルラテツクスなどあ
るが特に限定されるものではない。 本発明のカチオンデンプンは公知の分散剤、添
加剤や上記の顔料、フエノール樹脂、ラテツクス
と分散混合して塗液として紙の如き支持体に塗抹
され顕色シートとされる。 以下具体的な例について述べる。 尚発色剤塗抹紙は市販ノーカーボン複写紙上用
紙「三菱NCR紙上−40」を使用した。 〔ノーカーボン複写紙用顕色シートの製造〕 実施例 １ ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5部（重量部以
下も同様）を溶解した水溶液100部にカオリン
（エンゲルハード(株)社製、ウルトラホワイト−
90）を50部、炭酸カルシウム（白石工業(株)製、
PC）を50部を撹拌しながら除々に添加しよく分
散したのち10％カチオンデンプン（王子ナシヨナ
ル(株)製、CATO KOTE−485）を50部、スチレ
ンブタジエンラテツクス（ダウケミカル(株)製、ダ
ウ670）12部（固形分）を添加しよく分散したの
ち、パラフエニルフエノール樹脂分散液を10部
（固形分）添加しよく分散したのち20％カセイソ
ーダでPH9.0としてこれを塗液とした。この塗液
を40ｇ／m²の上質紙に塗抹量が７ｇ／m²（固形
分）となる様エアーナイフコーターで塗抹した。 実施例 ２ ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5部を溶解した
水溶液100部にカオリン（ウルトラホワイト−
90）50部、炭酸カルシウム（PC）を50部を撹拌
しながら除々に添加しよく分散したのち10％カチ
オンデンプン（CATO KOTE−458）を80部、
スチレンブタジエンラテツクス（ダウ670）を10
部（固形分）添加しよく分散したのち、パラフエ
ニルフエノール樹脂分散液を10部（固形分）添加
しよく分散したのち、20％カセイソーダでPHを
9.0としてこれを塗液とした。この塗液を40ｇ／
m²の上質紙に塗抹量が７ｇ／m²（固形分）となる
様、エアーナイフコーターで塗抹した。 実施例 ３ ビロリン酸ナトリウム0.5部を溶解した水溶液
100部に炭酸カルシウム（白石工業(株)製PX）を70
部、活性白土を30部を撹拌しながら除々に添加し
よく分散したのち10％カチオンデンプン
（CATO KOTE−485）150部、ブチレンブタジ
エンラテツクスを５部（固形分）添加しよく分散
したのち、パラフエニルフエノール樹脂分散液10
部（固形分）を添加しよく分散したのち20％カセ
イソーダでPHを9.0としてこれを塗液とした。こ
の塗液を40ｇ／m²の上質紙に塗抹量が７ｇ／m²
（固形分）となる様エアーナイフコーターで塗抹
した。 比較例 １ 実施例１のカチオンデンプン（CATO KOTE
−485）を酸化デンプン（日本食品(株)製、MS−
3800）に等量置き換えた以外は実施例１と同様に
作成した。 比較例 ２ 実施例２のカチオンデンプン（CATO KOTE
−485）をエーテル化デンプン（松谷化学(株)製、
ユニークガムＡ＃1500）に等量置き換えた以外は
実施例２と同様に作成した。 比較例 ３ 実施例３のカチオンデンプン（CATO KOTE
−485）をリン酸エステル化デンプン（日本食品
(株)製、MS−4600）に等量置き換えた以外は実施
例３と同様に作成した。 〔実験結果〕 上記実施例及び比較例で得られた顕色紙を前記
発色紙と合わせて96Kg／cmの圧力でカレンダーを
通して発色させ下記の値を測定した。 Γ発色濃度 ＝発色部の反射率／白紙部の反射率×100 （カレンダー通したのち１時間後） Γ日光による顕色紙の黄変性 屋外で直射日光に７時間照射処理したのち日本
電色測色色差計にてブルーフイルターで測定し
た。数値が高い程黄変が少ないことを表わしてい
る。 Γ窒素酸化物による顕色紙の黄変性 150ppmの窒素酸化物を含む容器中へ顕色紙を
30分放置したのちに日本電色測色色差計にてブル
ーフイルターで測定した。数値が高い程黄変が少
ないことを表わしている。

【表】 上記表から、本発明になるカチオンデンプンを
含有させたノーカーボン複写紙用顕色シートは発
色濃度を維持しながら日光及び窒素酸化物による
黄変防止効果が顕著に認められる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 顕色剤として少くともフエノール樹脂を含む
   ノーカーボン複写紙用顕色シートにおいて接着剤
   としてカチオンデンプンを含有させることを特徴
   とするノーカーボン複写紙用顕色シート。 ２ 顕色剤としてフエノール樹脂に活性白土を併
   存させる特許請求の範囲第１項記載のノーカーボ
   ン複写紙用顕色シート。 ３ カチオンデンプンをフエノール樹脂100重量
   部に対して50重量部以上含有する特許請求の範囲
   第１項又は第２項記載のノーカーボン複写紙用顕
   色シート。