JPS6245954B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アースドリル工法によつて拡底杭を
施工する場合の拡底部の掘削装置に関するもので
ある。

従来の拡底杭は、第１図に示すように、基本径
φｄの杭１の下部に形成される拡底部１ａを、基
本径φｄから拡底部径φＤまで傾斜角αをもつて
拡大されたテーパ部１ｂと、該テーパ部１ｂと底
面部外周との間に寸法ｌの範囲にわたつて形成さ
れた垂直立上り部１ｃと、底面の全面に下方に向
つて突出された円錐部１ｄとから構成されてい
る。

ところで、このような杭孔は、第２図に示すよ
うに、ケリーバ２によつて支持されて回転するア
ースドリルバケツトによつて基本径φｄの堅孔を
掘削した後、第３図および第４図に示すような拡
底バケツト４を用いて拡底部が掘削される。すな
わち、拡底バケツト４は、掘削刃５を有する拡大
翼６を円筒状のケース７の開口部７ａに蝶番８に
よつて取付けたもので、これを前記基本径φｄの
堅孔の底部に挿入し、拡大翼６を拡大しつつ拡底
孔を掘削する。

この場合、拡底バケツト４の拡大翼６の底辺６
ａは、第４図のように最も開いた状態において底
蓋９の先端傾斜拡底βと一致するように傾斜して
おり、また、拡大翼６の傾斜翼部６ｂをバケツト
回転方向に見たときの垂直線に対する角度は、前
記拡大傾斜角αをなし、かつ拡大翼の垂直翼部６
ｃの高さ寸法は前記垂直立上り部１ｃの寸法ｌと
等しい。

このような従来の拡底バケツトによつて拡底孔
を掘削すると次のような問題がある。すなわち、
第５図ａ，ｂ，ｃに示すように、土砂を抗底バケ
ツト４に取込みながら順次閉じていくと、拡大翼
６の底辺６ａと拡底部の底面との間に隙間が生
じ、このため拡底部の傾斜部分に位置する土砂１
０が取り残されてしまい、このままでは杭の信頼
性が著るしく低下する。

このような点を改善するため、本発明者は、先
に第６図に示す拡底杭およびその施工用拡底バケ
ツトを発明した。

この拡底杭は、杭の最下部に形成される拡底部
１ａが、杭の基本径φｄから拡底部径φＤに至る
まで次第に拡大されたテーパ部１ｂと、杭の底面
部の外周と前記テーパ部との間に形成された垂直
立上り部１ｃと、杭の底面部の中央に形成され頂
点が杭の中心に一致する下方に凸の円錐形部１d₁
と、該円錐形部から底面外周部にわたつて形成さ
れた平坦な水平面部１d₂とによつて構成されてい
る。なお、前記円錐形部１d₁の径は基本径φｄと
ほぼ等しい。

このような拡底部を掘削するための拡大翼の底
辺は水平であるから、拡大翼を閉じると、その前
部にある土砂をかき寄せるようにしてバケツト内
に土砂を格納することができるのであるが、これ
を実験すると、拡大翼の底辺を水平にしただけで
は掘削土をバケツト内に取り込む点で未だ不十分
であることが判明した。すなわち、掘削初期であ
ればバケツト内に土砂を導くことはできるが、拡
大翼を閉じる際にはすでにバケツト内に土砂が入
つているので、その土砂を押しのけて新たに掘削
された土砂をバケツト内に導くまでには至らず、
掘削土砂が残存することとなる。

また、前記の如く、バケツト内に取込まれた土
砂が新たに掘削された土砂取込みの邪魔をするの
で、新たに掘削された土砂は拡大翼の前にどんど
んたまることとなり、これがさらに掘削抵抗とな
つて遂には掘削不能となる。このため、わずかな
掘削で地上に引上げねばならず、作業能率の低下
を招いていた。

本発明の目的は、前記の如き従来技術の問題点
を改善し、拡底部分の土砂を確実に、かつ、きれ
いに取込むことができるアースドリル工法による
拡底部の掘削装置を提供せんとするものである。

本発明は、前記の如き目的を達成せんがため、
拡大翼の下部に、該拡大翼を最大に開いた時ケー
スに達する土砂案内壁を設けると共に、その土砂
案内壁を含む拡大翼の底辺部を水平としてその底
辺部が掘削作業時と閉じ動作時との何れも同じ軌
跡をたどつて掘削底面との間に隙間が生じない構
成とし、さらに拡大翼の前面の土砂をケース内に
取込むスクレーパを前記拡大翼および土砂案内壁
に対向して配設し、前記土砂案内壁により掘削土
砂をケース内に誘導すると共に、前記スクレーパ
により拡大翼の前面の土砂を強制的にケース内に
取込むようにしたことを特徴とする。

また、本発明は、前記スクレーパを、拡大翼の
開閉と連動して開閉される主スクレーパと、その
先端に起伏自在に取付けた補スクレーパとにより
構成し、掘削時に前記補スクレーパが倒伏して土
砂の取込口をあけ、拡大翼を閉じる際に土砂の抵
抗により補スクレーパを起立させて拡底部の内周
壁に接する土砂まで取り込めるようにしたことを
特徴とする。

以下、第７図乃至第１４図にもとづいて本発明
の実施の一例を説明する。

これらの図において、１１は本発明による拡底
バケツトを示し、その上端のフランジ１１ａをフ
ランジ１２ａに接続することによりスラビライザ
１２と連結し、かつ該スタビライザの上端中央に
はケリーバ２と連結される角穴ボス１２ｂを有す
る。１３はフレーム、１４は下面を閉口させたケ
ースであつて、その下面開口部に蝶番１５により
底壁１６を開閉自在に取付ける。この底蓋１６は
下方に凸の円錐形状をなし、第１３図および第１
４図に示すように、その円錐形部分に鉛直方向の
掘削は不能であるが、拡底部掘削面の底ざらいが
行えるエツジ１６ａおよび開口部１６ｂを設け、
該開口部にはエツジ１６ａと反対側の開口縁部に
沿つて設けられた蝶番１７により土砂流出防止用
の弁板１８が開閉自在に取付けられている。ま
た、この底蓋１６は、前記蝶番１５と、この蝶番
１５の反対側に設けられた係止装置１９とにより
閉じた状態を保持され、係止装置１９の係合を解
くことにより、第９図に鎖線で示すように蝶番１
５を中心として下方に開くことができるようにす
る。

拡大翼２０は、ケース１４の側面部に設けられ
た複数個（実施例においては２個）の開口部１４
ａが開閉されるようにフレーム１３に垂直に設け
られた蝶番２１により取付けられている。この拡
大翼には、杭１のテーパ部１ｂおよび垂直立上り
部１ｃを掘削する複数個のカツタ２２が取付けら
れており、かつ該カツタは、杭中心より離れた部
分を掘削するものほど蝶番２１より離れた位置に
取付けられている。従つて、拡大翼２０の上端は
蝶番２１の位置に近くなると共に、垂直立上り部
１ｃを掘削する部分を除いて傾斜した構造になつ
ている。このため、掘削したときテーパ部１ｂが
太鼓状にならないように、拡大翼２０のカツタ２
２は掘削方向に対し、僅かに凸に配列されている
（第１０図参照）。また、垂直立上り部１ｃを掘削
するカツタのうち、最下段のカツタ２２′は、土
砂の取りこぼしを防ぐことを考慮して、他のカツ
タ２２の２〜３個分のカツタ幅としてある。

前記拡大翼２０には、その下部に拡大翼と一体
構造をなす土砂案内壁２０ａが設けられており、
この土砂案内壁２０ａは、拡大翼２０の回動中心
である蝶番２１からの距離を曲率半径とする円弧
状をなしている。ここで、蝶番２１が掘削回転方
向に対し、土砂案内壁２０ａより先行する位置に
あるため、掘削された土砂が円弧に沿つてスムー
ズにケース１４内に収納されることになる。

そして、この土砂案内壁２０ａを含めた拡大翼
２０の底辺部２０ｂは、第７図および第９図に示
すように水平状に形成されていて、拡底部の掘削
部の掘削面が水平となるようになつており、蝶番
２１が垂直でかつ底辺部２０ｂが水平をなすこと
から、拡大翼１２を閉じるときには底辺部２０ｂ
は掘削作業時と同じ軌跡をたどつて掘削面との間
に隙間が生じないように構成されている。また拡
大翼２０の底辺部２０ｂにはカツタは取りつけら
れてなく、摩耗を防ぐ耐摩耗材が溶着されている
だけである。従つて拡底部の底ざらいの機能のみ
で、鉛直方向の掘進はできないようになつてお
り、拡底杭の形状を正しく形成できるようになつ
ている。なお、２３は拡大翼２０の開閉用油圧シ
リンダー、２４は２つのシリンダーを同期させる
ためのイコライザリンク、２５は拡大翼の回転角
検出計である。この回転角検出計は、フレーム１
３に固定され、回転軸がイコライザリンク２４の
回転軸と連結されているため、拡大翼２０の開閉
に伴つて回動するイコライザリンク２４の回転角
を検出することができ、このことから拡大翼２０
の開閉状態を検知するものである。また回転角検
出計２５はバケツトの中心部に位置し、周囲をフ
レーム１３で囲まれて孔壁面からの礫の落下等か
ら保護されている。

２６は前記土砂案内壁２０ａと対向するように
ケース１４に対し、蝶番２７により開閉自在に取
付けた円弧状をなす主スクレーパであつて、その
自由端側にピン２８を介して補スクレーパ２６ａ
を起伏自在に取付け、かつ、この補スクレーパ２
６ａは必要に応じピン２８の引抜きあるいは挿入
することにより主スクレーパ２６に対し、着脱し
得るようにする。また、この主スクレーパ２６及
び補スクレーパ２６ａの上部は開放されており、
拡底部のテーパ部１ｂを拡大翼２０によつて掘削
した際、掘削土砂の大半が直接スクレーパ内に落
下して取り込まれるようになつている。またこの
主スクレーパ２６は、前記土砂案内壁２０ａとリ
ンク２９およびピン３０，３１を介して連結され
ていて、拡大翼２０の開閉に連動して開閉するよ
うに構成されている。この場合、リンク２９の主
スクレーパ側のピン孔３１ａは第１１図および第
１２図に示す如く長孔とし、拡大翼２０を開いて
拡底部を掘削する際、その長孔の範囲内において
主スクレーパ２６が内側に倒れ込んで主スクレー
パ２６の先端と拡大翼２０との間に土砂取込用の
空間Ｇが形成されるようにする。なお、蝶番２７
の位置を蝶番２１の位置に合わせれば、拡大翼２
０の開閉状態にかかわりなく、土砂取込用の空間
Ｇは一定となる。従つて、拡大翼２０を閉じる過
程において、拡大翼２０とスクレーパとの間で礫
がはさまつても、はさまつた状態で拡大翼２０を
閉じることができ、拡大翼２０が閉じられなくな
ることはない。

またスクレーパの底辺部も拡大翼２０と同様に
水平状に形成されており、蝶番２７が垂直である
ことから、スクレーパ２６，２６ａを閉じる時に
は底辺部は掘削作業時と同じ軌跡をたどつて掘削
面との間に隙間が生じないよう構成されている。

本発明の拡底部掘削装置は上記の如く構成され
ているので、以下述べるように、土砂案内壁２０
ａとスクレーパ２６，２６ａとの協動により掘削
土砂を強制的にバケツト内に取り込むことができ
る。

すなわち、基本径φｄの部分をバケツト３で掘
削して所望の深度まで達したら、バケツト３を地
上に引き上げ、該バケツトを取外して本発明の拡
底バケツト１１に着けかえて拡底深度まで降下さ
せる。このとき、油圧シリンダ２３は縮小されて
いるので、第１１図に示すように拡大翼２０およ
びその下端の土砂案内壁２０ａはケース１４内に
引き込まれており、かつ、主、補スクレーパ２
６，２６ａは閉じている。

この状態で、先ず拡底バケツト１１を回転させ
てバケツト３によつて掘削された杭孔の底部にあ
る土砂などをエツジ１６ａによつてすくい取つて
底面を整形する。この時、一旦ケース１４内に入
つた土砂は弁板１８によつて流出が防止される。
次に、拡底バケツト１１を回転させながら油圧シ
リンダ２３を伸張させて拡大翼２０を蝶番２１を
中心として回動させて外方向に少しずつ開く。こ
の時２つの拡大翼２０に作用する掘削時の付加が
異つた場合、それぞれに取付けられた油圧シリン
ダ２３の伸縮が異なる。このため心振れが生じ、
正しい拡底杭が形成されない問題が発生するが、
２つの拡大翼２０はイコライザリンク２４で連結
されているため、互いにアンバランスな負荷を負
担しあつて、常に同じ開閉状態となり、心振れは
生じない。この際イコライザリンク２４の回転中
心部に取付けた回転角検出計２５により拡大翼２
０の開閉量が検出される。また、拡大翼２０の回
動と共に土砂案内壁２０ａもケースから引き出さ
れ、同時に、主スクレーパ２６も開いて第１２図
に示すように主スクレーパ２６の先端と拡大翼の
先端との間に土砂流入用の空間Ｇが形成され、拡
底バケツトの回転により掘削土砂は相対的に破線
矢印で示すように動き、拡大翼２０および土砂案
内壁２０ａによつて案内されてケース１４内に取
り込まれる。このとき、流入する土砂によつて補
スクレーパ２６ａは図示の如く倒れて土砂取入れ
口を一層開くが、必要に応じ、この拡底段階では
ピン２８を引き抜いて補スクレーパ２６ａを取り
外しておいてもよい。

また、拡底部のテーパ部１ｂを掘削した際、掘
削土砂は下方に落下するが、丁度テーパ部１ｂを
掘削するカツタ２２の真下に上部が開放された主
スクレーパ２６ａが位置しているため、この中に
大半が落下する。また主スクレーパ２６、補スク
レーパ２６ａ共前述したように底辺部が拡底部の
掘削面と離れることなく閉じることができるの
で、さしずめ、ケース１４が拡大されたに等し
く、テーパ部１ｂの掘削土砂はケース１４内に直
接取り込まれたに等しいと考えることができる。
従つて拡大翼２０の前面にたまる土砂は、テーパ
部１ｂの掘削土砂のスクレーパの外側に落ちこぼ
れた僅かの土砂と、垂直立上り部１ｃを掘削した
土砂に限られることになる。

かくして、拡大翼２０および土砂案内壁２０ａ
によつて案内されてケース１４内に取り込まれる
土砂は、土砂案内壁２０ａが拡大翼の回動中心か
らの距離を曲率半径とする円弧状をなしているか
ら、きわめて円滑にケース１４内に誘導される。
また、このとき、土砂案内壁２０ａを含めた拡大
翼２０の底辺部２０ｂは水平であり、かつ、蝶番
２１が垂直であることから、拡底部の掘削面は水
平となり、さらに、底蓋１６が下方に突出した円
錐形であるから、回転中心が一定に保たれて心振
れを防ぐことができる。

そして、拡底バケツト１１に土砂がほぼ充満し
た段階で拡底バケツト１１を回転させ乍ら、油圧
シリンダ２３を次第に縮小させて拡大翼２０を閉
じていくと、前記の如くして拡大翼２０および土
砂案内壁２０ａによつてその前面にある土砂をケ
ースに向つて誘導しつつその土砂の抵抗によつて
補スクレーパ２６ａが第１４図の如く自動的に起
立し、かくして拡大翼２０および土砂案内壁２０
ａとスクレーパ２６，２６ａとの間にある土砂を
抱き込んで掘削土砂のすべてをケース１４内に強
制的に取り込むことができる。すなわち、拡大翼
２０の先端部の拡底部内周壁に接する位置にある
僅かの土砂は補スクレーパ２６が起立した際取り
のこされるが、これをケース１４に収納するに
は、バケツト１１の回転を止め、まず停止状態で
拡大翼２０を閉じることによつて拡大翼２０の前
面にある土砂の大半をケース内に強制的に取り込
む。次に同じく停止状態で拡大翼２０を拡底部の
内周壁に接する位置まで拡げる。この結果、拡大
翼２０の前面の掘削土砂は拡大翼２０の先端部の
土砂を除いて除去された状態となる。次にバケツ
ト１１を回転させると、拡大翼２０の先端部の土
砂は拡大翼２０の前面の土砂がすでに取り除かれ
ているため、容易に拡大翼２０の円弧状の土砂案
内壁２０ａに導かれ、補スクレーパ２６によつて
ケース１４に強制的に取り込める位置まで移動す
る。そして拡大翼２０を閉じることによつて、補
スクレーパ２６で外部に取り逃がすことなく、す
べてケース１４に取り込めるのである。

また、土砂案内壁２０ａが拡大翼の回転中心か
らの距離を曲率半径とする円弧状をなしているか
ら、拡大翼を閉じていく時、ケース１４内に収納
されている掘削土砂を土砂案内壁２０ａの先端部
がかきわけて行つた同じ軌跡を土砂案内壁２０ａ
の他の部分がたどることになり、ケース内に拡大
翼を格納する際の掘削土砂による抵抗がきわめて
少なくてすむ。

次に、前記の如くして掘削土砂を取り込んだ拡
底バケツト１１を地上に引き上げ、係止装置１９
の係合を解くことにより蝶番１５を中心として底
蓋１６を第９図の仮想線で示すように開放し、拡
底バケツト１１内の土砂を排出する。このような
操作を拡底部の掘削の全工程について何回かに分
けて行ない、その後鉄筋を挿入し、コンクリート
を打設することにより拡底杭を施工する。

以上述べたように、本発明の拡底杭掘削装置
は、拡大翼およびこれと一体構造をなす土砂案内
壁の底面部が水平をなし、かつ拡大翼を閉じると
きは掘削時と同じ軌跡をたどつて掘削底面との間
に隙間をあけずに閉じられる構成とし、さらに、
その拡大翼の前面の土砂をケース内に取込むスク
レーパを前記拡大翼および土砂案内壁と対向して
設けたので、拡大翼を閉じる際にスクレーパと拡
大翼および土砂案内壁との協働によつて掘削土砂
を抱き込んで掘削土砂を強制的にしかもきれいに
余すことなくバケツト内に取り込むことができ
る。このように、本発明によれば、アースドリル
工法では従来不可能とされていた杭孔底の土砂の
排出をほぼ完全に行なうことができ、従つて、杭
の信頼性を顕著に高めることができる。

また、本発明によれば、前記の如くして掘削土
砂を強制的にバケツト内に取り込むことができる
ので、従来のようにわずかな掘削で地上に引き上
げることなく、バケツト内がほぼ満杯になるまで
拡底掘削を行なうことができ、このため、作業能
率を顕著に向上させることができる。

さらに、本発明は、前記スクレーパを、拡大翼
の開閉と連動して開閉する主スクレーパと、その
先端に起伏自在に取付けた補スクレーパとにより
構成したので、掘削時に補スクレーパが倒伏して
土砂取込口をあけ、拡大翼を閉じる際には土砂の
抵抗により補スクレーパを起立させてその補スク
レーパにより２度の拡大翼開閉操作によつて拡底
部の内周壁に接する土砂まで抱き込んで拡底部の
掘削土砂をほぼ完全に取り込むことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の拡底杭の側面図、第２図は基本
径の部分を公知のアースドリルバケツトで掘削す
る状態を示す断面図、第３図は従来の拡底バケツ
トを示す斜視図、第４図は第３図に示すバケツト
の断面図、第５図ａ，ｂ，ｃは従来の拡底バケツ
トでは土砂の取り残しが生ずることの説明図であ
る。第６図は本発明者が先に提案した拡底杭の一
例を示す側面図、第７図乃至第１４図は本発明に
よる拡底部掘削装置の一実施例を示すもので、第
７図は掘削時の概要を示す説明図、第８図は拡大
翼を開いた状態の斜視図、第９図は拡大翼を閉じ
た状態の側面図、第１０図は第９図の−線に
そう矢視図、第１１図は第９図の−線にそう
断面図、第１２図は拡底部掘削時の第１１図と同
様の断面図、第１３図は第１２図の−線にそ
う拡大断面図、第１４図は掘削終了後拡大翼を閉
じている状態の説明用断面図である。 １ａ……拡底部、１ｂ……テーパ部、１ｃ……
垂直立上り部、１d₁……円錐形部、１d₂……水平
面部、１１……本発明による抗底バケツト、１３
……フレーム、１４……ケース、１６……底蓋、
１６ａ……エツジ、１７……蝶番、１８……弁
板、２０……拡大翼、２０ａ……土砂案内壁、２
１……拡大翼の蝶番、２２……カツタ、２３……
拡大翼開閉用油圧シリンダ、２６……主スクレー
パ、２６ａ……補スクレーパ、２７……スクレー
パの蝶番、２９……リンク、３０，３１……ピ
ン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ケリーバに連結されて回転される下面開口の
   ケースと、該ケースの底部に蝶番により開閉可能
   に取付けられると共に下方に凸の円錐形状をなす
   底蓋と、ケースの側面部に設けられた開口部を開
   閉する該拡大翼と、該拡大翼を開閉させる手段と
   を備えた拡底杭の拡底部掘削装置において、前記
   拡大翼の下部に、該拡大翼を最大に開いた時ケー
   スに達する土砂案内壁を設けると共に、その土砂
   案内壁を含む拡大翼の底辺部を水平としてその底
   辺部が掘削作業時と閉じ動作時との何れも同じ軌
   跡をたどつて掘削底面との間に隙間が生じない構
   成とし、さらに拡大翼の前面の土砂をケース内に
   取込むスクレーパを前記拡大翼および土砂案内壁
   に対向して配設し、前記土砂案内壁により掘削土
   砂をケース内に誘導すると共に、前記スクレーパ
   により拡大翼の前面の土砂を強制的にケース内に
   取込むようにしたことを特徴とするアースドリル
   工法による拡底杭の拡底部掘削装置。 ２ 前記拡大翼とスクレーパとを運動せしめ、拡
   大翼を閉じる際に前記スクレーパにより拡大翼の
   前面の土砂を抱き込み、前記拡大翼および土砂案
   内壁とスクレーパとの協動により掘削土砂を強制
   的にケース内に取込むようにしたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載のアースドリル工
   法による拡底杭の拡底部掘削装置。 ３ 前記土砂案内壁を、拡大翼の回動中心からの
   距離を曲率半径とする円弧状として、掘削土砂を
   ケース内へ導きやすくすると共に、拡大翼を収納
   する際取込んだ土砂による抵抗を少なくしたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のアー
   スドリル工法による拡底杭の拡底部掘削装置。 ４ 拡大翼の回動中心とスクレーパの回動中心と
   を一致せしめ、拡大翼の開閉状態にかかわりなく
   土砂取込用の空間を一定にしたことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載のアースドリル工法
   による拡底杭の拡底部掘削装置。 ５ 前記スクレーパを、拡大翼の開閉と連動して
   開閉される主スクレーパと、その先端に起伏自在
   に取付けた補スクレーパとにより構成し、掘削時
   に前記補スクレーパが倒伏して土砂の取込口をあ
   け、拡大翼を閉じる際に土砂の抵抗により補スク
   レーパを起立させて拡底部の内周壁に接する土砂
   まで取り込めるようにしたことを特徴とするアー
   スドリル工法による拡底杭の拡底部掘削装置。