JPS6245412B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、力の伝達を行つたり、軸方向及びね
じり方向力を支えたりするのに特に有効な改良回
転要素に関する。

回転体乃至は駆動軸等の力の伝達用の通常の回
転要素は、耐久性の観点よりして一般に金属より
作る。最近、特に乗物では、回転要素の重量を減
少させてこれらの回転要素の駆動時の燃料効率を
増大させることに関心が払われている。それ故
に、回転体乃至は駆動軸を燃料効率の見地からよ
り軽量な構造にすることに多大な注意が向けられ
る。しかしながら、回転体や駆動軸の構造を軽量
化するのみでなくより軸方向で剛直化することに
よつて、現在金属で使用可能以上の限界速度環境
で使用することが可能となる。

これまで軽量駆動軸を製造するため種々の試み
が行われていた。例えば、金属管をらせん状に巻
回したフイラメントで強化し、これに次にエポキ
シ等の樹脂で充填して、金属部分と、連続フイラ
メント巻回物で強化したプラスチツク部分とより
成る複合構造体を形成する技術が知られている。
この種の複合構造体は高い周囲速度に耐えられる
が、しかし他の欠陥を伴うものである。例えば、
かかるらせん巻回ロータは駆動軸として使用する
には軸方向剛さが不十分である。

継続中の1977年５月27日の出願に係る第801028
号は繊維強化樹脂と筒状金属軸とから成る回転体
乃至は駆動軸に所要の特性を与えることを企図し
たものであつて、二個の必須な負荷担持物質即ち
金属と繊維とを捩り及び曲げ負荷の吸収及び伝達
が調和して行われるように組合せて成るものであ
る。必然的に上記特許出願に開示した捩り及び曲
げ負荷を伝達するための改良筒状複合体では軸的
な負荷は単一方向に強化した繊維フイラメントに
よつて予め生じせしめられている。これらの繊維
フイラメントは樹脂マトリツクス中に埋め込まれ
ている。初期捩り負荷は金属管によつて生じせし
められている。金属と繊維は複合構造体を構成し
ていて、その中で繊維は、所定配向角度で配置さ
れていて繊維強化樹脂の物性と金属管の物性との
有意差例えば金属管の膨脹係数と繊維強化樹脂中
の繊維の膨脹係数との差を補償するようになつて
いる。即ち上記特許出願では、好ましくはアルミ
ニユーム製の金属筒状芯を備え、その外面に構造
金属層を粘着させた筒状複合構造体が記載されて
いる。構造粘着層に、単一方向強化繊維特に炭素
乃至は黒鉛繊維を充填した樹脂層と、ガラス繊維
布帛ととを交互に配置させている。この際、先ず
ガラス織布帛層があつてその次に連続単一方向強
化繊維の樹脂充填層があつて、以後これを繰返す
ようになつている。そして、最後は、連続単一方
向強化繊維を樹脂充填した最終層となつている。
樹脂充填した連続単一方向強化繊維の各連続層は
金属管の長手方向軸線に対し約５゜乃至20゜のか
つ次の前の層に対して反対の角度をなしている。
かかる筒は金属芯の廻りに全体として四角状の繊
維強化材積層板を包囲させて作られ、かくして金
属芯の表面上に均一な厚みの繊維強化樹脂を備え
た実質上筒状の複合軸が得られる。

しかし、今日、ねじりや曲げ負荷の伝達に関し
必要な物理的特性を達成するには複合筒状軸はそ
の長さ方向に沿い均一な厚みを持つべきないこと
が明らかとなつてきた。むしろ、最大量の繊維強
化樹脂は複合筒状体の中心部に必要でより少量の
強化剤はその端部に必要である。

かくして、一般的に言つて、本発明はねじりや
曲げ負荷の伝達用の改善した筒状複合体であつ
て、好ましくはアルミニユームから形成した金属
筒状芯を備え、その芯の外面に構造用金属粘着剤
層を有したものを提供している。構造用粘着層の
上に樹脂充填単一方向強化繊維特に炭素乃至は黒
鉛繊維と、ガラス繊維織布とが交互に積層され、
その際先ずガラス繊維織布が次に樹脂充填単一方
向強化繊維が、連続交互に最後に樹脂充填連続単
一方向強化繊維が来るようになつている。各樹脂
充填連続単一方向繊維層中の繊維は金属芯の長手
方向軸線に対し５゜乃至20゜でかつ次の前の層と
は反対の角度を有している。ガラス繊維織布中の
繊維は金属芯の長手方向軸線に対し０゜及び90゜
をなしている。最も重要なことは、筒状芯の長さ
方向に沿う層の数は、壁厚が軸の中心部で最大と
なるよう、変化されていることである。

本発明の上記目的及び他の目的は図面を参照し
た以下の記載より明らかとなろう。

図面を参照すると、全ての図について同一部品
は同一部品を表わす。

本発明の駆動軸は、第１図に示す如く筒状中空
管の形状を持つた金属芯２５を備える。駆動軸に
必要な強度及び重量を持たせるために、芯２５は
アルミニユーム合金2024，7075，7078，6061等か
ら作ると好ましい。これらの数値表示はユー．エ
ス．アロイコンポジシヨン（U.S.Alloy
Composition）によるものである。これらの合金
はＴ−６の硬度を持つようにするのが特に好まし
い。前記の成分及び硬度を備えたアルミニユーム
合金は取引の対象となつているもので簡単に入手
でき、肉厚ビレツトから所定寸法にするための標
準の加工技術例えば引き抜きや押出しによつて筒
状体に成形する。

本発明の複合筒状部材を製造する場合、金属芯
２５を完全に清浄にすることが肝要である。表面
が多少でも汚染を受けることを避けるため、金属
芯２５の最終的な洗浄はアルコールやクロロフル
オルカーボン等の物質によつて行い、潤滑剤やブ
リース等の痕跡を除くようにする。

本発明の金属芯２５は、樹脂充填の連続単一方
向的ガラスの外装物と、芯２５にこれと一体にな
るように接着されるガラス繊維布とによつて被覆
されている。この樹脂充填繊維材料のシートは実
際には種々の材料の層から作られる。しかしなが
ら、実際的に好ましいのは、二層の繊維強化樹脂
シート材を、これらに含有される樹脂をキユアリ
ング（curing）することによつて、最終的に相互
に接合させることである。

複合筒状部材を製造する際に、先ず、実質上同
様のパターンの多数の個々の薄板を正しい順序で
組み合せることによつて一つの積層板を用意す
る。例えば番号２６で示す薄板を、高分子樹脂充
填した単一方向的連続繊維強化繊維の板から切出
す。このような繊維強化板中の繊維は炭素乃至は
黒鉛繊維とするのが好ましい。尚、便宜上これら
の繊維のうち黒鉛繊維について以後は言及する。
図に示すように、この薄板２６は所定のパターン
に切断している。そして、その長さは、最終的な
複合筒状要素中の繊維強化層の軸方向長さより僅
かに長くなつている。この僅かの超過寸法にする
理由は製造の容易化のためで、このことは以下の
説明によつて明白となろう。第１，２図に示すよ
うに、積層板即ち各薄板の好ましい幾何学的パタ
ーン（番号１０でその全体を示す）は基部から外
方に延びる端部垂片２８及び３０を形成した実質
状三角形とする。これらの垂片（タブ）２８及び
３０の幅は筒状芯２５の外周の約２倍となつてお
りこの結果芯２５の廻りに積層材料を実質上完全
に２回巻回することができる。三角形の頂点から
その基部に向け測定した繊維充填シート材の幅は
金属芯２５の周囲の複数回の巻回のため分割でき
るに十分なものとする。好ましくは繊維充填シー
ト材の幅は金属管２６の周長の約６倍に等しくす
る。

第３，４図に示すように交互のパターンを積層
板、最終的には複合ロータを製造するのに採用で
きる。実際、各薄板は所定のパターンに切断で
き、又はこの所定のパターンは異つた幾何学的形
状を組合せることによつて実現できる。第２図に
示すパターン１０は交互に切断・配置した矩形及
び三角形を組合せることによつて得られる。第３
図のパターン１１は、多数の矩形を順次僅かに短
くなるように配置して得られる。第４図は台形と
矩形とを組合せて番号１２で示すようなパターン
が得られる。

薄板２６について再び言及すると、この薄板２
６の黒鉛繊維２２を充填する樹脂材料を熱硬化性
樹脂である。実際、全ての樹脂充填薄板中の樹脂
は熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂として適当
なものはエポキシやポリエステル樹脂がある。

エポキシ乃至はポリエポキサイドは良く知られ
た縮合物であり、オキシレン環を含んだ化合物
と、例えばアミンやアルデヒド等の水酸基若しく
は活性水素原子を含んだ化合物とより成るもので
ある。最も普通のエポキシ樹脂化合物はエピクロ
ルヒデリンやビスフエノールやそのホモログであ
る。

ポリエステル樹脂は、例えばポリエチレンテレ
フタレート等の多塩基酸と多価アルコールとの縮
合物である。

良く知られているように、これらの熱硬化樹脂
は例えば固化剤等の改質剤を含有する。これらの
混合物の形成は本発明の一部を構成しない。実際
上、好ましい改質エポキシ樹脂充填黒鉛繊維が市
販品となつている。例えば、改質エポキシ前置充
填黒鉛繊維がニユーヨーク州、ニユーヨークのナ
ルムコデイビイジヨンオブセラニース社
（Narmco Division of Celanese Corporation，
New York、N.Y.）によつてRigidite 5209及び
Rigidite 5213の商標名で販売されている。樹脂
前置充填黒鉛繊維の他の販売元も知られている。

一般的に言つて、樹脂充填シート材２６は約
0.0178〜0.0254cm（0.007〜0.01in）の厚みを有
し、熱硬化樹脂マトリツクス中に約50容積％〜60
容積％の黒鉛繊維を含有する。好ましくは、本発
明に使用するシート材２６はエポキシ樹脂マトリ
ツクス中に54乃至58体積％の連続単一方向的黒鉛
繊維を含ませる。そして、黒鉛繊維はヤング率に
ついては30×10⁶乃至50×10⁶psiの範囲、又引張
強度については約200000乃至400000psiの範囲の
ものが特に好ましい。

再び図面を参照すると、番号２４及び２７でそ
の全体を指すガラス繊維織布層若しくは薄板が設
けられている。これらの製織したガラス布として
の薄板２４及び２７は樹脂充填繊維強化薄２６と
同一の寸法及び幾何学的パターンを持つている。
ガラス繊維織板２４及び２７は約0.00254〜
0.00508cm（0.001〜0.002in）の厚みを有してお
り、ガラス織布、好ましくはフアイバグラススク
リムとして取引上は知られたフアイバグラス布と
する。特に有効なフアイバグラススクリムはニユ
ーヨーク州、ニユーヨークにあるBurlington
Glass Fabrics社によつて販売されているstile
107である。図示の如く、フアイバグラス織布に
おける繊維２１は板材２４及び２７の主長手方向
軸線に対し０゜及び90゜と角度をなしている。

第１図の切開きのところから明らかなように薄
板２６中の単一方向黒鉛繊維はこの層２６の長手
方向軸線に対し特定の所定角度θ_１の向きをなし
ている。次の、樹脂充填単一方向連続黒鉛繊維層
即ち層２８では、この単一方向黒鉛繊維はこの層
２８の長手方向軸線に対し負の所定の特定角度θ
_２の向きをなす。好ましくは、この角度は、第一
の層２６中の繊維の配向角度と同一の大きさであ
るが付号は反対である。

複合軸を製作するに際し、樹脂で充填した連続
黒鉛織繊維布の多数層は貯蔵材料から所定の平坦
パターンに切出される。各層は同一寸法及び形に
切断される。上記のように、タブ２８及び３０の
端部の縁は筒状金属芯２５の廻りに完全に少くと
も２回巻けるに十分な幅とする。更に、前に述べ
たように、主軸は一般的には軸の所定長で決定さ
れ、好ましくは、主軸は、最終的な複合筒状要素
の長手方向長より僅かに長くなつている。

板材の種々の層が交互に配置されている。例え
ば底部は樹脂充填黒鉛繊維層にし、これに引続く
層はガラス繊維層とし、これの上に別の樹脂充填
黒鉛繊維層を形成し、これに引続き他のガラス繊
維層にするという具合である。第１図には、例え
ば、ガラス繊維層２４及び２７並びに黒鉛繊維層
が交互配置されている。

樹脂充填単一方向的強化繊維の各連続層では、
強化繊維はその層の主軸に対して所定の角度方向
をなしている点に注意すべきである。一般的に
は、この配向角度は５乃至20度の範囲、好ましく
は約10度である。樹脂充填黒鉛板材の各連続層に
おける黒鉛繊維の配向角度は同一の大きさとしか
つ次の層のそれとは反対とするのが特に好まし
い。故に、第１図について述べれば、長さ方向に
対し板２６中の繊維２２は角度θ_１を又板２８中
の繊維２０は角度θ_２をなしている。以上述べた
ように、θ_１とθ_２の大きさは同一でかつθ_１と
θ_２は符号のみ異りその結果繊維は交差積層され
るようにすると特に好ましい。

これらの個々の薄板を積層板にする際に、一層
の樹脂充填黒鉛繊維上にガラス繊維層を配置して
成る重ね板（プライ）を形成すると特に好まし
い。それから、これらのプライを積み重ねる。

第１，５図から明らかなように、第一のプライ
は樹脂充填黒鉛繊維板材２６上にフアイバグラス
層２７を重ねて構成する。次は、樹脂充填板材２
８上にフアイバグラス板材３１を重ねて形成され
る。

第１，２及び５図に示す実施例は矩形層１９を
備えている点に留意されたい。この層１９は金属
粘着剤である。矩形層１９の幅は芯２５に完全に
一回巻けるようなものとする。本発明の実施の際
に特に重要なことは金属粘着層は樹脂充填板材中
の樹脂を筒状芯に接着する働きをするという点で
ある。本発明の実施に採用される金属粘着物とし
ては高分子を金属に接着するために使用されるも
の、例えば弾性改質エポキシや弾性改質フエノー
ル尿素樹脂が代表的に挙げられる。多くの構造用
粘着剤が市販されているが、その一つとして知ら
れているものはMeltbondで、これはNarmco
Division of Celanese社（ニユーヨーク、ニユー
ヨーク州）で販売されている弾性改質エポキシ物
質である。他のものとしては、American
Cyanamid（ウエーン、ニユージヤージー州）で
販売されているFM123−２である。構造用金属
粘着剤は、もしその粘着剤の物理的堅ろう性が許
すものであれば、フアイバグラス板材の上面に付
着させることができる。例えば金属芯２５の周囲
にはけ塗りするか又は吹き付けすることも又でき
る。本発明の実施の際に、第１，２，５図の板材
１９の如き板材フイルム状の粘着剤を使用するの
が特に好ましい。

はけ塗りや吹き付けによつて、層１９で使用し
たと同様の粘着剤を金属芯２５の外部に、その金
属芯が十分洗浄された後付着させるのも特に好ま
しい。

一般的にいつて、本発明の実施に使用する構造
金属層の重量は約0.00977〜0.0195ｇ／cm²（0.020
〜0.0401b／ft²）の範囲に保つべきで、又実際は粘
着層１９の重さは0.0147ｇ／cm²（0.0301b／ft²）に
保つのが特に好ましい。明らかに、採用される粘
着剤の量は、高分子樹脂の金属芯への適正な接着
のためだけでなく、金属管のねじり剛さと黒鉛繊
維強化物の長手方向剛さとの共働のためにも重要
である。

如何なる場合でも、構造用粘着層１９を構成す
る積層材の多角形板と、樹脂充填黒鉛繊維と、ガ
ラス布とは金属芯２５の周囲に巻回される。もち
ろん、粘着層は筒状金属芯２５と接触され、連続
単一方向黒鉛繊維は金属芯の長手方向軸線に対し
±５゜乃至±20゜の角度で配され、一方ガラス繊
維織布は金属芯２５の長手方向軸線に対し０゜乃
至90゜の角度で配置される。金属芯を必要な物質
層で巻回後これらの物質はセロフアンテープ等に
よつて所定位置に保持される。これとは別に、芯
と、外部の樹脂充填黒鉛繊維強化材との組合せ
を、型としての役を果し後に除去されるポリプロ
ピレンの熱収縮性フイルム（図示せず）の包装に
よつて所定位置に保持しても良い。

金属芯を必要な数の物質層で被覆後、組立体は
オーブン内に入れられ別々の層の及び巻回部の相
互の接着が可能となるのに十分な温度まで加熱さ
れる。組立体の加熱温度は、黒鉛繊維を充填する
のに使用する樹脂を含んだ種々の要因に依存す
る。これらの温度はよく知られている。代表的に
いうと、改質エポキシ樹脂充填黒鉛繊維には、温
度は約100℃乃至約180℃の範囲にあり、そして好
ましくは約140℃である。

もし、外部のポリプロピレン包装フイルムを使
用して芯の廻りの種々の層を保持する場合にはこ
れを軸の表面から手で剥すだけで、フイルムを除
去することは極めて簡単に行える。表面の不完全
がもし軸上に少しでもあればこれは砂みがき若し
くは研摩等で除去できる。もし必要なら軸は塗装
できる。

複合筒状材をその端縁を完全に平坦にすること
は常に可能とはいえない見地から、前に示したよ
うに、最終的複合筒状エレメントの所定長より僅
か長い積層板材を使用するのが一般的にいつて好
ましい。このようにして、如何なる丸みのある肩
部、例えば第６図に示すような肩部６も、その肩
部の背後で管とともに半径方向に切断しよつて、
除くことができ、その結果、もし複合筒状エレメ
ントによつて必要であれば完全に真直ぐな端縁を
形成できる。

本発明を、以上、実質的なねじり及び曲げ負荷
のための複合軸に関してそのような軸の応用には
係わりなく説明した。

次に、本発明をトラツク用の代表的な複合軸に
ついて以下説明する。かかる応用においては、金
属芯２５は代表的には12.2〜30.5ｍ（４〜10ft）
の長さ、5.08〜11.4cm（２〜４1/2in）の内径、
5.08〜12.7cm（２〜5in）の外径の範囲にある。軸
は約0.00977〜0.0195ｇ／cm²（0.020〜0.0401b／
ft²）の範囲にある構造用金属粘着剤層を備える。
構造用金属の上部で粘着層はこれにフアイバガラ
ススクリムとエポキシ充填単一方向連続黒鉛繊維
板材との２プライを接着している。各プライはス
クリム層とガラスフアイバ板材層とより成る。ガ
ラスフアイバ織布の向きは軸の長さ方向及び連続
黒鉛繊維の向きに対し０゜及び90゜である。黒鉛
繊維の連続層は次の層に対し10゜であるが方向反
対である。かくして、黒鉛繊維は長さ方向に対し
±10゜をなしている。第６図から明らかなように
このような駆動軸は第一端部４２、第二端部４３
を備え、二つの中間部４４及び４５が存在する。
又中心部４６がある。第一端４２及び第二端４３
内の繊維強化鞘は芯２５の廻りに完全に２回巻か
れている。筒状軸の長さに沿い配される巻数は、
壁厚が軸の中央で最大となるよう、数が変化して
いる。ここに述べたトラツク軸では、ラミネート
された板材を用意するのに採用されるパターンの
実質上三角形部の高さが、軸の中心部４６で６乃
至７回巻かれるよう、そして中間部４４及び４５
では巻数が軸の長さに沿つて減少するように、選
ばれている。

これに比し、本発明の、代表的な標準寸法の自
動車用駆動軸は102〜183cm（40〜72in）の長さの
アルミニユーム芯を備え、その内径は5.71〜6.99
cm（21/4〜23/4in）、又外径は6.35〜7.62cm（21/2
〜3in）である。かかる複合駆動軸はガラス繊維
織布とエポキシ樹脂充填連続黒鉛繊維との２プラ
イを有し、その各プライはガラス繊維層と樹脂充
填繊維層とより成る。トラツクの駆動軸に関して
は、黒鉛繊維は軸の長さ方向に対し±10゜をなし
ガラス繊維は軸の長さ方向に対し０゜及び90゜で
ある。更に、軸は金属芯と強化層との間に構造用
金属粘着剤層を備える。

上述の如く、軸方向及びトルク負荷を伝達する
ための複合筒状エレメントを形成するに伴う一つ
の困難は金属芯と繊維強化樹脂層との間に大きな
物性差が在り各樹脂層が他に反対して働くように
なり易いということである。この複合構造体の種
種の要素は黒鉛ガラス繊維を強化材内に及び金属
芯と連続黒鉛繊維層との間の構造用金属粘着剤層
内に適当に配向させることによつて達される。応
力が最大のところに最大量の繊維強化物を配する
ことにより、重量の減少を、強さの損失なしに、
達成できる。かくして、第一端から中央に向つて
の繊維強化物の量を増大させそれから管の第二端
へ向い減少させることは非常に有意義である。

広い範囲及び変形若しくは置換が前の説明には
意図されている。従つて、特許請求の範囲は広く
なつており、本発明の趣旨に沿うものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、単一方向樹脂充填繊維強化層の、金
属芯に対する関係を示す、一部切開した斜視図、
第２図は種層板の好ましい幾何学形状を示す上面
図、第３図は別の実施例における積層板の形状を
示す上面図、第４図は更に別の実施例における積
層板の形状を示す上面図、第５図は第２図の５−
５線に沿う垂直断面図、第６図は、本発明の筒状
軸における強化層中の繊維を一部切開して、かつ
誇張して示す斜視図。 １０，１１，１２……各層の形状、１９……構
造用粘着剤層、２４……ガラス繊維層、２５……
金属芯、２６，２８……樹脂充填黒鉛繊維層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 捩り及び曲げ負荷の伝達用筒状複合構造体で
   あつて、 筒状金属芯を備え、 構造用金属粘着剤層を金属芯の外面上に設け、 樹脂充填単一方向連続強化繊維を複数層重ねて
   筒状金属芯の廻りに被覆し、樹脂充填繊維の各層
   は金属芯の長手方向中心線に対し５゜から20゜の
   間の角度で、かつ先行する樹脂充填繊維層に対し
   て反対の向きをなし、 各重ねた樹脂充填強化繊維層間にガラス繊維織
   布を介在させ、 構造用金属粘着剤と重ねられた樹脂充填強化繊
   維層との間にガラス繊維織布を介在させ、 複数の重ねられた樹脂充填単一方向連続強化織
   布層及びガラス繊維織布の各々は次のように成形
   されている、即ち筒状金属芯の廻りに巻かれたと
   き芯の廻りに巻回される層の厚みは、筒状軸の長
   さ方向に沿つて各自由端部から中央部に向かつて
   徐々に増加するように変化し、最大壁厚は軸の中
   央部に実質上位置し、最小厚は軸の第一及び第二
   端に位置している筒状複合構造体。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の発明において、
   樹脂は熱固化樹脂である筒状複合構造体。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の発明において、
   強化繊維は炭素及び黒鉛から選択され、この繊維
   は筒状金属芯の長手方向中心線に対し約10゜の角
   度をなし、ガラス繊維織布は、その中の繊維が筒
   状金属芯の長手方向中心線に対し０゜及び90゜を
   なすように配置され、金属芯はアルミニユーム合
   金から選択され、かつ構造用金属粘着剤は
   0.00977〜0.0195ｇ／cm²の範囲の量含有されてい
   る筒状複合構造体。