JPS624474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ダンボールあるいは発泡合成樹脂
などの襖芯材に円形の引手穴を明ける際に使用す
るもので、基盤に芯針とカツター及び把手を突設
してコンパスの要領で穴明けする工具に関するも
ので、その目的は、不使用時に芯針とカツターを
安全に保護することが出来、使用時には、芯針と
カツターの保護状態を簡単な操作で解除して、襖
芯材に表裏面へ貫通した円形の引手穴を正確に明
けることが出来る襖芯材の引手穴成形具を提供す
ることにある。

従来、襖芯材の引手穴を明ける専用の工具が無
く、カーペツト用で円形の穴を明ける工具を転用
されている。しかし襖芯材はカーペツトより厚肉
であり、襖芯材に明ける引手穴は表裏に貫通して
明けられるものであり、カツペツト用の工具その
ままでは満足した穴を明けることが出来ないもの
である。因みにカーペツト用の穴明具の構造は、
基盤に長孔を有し、把手の下部にネジ部を設け、
該ネジ部の下端より芯針がネジ部と一体に突設し
てあり、長孔にネジ部を通しナツトで基盤に締め
付けて基盤より芯針を突出し、且つ基盤の一端に
カツターを締付けボルトで固定したもので、この
工具を襖芯材用に転用する場合、襖芯材に適合し
た芯針やカツターと取替えれば良いが、芯針は前
述の如く把手と一体のものであるから、取替える
ことが出来ず、また、以上の構造に応じしかも襖
芯材に適合するように製作しても良いが、芯針は
カーペツト用のものより長くなり、そのために不
使用時には危険性が多く、また曲り易くなる問題
が生じるものとなる。

この考案は以上の問題点を解決するために工夫
したもので、以下、本考案を実施例によつて説明
する。第１図から第４図に亘つて示すように、平
面が長方形を成す基盤１にその中心より一方へ偏
位して表裏へ貫通したネジ孔２を設け、ネジ孔２
の下部に裏面へ至るに従つて順次細くなるテーパ
ー部３が形成してあり、基盤１の裏面におけるネ
ジ孔２の左右部に互いに距離ａ，ｂを異ならして
カツター４を嵌め込む係合溝５，５を設け、基盤
１の両端面より係合溝５，５内に向つて締付けボ
ルト６，６が螺合してある。尚係合溝５，５は基
盤１の長手方向に対して直交する方向に長く形成
してある。

上記基盤１のネジ孔２に表面より把手７が螺合
してあつて、把手７は、半球状の頭部より胴部を
突出し、銅部の下端よりその胴部の直径より細く
ネジ孔２に螺合するネジ部が設けてあり、頭部の
下部に歯車状の凹凸が刻設してある。またこの把
手７の中心部に起立して上端より下端にまで貫通
した抜孔８が設けてあつて、抜孔８の上部は大径
で下部は小径に段付きの孔に形成してあり、この
抜孔８内に芯針１０が嵌装されるが、抜孔８の下
部に芯針１０を締め付けて保持するチヤツク９が
設けてある。芯針１０は、抜孔８の大径部に嵌ま
る頭部１１に抜孔８の細径部に嵌まる針部１２で
形成してあつて、頭部１１の下端を抜孔８の大径
部の下端に接した時、針部１２が基盤１の裏面よ
り所定の長さ突出するように形成し、また針部１
２の先端が基盤１内に収められた時、芯針１０の
頭部の上面が把手７の上面とほぼ面一になるよう
に形成してある。

次に、基盤１の裏面の左右何れか一方の係合溝
５にカツター４を嵌め込み、締付けボルト６で基
盤１に固定されるもので、このカツター４を安全
に保護する構造は、基盤１の両端部にそれぞれカ
バー１３を回転自在に枢支したものであつて、カ
バー１３は第５図図示の如く、底壁１４の両端に
起立板１５，１５を屈折して断面コ字形に形成
し、且つ両起立壁１５，１５間は基盤１の巾とほ
ぼ同巾乃至やゝ狭くしてあり、この両起立壁１
５，１５の互いに相対向する面の上部に突軸１
６，１６と突子１７，１７を設け、基盤１にカツ
ター４を覆う状態に枢支すると共に、両起立壁１
５，１５を基盤１に圧接し、突子１７を基盤１に
あけた窪み１８に係合してある。また、カツター
４を保護する時は、カバー１３は基盤１より垂下
するものであり、保護を解除する時には、突軸１
６を中心として上方へ回転し、第１図図示の如
く、カバー１３を基盤１の長手方向へ延長した状
態に設置できるようになつている。以上の設置状
態で突子１７が係合する窪み１９が設けある。更
に前記カバー１３には、カバー１３を基盤１より
垂下した状態で基盤１の端面に連なるカバー１３
の側面に側壁２０が設けてあり、側壁２０の中間
に、カバー１３を回転した際に基盤１の端面に突
出する締付ボルト６に接しないように切欠きが設
けてある。

尚、カバー１３の形状は前記のものに限ること
がなく、帽子状のものを回転自在に設けても良
く、ただカツター４に恰も小刃の鞘の如きケース
も考えられるが、外した時紛失したり、あるいは
衝撃でカツター４が折れる欠点があるので、カツ
ターを覆うカバー１３は基盤１に装着してある。

また、基盤１の表面に予備のカツターを収納し
得るポケツト２１を設け、把手７の締め付けによ
つてポケツト２１の開口を封じる蓋２２が設けて
ある。

この考案は以上の構造であつて、襖芯材に引手
穴を明ける時には、把手７を基盤１より緩めると
チヤツク９がテーパー部３より浮上するので開
き、抜孔８に嵌装した芯針１０が落下してその先
端部が基盤１の裏面より所定長さ突出し、その後
把手７を締め付けることにより、チヤツク９がテ
ーパー部３で締められて芯針１０を狭圧保持す
る。続いてカバー１３を回転してカツター４を露
出することにより使用に供され、襖芯材の引手穴
を明ける位置の中心に芯針１０を刺し、そのまゝ
芯針１０を中心として基盤１を回転することによ
り、カツター４で引手穴が成形される。次に本考
案の工具を仕舞う時には、カバー１３を前述とは
逆に回転してカツター４をその周囲より保護した
後、把手７を緩めて芯針１０を抜孔８内に収め、
再び把手７を締め付けることにより、芯針１０が
抜孔８内に収められた状態で保持されるものであ
る。

以上のように、この考案による襖芯材の引手穴
成形具は、基盤にあけたテーパー部付きネジ孔に
把手を螺合して設け、把手に設けたチヤツク付き
抜孔に芯針を嵌装し、把手を基盤に締め付けるこ
とによりテーパー部でチヤツクを締め付けて芯針
を挟持するため、把手の締緩によつて芯針を抜孔
に収めたり、突出させて固定したりすることが出
来、その操作が容易である。また、基盤の裏面に
着脱自在に突設したカツターが、該カツターの周
囲を覆うカバーで保護されるので、保護中に衝撃
を受けてもカツターが折れることなく、前記芯針
を把手内に収めて保持されることと相埃つて、安
全に仕舞つて置くことが出来るものである。更
に、カバーは基盤に回動可能に設けたものである
から、カツターの露出及び保護する操作が容易に
なるものであり、しかも芯針が襖芯材用のものと
して長く形成しても、不使用時には把手内で保持
されるので、曲げることもなく、従つて円形の引
手穴を正確に明けることが出来るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案による襖芯材の引手穴成形具を
示し、第１図は平面図、第２図は正面図、第３図
は底面図、第４図は側面図、第５図はカバーを示
す斜視図、第６図は芯針及びカツターを保護した
状態で示す断面図である。 １……基盤、２……ネジ孔、３……テーパー
部、４……カツター、５……係合溝、６……締付
けボルト、７……把手、８……抜孔、９……チヤ
ツク、１０……芯針、１３……カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基盤１の表裏に貫通したネジ孔２の下部に裏面
   へ至るに従い径が細くなるテーパー部３を設け、
   基盤１の表面よりネジ孔２へ螺合して取付けた把
   手７に、起立方向へ貫通してあけた抜孔８と、抜
   孔８に出没自在に嵌装した芯針１０と、抜孔８の
   下端に位置し前記テーパー部３で押し付けられて
   芯材１０を挾圧保持するチヤツク９とが設けてあ
   り、且つ基盤１の裏面に芯針１０と同方向に突出
   するカツター４を設けると共に、カツター４を覆
   うカバー１３を基盤１に回転可能に設けてある襖
   芯材の引手穴成形具。