JPS6244379B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカラー受像管装置に係り、特に主電子
レンズと補助電子レンズからなる複合主レンズ系
を具備する電子銃を内装したカラー受像管装置に
関するものである。 例えばバイポテンシヤル形電子銃を内装する従
来のシヤドウマスク形カラー受像管装置を第１図
及び第２図によつて説明する。 即ち内面に赤、緑、青各色に発光するドツト状
や帯状の螢光体層からなる螢光面１が被着形成さ
れたパネル２と、このパネル２にフアンネル３を
介して連接されたネツク４と、このネツク４に内
装された電子銃５と、この電子銃５からの電子ビ
ーム６を選択的に前記螢光面１の螢光体層に射突
させるシヤドウマスク７と、前記フアンネル３外
壁に装着された偏向装置８とからなり、この偏向
装置８により前記電子ビーム６を螢光面１上に偏
向し、カラー画像を再現するようになされてい
る。 そして前記電子銃５は第２図に示すようにヒー
タ１１、陰極１２、第１グリツド１３、第２グリ
ツド１４、第３グリツド１５、第４グリツド１６
及びコンバーゼンス電極１７からなり、前記第４
グリツド１６及びコンバーゼンス電極１７にはバ
ルブスペーサ１８を介して約20kV乃至30kVの陽
極電圧Ｅ_bが印加され、第３グリツド１５には約
4kV乃至7kVの集束電圧Ｖ_fが印加され、この第３
グリツド１５と第４グリツド１６間に主電子レン
ズが形成されている。 然るに前述した主電子レンズと螢光面間の距離
は螢光面１全面に対して一様でないため、螢光面
１の中心で焦点を結ぶように調整された電子ビー
ム６は螢光面１の周縁に於て電子ビーム６_１のよ
うに過集束となり、更に偏向による偏向収差を受
けるためビームスポツトは著るしく歪み、前述し
た過集束を助長し、大きなハローが発生すること
になる。 この様な螢光面１周縁部の過集束状態を減少さ
せる有力な方法としてダイナミツクフオーカス方
法、即ち、例えば第３グリツド１５に印加する電
圧を変化させて主電子レンズによる電子ビームの
螢光面１の周縁における過集束を除去する方法が
考えられるが、第２図に示す様なバイポテンシヤ
ル電子銃に於ては、第３グリツド１５と第４グリ
ツド１６間に主電子レンズが形成されており、こ
の主電子レンズを形成する約4kV乃至7kVの集束
電圧Ｖ_fに更にダイナミツクフオーカス電圧を重
畳させなくてはならず、このため主電子レンズの
特性に大きな影響を与え、スタテイクコンバーゼ
ンスのずれなどが無視出来なくなるし、また約
4kV乃至7kVと比較的高い電圧が印加されている
ので、この第３グリツド１５にダイナミツクフオ
ーカス電圧を重畳させることは回路的にも困難で
ある。このことは前述したバイポテンシヤル形電
子銃のみでなく、ユニポテンシヤル形電子銃、ペ
リオデイク形電子銃などについても同様な欠点が
ある。 本発明は前記従来のカラー受像管装置の諸欠点
に鑑みなされたものであり、螢光面の周縁に於け
る電子ビームの過集束を防止するようにしたカラ
ー受像管装置を提供することを目的としている。 次に本発明のカラー受像管装置の一実施例を第
３図乃至第５図によつて説明する。 即ち第３図に於て、内面に赤、緑、青各色に発
光するドツト状や帯状の螢光体層からなる螢光面
２１が被着形成されたパネル２２と、このパネル
２２にフアンネル２３を介して連接されたネツク
２４と、このネツク２４に内装された電子銃２５
と、この電子銃２５からの電子ビーム２６を選択
的に前記螢光面２１の螢光体層に射突させるシヤ
ドウマスク２７と、前記フアンネル２３外壁に装
着された偏向装置２８とからなり、この偏向装置
２８により前記電子ビーム２６を螢光面２１上に
偏向しカラー画像を再現するようになされてい
る。 そして電子銃２５は第４図に示すようにヒータ
３１、陰極３２、第１グリツド３３、第２グリツ
ド３４、第３グリツド３５、第４グリツド３６、
第５グリツド３７、第６グリツド３８及びコンバ
ーゼンス電極３９からなり、前記第６グリツド３
８及びコンバーゼンス電極３９にはバルブスペー
サ４０を介して約20kV乃至30kVの陽極電圧Ｅ_b
が印加され、第５グリツド３７と第３グリツド３
５は導線４１により接続され、約4kV乃至7kVの
第２集束電圧Ｖ_fが印加され、第４グリツド３６
には約500V乃至700Vの第１集束電圧Ｖ_sfが印加
され、第２グリツド３４には約500V乃至700V、
第１グリツド３３は接地され、陰極３２には約
100V乃至150Vの電圧が印加され、この陰極３
２、第１グリツド３３、第２グリツド３４、から
なる３極部からの電子ビームを第３グリツド３５
第４グリツド３６及び第５グリツド３７によつて
形成されるユニポテンシヤル形電子レンズ（補助
電子レンズ）と、第５グリツド３７及び第６グリ
ツド３８によつて形成されるバイポテンシヤル形
電子レンズ（主電子レンズ）からなる複合形主レ
ンズ系を有している。 前述した電子銃２５に於て、第４グリツド３６
を除いて他の電極電圧を同じにした場合、第４グ
リツド３６の電圧を下げた時には、電子銃として
の総合集束特性は過集束状態となり、この反対に
第４グリツド３６の電圧を上げた時には、電子銃
としての総合集束特性は不足集束状態となる。 この特性を利用して第４図に示すように約
500V乃至700Vの直流からなる第１集束電圧Ｖ_sf
にダイナミツクフオーカス電圧発生装置４１から
第５図に示す様に垂直偏向曲線４２に同期して
0Vから＋150V迄、電圧曲線４３に沿つて変化す
る電圧を印加することにより螢光面２１上に常に
焦点を結ぶ電子ビーム６，６_１，６_２を射出する
ことが可能となる。 更に説明すると、螢光面の周縁即ち曲線４２の
４２ａ，４２ｂ点に於ては、第１集束電圧Ｖ_sfに
重畳させる電圧を＋150Vとすれば電子銃として
の総合集束特性は不足集束状態となり、螢光面２
１の周縁で丁度焦点を結ぶようになり、螢光面２
１の中央即ち曲線４２の４２ｃ点に於ては第１集
束電圧Ｖ_sfに重畳させる電圧を0Vとすれば電子銃
としての総合集束特性は過集束状態となり、螢光
面２１の中央で丁度焦点を結ぶようになる。 前述したように電子銃２５の補助電子レンズの
第４集束電極３６にダイナミツクフオーカス電圧
を印加しているため主電子レンズの特性はは変化
することはなく、従つて静コンバーゼンスのずれ
を引き起こすこともない。 また第２グリツド３４と第４グリツド３６との
間には約4kV乃至7kVの比較的高い電圧の印加さ
れた第３グリツド３５が介在しているため、第４
グリツド３６の電圧の変化はカツトオフ特性に全
く影響を与えることがない。 前記実施例に於てはダイナミツクフオーカス電
圧を垂直偏向に同期させた場合について述べた
が、これに限定されるものではなく水平偏向に同
期させる場合、垂直偏向・水平偏向両方に同期さ
せた場合も同様であり、また第４グリツド３６に
印加する第１集束電圧Ｖ_sfを約500V乃至700Vに
した場合を説明したがこれも他の電圧例えば0V
に設定することも可能である。本発明に於ては直
流を重畳させたもの、させないものも含めてダイ
ナミツクフオーカス電圧と称する。更にこのダイ
ナミツクフオーカス電圧は第５図のような波形お
よび電圧差に限定されるものではなく、各カラー
受像管装置に応じたものを使用することが出来る
こともまた勿論である。 上述のように本発明のカラー受像管装置によれ
ば螢光面の中心及び周縁に於て常に良好な電子ビ
ームの焦点を得ることが可能となり常に螢光面上
に鮮明な画像を再生することが出来るので、その
工業的価値は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカラー受像管装置の説明用断面
図、第２図は第１図のカラー受像管装置に組込ま
れる電子銃の簡略断面図、第３図は本発明のカラ
ー受像管装置の説明用断面図、第４図は第３図の
カラー受像管装置に組込まれる電子銃の簡略断面
図、第５図はダイナミツクフオーカス電圧と垂直
偏向の関係を示す曲線図である。 ５，２５…電子銃、１３，３３…第１グリツ
ド、１４，３４…第２グリツド、１５，３５…第
３グリツド、１６，３６…第４グリツド、１７，
３９…コンバーゼンス電極、３７…第５グリツ
ド、３８…第６グリツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内面に電子ビームの射突により赤、緑、青各
   色に発光する螢光体層からなる螢光面が被着形成
   されたパネルと、前記パネルにフアンネルを介し
   て連接されたネツクと、前記ネツク内に装着され
   た電子ビームを射出する電子銃と、前記フアンネ
   ル外壁に装着された偏向装置とからなるカラー受
   像管装置に於て、前記電子銃が少なくとも第３グ
   リツド、第４グリツド、第５グリツドにより形成
   される補助電子レンズと、第５グリツド、第６グ
   リツドにより形成される主電子レンズからなる複
   合レンズ系を具備し、かつ前記第４グリツドに前
   記偏向装置による前記電子ビームの水平偏向及び
   または垂直偏向に同期して変化するダイナミツク
   フオーカス電圧を印加させることを特徴とするカ
   ラー受像管装置。