JPS6243899B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は原子力発電所等で使用される移動式監
視装置の主として走行部に関する。

第１図はBWR形原子力発電所の原子炉の概略
構成を示す図である。原子炉は炉心を包含しこの
中で蒸気を発生させる原子炉圧力容器１を中心
に、これを支持するペデスタル２、主蒸気配管
３、再循環配管４等の配管類、主蒸気逃し弁５、
再循環ポンプ６等の機器類が配置されている。

さらに原子炉は上記原子炉各機器を原子炉格納
容器７でつつみ、万一機器に故障があつた場合に
も放射性物質の外部への漏洩を防止している。原
子炉格納容器７は約30〜50mの高さを持つ大きな
構造物で内部に立体的に配置されている機器の点
検等のため、複数階層の床８ａ，８ｂ，８ｃ等と
これらの床間を結ぶ、階段９ａ，９ｂ，９ｃ等が
設けられている。

原子炉格納容器７内は、原子炉運転時高い放射
線があり、また、高温等の厳しい環境条件である
ので作業員が入れない。さらに格納容器内で放射
能もれ等の事故の場合、さらに環境条件は厳しい
ものとなる。近年このような原子炉格納容器内で
各配管、機器の監視や、弁の開閉、ボルトの締結
等を遠隔操作の可能な移動式監視装置により行
い、原子力発電所の稼動率向上安全性の向上をは
かる研究が進められている。

移動式監視装置の一つとして前記床８、および
階段９を監視用機器等を塔載し動きまわる第２
図、第３図に示すような監視装置が提案されてい
る。

第２図、第３図において、符号１０は駆動機
器、監視機器を塔載した車体で、その本体１０の
前後の四隅に独立に動作する可動式装軌走行部１
１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄを持つている。本
体１０の上に雲台１３を介して、点検用のTVカ
メラ１２を塔載している。

この従来の車体の構成は平面走行においては問
題ないが、階段や格納容器内各所に放射能を持つ
た流体等が拡散するのを防止する目的で設けられ
た堤等の突起物を乗り越える際などにおいて、本
体１０が階段や突起物に接触する等の不都合があ
り、このため可動式装軌走行部１１を、それぞれ
複雑に動かさなければならないという問題点があ
つた。

本発明は従来の点検車の構造上から生じる上記
のような問題点を解決し、原子力発電所内の条件
に最適な監視用の車体を提供するものである。

第４図、第５図に本発明の移動式監視装置の走
行部の一実施例を示す。本体部１０は温度計放射
線線量計等の監視機器、各種の制御用電子装置等
を塔載している。本体部１０の上部には監視用の
TVカメラ１２が任意の方向に動くよう雲台１３
を介して取り付けられている本体１０の両側面に
装軌式走行部２３ａ，２３ｂを取り付る。装軌式
走行部２３ｂは駆動用ホイール２４ｃ，２４ｄア
イドラホイール２５ｃ，２５ｄに無限軌道２６ｂ
を装架し構成する。

もちろん、上記各ホイールの他に必要によりア
イドラホイールを入れることもある。アイドラホ
イール２５ｃ，２５ｄは駆動ホイール２４ｃ，２
４ｄの軸中心まわりに回動可能な支持部材２７で
連結されている。支持部材２７はモータ２８ａ，
２８ｂでウオーム減速機２９ａ，２９ｂを介し回
動する中空軸３０ａ，３０ｂと連結している。中
空軸３０ａ，３０ｂは図示していないが本体２０
に軸受等で回動可能に支持されている。

また、駆動ホイール２４ａ，２４ｂは中空軸３
０ａ，３０ｂを貫通し、かつ中空軸３０ａ，３０
ｂに回動可能に支持された駆動軸３１ａ，３１ｂ
を通して、モータ３２ａ，３２ｂより駆動され
る。符号３３ａ，３３ｂは傘歯車装置である。符
号３４ａ，３４ｂは回転角検知器で中空軸３０
ａ，３０ｂの角度すなわち、アイドラホイール２
５ａ，２５ｂ、支持部材２７ａ，２７ｂの回動位
置を検知し操作や制御に利用する。装軌式走行部
２３ａについても２３ｂと同じである。なお上記
で述べたモータ２８ａ，２８ｂ，３２ａ，３２ｂ
はブレーキ等機能的に必要な機器を備えたもので
ある。

次に支持部材２７についてもう少し説明する。
支持部材２７の符号３５の部分は第７図に示すよ
うにスライダー３６、ばね３７でシリンダー式に
構成されスライダー３６は溝を直線方向のみ移動
するようにされている。これにより駆動ホイール
２４ａ，２４ｂとアイドラホイール２４ａ，２４
ｂの中心距離は可変とすることができる。この中
心距離の可変量は無限軌道２６ａを装架した状態
で支持部材２７ａ，２７ｂが自由に回動できるの
に十分な量とすることはいうまでもない。

次にその作用について説明する。

無限軌道２６ａはモータ３２ａ，３２ｂ、傘歯
車装置３３ａ，３３ｂ駆動軸３１ａ，３１ｂによ
り駆動され、装置の走行を可能とする。各支持部
材２７は、それぞれモータ２８ａ，２８ｂ，２８
ｃ，２８ｄにより回動され装軌式走行部２３ａ，
２３ｂを各種の形状とすることができる。なお支
持部材２７は第７図に示すような構成により駆動
ホイール２４とアイドラホイール２５との中心間
距離が任意であるため無限軌道の一周の長さが不
変でも問題ない。

第６図は点検車の各種の走行状態を示す代表的
パターンである。第６図ａは平面走行から階段を
登り初める状態を示す。無限軌道の符号４０で示
す部分が階段の第１段にかかるよう装軌式走行部
の形状を決める。第６図ｂは階段を登つている状
態で後方アイドラホイールの支持部材をほヾ階段
傾斜に合わせるようにし、後方に転倒しないよう
バランスをとる。第６図ｃは階段を降り初める状
態を示す。

前方アイドラホイールを階段傾斜に合わせるよ
うに移動し、円滑に階段を降り初めることができ
る。途中の状態は第６図ｂに示す。登はんの状態
と同じでよい。第６図ｄは堤の乗り越え初めであ
る。これは階段の登り初めと同様である。第６図
ｅは堤を乗り越えている途中の状態で無限軌道が
堤の形状に合つた状態となり円滑に乗り越えがで
きる。

第６図ｆ，ｇは狭小部での旋回する場合を示
す。アイドラホイールを上方向又は下方向にとり
装軌式走行部長手方向の長さを最小とし行う。左
右の無限軌道はそれぞれ逆回転して行うのは一般
のブルトーザ等の建設機械と同様である。

以上説明したように本発明は (1) 装軌式走行部の形状を走行路面に合せ任意の
形状とするので階段堤等の突起物も円滑に乗り
越え通過することができる。

(2) 装軌式走行部の進行方向長さをアイドラホイ
ールの位置により変えることができるので階段
登はん等の傾斜時には最長とし安定性を得るこ
とができるし、狭小部旋回等では最小とし旋回
に必要とする場所が小さくてもよい。

等原子力発電所等の移動式監視装置の走行部とし
て最適の構成を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は原子炉の概略構成を説明する図面、第
２図は従来の移動式監視装置を示す側面図、第３
図は第２図の平面図、第４図は本発明による装置
の第２図相当図、第５図は第４図の平面切断図、
第６図ａ〜ｇは本発明の装置の走行パターンの代
表例を説明する図、第７図は支持部材の構成を説
明する図。 １０……本体、１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１
ｄ……可動式走行部、２３ａ，２３ｂ……装軌式
走行部、２４ｃ，２４ｄ……駆動ホイール、２５
ｃ，２５ｄ……アイドラホイール、２６ｂ……無
限軌道、２７……支持部材、３０ａ，３０ｂ……
中空軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 移動式監視装置の走行部が無限軌道を装着し
   たものよりなるものにおいて、装置本体の四隅の
   各々に駆動ホイールを設け、一方各駆動ホイール
   の駆動軸上に軸受を介して伸縮する支持部材をと
   りつけ、この支持部材の端部にはアイドラホイー
   ルをとりつけると共に、上記他端部に設けた駆動
   装置と、さらに、本体進行方向の各側面に設けた
   上記駆動ホイールとアイドラホイールを１組とし
   て、これら各々に一本の無限軌道を装着してなる
   走行部としたことを特徴とする移動式監視装置。