JPS6243747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は午蒡天内部に包み込む午蒡等を得るた
め所定長の午蒡等被処理物を縦方向に複数分割す
る自動割裁機において、所定長の被処理物を確実
に分割切断用カツターに向けて案内する芯出し案
内装置に関するものである。

（従来技術） 従来、午蒡天などに包み込む午蒡を得るため、
午蒡を所定長さに切断し、次いでこれを縦方向に
分割する作業は専ら人手によつて行なわれ、非能
率であつたが、最近になつてかかる野菜類の分割
切断作業の自動化を図るべく、第１図に示す如く
所定長さの被加工物Ａを機枠１に設けた搬送コン
ベア２の各搬送ケース３に供給収納して、これを
順次移行させ、所定位置においてエヤシリンダの
如き流体圧シリンダー４のピストンロツド５先端
により長さ方向に突き出して芯出し案内装置６に
送り、該芯出し案内装置６で正確な芯出しを行い
ながら分割切断カツター７に向つて送出し、これ
によつて、該分割切断カツター７による正確な分
割切断加工を行えるようにした自動割裁機が野菜
加工業種等において多く利用されるようになつて
来ている。

ところで、上記自動割裁機の各機構のうちでも
とりわけ芯出し案内装置は被処理物を偏心させる
ことなく正確に分割切断カツターに送るための重
要な機構であり、その精度が被加工物の切断状態
ならびに形状の良否を左右すると言つても過言で
ない。

そのため、本出願人は上記自動割裁機における
芯出し案内装置の性能向上を図るべく、先に第２
図に示す如く一端に取付部１２を有する案内用中
空筒１１の周壁に互いに対向して軸線方向に延び
る複数のスリツト１３を形成し、各スリツト１３
内に夫々そり形の案内面１５を有する把持部材１
４を配設すると共に、該把持部材１４を前記中空
筒１１と一体の支持材１６，１７に設けた軸１
８，１９により揺動可能に支承されたリンクアー
ム２０，２１の先端にピン２２，２３を介して連
結し、前記軸１９を他の軸１９と互いに傘歯車機
構で連動させることにより、把持部材１４を前記
各スリツト１３内において中空筒１１内面側に突
出可能で、かつ、中空筒１１の径方向に移動可能
となし、更に把持部材１４をリンクアーム２０と
支持材１６との間に縮設した圧縮バネ２４により
中空筒１１の中心方向に付勢せしめた芯出し案内
装置を提案した。（特公昭57−52200号公報参照） ところが、上記本出願人が先に提案した芯出し
案内装置は、複数のそり形把持部材１４を中空筒
１１の径方向に協動させ、その案内面に沿つて被
加工物Ａを直線的に移送する方式を採つているた
め、これより先に用いられていた単純なばね式の
案内装置に比べて芯出し機能の面で格段すぐれて
いるが、被加工物Ａの移送方向が殆ど水平であつ
たため、被加工物Ａの自重が主として下部の把持
部材に加わる傾向にあり、その分圧縮ばね２４の
付勢力を大きく設定する必要があると共に、被加
工物Ａ自体の剛性が不足している場合、例えば、
たくあん漬けのようなものを切断する場合は、把
持部材１４の前後で被加工物Ａが下方に撓み、正
確な切断が出来ない事実が知見された。また、上
記本出願人の提案に係る芯出し案内装置は、比較
的長い複数の把持部材１４の前後両端を離れた位
置に配設したリンクアーム２０，２１の先端に枢
着し、これによつて他の把持部材１４との平行を
維持している関係から、案内装置自体の送り方向
長さが大きくなり、前記第１図に示した如き自動
割裁機に組込む際、芯出し案内装置の取付スペー
スｌを大きく設計しなければならず、自動割裁機
が大型化すると共に、複数の芯出し案内装置と切
断カツターとを交互に直列に配列し、被加工物を
段階的に切断する必要がある場合には、特に前記
芯出し案内装置の取付けスペースが割裁機設計上
の重要な問題となり、この点について更に改善す
べき余地を残していた。

（考案の目的） 本考案はかかる従来の自動割裁機における芯出
し案内装置が有していた問題点に着目し、芯出し
案内装置による被加工物の移送方向を垂直とし、
芯出し動作時における重力の影響を極力小さくし
て芯出し精度の向上を図ると共に、被加工物の案
内手段を簡略化して、移送方向の長さを短縮し、
もつて前記問題点の解消を図らんとするものであ
る。

（考案の構成） 即ち、上記目的を達成するために必要不可欠な
本考案の構成は、午蒡等の柱状被加工物をその長
さ方向に沿つて垂直に通過させる移送通路を中央
部に備えた少くとも１つの枠部材における前記移
送通路の直交平面内に連鎖状に複数の支軸を配列
し該支軸に基端部が固着され、かつ、揺動端側に
被加工物と直接接触可能な案内面を有する把持ア
ームを前記移送通路を囲んで等間隔に配置すると
共に、前記支軸を隣接する他の支軸と互いに協動
可能に連結せしめた点にある。

（実施例） 以下本考案の実施例を添付図面にもとづいて詳
細に説明する。

第３図は本考案の芯出し案内装置を適用した自
動割裁機の縦断側面図、第４図は同割裁機に適用
可能な芯出し案内装置の平面図である。

これら各図において、３１および３１′は夫々
自動割裁機の被加工物移送系路途中における図外
の押出し機構の鉛直下方に配設された本考案の要
部をなす芯出し案内装置、３２および３２′は上
記各芯出し案内装置３１，３１′の下部に設けら
れた切断機構であつて、上記芯出し案内装置３１
と切断機構３２とは、これらが１個の単位ユニツ
トU₁，U₂として構成され、同一構造の２組の単
位ユニツトU₁，U₂を互いに上下に積み重ねた状
態となし、かつ、被加工物Ａの送り方向に対し、
90゜の相対ねじれ角を有して割裁機の機台に固定
されている。

上記各単位ユニツトU₁，U₂に含まれる芯出し
案内装置３１，３１′は、中央部垂直方向に移送
通路３３を形成した平板状の枠部材３４を備え、
該枠部材３４が、対向する２枚の板状フレーム３
５，３５′によつて自動割裁機の機台に固定され
ていると共に、前記枠部材３４には、前記移送通
路３３と直交する方向に軸孔３６が穿設され、該
軸孔３６内に前記移送通路３３を取囲むように４
本の支軸３７，３７…が連鎖状に挿通されてい
て、各支軸３７，３７…は、その端部に固着した
傘歯車３８，３８…を互いに噛合させることによ
り、同期的に協動し得るようになつている。

また、前記支軸３７，３７…が前記枠部材３４
の移送通路３３周囲の４つの切欠部３９，３９…
を通過する部分には、夫々所定長さの把持アーム
４０，４０…の基端部４０ａが固着され、該把持
アーム４０，４０…が前記移送通路３３を取囲む
形で配列されていると共に、各把持アーム４０…
は、前記支軸３７，３７…と共に回動するとき、
その対向面側に形成した湾曲状案内面４１を互い
に同期的に近接または離反させ得るようになつて
いる。

更に上記把持アーム４０のうち、前記板状フレ
ーム３５，３５′に近く互いに対向する２本の把
持アームの背面には夫々ボルト４２により支点部
材４３が固着され、該支点部材４３に対し、前記
板状フレーム３５，３５′の孔４４，４４′内にピ
ン４５により揺動可能に支承された付勢部材４６
から延出したロツド４７の先端が枢着されてい
て、常時矢印Ｘ方向、即ち、前記案内面４１を互
いに近接させそ閉じる方向に付勢されている。

一方、前記単位ユニツトU₁，U₂に含まれる切
断機構３２，３２′は、前記板状フレーム３５，
３５′の対向部分に設けられた複数の支持部材４
８，４８…の突出軸４９によつて中間部が回動自
在に支承された複数のリンク５０の上下両端部に
穿設した孔５０ａに対し、２個の四角形状の枠体
５３，５４から側方に突設したピン５１を挿入
し、前記リンク５０の正逆回動に伴つて上下２段
に配置した枠体５３，５４を交互に往復移動さ
せ、該枠体５３，５４の移動方向に沿つて並列的
に設けた複数の切断刃５２…を長さ方向に往復動
させるようにしたもので、２個の枠体５３，５４
のうち、上段の枠体５３には、側方に配設した減
速機付きモータ５５の偏心出力軸５６に一端５７
ａを連結した連結ロツド５７の他端５７ｂ側がジ
ヨイント部材５８を介して連結されており、前記
減速機付きモータ５５によつて、前記枠体５３，
５４を水平に往復駆動し得るようになつている。

なお、前記芯出し装置３１側の把持アーム４０
のうち、前記切断機構３２側の切断刃５２の上部
にあるものは、該切断刃５２との干渉を避けるた
め、該切断刃５２に対応する位置に櫛状のスリツ
ト５９が設けられており、これによつて芯出し案
内装置３１と切断機構３２とを互いに接近させ単
位ユニツトU₁，U₂の取付スペースを減少させる
配慮がなされている。

本考案の芯出し案内装置は、叙上の如き構成を
有するものであるが、次にその作用について説明
すると、先ず、芯出し案内装置３１の上方に設け
られた押出し装置から被加工物Ａが垂直下方に向
つて移送通路３３内に偏つた状態で押し出される
と、被加工物Ａは、偏つた側の把持アーム４０の
案内面４１に当接し、該アーム４０を付勢部材４
６に抗して矢印Ｙ方向に押し開こうとする。この
とき各把持アーム４０は協動する支軸３７に固着
され、互いに連動して矢印Ｙ方向に回動するた
め、被加工物Ａは、前記当接した把持アーム４０
と反対側に生じる間隙方向に押し戻されて、正常
な位置に復帰し、ここで複数の把持アーム４０，
４０…に挾持される。

従つて、被加工物Ａが再び正常な位置から外れ
て偏心したときは、同様な把持アーム４０の開閉
作用が生じて正常な位置まで押し戻されることに
なり、正確な姿勢を維持しながら垂直下方に送ら
れることになる。

また、先端が切断機構３２に到達した被加工物
Ａは、先ず、単位ユニツトU₁の平行な切断刃５
２によつて第５図イに示す如き板切り状態に切断
され、更に下方の単位ユニツトU₂の切断刃５２
によつて直角方向に切断され、第５図ロに示す如
き所謂角切り状態の製品として下方に送出され
る。

なお、上記実施例においては芯出し案内装置３
１と切断機構３２とを組合わせた単位ユニツト
U₁，U₂を２組用いて、これらを被加工物Ａの移
送方向に対し90゜のねじれ角を有して配列し、被
加工物Ａの角切り作業を行う場合を示している
が、別段単位ユニツトの個数および配列状態はこ
れに限られるものではなく、種々の改変が可能で
例えば三個の単位ユニツトを互いに60゜宛ずらせ
て配置すれば第５図ハの如き三角切り状態の製品
を得ることができる。

また、上記実施例では、切断機構３２として交
互にスライドする平行な切断刃５２を備えたもの
を使用しているが、切断機構３２自体もこれに限
られるものではなく、本出願人が特公昭58−7440
号公報により提示した如き、被加工物Ａを放射状
に切断する切断刃を具えたものに代替することも
可能であり、この場合における芯出し案内装置の
作用は前記実施例の場合と全く同様である。

（考案の効果） 以上述べた如く本考案の芯出し案内装置は被加
工物の移送方向を垂直とし、芯出し手段および被
加工物に作用する重力の影響を軽減したものであ
るから、被加工物を保持するための把持アームの
付勢力を小さく設定することが可能であり、被加
工物自体の剛性が不足しているような場合でも、
送り方向に沿つて正確に切断機構に送り込むこと
が出来、製品の仕上り状態を向上し得ると共に、
被加工物を案内する従来の長いそり状の把持部材
を撤廃し、枠部材に対して揺動可能に設けた把持
アームで直接被加工物を保持しながら芯出しを行
うようにしたものであるから、従来の芯出し案内
装置に比べて装置の送り方向長さを大巾に短縮す
ることが可能であり、取付スペースを減少し得る
と共に、複数の切断カツターを用いて多段階に切
断する場合、切断カツターのピツチを短縮し被加
工物の切断状態を向上し得るなど自動割裁機の切
断精度および設計上の自由度を向上し得るという
すぐれた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動割裁機の概要平面図、第２
図は従来の芯出し案内装置の断面図、第３図は本
考案の芯出し案内装置を適用した自動割裁機の一
例を示す要部縦断側面図、第４図は同自動割裁機
に適用可能な芯出し案内装置の平面図、第５図
イ，ロ，ハは被加工物の切断状態を示す説明図で
ある。 ３３……移送通路、３４……枠部材、３７……
支軸、４０……把持アーム、４１……案内面、Ａ
……被加工物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 午蒡等の柱状被加工物をその長さ方向に沿つて
   垂直に通過させる移送通路を中央部に備えた少く
   とも１つの枠部材からなり、該枠部材は、その移
   送通路の直交平面内に連鎖状に配列された複数の
   支軸を有し、該支軸に基端部が固着され、かつ揺
   動端側に被加工物と直接接触可能な案内面を有す
   る把持アームが前記移送通路を囲んで等間隔に配
   置されていると共に、前記支軸が隣接する他の支
   軸と互いに協動可能に連結されていることを特徴
   とする自動割裁機における芯出し案内装置。