JPS624361Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アプセツタのパンチ取付装置に係
り、パンチ取付け用部材としてテンシヨンボルト
を用いることにより、強固な取付強度が確保で
き、大きな引抜き力にも耐え得るとともに、固定
解放用として前記テンシヨンボルトを伸長する液
圧ジヤツキを用いることにより、パンチの交換を
容易かつ短時間に可能したことを主目的とする。

アプセツタ、パイプアプセツタはその形式が横
形、縦形のいずれにあつても、割金型の被鍛造体
を挿抜自在なパンチでアプセツトするものであ
り、そのパンチのスライドに対する取付けは強固
なことが要求される反面、取外しが容易なことが
要求される相反的な要望が必要である。

このスライドに対するパンチの取付構造として
従来、第１図１，２に示すものが通常採用されて
いた。

第１図１に示すものは、所謂ねじ式であつて、
スライドＡの雌ネジＢに、パンチＣの根元部に形
成した雄ネジＤを螺着したもので、これは、ねじ
結合であることから弛みが発生しやすく又、パン
チ交換において捻回することから時間がかかると
ともに、弛みによるねじの折損や締付け弛め時に
ネジの焼付の危険がある。

また、第１図２に示すものは、所謂固定ボルト
式であり、スライドＡにパンチＣの根元部を嵌合
し、該根元部に形成した切欠部Ｅに対して固定ボ
ルトＦを斜め方向から螺設したもので、これは、
固定ボルトＦの折損が多発し、大きな引抜き力に
は耐えることができないものであつた。

本考案は、上記実状に鑑み案出されたもので、
以下、図面を参照して本考案の実施例を詳述す
る。

第２図乃至第３図は本考案の第１実施例であ
り、１はスライドで、該スライド１の前端面には
本例においては２個のパンチ取付孔２が設けてあ
る。

該スライド１は第６図に示す相互に離型自在と
された一対の割金型３，４に対して本例ではクラ
ンク運動体５を介して往復運動自在であり、符号
６がその案内部で、該案内部６はベツド７との間
に設けてある。

８はパンチで、その根元部９が段部１０を介し
て径大に形成され、スライド１のパンチ取付孔２
に根元部９が嵌合されており、この嵌合にさいし
て本例では皿ビス１１Ａで取付けた介装材１１を
根元部９の端面と取付孔２の有底部間に有し、符
号１２はパンチ挿脱用係合部で、ネジ孔で構成さ
れている。

１３はテンシヨンボルトで、パンチ軸方向に弾
性変形すべくパンチ８の軸方向と平行として図で
は４本が対角線配置としてスライド１にスリーブ
１４を介して取付けられ、テンシヨンボルト１３
の各前端にはパンチ挿設孔１５を有する固定フラ
ンジ１６が前記段部１０より前方において取付け
てある。

即ち、スライド１に形成したスリーブ受け孔１
７にテンシヨンボルト１３を貫挿し、ナツト１８
で取付けられたスリーブ１４を挿設し、該スリー
ブ１４の端面を複数のビス１９等でスライド１に
着脱自在に固定し、該テンシヨンボルト１３の先
端にナツト２０を介して固定フランジ１６を取付
けている。

２１は液圧ジヤツキであり、本例では２個のジ
ヤツキ２１をパンチ軸心と対称位置に設けてな
り、スライド１と固定フランジ１６間に設けてあ
る。

即ち、第２図に示す如くシリンダ蓋体２２をボ
ルト２３を介してスライド１の前端部に形成した
シリンダ２４に取付け、ピストン２５をパンチ軸
方向と平行に設けてなり、シリンダ２４に液圧、
例えば油圧を作用することで、ピストン２５を介
して固定フランジ１６を押付けもつてテンシヨン
ボルト１３を伸長すべく構成し、油圧解放でテン
シヨンボルト１３をその弾性力にて縮小変形可能
とする。

２６はコツタで、前記フランジ１６とパンチ根
元部９の段部１０にわたつてパンチ軸方向に係合
するものであり、本実施例ではスライド１の前端
面に取付けた高さ方向の案内部材２７間に、フオ
ーク形とされたコツタ２６の該フオーク部２８を
挿脱自在として設けている。

従つて、第２図、第３図に示す実施例にあつて
は、パンチ８をスライド１に取付けるには、スラ
イド１の受孔、つまり取付孔２にパンチ８の根元
部９を嵌挿させ、液圧ジヤツキ２１にピストン２
５が進出する方向の液圧を作用させることによ
り、固定フランジ１６をテンシヨンボルト１３の
弾性伸長を介してスライド１より離反せしめ、こ
の状態を保持してコツタ２６のフオーク部２８を
案内部材２７に挿入し、その後、液圧ジヤツキ２
１の液圧を解放すると、テンシヨンボルト１３の
弾性復元縮少力を介して固定フランジ１６と段部
１０間にてコツタ２６を挾持することによつてパ
ンチ８がスライド１に強固に取付けられるのであ
り、パンチ８の取外しは液圧ジヤツキ２１に液圧
を作用させテンシヨンボルト１３を伸長したもと
で、コツタ２６を抜き出しパンチ８の軸方向係合
を解除することでできる。

第４図、第５図は本考案の第２実施例であり、
基本構成は前述した第１実施例と同じであり、異
る点は、固定フランジ１６の形状、コツタ２６の
形状及びその挿脱方向が異る点である。

従つて、共通部材、部品は同一符号で示し、以
下相違点について説明する。

固定フランジ１６のパンチ挿設孔１５の形状が
放射位置に切欠部１５Ａを有する所謂菊座金形状
とされ、コツタ２６の外形状が放射位置に突片２
６Ａを有する菊座金形状で、コツタ２６の凹部に
工具係合部２６Ｂを有し、コツタ２６をパンチ軸
方向に関して挿抜自在となし、かつ、パンチ軸回
りに回動自在としたものである。この第２実施例
では、固定フランジ１６を液圧ジヤツキ２１に液
圧を作用してテンシヨンボルト１３を伸長した状
態を保持したもとで、該固定フランジ１６とスラ
イド１との間に装入されているコツタ２６をその
突片２６Ａが切欠部１５Ａと対応しないように回
動し、液圧を解放することでテンシヨンボルト１
３の弾性縮少力により、コツタ２６をフランジ１
６と段部１０間において挾持する。

パンチ８の取外しは、液圧ジヤツキ２１に液圧
を送り、テンシヨンボルト１３を伸長せしめ、コ
ツタ２６の突片２６Ａとフランジ１６の切欠部１
５Ａを対応せしめたもとで、コツタ２６をパンチ
軸方向に抜けばよい。

第６図は前述した本考案に係るパンチ取付装置
２９を具備したアプセツタ３０の一例で、ベース
７とグリツプトング３１は横軸３２等を支点に開
閉自在で、対のプルロツド３３で連結されてお
り、３４が開閉駆動体である。

なお、第６図では割金型３，４により形成され
る被鍛造体保持孔３５内にパンチ８が挿抜自在の
横形アプセツタを示しているが、本考案は縦形ア
プセツタにも適用できることは当業者であれば明
らかである。

要するに本考案は、相互に離型自在とされた一
対の割金型３，４に対して往復運動自在とされた
スライド１に、前記割金型３，４により形成され
る被鍛造体保持孔３５内に挿抜自在なパンチ８を
設けたアプセツタ３０において、パンチ根元部９
に段部１０を有するパンチ８が該根元部９を介し
てスライド１に嵌合され、スライド１にパンチ軸
方向に弾性変形するテンシヨンボルト１３を介し
て前記段部１０より前方に固定フランジ１６を取
付け、該固定フランジ１６とスライド１間に前記
テンシヨンボルト１３を伸長する液圧ジヤツキ２
１を設け、前記固定フランジ１６とパンチ根元部
９の段部１０にわたつてパンチ軸方向に係合する
コツタ２６を着脱自在に介設し、該コツタ２６を
前記テンシヨンボルト１３の弾性復元縮少力を介
して固定フランジ１６と段部１０間で挾持したこ
とを特徴とするアプセツタのパンチ取付装置であ
るから次の利点がある。

パンチ８をスライド１に取付けるのに、テンシ
ヨンボルト１３と液圧ジヤツキ２１による固定フ
ランジ１６と段部１０間のコツタ２６を挾持とし
たので、パンチ８の取付強度は充分に保証される
し、従つて大きなパンチ引抜き力に対しても耐え
得るのである。

又、パンチ８の交換は液圧ジヤツキ２１による
テンシヨンボルト１３の伸長で、コツタ２６を脱
着すればよいので、その交換は容易正確で、短時
間にできるし、鍛造中のパンチ８の弛みや破損な
どもない。等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図１，２は従来２例の説明図、第２図は本
案第１実施例の側断面図、第３図は第２図の一部
省略正面図、第４図は本案第２実施例の側断面
図、第５図は第４図の一部省略正面図、第６図は
本案を適用したアプセツター例の側断面図であ
る。 １……スライド、３，４……割金型、８……パ
ンチ、９……根元部、１０……段部、１３……テ
ンシヨンボルト、１６……固定フランジ、２１…
…液圧ジヤツキ、２６……コツタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相互に離型自在とされた一対の割金型３，４に
   対して往復運動自在とされたスライド１に、前記
   割金型３，４により形成される被鍛造体保持孔３
   ５内に挿抜自在なパンチ８を設けたアプセツタ３
   ０において、パンチ根元部９に段部１０を有する
   パンチ８が該根元部９を介してスライド１に嵌合
   され、スライド１にパンチ軸方向に弾性変形する
   テンシヨンボルト１３を介して前記段部１０より
   前方に固定フランジ１６を取付け、該固定フラン
   ジ１６とスライド１間に前記テンシヨンボルト１
   ３を伸長する液圧ジヤツキ２１を設け、前記固定
   フランジ１６とパンチ根元部９の段部１０にわた
   つてパンチ軸方向に係合するコツタ２６を着脱自
   在に介設し、該コツタ２６を前記テンシヨンボル
   ト１３の弾性復元縮小力を介して固定フランジ１
   ６と段部１０間で挾持したことを特徴とするアプ
   セツタのパンチ取付装置。