JPS6243580Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はパチンコ遊技機の管理装置に関し、
特にパチンコ遊技機の打込球およびセーフ球を遊
技客毎に計数しかつ当該パチンコ遊技機毎に累積
計数してそれを知ることのできるようなパチンコ
遊技機の管理装置に関するものである。

第１図はパチンコ遊技機の打込球＋と補給球−
との差引数と、遊技時間の関係の一例を示す。従
来のパチンコ遊技機の管理装置によつて打止制御
する場合は、打込球と補給球との差引数（以下差
数）が予め定められた数量に達したとき行なわれ
ていた。例えば、打止制御を行なう差数（打込球
数−補給球数）を2000個と設定した場合は、第１
図において時間ｔ３のときに打止制御される。と
ころが、或るパチンコ遊技機において、遊技客Ａ
が時間ｔ０からｔ１の間に遊技して差数が＋3000
個になつた後、次の遊技客Ｂが打止制御されるま
で（すなわち差数が−2000個に達するまで：図で
は時間ｔ３）遊技した場合、遊技客Ｂは5000個の
賞品球を獲得する。また、遊技客Ｂは差数が−
1000個に達するまで（すなわち時間ｔ２）遊技し
て、賞品球約4000個を獲得すると、その後、次の
遊技客Ｃが打止制御されるまで遊技した場合、遊
技客Ｃは約1000個の賞品球しか獲得できない。こ
のように、従来の打止制御方式では、直前の差数
の多少によつて、打止制御されるまでの獲得でき
得る賞品球の数量が異なるため、遊技客に均一な
サービスができなかつた。

また、補給球が予め定める数に達したとき打止
制御する場合、賞品球が払い出されてから補給さ
れるまでの間に時間的遅れを生じるため、遊技客
が獲得する賞品球数と予め定められた補給球数と
は一致しない場合がある。従つて、遊技客に均一
なサービスができるように、個々の遊技客に対し
て一定数の賞品球が払出されたとき正確に打止制
御できるパチンコ遊技機が望まれる。

そこで、打込球数と賞品球数（１個セーフ球に
つき払出される球数の累計）との差数を演算する
演算回路を設け、遊技客が代わる毎に演算回路を
リセツトし、演算回路で演算された差数が予め設
定した打止数に達したとき、打止制御することが
考えられる。ところが、遊技客の代わる毎に演算
回路をリセツトすると、パチンコ遊技機の１日ま
たは或る期間の稼動状態に基づく差数の累計を知
ることができない問題点がある。

それゆえに、この考案の目的は、パチンコ遊技
機の或る期間の稼動状態に基づく打込球数と賞品
球数との差数の累計および遊技客の代わつた後に
おける遊技客毎の差数を知ることのできるよう
な、パチンコ遊技機の管理装置を提供することで
ある。

以下に、図面を参照してこの考案の実施例につ
いて説明する。

第２図はこの考案の原理を説明するための打込
球＋と賞品球−との差数と遊技時間の関係を示す
図である。注目すべき特徴は遊技客が代る毎に差
数を「０」に設定することである。詳細な説明は
後述のブロツク図の具体的な動作をともに述べ
る。

第３図はこの考案の一実施例のパチンコ遊技機
の管理装置のブロツク図である。この管理装置
は、パチンコ遊技機１０に関連して設けられる第
１の計数・演算部２０と第２の計数・演算部３０
とから成る。このパチンコ遊技機１０には打込球
検出器１１とセーフ球検出器１２と打止指令回路
１３が設けられる。第１の計数・演算部２０は、
打込球数カウンタ２１とセーフ球数カウンタ２２
と、乗算回路２３と減算回路２４と、第１の視覚
的表現手段の一例の表示・印字装置２５とから成
る。この表示・印字装置２５は、表示機能および
印字機能を含み、パチンコ遊技機毎の演算による
累積数を表示しかつ印字記録するものである。な
お、第１の視覚的表現手段の他の例としては、表
示器またはプリンタのいずれか一方であつてもよ
いことは言うまでもない。第２の計数・演算部３
０は、打込球数カウンタ３１と、セーフ球数カウ
ンタ３２と、乗算回路３３と、減算回路３４と、
第２の視覚的表現手段の一例の表示・印字装置３
５と、打止数設定器３６と、比較回路３７と、リ
セツト回路３８とから成る。この表示・印字装置
３４は、表示機能および印字機能を含み、遊技客
毎の演算による計数値を表示しかつ印字記録する
ものである。なお、第２の視覚的表現手段の他の
例としては、表示器またはプリンタのいずれか一
方であつてもよいことは言うまでもない。

以上の構成において、次により詳細な構成とと
もに動作を説明しよう。

前記打込球検出器１１はパチンコ遊技機に打込
まれた打込球を検出し、その検出出力を前記打込
球数カウンタ２１および３１に与える。この打込
球数カウンタ２１または３１は打込数を計数し
て、その計数出力を前記減算回路２４または３４
の一方入力として与えるとともに、表示・印字装
置２５または３５の１つとの入力として与える。
また、パチンコ遊技機１０にセーフ球があつたと
き、前記セーフ球検出器１２はセーフ球を検出
し、その検出出力を前記セーフ球数カウンタ２２
および３２に与える。このセーフ球数カウンタ２
２または３２はセーフ球数を計数して、その計数
出力を前記乗算回路２３または３３に与える。こ
の乗算回路２３または３３は、セーフ球計数値に
予め定められる係数を乗算して賞品球数を求め
る。乗算回路２３または３３の出力は、前記減算
回路２４または３４の他方入力として与えるとと
もに、表示・印字装置２５または３５の１つの入
力として与える。この減算回路２４または３４は
打込球数入力からセーフ球数に基づいて求められ
る賞品球数入力を減算する。この減算回路２４ま
た３４は打込数入力を正とし、セーフ球数に基づ
いて求められる賞品球数入力を負として演算処理
（例えば加算）する。この演算出力は表示・印字
装置２５または３５の残余の入力として与えられ
る。

表示・印字装置２５は、打込数カウンタ２１の
出力に応答してパチンコ球の累積的打込数の計数
値を表示しかつ印字記録し、乗算回路２３の出力
に応答してパチンコ球の累積的賞品球数を表示し
かつ印字記録し、さらに減算回路２４の出力に応
答して累積的減算値（打込球数−賞品球数）を表
示しかつ印字記録する。同様に表示・印字装置３
５は、打込球数カウンタ３１の出力、乗算回路３
３の出力および減算回路３４の出力に応答して表
示しかつ印字記録する。また、減算回路３４の減
算出力は前記比較回路３７に与えられる。この比
較回路３７には打止制御のための差数（すなわち
遊技客に払出された賞品球数）を設定する前記打
止数設定器３６の打止設定出力が予め与えられて
いる。比較回路３７は、打止設定値と差数すなわ
ち減算回路３４の負の出力とが一致したとき、一
致出力を導出して前記打止指令回路１３に与え
る。応じて、打止指令回路１３はパチンコ遊技機
１０を打止めさせて、以後の遊技を禁止する。

なお、遊技客が代つた場合は、前記リセツト回
路３８によつて前記打込球数カウンタ３１および
セーフ球数カウンタ３２に記憶された計数値がリ
セツトされる。以後前述の動作と同様にして、打
込球があつたとき前記打込球検出器１１は打込球
検出出力を前記打込球数カウンタ２１および３１
に与え、セーフ球があつたとき前記セーフ球検出
器１２はセーフ球検出出力を前記セーフ球数カウ
ンタ２２および３２に与える。このとき、打込球
数カウンタ２１およびセーフ球数カウンタ２２
は、前回までの遊技客の打込球数またはセーフ球
数にさらに累積的に加算する。打込球数カウンタ
３１およびセーフ球数カウンタ３２は個々の遊技
客毎に新たな打込球数またはセーフ球数を計数す
る。この打込球数カウンタ３１の出力が前記減算
回路３４に与えられる。セーフ球数カウンタ３２
の出力は前記乗算回路３３に与えられ、予め定め
る係数と乗算される。この乗算回路３３の出力は
賞品球数として減算回路３４に与えられる。減算
回路３４は打込球数から賞品球数を減算し、この
減算回路３３の負の出力（差引出力）が前記打止
数設定器３６の設定出力と一致したとき、前記比
較回路３７は一致出力を導出して前記打止指令回
路１３に与える。従つて、遊技客が代る毎に第２
の計数・演算部３０の計数値がリセツトされ、
個々の遊技客に一定数のセーフ球があつたとき打
止制御される。それゆえに、遊技客が打止制御さ
れるまで遊技したとき一定数の賞品球が正確に払
出されることが約束され、かつ均一のサービスが
可能となる。

次に、第２図および第３図を参照して具体的な
動作を述べよう。例えば賞品球が2000個に達した
とき打止制御される場合を想定しよう。まず、遊
技客Ａが差数ｔ０からｔ１まで遊技して、最終的
に3000個の差数があつた場合（すなわち前記打込
球数カウンタ２１，３１の計数値と前記セーフ球
数カウンタ２２，３２の計数値に或る係数を乗算
して求めらられる賞品球数との差が＋3000の場
合）、前記減算回路２４および３４は3000個の差
数出力（＋3000）を導出し、前記表示・印字装置
２５および３５に与えて「＋3000」を表示させる
とともに印字記録させる。遊技客Ａが遊技をやめ
たとき、係員は前記リセツト回路３８に遊技客が
代つたことを表わす信号を与えて、前記打込球数
カウンタ３１およびセーフ球数カウンタ３２をリ
セツトさせる。このため、減算回路３３は零出力
０を導出して、表示・印字装置に与えて表示させ
るとともに、印字記録させる。すなわち、第２図
における差数が時間ｔ１において０に強制され
る。

次の遊技客Ｂが時間ｔ１からｔ２まで遊技して
最終的に2000個の賞品球があつた場合（すなわち
前記打込球数カウンタ３１の計数値と前記セーフ
球数カウンタ３２の計数値に或る係数を乗算して
求められる賞品球との差が−2000の場合）、前記
減算回路３３は減算出力（遊技客の獲得した賞品
球数2000個）を導出する。この減算出力（−
2000）が前記表示・印字装置３５および比較回路
３７に与えられる。応じて、表示・印字装置３５
は「−2000」を表示するとともに印字記録する。
さらに、比較回路３７は打止数設定器３６出力
（2000個）と賞品球数2000個とを比較して一致出
力を導出し、その出力を前記打止指令回路１３に
与えて打止制御させる。このとき、前記打込球数
カウンタ２１およびセーフ球数カウンタ２２は、
打込球またはセーフ球がある毎に、前回の遊技客
Ａの計数値にさらに累積加算する。この打込球数
カウンタ２１およびセーフ球数カウンタ２２の計
数値に或る係数を乗算して求められる賞品球数が
前記減算回路２４に与えられ、減算処理される。
すなわち、遊技客Ａの差引数「＋3000」と遊技客
Ｂの差引数「−2000」とが加算され、累積演算値
「＋1000」が導出される。この累積演算値「＋
1000」が前記表示・印字装置２５に与えられ、表
示されるとともに印字記録される。

以下同様にして、遊技客が代る毎に、前記第２
の計数・演算部３０に含まれる打込球数カウンタ
３１およびセーフ球数カウンタ３２が一旦リセツ
トされるため、打止制御されるまで遊技客が遊技
した場合は、個々の遊技客に対して一定数の賞品
球が約束され、均一のサービスが行なえる。

上述のごとく、この実施例によれば、セーフ球
を検出して計数し、このセーフ球計数値に予め定
められる係数を乗算して賞品球数を求めるため、
補給数に基づいて打止制御する場合に比べて時間
遅れもなく高精度かつ正確に制御できる利点があ
る。また、パチンコ遊技機毎の累積計数値と遊技
客毎の計数値とを表示しかつ印字記録するため、
当該パチンコ遊技機の稼動状態が一目瞭然に把握
できる利点もある。

なお、上述の実施例では、説明を容易にするた
めに、パチンコ遊技機１０に関連して第１の計
数・演算部２０と第２の計数・演算部３０とが設
けられた場合について説明したが、コンピユータ
を用いて台毎の累積的計数と遊技客毎の個別的計
数とを行なつても同様の効果が得られることはも
ちろんである。また印字記録は累積数のみを記録
してもよい。

以上のように、この考案によれば、パチンコ遊
技機の、たとえば１日間の稼動状態を正確に把握
できるとともに、打込球数およびセーフ球数×所
定の係数自体から、１日でパチンコ遊技機内をど
れほどのパチンコ玉が循環したかを把握でき、実
質的な稼動状況、すなわち打込球数とセーフ球数
×所定の係数との単なる差数からでは把握できな
い、パチンコ球の循環がどれほどなされたものか
をも考慮に入れた稼動状況を把握することができ
る。また、遊技客が代わる毎のデータから、どの
ような遊技客が遊技を行なつたか、また、何人の
遊技客が遊技を行ない、かつ、一人の遊技客はほ
ぼどれほどの時間遊技を行なつたかも打込球数か
らおおむね把握できるので、そのパチンコホール
における客層の概略を把握できるとともに、閉店
後に釘調整するための有益な資料や、営業データ
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はパチンコ遊技機の〔打込球数−補給球
数〕と遊技時間との関係の一例を示す。第２図は
この考案の原理を説明するための〔打込球数−賞
品球数〕と遊技時間との関係を示す図である。第
３図はこの考案の一実施例のパチンコ遊技機の管
理装置のブロツク図である。 図において、１１は打込球検出器、１２はセー
フ球検出器、１３は打止指令回路、２１および３
１は打込球数カウンタ、２２および３２はセーフ
球数カウンタ、２３および３３は乗算回路、２４
および３４は減算回路、２５および３５は表示・
印字装置、３６は打止数設定器、３７は比較回
路、３８はリセツト回路を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 打込まれたパチンコ球を検出する第１の検出手
   段、 打込まれたパチンコ球のうちセーフ球を検出す
   る第２の検出手段、 前記第１の検出手段出力を累積的に計数し、か
   つ前記第２の検出手段出力を累積的に計数してそ
   の計数値に予め定められる係数を乗算し、前記第
   １の検出手段出力の計数値と前記第２の検出手段
   出力の乗算値との差を演算する第１の演算手段、 遊技客の代わる毎にリセツト指令信号を導出す
   るリセツト手段、 前記リセツト手段出力がある毎に前記第１の検
   出手段出力を新たに計数開始し、かつ前記第２の
   検出手段出力を新たに計数してその計数値に予め
   定められる係数を乗算し、前記第１の検出手段出
   力の計数値と第２の検出手段出力の乗算値との差
   を演算する第２の演算手段、 前記第１の演算手段の出力を表示しかつ印字す
   る第１の表示・印字手段、および 前記第２の演算手段の出力を表示しかつ印字す
   る第２の表示・印字手段を備えた、パチンコ遊技
   機の管理装置。