JPS624274Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は湯沸器、鍋等の蓋に穿設した鳴孔よ
り蒸気を噴出させて吹鳴音を発生させ、それによ
つて湯等の沸騰したことを知らせる鳴笛湯沸器等
の蓋に関する。

〔従来技術とその問題点〕

この種のものとしては、実公昭51−42610号公
報の鳴笛湯沸かし等の蓋が公知である。この蓋は
蒸気孔と、笛孔とを穿設した蓋体の上面に、上記
蒸気孔及び笛孔を選択的に閉塞する閉塞部材を設
けたものであるが、閉塞部材を動かすときに蒸気
が手に当たつてしまう欠点がある。すなわち沸騰
して吹鳴音を確認した後は吹鳴音を止める必要が
あり、この為に閉塞部材を動かすが、蒸気が孔よ
り上方へ噴出する為につまみ或いは閉塞部材をつ
かんだ手に蒸気が当たる危険性がある。

これを解決する手段として、実公昭53−28703
号公報の鳴笛湯沸かし等に使用する鳴笛装置が公
知である。この装置は弧状の底部中央に鳴孔をあ
けた外筐へ、中央に鳴孔を有する断面型の内筐
を嵌着して笛体を形成し、該笛体を蓋体の透孔へ
差込んで、孔端に係止した笛体の周縁を通気孔付
のつまみ座により押え付けてなり、蒸気は側方へ
排出する為に、つまみ方向へは蒸気が排出されな
い。

しさしながら、この装置においては孔を開閉す
る手段がない。従つて吹鳴音を止めることができ
ない欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は蓋体に形成する第１鳴孔と、この第
１鳴孔に連通する第２鳴孔を備えた笛体と、前記
第１鳴孔を開閉する閉塞部を備えたレバーと、前
記第１鳴孔をおおうように設ける蓋体の摘みと、
この摘みに形成する前記第１鳴孔と連通状態の蒸
気排出用安内路と、この案内路の開口部より離れ
た位置に設けた前記レバーの手動操作部からな
り、鳴笛を鳴らす際、又はこれを止める際のレバ
ー操作が安心してできる鳴笛湯沸器等の蓋であ
る。

〔作 用〕

第１鳴孔より排出される蒸気は案内路によつて
外部へ導かれると共に、この第１鳴孔を開閉する
レバーの手動操作部方向には蒸気が向かわずレバ
ーの操作部が蒸気によつて加熱されない。

〔実施例〕

容体１の一側に注湯口２を、上端に給水口３を
設けて、これに蓋体４をのせ、かつ容体１の上部
両端に穿設した取付金具５により取手６を枢着し
た湯沸かしであつて、前記蓋体４の上面中央に摘
み７を設ける。又蓋体４の中心より位置をずらし
た位置に第１鳴孔８を穿設すると共に、この第１
鳴孔８の下方に蒸気により鳴笛する中空部９ａを
有する笛体９を設ける。この笛体９は蓋体４の下
面に周縁１０を固着して内筒体１１を下方に垂設
し、さらにこの内筒体１１の下方をおおうように
外筐１２を設け、この外筐１２の底面中央に第２
鳴孔１３を形成する。又筒体１１と外筐１２間に
はパツキン２１を介在させて気密となつている。

前記摘み７は前記鳴孔８の上方をおおうように
設けられると共に、底面には鳴孔８から排気され
る蒸気を一側方向へ導く案内路１４を形成すると
共にその端部に開口部１４ａを設ける。又第１鳴
孔８を開閉する閉塞部１５ａを有するレバー１５
が設けられ、このレバー１５は摘み７の中心を回
転中心として廻動自在に取付けられる。そしてこ
のレバー１５の他側は閉塞部１５ａと反対方向の
摘み７箇所より突出する手動操作部１５ｂが形成
される。さらに詳細に説明すると、摘み７の裏側
には同芯円状の切欠き部７ａとこの切欠き部７ａ
に連通すると共に側方へ開口する互いに対向する
２つの切欠き部７ｂ，７ｃが形成され、そして中
央には雌螺子１６が設けられ、一側開口切欠き部
７ｂの下方に鳴孔８が配置される。

一方、レバー１５は前記切欠き部７ａに嵌合す
る同芯円状の円板部１５ｃと、この円板部１５ｃ
の両側に側方へ突出して前記閉塞部１５ａと手動
操作部１５ｂが連設され、さらに円板部１５ｃの
上面中央には段部１５ｄが形成され、この段部１
５ｄに波状のスプリングワツシヤー１７が介在し
ている。そして蓋体４の中央に穿設した取付孔１
８を介して雄螺子１９が前記雌螺子１６に螺着し
蓋体４に摘み７とレバー１５が一体的に設けられ
る。従つて、第１鳴孔８から排気される蒸気は案
内路１４によつてのみ開口部１４ａより外部へ排
出される。

さらに、蓋体４の第１鳴孔８の近傍に前記レバ
ー１５の閉塞部１５ａによつて開閉しない排気孔
２０を穿設する。尚、２０ａは位置決め用突起、
２０ｂは位置決め用孔である。

次に作用について説明する。

手動操作部１５ｂによつてレバー１５を廻す
と、閉塞部１５ａが第１鳴孔８を塞ぎ、蒸気は排
気孔２０から外部へ排気される。一方、手動操作
部１５ｂによつてレバー１５を逆方向に廻すと、
閉塞部１５ａが第１鳴孔８をひらき、その結果蒸
気は第２鳴孔１３より笛体９の中空部９ａに入
り、そして第１鳴孔８から排出し、鳴笛が鳴り、
沸騰を知らせる。そして第１鳴孔８からの排出蒸
気は手動操作部１５ｂと反対側に形成された案内
路１４によつて側方外部へ排気される。又排出蒸
気はレバー１５の円板部１５ｃと摘み７の切欠き
部７ａとの摺動面２２によつてシールさせる為
に、手動操作部１５ｂへ流れることが抑止され
る。

〔考案の効果〕

この考案は蓋体に形成する第１鳴孔と、この第
１鳴孔に連通する第２鳴孔を備えた笛体と、前記
第１鳴孔を開閉する閉塞部を備えたレバーと、前
記第１鳴孔をおおうように設ける蓋体の摘みと、
この摘みに形成する前記第１鳴孔と連通状態の蒸
気排出用案内路と、この案内路の開口部より離れ
た位置に設けた前記レバーの手動操作部からなる
ものであり、レバー操作によつて、笛体の第１鳴
孔を開閉作動できる為に必要に応じて鳴笛を鳴ら
すことができ、又鳴笛が鳴つている際にこれを止
めようとして、操作用レバーの手動操作部をつま
んで、蒸気が反対側より排出される為に直接手に
蒸気が当たらず、安心して使用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断面図、第２図は分解状態を示す斜
視図、第３図は横断面図である。 ４……蓋体、７……摘み、８……第１鳴孔、９
……笛体、１４……案内路、１４ａ……開口部、
１５……レバー、１５ａ……閉塞部、１５ｂ……
手動操作部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体に形成する第１鳴孔と、この第１鳴孔に連
   通する第２鳴孔を備えた笛体と、前記第１鳴孔を
   開閉する閉塞部を備えたレバーと、前記第１鳴孔
   をおおうように設ける蓋体の摘みと、この摘みに
   形成する前記第１鳴孔と連通状態の蒸気排出用案
   内路と、この案内路の開口部より離れた位置に設
   けた前記レバーの手動操作部からなることを特徴
   とする鳴笛湯沸器等の蓋。