JPS6242641B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、塗料、塗液等の中に混入している気
泡を除去する装置に関するものである。

紙、フイルム、その他シート状の物の表面に塗
料、塗液を塗布する塗工機ラインにおいて、塗布
する塗料、塗液に気泡が混入していると塗面にピ
ンホールや未塗工箇所が発生し、不良品となる。

このような塗工機ラインを必要とするものは、
アート紙、コート紙、ノーカーボン紙等がある
が、塗工機ライン中の脱泡機を設けて、塗料、塗
液中の気泡を除去して製品ロスを少なくする必要
がある。このような脱泡器として従来は、第１図
ないし第６図に示すようなものが使用されてい
た。

第１図に示すものは回転する容器ａの頂部に液
供給管ｂを接続し、容器ａの底部には液排出管ｃ
を接続すると共に、容器ａ内に開口している脱気
管ｄを容器ａの頂部より外部へ導びいている。こ
の装置は第２図に示すように、塗料、塗液が貯溜
されているサプライタンクｅをポンプｆを介して
液供給管ｂに接続し、液排出管ｃをフイルタｇを
介して塗工機ｈに接続する。そして容器ａを高速
回転させると、遠心力によつて比重の重い液体は
容器ａ内の外周部に移動し、比重の軽い気泡は容
器ａの中心に集まつて脱気管ｄから容器ａの外に
排出される。このようにして気泡を除去した液体
は、液排出管ｃ、フイルタｇを通つて塗工機ｈに
送られる。

上述した第１図、第２図の装置は脱泡効率が良
く、大容量、連続使用に適するものがあるが、容
器ａの上下に２箇所の軸シールｉが必要である。
使用する液体がクレー水溶液を主成分とする塗液
の場合はシール部材を摩耗させるため、保守に手
間がかかる欠点があつた。

第３図に示す装置は円筒型の容器ａの上部接線
方向に液供給管ｂを取り付け、塗料、塗液等の液
体をポンプを介して液供給管ｂから容器ａ内に送
り込み、液体自身の遠心効果で気泡を容器ａの中
心に集め、この気泡を脱気管ｄから排出すると共
に、気泡を除去した液体を液排出管ｃから取り出
すようにしたものである。この第３図に示した従
来の装置は、容器ａ内における液体の旋回速度を
あまり速くすることができず、液体の旋回速度を
速くすると液体の乱流が発生し気泡が分散するた
め、処理容量を大きくすることができない欠点が
あつた。

また第４図に示す装置は脱気管ｄの途中に真空
ポンプｊを設けて気泡を吸引除去するようにした
ものであり、第５図に示す装置は液供給管ｂと脱
気管ｄとを同じ高さとしてその間に浮力室ｋを設
け、ここで浮力によつて浮いた気泡を脱気管ｄか
ら除去し、気泡を除去した液体は浮力室ｋの下方
から容器ａ内を経て上方の液排出管ｃから取り出
すようにしたものであり、第６図に示す装置は容
器ａ内に多数の堰ｌを設け、液供給管ｂから容器
ａ内に入つた液体は堰の間をめぐりながら気泡が
除去され、気泡はオーバーフロー管ｄから排出さ
れると共に、気泡の除去された液体は液排出管ｃ
から取り出すようにしたものである。

ところでこれらの第４図ないし第６図に示す従
来の装置は、いずれも少容量の液体の気泡除去に
適するもので、大容量で連続使用する場合には効
率が低く、装置が大きくなる欠点があつた。

本発明はこのような従来の欠点を解決し、小型
の装置で能率よく液体から気泡を除去することを
目的とし、回転する円筒容器中心に上方より挿入
せしめた液吸引排出管を容器下部の内壁近傍にお
いて開口させ、該液吸引排出管を囲繞せしめて供
給管を配設し、排出管と供給管との間より液体を
供給すると共に供給管と円筒容器との間から脱気
するよう構成したことを特徴とする気泡除去装置
に係るものである。

次に本発明の一実施例を第７図、第８図につい
て説明すると、円筒状の容器１は上方に軸筒２′
を突出せしめた上蓋２が取り付けられていて、軸
筒２′及び容器１の底部に於いて軸受３，３′で回
転自在に支持されている。そしてモータ４より駆
動ベルト５を介して回転駆動されるようになつて
いる。

容器１の中心に設けられた液吸引排出管６が軸
筒２′を貫通して容器１の外部まで延びており、
この液吸引排出管６は、容器１の上方で固定部材
に取り付けられているサポート７によつて、回転
しないように支持されている。

液吸引排出管６の下端に円板１０を固着すると
共に該円板１０に対峙せしめて円形の添板１２を
ステー１１を介して取付け、容器１の底部内周壁
近傍に開口する吸引口８を形成せしめ、容器１の
底部内周壁近傍の液体を吸引し得る様にする。
又、液吸引排出管６の上部は容器１の外部へ延
び、第１１図に示すように、ポンプ１４、フイル
タ１５を介して塗工機１６の吹付器１７に接続さ
れている。液吸引排出管６の外周には液供給管１
８が設けられ、液供給管１８の一端は容器１内の
上部に開口しており、液供給管１８の他端は容器
１の外に延び、第１４図に示すように、塗工機１
６の受皿２０とつながると共に供給タンク２７と
供給弁１９を介してつながつている。

再び第７図において、軸筒２′は該軸筒２′の上
端部を囲繞するオーバーフロー管２３につながる
と共に、隙間２４を介して外気に通じている。オ
ーバーフロー管２３は、第１４図に示すようにオ
ーバーフロータンク２２を通じており、オーバー
フロータンク２２内にはレベルスイツチ２５があ
つて、オーバーフロータンク２２内の液面が一定
以上の高さになると、ポンプ２１が作動してオー
バーフロータンク２２内の液体を供給タンク２７
に戻す様になつている。供給弁１９はその液流量
が塗工機１６で単位時間に消費される液量より多
くなるよう調節される。

第７図、第１４図において、気泡の混入した液
体は供給弁１９側と受皿２０側より液供給管１８
を通り、容器１内に供給される。容器１はモータ
４より駆動ベルト５を介して回転駆動されている
ので、容器１内に供給された液体は遠心力で容器
１の外周部に移動すると共に下方に沈下する。一
方、液体に混入している気泡は比重が軽いため容
器１の中心部に集まり、大部分のものは軸筒２′
を通つてオーバーフロー管２３に入り、一部のも
のは液供給管１８に入る。オーバーフロー管２３
に入つた気泡はオーバーフロー管２３から隙間２
４を通つて外部に排出され、液供給管１８に入つ
た気泡は、そのまま上昇して外部に排出される。
オーバーフロー管２３に入つた液体分はオーバー
フロータンク２２に溜められ、液面が一定以上の
液位になるとポンプ２１によつて供給タンク２７
に戻される。

尚、第９図、第１０図は吸引口の他の例を示し
ており、液吸引排出管６の下端に所要本数（図で
は３本）の案内管１３を渦巻状に設け吸引口を容
器底部の内周壁近傍に開口せしめたものである。
又、第７図において軸筒２′部分を回転自在に支
持しているが、軸受３′で容器１を振れなく支持
し得れば軸受３は特に設けなくともよい。

第１２図、第１３図は容器の他の実施例を示す
もので、容器１内の半径方向に、複数の仕切板２
６を取り付けたものである。これらの仕切板２６
を設けることによつて、容器１内に入つた液体は
直ちに容器１の回転速度と同じ速度で回転しなが
ら遠心力の作用を受けることになる。従つて液体
と容器１との間に回転速度の差がなくなるため、
容器１の回転速度を低く設定することができる。

本発明は大容量の液体から連続して気泡を除去
することが可能であり、液吸引排出管、液供給
管、オーバーフロー管を同心状にして容器の上部
に取り付けてあるので容器の全高を低くして小型
化することができ、場所をとらないですむ効果が
ある。

また軸シールが不要でクレー塗料を使用する場
合でもシール部材摩耗の問題がなくなり、容器も
圧力容器の必要がないため軽量となる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の一例の縦断面図、第２図は
その系統図、第３図ないし第６図は従来装置の他
の縦断面図、第７図は本発明の一実施例の縦断面
図、第８図は第７図の−線矢視図、第９図は
吸引口形状の他の例を示す部分説明図、第１０図
は第９図の−矢視図、第１１図は本発明の実
施例の系統図、第１２図は容器の他の実施例の縦
断面図、第１３図は第１２図の−矢視図
である。 １……容器、６……液吸引排出管、８……吸引
口、９……底部、１８……液供給管、２３……オ
ーバーフロー管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転する円筒容器中心に上方より挿入せしめ
   た液吸引排出管を容器下部の内壁近傍において開
   口させ、該液吸引排出管を囲繞せしめて供給管を
   配設し、排出管と供給管との間より液体を供給す
   ると共に供給管と円筒容器との間から脱気するよ
   う構成したことを特徴とする気泡除去装置。