JPS624232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は印刷版を彫刻する方法に関する。例え
ば本発明は走査のために網目で形成された原画を
用いて輪転機で印刷する版を彫刻する方法に関す
る。

輪転機の印刷版を彫刻するために網どりされた
原画を用いることはすでに米国特許第2532702号
明細書および同第2543393号明細書ならびに同第
302411号明細書、また英国特許第706688号明細書
および同第706689号明細書によつてすでに提案さ
れている。然るにこれらの特許は印刷版を化学的
な方法で製作する方法に関するものである。

また次のａ〜ｃのステツプを含み電気機械的に
印刷版を製作する方法は公知である。即ち、 ａ 原画を焦点にセツトする装置を有する照明―
および光学的走査装置を用いて原画を光電的に
走査する。

ｂ 原画の走査によつて検出された光信号を、光
信号の強さを再生する電気信号に変換する、ま
た電気信号を電子計算機で処理する。

ｃ 検出された電気信号によつて制御される彫刻
工具を用いて印刷版を彫刻する。

斯様な方法はずつと以前から本出願人の“多色
電気製版”型の彫刻機械に利用されている。その
場合特別に不透明な原板材料上に反転複写された
オパールとも称せられる網目どりされていない色
分解ネガを走査する。斯様なオパールの製作には
多くの費用と時間がかかるので、オパールを製作
しないようにすることが所望される。

その場合オパール即ち網目どりされていない色
分解ネガの代りに、オフセツト印刷などの印刷方
法で網目どりされた色分解ネガを用いる場合のよ
うに、すでに網目どりされた色分解ネガを走査す
ると非常に簡単である。斯様な色分解ネガは従来
から用いられているオパールより安価に製作で
き、また原画をオフセツト印刷によつて複製する
こともできる。然る斯様な方法において網目どり
されていない原画の代りに網目どりされた色分解
ネガを用いると、網目どりされた原画シートの網
目を、彫刻工具を用いて印刷版を彫刻する網目に
重ね合わせることによつて印刷の際許容できない
モアレが生ずる。

それ故本発明の課題は、電気機械式彫刻機械で
印刷版の製作のために行う走査を網目どりされた
原画でも行える方法を提供することである。

本発明によればこのような目的を達成するため
に、例えば通常の場合オフセツト印刷または殖版
焼付けで用いられるフイルムとして形成された網
目どりされた原画を用いて印刷版を彫刻する方法
が提案される。その場合この方法は、 ａ 原画を焦点からずらしてセツトする装置を有
する照明―および走査装置を用いて原画を光電
的に走査し、 ｂ 原画の走査によつて検出された光信号を、光
信号を再生する電気信号に変換し、かつ電気信
号を電子計算機で電子的に処理し、かつ ｃ 電子的アンシヤープマスク処理操作によつて
修整し、 ｄ 検出された電気信号によつて制御される彫刻
工具を用いて印刷版を彫刻する、 ことを特徴としている。

通常の彫刻に対する付加的なステツプは、焦点
ずれを起こすこととシヤドーマスクで修整するこ
とと組合せたものである。

網目どりされた原画を、光学系を用いて焦点か
らずらして走査することによつて生ずる画像情報
の損失をシヤドーマスクによつて修整すると、モ
アレは除去されるようになる。

次に本発明を図示の実施例につき詳しく説明す
る。

第１図は例えば本出願人の“多色電気製版”
（ヘリオ・クリシヨグラフ）機械で形成されるよ
うな、凹版輪転印刷版を製作する彫刻機械の原理
図を示す。この機械はたんに略示してあるだけで
ある。それはこの機械の構造と駆動方式とは例え
ば米国特許第3582549号明細書に詳しく記載され
ているからである。上述の機械とこの機械を作動
する方法とは上述の特許明細書に記載されてお
り、かつこのような装置はずつと以前から市販さ
れているので、当業者なら細部まで周知である。

網目化どりされたパターンで形成されかつ通常
の場合オフセツト印刷または殖版焼付けで用いら
れる原画１は、所定の速度で長手軸の周りに回転
する走査シリンダ２に取り付けられている。光学
的照明―および走査装置３は原画を光学的に走査
するために用いられる。光学的照明―および走査
装置３は原画を光学的に走査するために用いられ
る。光学系３は原画１を焦点にセツトする（図示
されていない）公知の装置を有する。光電変換器
４例えば倍率器は原画１から反射された光信号を
電気信号に変換するために用いられ、その場合電
気信号は反射された光の強さを再生する。また電
子式処理装置９は装置４から生じた電気信号を処
理し、かつ彫刻工具７の制御のために用いられる
電磁制御ユニツト６に送出するために用いられ
る。彫刻工具７で彫刻される深さは画面、即ち制
御ユニツト６で生ずる電気信号の振幅、ひいては
装置４で検出される反射された光信号の強さに依
存して変化する。彫刻によつて固有の印刷版が形
成される。第１図の実施例において走査シリンダ
の場合と同じ軸上に取付けられた銅製の回転する
シリンダ８は、走査シリンダの場合と同じ速度で
回転し、かつ彫刻工具７は銅製のシリンダの表面
に、印刷の際色を付けて紙に転写する凹点を彫刻
する。

走査装置３が正確に原画上に焦点合わせされて
いると、原画１の網目スクリーンを対応する彫刻
工具７の網目スクリーンに重ねることによつて前
述のモアレ現象が生ずる。

本発明による方法では、原画１を走査するステ
ツプの前に原画の焦点をずらすステツプを設けて
いる。それ故本発明によれば光学系を正確な焦点
の付近で使用原画に応じて即ち原画の網目間隔に
応じて、アンシヤープ（鮮鋭度低下）状態に調節
すべきである。

本出願人の“多色電気製版”機械を用いた場
合、例えば光学系の正確な焦点位置からのずれを
略1.25mmとすれば有利である。この長さは上述の
機械において、焦点を調節する調節ねじの略1/4
回転に相応する。

斯様な調節ねじは第１図に詳しく示されてな
く、２重矢印５によつて示されている。これは走
査ヘツド全体と走査シリンダとの間の間隔を変化
できることを意味する。当業者ならば前述の彫刻
機械の構造は公知であり、かつ斯様な走査装置
を、調節ねじまたはスピンドルを用いて移動する
ように構成するのは容易であるので、機械的な構
造を示すことは省略した。また例えば望遠鏡を用
いて構成することによつて光学系自体が焦点ずれ
を起こすようにすることもできる。

また本発明を本出願人の米国特許第4013829号
明細書に記載されているような彫刻機械に利用す
ることができる。この彫刻機械はすでに長期に亘
つて実際に使用されておりかつ前述の米国特許第
4013829号明細書と同時に米国特許第3582549号明
細書によつても公知の構造を有するので、当業者
ならばこの彫刻機械の細部の構成は周知である。
それ故ここでは彫刻ユニツトと電子的な信号処理
方式についての説明を省略した。

第２図は照明―および走査装置３を詳しく示
す。屡々走査ヘツドとも称せられる走査装置３の
ケース１０の内部に光源１１が設けてあり、光源
１１の光は光学系１２を介して焦点１３の位置に
ある原画１上に収束されている。

また第１図の場合のように、光学系１４を介し
て原画から反射された光が当たる光電変換器４が
設けてある。例えば本発明において走査ヘツドと
原画との距離をｆ＝1.25mmの値だけ変化すること
によつて装置の焦点位置をずらしている。また焦
点ずれ操作によつて生ずる画像情報の損失を補償
するために、（米国特許第2962548号明細書に記載
のように）通常の走査過程にアンシヤープマスク
処理操作のステツプを付加している。

第３図は付加的に走査ヘツド３の内部に設ける
ことができる原画プロフイルの再現性即ち鮮鋭度
を改善する装置を示す。光学系１４と光電変換器
４との間の光線路に、孔をあけて傾斜した鏡体１
５が設けてあり、鏡体１５は孔の周りで走査点１
３の周囲を走査する範囲の光を反射する。反射面
１６から反射された光はもう１つの光学系１７を
介してもう１つの光電変換器１８にあたり、また
変換器１８の出力信号は、接続線１９を介して主
チヤンネル即ち光電変換器４の出力側から供給さ
れる信号と共に、２つの信号から差信号を形成す
る装置２０に供給される。そしてこの差信号は主
信号即ち光電変換器４の出力信号と共に第１図の
装置９に供給され、装置９で装置２０の差信号は
再び主信号に重畳される。斯様な方法については
米国特許第2962548号明細書に詳しく説明されて
いる。これによつて再生された画像は原画より尖
鋭になる。

本発明で用いられる網目どりされた原画は、白
色の走査ドラム上に広げるかまたは露光された網
目どり原画に感光紙を重ねるために、透明な網目
フイルムとすることができる。

例えば本発明は網目どりされた原画をも走査で
きるようにしたことにより、網目どりされた凹版
印刷用の色分解版を直接に走査でき、かつ簡単に
オフセツト印刷によつて固有の凹版印刷版の製作
を開始する以前にゲラ刷りできるようになるので
有利である。これによつて時間と費用がかなり節
約される。

本発明は凹版印刷用の輪転印刷版を製作するた
めに利用すると有利である。すでにオフセツト再
生で調節されている場合、網目どりされたオフツ
ト色分解版を転写せずに凹版印刷版の製作に利用
できるようになる。また前以て感光紙またはフイ
ルム上に印刷された網村どりされた色分解ネガを
直接に凹版印刷版の製作のために利用でき、その
場合走査のためのいわゆるオパールを製作する必
要はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を原理的に示すブロツ
ク図、第２図は本発明に供する照明―および走査
装置を詳細に示す図、第３図は本発明に供する電
子的シヤドーマスクを用いてコントラストを増加
する装置を示すブロツク図である。 １…原画、２…走査シリンダ、３…照明―およ
び走査装置、４，１８…光電変換器、６…制御ユ
ニツト、７…彫刻工具、８…銅製のシリンダ、９
…処理装置、１０…ケース、１１…光源、１２，
１４，１７…光学系、１５…鏡体、１６…反射
面、２０…差信号を形成する装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 網目化原画を用いる印刷版の彫刻方法におい
   て、 ａ 原画を焦点にセツトする装置を有する照明―
   および走査装置を用いて原画を光電的に走査
   し、 ｂ 原画の走査によつて検出された光信号を電気
   信号に変換し、かつ前記電気信号を電子計算機
   で電子的に処理し、かつ ｃ 走査装置から供給された信号に対して付加的
   に電子的アンシヤープマスク処理操作をなし、 ｄ 前記の検出された電気信号によつて制御され
   る彫刻工具を用いて印刷版を彫刻し、その場合
   付加的に前記原画の適正な鮮鋭度位置から光学
   的走査装置の焦点位置をずらす過程を、印刷版
   の形成のために原画を光学的に走査する以前に
   行うことを特徴とする印刷版の彫刻方法。 ２ 光学的走査装置を適正な焦点位置から略
   1.255mmだけずれた位置に調節する特許請求の範
   囲第１項記載の方法。 ３ 走査装置から導出された電気信号が彫刻工具
   の制御のために用いられる以前に、付加的に前記
   電気信号に対してアンシヤープマスク処理操作に
   よつて修整する特許請求の範囲第１項記載の方
   法。