JPS6241800Y2

JPS6241800Y2 -

Info

Publication number: JPS6241800Y2
Application number: JP15923080U
Authority: JP
Priority date: 1980-11-06
Filing date: 1980-11-06
Publication date: 1987-10-26
Also published as: JPS5781134U

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕この考案は、酸性食品用容器、特に使用の都度
収納した食品の全量を使い尽くすようないわゆる
ポーシヨンパツクに適した密封容器に関する。〔従来の技術及びその問題点〕食酢、ソース、しよう油、サラダドレツシング
などには、ガラス容器或はブロー成形のプラスチ
ツク容器が一般に使用されている。これらの容器
には、普通ねじキヤツプが取り付けられており、
使用時にこのキヤツプを外し、使用しないとき
は、キヤツプを閉じているが、開閉の都度、水
分、酸素などが容器内に入り、内容物を変質させ
る原因となつている。また、これらの容器は、容量が大きい為旅行、
キヤンプなどに携帯するには非常に不便である。そこで、まず内容物の変質を防止するには、密
封容器を使用すればよい。このような容器とし
て、アルミニウム箔に接着剤でポリプロピレンフ
イルムを貼り合せた蓋と、ポリプロピレンの容器
本体とをヒートシールしたものがある。しかしな
がら、この容器は、蓋と容器本体の接合部分、即
ちヒートシール部の材質が蓋側も容器本体側もい
ずれもポリプロピレンであるから、接着力が強す
ぎて開封が容易でない。また、前述の酸性食品をこの容器に収納した場
合、蓋のシールフイルム層を通して接着剤層に内
容物が浸透し、接着剤層の軟化、劣化などの変質
などによつて接着が破壊され、更にアルミニウム
箔が腐食するので、バリヤー性が低下すると共に
開封時にアルミニウム箔のみが剥離してシールフ
イルムが容器本体に残存するなどの欠陥が生じ
る。そこで、この考案は、開封が容易で、しかも酸
性食品を収容した場合においても耐食性に優れ、
バリヤー性が充分維持できる密封容器を提供しよ
うとするものである。〔問題点を解決するための手段〕この考案は、密封容器を次のように構成したの
である。即ち、ポリエステルフイルムの外面に金属薄膜
層を設け、前記ポリエステルフイルムの内面に、
ウレタン系接着剤を介して、ポリプロピレンが30
〜50重量％、ポリエチレンが70〜50重量％の割合
に配合されたポリプロピレンとポリエチレンのブ
レンド品より成るフイルムを積層した蓋によつ
て、少なくとも内面がポリプロピレンである容器
本体を熱封緘したものである。〔作用〕上記構造の密封容器は、容器本体内面のポリプ
ロピレンと、蓋体内面のポリプロピレンとポリエ
チレンのブレンドフイルムとをヒートシールした
ものであり、蓋体内面のブレンドフイルムのポリ
プロピレンとポリエチレンの配合比を、ポリプロ
ピレンが30〜50重量％、ポリエチレンが70〜50重
量％の割合になるようにしたので、蓋と容器本体
のヒートシール部分は密封性が良好でしかも開封
が容易なものになる。また、上記蓋のブレンドフイルムの外面には、
ウレタン系接着剤を介してポリエステルフイルム
及び金属薄膜層が存在するため、バリヤー性に優
れていると同時に、ブレンドフイルムとポリエス
テルフイルムの層間剥離、金属薄膜層の腐食など
が防止される。〔実施例〕以下、この考案の実施例を添付図面に基いて説
明する。まず、この考案に用いられる蓋１０は、第１図
に示すように、アルミニウムなどの金属蒸着によ
り、金属薄膜層２をポリエステルフイルム１の表
面に形成し、この面に、ウレタン系接着剤３を介
してポリエステルフイルムを積層し、他面に、同
じくウレタン系接着剤５を介して、ポリプロピレ
ンとポリエチレンのブレンド品より成るフイルム
６を貼り合せたものである。なお、第２図に示す
ように、ポリエステルフイルム４の内面に印刷層
７を設けてもよい。また、第３図に示すように、50μ以下程度の厚
みを有するアルミニウムなどの金属箔で金属薄膜
層２を形成してもよい。この場合には、ポリエス
テルフイルム１にウレタン系接着剤３で貼り合せ
るのがよい。さらに、必要に応じて薄膜層２の表
面に印刷層７、印刷保護層８を設けることができ
る。前記いずれの場合も、ポリエステルフイルム１
は、12〜50μの厚みのものが、バリヤー性、シー
ル性及び価格の面で望ましい。なお、ポリエステ
ルフイルムのほか、延伸もしくは無延伸ポリプロ
ピレンあるいは延伸ナイロンを用いることができ
る。前記ポリプロピレンとポリエチレンのブレンド
品より成るフイルム６としては、ポリプロピレン
が30〜50重量％、ポリエチレンが70〜50重％の割
合に配合された樹脂フイルムを使用する。さらに、ウレタン系接着剤としては、主剤がポ
リエステル、ポリエステルポリオール、ポリエス
テルポリウレタンなどであり、硬化剤がトリレン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナ
ートを適量配合したものなどが使用される。以上のような蓋１０に対して、容器本体２０
は、少くとも内面がポリプロピレン、もしくはポ
リプロピレンを主体とするものであればよく、従
つてポリプロピレン単体で形成されたもののほ
か、例えばポリプロピレン、エバール（商品名、
株式会社クラレ）、スチレンより成る積層体、ポ
リプロピレン、エバール、ポリプロピレンより成
る積層体などがある。容器本体の形成方法は、射
出成形、ブロー成形、加熱真空成形、加熱圧空成
形のいずれでもよい。このような容器本体２０を蓋１０で封緘するの
はヒートシールにより、例えば温度180℃、圧力
５Kg／cm²で１秒間保持すれば充分である。〔実施例１〕ポリエステルフイルムにアルミニウム蒸着を施
し、この蒸着面にウレタン系接着剤を介してポリ
エステルフイルムを貼り合せ、他面に同じくウレ
タン系接着剤を介してポリプロピレンとポリエチ
レンのブレンド品より成るフイルムを貼り合せ、
これを蓋とし、ポリプロピレン、エバール、ポリ
プロピレンより成る成形容器本体を作製した。〔比較例１〕印刷保護層をコーテイングしたアルミニウム箔
の他面に塩化ビニル酢酸ビニル系接着剤を６ｇ／
m²コーテイングして、これを蓋とし、塩化ビニル
より成る成形容器を用意した。〔比較例２〕印刷保護層をコーテイングしたアルミニウム箔
の他面にウレタン系接着剤を介して厚み50μの無
延伸びポリプロピレンフイルムを貼り合せ、これ
を蓋とし、ポリプロピレン、エバール、ポリプロ
ピレンの積層体より成る成形容器本体を用意し
た。次に、上記実施例及び比較例の容器本体にサラ
ダドレツシングを入れ、それぞれの蓋で熱封緘し
て密封した。これらの密封容器について、それぞれ開封容易
性と、１ケ月間、及び３ケ月間放置後の内容物の
減量とシール部の状態を調べた。その結果を第１
表に示す。

〔効果〕

この考案の密封容器は、以上の如きものである
から、密封性が良好でしかも開封が容易であり、
酸性食品を収容しても保存性が良好であるといつ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図及び第３図は、この考案の密封
容器に用いる蓋の断面図、第４図はこの考案の密
封容器の断面図である。１……ポリエステルフイルム、２……金属薄膜
層、３……ウレタン系接着剤、４……ポリエステ
ルフイルム、５……ウレタン系接着剤、６……ポ
リプロピレンとポリエチレンのブレンド品から成
るフイルム。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ポリエステルフイルムの外面に金属薄膜層を設
け、前記ポリエステルフイルムの内面に、ウレタ
ン系接着剤を介して、ポリプロピレンが30〜50重
量％、ポリエチレンが70〜50重量％の割合に配合
されたポリプロピレンとポリエチレンのブレンド
品より成るフイルムを積層した蓋によつて、少な
くとも内面がポリプロピレンである容器本体を熱
封緘した密封容器。