JPS6241754Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はいわゆる脱水すすぎを行なう脱水兼用
洗濯機に係り、中でもその給水構造を改良した脱
水兼用洗濯機に関する。

〔考案の技術的背景〕

従来より、脱水すすぎは洗剤洗い後の洗濯物に
水をかけつつそれを脱水することによつて効果的
にすすぎを行なわんとするもので、脱水兼用洗濯
機に於いてもそれを行なう構想はある。然し、従
来の脱水兼用洗濯機に於けるそれは、回転する洗
濯・脱水兼用の槽即ち回転槽の内部、中でもその
中心部に向けて給水装置の給水口からたゞ放水状
に給水することによつて行なうというものであつ
た。

〔背景技術の問題点〕

上記従来のものによると、洗濯物が槽の回転に
よる遠心力を受けて該槽の周囲部に位置するとい
う事情を有するにも拘らず、槽の中心部に向けて
たゞ放水状に給水するというのであるから、上記
洗濯物には直接有効に水がかからず、従つて脱水
すすぎの効果も少ないという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上述の事情に基づきなされたものであ
り、従つてその目的は、回転槽内の洗濯物に直接
有効に水をかけることができて効果的に脱水すす
ぎを行なわしめ得、併せて回転槽に対する使用者
の保護並びに回転槽内からの水の跳ね返りによる
濡れの防止等も図り得る他、更には操作性、品質
ともに優れ、又、水を極力有効に使用し得る極め
て実用的な脱水兼用洗濯機を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、洗濯・脱水兼用の回転槽の上方に位
置する非回転部位に、給水装置から供給される水
を受けて前記回転槽の内方に拡散供給する少なく
とも周囲部に多数の通水小孔を有する蓋状の散水
器を開閉可能に軸支して設けると共に、該散水器
の軸支部後方から前下方にかけ該散水器の後縁部
と圧接摺動可能に延出されて先端部が前記回転槽
の内方に臨む傾斜状の受け部を設けたことを特徴
とするものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明するに、先ず第１図に於いて、１は外箱であ
り、２は外箱１の内部に弾性吊持機構３を介して
配設した外槽、４は外槽２の底部略中央に垂設し
た洗濯軸５や脱水軸６並びにクラツチ７やブレー
キ８を有する機構部、９は機構部４の一方側（図
中左側）に配設したモータ、１０はモータ９と機
構部４とを結ぶベルト伝動機構である。一方、１
１は機構部４の他方側（図中右側）に於いて外槽
２の底部隅所に形設した排水口であり、これには
排水弁１２を連結し、排水弁１２には排水ホース
１３を連結している。而して１４は外槽２の内部
に配設して前記脱水軸６に取着した洗濯・脱水兼
用の回転槽であり、これの内底部にはパルセータ
１５をその偏心位置に配設して前記洗濯軸５に内
歯車機構等を介して連結し、他方、該回転槽１４
の上端開口縁部にはバランスリング１６を取着し
ている。そして、外槽２の上端開口縁部にはバラ
ンスリング１６の上方従つて回転槽１４の上方に
位置せしめてカバーリング１７を取着しており、
このカバーリング１７を非回転部位としてこれに
散水器１８を取着している。ここで、散水器１８
は詳細には第２図及び第３図に示す様な円形の扁
平容器から成るもので、その底部は軸１９のある
基端部側片半部１８ａが低く摘み２０のある残り
先端部側の片半部１８ｂが高い階段状を成し、そ
の各段の周囲部従つて又全体の周囲部には多数の
通水小孔２１を設けている。加えてこの散水器１
８の周壁部の上縁にはフランジ２２を設けてお
り、このフランジ２２の上方に前記摘み２０を、
下方に爪２３を夫々突設していて、一方、前記軸
１９を設けた部分にはフランジ２２はなく、但
し、その両軸１９間の後縁部略中央には第３図に
も示す様に例えば反Ｌ字形の突片２４が上方に突
設されて存する。これに対して前記カバーリング
１７の後部両側には夫々軸受孔２５を形設してお
り、この軸受孔２５に夫々上記散水器１８の軸１
９を回動可能に嵌合し、以て散水器１８をカバー
リング１７内方の開口換言すれば回転槽１４の上
面開口について上下開閉可能に軸支している。加
えてカバーリング１７の内周後縁部従つて散水器
１８につきその軸支部後方の部分からその前下方
の部分にかけては、先端部が前記回転槽１４の内
方に臨む傾斜状の受け部２６を形設しており、こ
の受け部２６に散水器１８特にその前記突片２４
の位置する後縁部を圧接摺動可能としている。
尚、前述の爪２３はカバーリング１７の内縁部に
係合され、以て散水器１８を通常は閉鎖状態に保
持する様にしている。又、２７は散水器１８内に
その底面から離した状態で設置した緩衝盤で、中
央部よりやや前方寄りの部分に散水器１８内での
給水状況を見るための透視窓２８を有する以外全
体には通水孔２９を多数形設している。そして、
３０は外箱１上の上面板で、これには洗濯物出入
用の開口部３１を形設すると共に該開口部３１を
開閉する透視盤３２付きの蓋３３を枢設し、又、
その後方部には操作箱３４を突設していて、これ
に運転制御装置３５の他に給水弁３６及び給水樋
３７等から成る給水装置３８を配設し、その給水
樋３７の先端部を前記緩衝盤２７を介して散水器
１８内に臨ませている。

さて、以上の様な構成とした本実施例の場合、
その運転は第５図に示す行程順で行なわれるもの
であり、中でもその「脱水すすぎ」時には「給
水」を連続し「脱水」即ちモータ９による回転槽
１４の回転を間欠的に行なうもので、これにより
回転槽１４内の洗濯物に最初給水しつつそれを脱
水し、次にその脱水した洗濯物に給水だけして回
転槽１４の慣性回転による適度な遠心力とも併せ
均一に滲水させ、次に又給水しつつ脱水し、更に
その後給水だけ行なうということを繰返すもの
で、これにより「洗い」（洗剤洗い）後の洗濯物
に含まれた洗剤分を効果的に除去する脱水すすぎ
を行なう。そしてその折りの給水については、給
水装置３８の給水弁３６の開放に基づき給水樋３
７から散水器１８へと向けて給水が行なわれるも
ので、斯様に給水が行なわれると、散水器１８は
その水を緩衝盤２７を介して底部の一方の片半部
１８ａにより受け此処の周囲部の通水小孔２１か
ら下方へと散水状に落とす一方で貯水し、その水
位を上げて上段の他方の片半部１８ｂにまで広げ
ることにより此処の周囲部の通水小孔２１から
も、従つて底部全体の周囲部の通水小孔２１から
夫々下方へと拡散給水をするもので、而してその
下方の回転槽１４の内方周囲部には該槽１４の脱
水回転による遠心力を受けて散つた洗濯物３９が
位置するから、上述の如く供給された水は給局そ
の洗濯物３９に直接有効にかけられ、斯くして脱
水すすぎも一段と効果的に行ない得るものであ
る。そして、これに加え、散水器１８は回転槽１
４の上方部に蓋（内蓋）の如く位置するものであ
るから、脱水或いは脱水すすぎ中に蓋３３を開け
たときでも、慣性により回転を続ける回転槽１４
に使用者が直ぐ様手を触れることを避けさせ、以
て該回転槽１４に対する使用者の充分な保護を図
り得るものであり、更に給水時、供給した水が洗
濯物に当たつて跳ね返ることにより回転槽１４外
に出るという様なことも上記散水器１８によつて
阻止することができ、よつてその水の跳ね返りに
よる辺一面の濡れ等といつたことも防止し得るも
のである。又、散水器１８は上述の様に回転槽１
４の上方部に蓋（内蓋）の如く位置するものであ
つても、開閉可能に軸支されたものであるから、
第６図に示す如く開放させれば洗濯物３９の出し
入れ等にも問題がなく、それどころか斯様に散水
器１８を開閉するとき、その後縁部、中でも此処
に存する突片２４はそれと圧接摺動可能に延出さ
せて設けたカバーリング１７の受け部２６に圧接
して摺動し、そしてその最大の圧接ポイント（約
45度の開蓋位置）を越えると、該圧接状態からの
反発力で開蓋時にはその開放方向へ、又、閉蓋時
には閉鎖方向へと夫々急速且つ強力に付勢される
から、夫々確実に開閉できるもので、実に操作性
が良い、一方、上述の受け部２６は、第２図に示
す蓋としての閉鎖状態にある散水器１８の軸支部
近傍の部分に上方からの矢印Ｐで示す外力が加え
られたとき、その散水器１８の軸支部近傍の部分
に接してこれを支える働きをするもので、これに
より軸受孔２５からの軸１９の抜けや或いは該軸
１９の折損といつたことを防止できる。更に、何
らかの理由で給水中散水器１８を開けたときの状
態では、第６図中矢印Ａで示す様に緩衝盤２７の
通水孔２９及び散水器１８の通水小孔２１を通つ
て回転槽１４内に落ちる以外、同図中矢印Ｂで示
す様に緩衝盤２７に当たつて跳ね返る水を受け部
２６が受けて矢印Ｃで示す様に回転槽１４内へと
落とすから、水はすべて回転槽１４内に落とされ
て脱水すすぎに或いは洗剤の溶解にと供するか
ら、無駄を生じない。

尚、散水器１８を開閉させるとき受け部２６に
は該散水器１８の後縁部を圧接させる様いしても
良く、従つて突片２４は必ずしも必要なものでは
ない。又、「脱水すすぎ」の具体的方法について
も、前述に限らず例えば給水を連続し且つ回転槽
１４の回転も定速にて連続させつつ行なつても良
いし、又、その給水と回転槽１４の回転とを交互
に繰返して行なつても良い。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施
例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

〔考案の効果〕

以上にて明らかな様に本考案によれば、脱水す
すぎ時、回転槽内の周囲部に位置する洗濯物に直
接有効に水をかけることができて効果的に脱水す
すぎを行なわしめ得、併せて回転槽に対する使用
者の保護並びに回転槽内からの水の跳ね返りによ
る濡れの防止等も図り得る他、更にはそのための
散水器を確実に開閉できて操作性に優れ、又、該
散水器の軸の外れや折損も防止できて品質も良
く、加えて水を極力有効に使用することができる
等、数々の優れた実用的効果を奏する脱水兼用洗
濯機を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図は全体の破断面図、第２図は閉蓋状態にある要
部の拡大縦断面図、第３図は散水器単独の平面
図、第４図は散水器の軸部部分の斜視図、第５図
は行程図、第６図は開蓋状態にある要部の拡大縦
断側面図である。 図中、１４は回転槽、１７はカバーリング（非
回転部位）、１８は散水器、１９は軸、２１は通
水小孔、２５は軸受孔、２６は受け部、３８は給
水装置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯・脱水兼用の回転槽を具え、該回転槽上方
   の非回転部位に、給水装置から供給される水を受
   けて前記回転槽の内方に拡散供給する少なくとも
   周囲部に多数の通水小孔を有する蓋状の散水器を
   開閉可能に軸支して設けると共に、該散水器の軸
   支部後方から前下方にかけ該散水器の後縁部と圧
   接摺動可能に延出されて先端部が前記回転槽の内
   方に臨む傾斜状の受け部を設けたことを特徴とす
   る脱水兼用洗濯機。