JPH11319380A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は使用しやすく、またメンテナンスを
容易に行うことができ、また洗剤の溶解度をより向上さ
せた洗剤溶解装置付きの洗濯機を提供することを目的と
する。 【解決手段】 本発明の洗濯機は、内部に収容した洗剤
を水に溶解させて洗濯槽に投入するためものであり、洗
濯機本体から水平方向に自在に引き出し可能な洗剤投入
箱と、洗剤投入箱に給水する給水手段と、洗剤投入箱内
で水と洗剤とを撹拌するためのものであり、回転軸が鉛
直方向に配された撹拌翼と、該撹拌翼を駆動させるもの
であり、クラッチ機構によって駆動力を撹拌翼に伝達す
る駆動手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洗剤投入装置付きの
洗濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】特願平６−１８４４０９号に開示されて
いる洗濯機の洗剤投入装置では、洗濯機外箱の上部に回
動式に開閉する洗剤投入箱が設けられており、その奥側
では該洗剤投入箱に隣接して撹拌翼を有する洗剤溶解ケ
ースが設けられている。動作時には、予め洗剤が投入さ
れた洗剤投入箱に散水手段によって水が散水され、洗剤
が水と共に洗剤溶解ケースに流れ落ち、そこで撹拌翼に
撹拌されて洗剤が水に溶解される。

【０００３】また、特開平５−１１５６７７号公報に開
示されている洗濯機の洗剤投入装置は、洗濯機の上面板
に引き出し式に開閉する洗剤容器が設けられており、こ
の洗剤容器内には回転軸が水平方向に配された撹拌用の
羽根が設けられている。この羽根は上面板に固定された
羽根駆動用のモータとジョイントで接合しており、洗剤
容器を引き出したときは羽根はモータより離脱して洗剤
容器と共に移動することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、特願平６−１８４４０９号では洗剤投入箱が着脱で
きないように取り付けられているので、洗剤投入箱やそ
の奥にある洗剤溶解ケース、撹拌翼は清掃や修理等のメ
ンテナンスを行うには不都合であった。また、洗剤投入
箱は回動して開閉するために、その開閉角の制限によっ
て洗剤投入開口面積は狭いものであった。

【０００５】一方、特開平５−１１５６７７号公報で
は、洗剤溶器の側面のメッシュ部を羽根が摺擦して洗剤
を練り潰しているが、このため羽根は洗剤容器とほぼ同
じ大きさに構成されており、洗剤投入時には羽根が邪魔
になっていた。また、洗剤容器のに対して羽根の占める
容積は大きく、所定の洗剤量を投入するためには洗剤容
器を大きくしなければならない。

【０００６】また、洗剤溶解ケース又は洗剤容器に設け
られた小孔又はメッシュ部から溶解した洗剤を水槽へ送
り出す構成であるため、特に粉末洗剤の場合は小孔に洗
剤の溶け残りが付着しやすく、目詰まりしていた。ま
た、いずれの洗剤溶解装置も洗剤投入箱又は洗剤容器に
は粉末洗剤以外の洗濯処理剤、例えば漂白剤や、液体洗
剤、柔軟仕上げ剤が投入できる構成にはなっておらず、
不便であった。

【０００７】さらに、従来例では給水弁の開閉動作によ
って給水量を制限しているため、水道圧が変化して給水
量に増減が生じ、洗剤溶解ケース又は洗剤容器内で水が
オーバーフローすることがある。このとき、洗剤は撹拌
翼によって十分に撹拌されないまま水槽内に投入され、
洗剤の溶解度が悪い状態となっていた。

【０００８】本発明はこれらの問題を解決した洗剤投入
装置付の洗濯機であり、より洗剤を水に溶解しやすい構
成の洗濯機を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係る請求
項１の洗濯機は、内部に収容した洗剤を水に溶解させて
洗濯槽に投入する洗剤投入箱と、洗剤投入箱に給水する
給水手段と、洗剤投入箱内で水と洗剤とを撹拌する撹拌
翼と、該撹拌翼を駆動させる駆動手段とを備えた洗濯機
において、洗剤投入箱は洗濯機本体から水平方向に自在
に引き出し可能であり、撹拌翼は回転軸が鉛直方向に配
されており、洗濯機本体に設けられた駆動手段からの駆
動力はクラッチ機構によって撹拌翼に伝達されることを
特徴とする。

【００１０】上記構成によると、洗剤投入箱を洗濯機本
体から引き出してその中に洗剤を収容し、該洗剤投入箱
を洗濯機本体に再び装着する。洗剤投入箱内に給水手段
によって水が供給され、駆動手段によりクラッチ機構を
介して撹拌翼が回転されると、洗剤が効率よく水に溶解
されて洗濯槽へ投入される。このとき、洗剤投入箱内の
撹拌翼と洗濯機本体に設けられた駆動手段とは互いに独
立した構成であり、撹拌翼は洗剤投入箱と共に移動可能
である。

【００１１】また、請求項２の洗濯機は、請求項１に記
載の洗濯機において、撹拌翼は略円板状で中心部と周縁
部にそれぞれ羽根が形成されており、洗剤投入箱の底面
に平行且つ近接して位置することを特徴とする。故に、
撹拌翼は洗剤投入箱内でその底面に沿った状態で位置し
ており、また羽根が撹拌翼の一部にのみ設けられている
ことから、洗剤投入箱内では十分な空間が確保されてい
る。

【００１２】また、請求項３の洗濯機は、請求項１又は
２に記載の洗濯機において、洗剤投入箱は洗濯機本体か
ら着脱可能であることを特徴とする。故に、洗剤投入箱
を洗濯機本体から自在に取り外しできるので、容易にメ
ンテナンスを行うことができる。

【００１３】また、請求項４の洗濯機は、請求項１乃至
３のいずれかに記載の洗濯機において、クラッチ機構で
は、互いに係合して駆動力の授受を行う撹拌翼側クラッ
チ部材と駆動手段側クラッチ部材のうち、少なくとも一
方が弾性を有するものであることを特徴とする。故に、
洗剤投入箱を移動させたとき、撹拌翼側クラッチ部材と
駆動手段側クラッチ部材との双方に無理な力が加わって
も部材の弾性によってその係合、離脱がスムーズに行わ
れる。

【００１４】また、請求項５の洗濯機は、請求項１乃至
４のいずれかに記載の洗濯機において、洗剤投入箱内に
洗剤溶解ケースを設けて該洗剤溶解ケース内で撹拌翼に
より洗剤の溶解を行い、該洗剤溶解ケースの壁には洗剤
を溶解した水が流出する小孔が形成されており、撹拌翼
には洗剤溶解ケースの内壁に摺接するブラシを設けたこ
とを特徴とする。故に、撹拌翼の回転に伴ってブラシが
洗剤溶解ケースの小孔に摺擦する。

【００１５】また、請求項６の洗濯機は、請求項１乃至
５のいずれかに記載の洗濯機において、洗剤投入箱を覆
う開閉自在の蓋を設け、該蓋は複数の小孔を開口してな
ることを特徴とする。故に、洗剤投入箱に供給される水
はシャワー状に散水され、洗剤の飛び散りが抑制され
る。

【００１６】また、請求項７の洗濯機は、請求項１乃至
６のいずれかに記載の洗濯機において、洗剤投入箱に、
洗剤とは異なる洗濯処理剤を収容し、該洗濯処理剤を水
に溶解させて洗濯槽へ投入する洗濯処理剤投入部を設け
たことを特徴とする。故に、洗濯処理剤も洗剤と同様に
水に溶解した状態で、洗濯工程途中に適宜洗濯槽に投入
することができる。

【００１７】また、請求項８の洗濯機は、請求項１乃至
７のいずれかに記載の洗濯機において、引き出した洗剤
投入箱を再び洗濯機本体へ装着したとき、洗剤投入箱と
洗濯機本体とを係止する係止手段を設けたことを特徴と
する。故に、洗剤投入箱は洗濯機本体に装着されている
ときには係止手段によって洗濯機本体に係止されてい
る。

【００１８】また、請求項９の洗濯機は、請求項１乃至
８のいずれかに記載の洗濯機において、洗剤投入箱の洗
濯機本体への装着の有無を検知する装着検知手段を設け
たことを特徴とする。洗剤投入箱の装着の有無を検知す
ることができることによって、例えば洗剤投入箱が装着
されない状態での駆動手段の駆動を防ぐことができる。

【００１９】また、請求項１０の洗濯機は、請求項１乃
至９のいずれかに記載の洗濯機において、クラッチ機構
の撹拌翼側クラッチ部材と駆動手段側クラッチ部材との
係合箇所は駆動力に伴って変位するものであり、その位
置を検知する位置検知手段を設け、駆動手段は該位置検
知手段によって検知される位置が所定のところにあると
きのみ停止可能であることを特徴とする。故に、この位
置検知手段によって、撹拌翼側クラッチ部材と駆動手段
側クラッチ部材とが係合、離脱しやすい位置関係にある
ときのみ駆動手段を停止させることができる。

【００２０】また、請求項１１の洗濯機は、請求項１乃
至１０のいずれかに記載の洗濯機において、撹拌翼は回
転軸から着脱自在であることを特徴とする。故に、洗剤
投入箱だけでなく、撹拌翼や前記洗剤溶解ケースについ
てもそのメンテナンスを容易に行うことができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って詳細に説明する。図１及び図２は本実施形態に係
る洗剤投入装置を備えた洗濯機の側断面概略図及び上面
図である。１は洗濯機の外箱、２は水槽、３は洗濯兼脱
水槽、４はパルセータ、５は洗濯兼脱水槽３及びパルセ
ータ４の駆動モータ、６は水槽２を防振支持する支持部
材、７は外箱１の上部にあって水槽２の洗濯物出入口を
開閉する蓋、８は外箱１の上部に設けられた上面板であ
る。上面板８の内側には、水槽２との空間に制御回路
９、給水弁１０、洗剤投入箱１１及び給水箱１２が収め
られている。

【００２２】図３は、洗剤投入箱１１及び給水箱１２近
傍を拡大して示した側断面図である。洗剤投入箱１１
は、給水箱１２と共に脱水兼洗濯槽３(図１参照)への給
水経路に配置されている。給水箱１２は前方が開放され
ており、洗剤投入箱１１はこの開放箇所から給水箱１２
の内部に向けてスライドして装着され、また逆方向にス
ライドして給水箱１２から引き出される。

【００２３】洗剤投入箱１１の前面に設けられている１
１ｋは、洗剤投入箱１１をスライドさせる際に掴む把手
である。尚、給水箱１２の底面には前後方向に延びる２
つのガイドリブ１２ｄ(一方のリブ１２ｄのみ図示)が配
されており、洗剤投入箱１１の底面はこのガイドリブ１
２ｄの上面に摺動する。

【００２４】給水箱１２には洗剤投入箱１１の上方と後
方とに水が貯留する給水部１２ｇが設けられており、洗
剤投入箱１１に近接する上壁及び後壁には、小孔１２
ｂ,１２ｃがそれぞれ形成されている。給水弁１０(図１
参照)によって導かれた水道水は給水口１２ａから給水
部１２ｇへ送られ、小孔１２ｂ,１２ｃより散水され
る。

【００２５】図４は洗剤投入箱１１の上面図である。洗
剤投入箱１１は前後方向に配された２つの壁１１ｍによ
ってその内部が３室に分かれている。図３では中央の粉
末洗剤用の第１投入部１１ｉを示しており、この第１投
入部１１ｉの後壁には開口部１１ｊが形成されている。
尚、漂白剤及び液体洗剤用の第２投入部１１ｃ、及び柔
軟剤用の第３投入部１１ｄの構成については後述する。

【００２６】図４に示すように、第１投入部１１ｉ内部
には円筒状の洗剤溶解ケース１４が取り外し自在にはめ
込まれている。図７は洗剤溶解ケース１４を前方から見
たときの外観図である。洗剤溶解ケース１４の後方の側
壁には洗剤液流出口１４ａが設けられており、そこには
金網が取り付けられている。

【００２７】尚、該洗剤液流出口１４ａは洗剤溶解ケー
ス１４の側壁の全周に亙って形成してもよい。また、こ
こでは洗剤液流出口１４ａとして開口部に金網を取り付
けたものとしたが、洗剤溶解ケース１４の側壁に多数の
小孔を穿設してもよい。さらに、洗剤溶解ケース１４は
洗剤投入箱１１と一体に形成してもよい。

【００２８】図５は洗剤溶解ケース１４の上部を覆う蓋
２３の上面図である。この図に示すように蓋２３の中央
には通水口２３ａが形成されており、そこに金網が取り
付けられている。図４には洗剤溶解ケース１４上の蓋２
３を二点鎖線で示している。蓋２３は洗剤投入箱１１の
後壁上部に位置する軸１１ａ(図３参照)によって開閉自
在となっている。

【００２９】洗剤投入箱１１が給水箱１２内に装着され
ているときは、蓋２３は給水箱１２の凸部１２ｅによっ
て下方に押圧されている。そして、給水箱１２の上壁小
孔１２ｂを通過した水は蓋２３の通水口２３ａから洗剤
溶解ケース１４内に注がれる。尚、上記通水口２３ａと
して、蓋２３に多数の小孔を穿設してもよい。

【００３０】また、洗剤投入箱１１の洗剤溶解ケース１
４内には撹拌翼１５が設置されている。撹拌翼１５は円
板状の回転体で洗剤投入箱１１の底面に近接しており、
その回転軸１５ｄは鉛直方向に配されている。この撹拌
翼１５の上下面には、回転軸１５ｄより十字方向に延び
る比較的高さの低い羽根１５ｅが形成されている。

【００３１】４方向に延びる羽根１５ｅのうちの一方向
のものについては、洗剤溶解ケース１４の内壁に近接す
る周縁部と中心部付近で、撹拌翼１５の上面に羽根１５
ｅよりも高さのある先端羽根１５ｂと中心羽根１５ｃが
それぞれ形成されている。また、先端羽根１５ｂには洗
剤溶解ケース１４の内壁に摺接するようにブラシ１５ａ
が固定されている。尚、これらの羽根１５ｂ,１５ｃは
複数箇所に設けられてもよい。

【００３２】撹拌翼１５には、洗剤投入箱１１の底面中
央に設けられた軸受け１１ｂを貫通する回転軸１５ｄの
一端が嵌合して固定している。また、洗剤投入箱１１外
部の回転軸１５ｄの他端には伝達板２２が嵌合して固定
している。図９は伝達板２２の上面図である。伝達板２
２の腕部２２ａは板状で、回転軸１５ｄを中心とする回
転方向に幅が薄く形成されている。従って、腕部２２ａ
はその幅方向において弾性を有するものとなる。

【００３３】また、図３において、給水箱１２の底部に
はモータ１３の回転を撹拌翼１５に伝達するクラッチ機
構が設けられている。即ち、給水箱１２の底面は開口し
ており、そこにモータ台１６が取り付けられている。こ
のモータ台１６には、給水箱１２外部でモータ１３が固
定されている。給水箱１２とモータ台１６との結合部に
はパッキン２４がはめ込まれ、またモータ台１６の軸受
け１６ａにはオイルシール２０及びメタル１７が設けら
れており、給水箱１２外部への水の漏洩がないように水
密な構成が施されている。尚、上記モータ台１６は給水
箱１２と一体に形成してもよい。

【００３４】モータ台１６に固定されたモータ１３に
は、プーリ１８との間にベルト１９が架けられており、
その回転力がプーリ１８からプーリ軸１８ａに伝達され
る。このプーリ軸１８ａはモータ台１６の軸受け１６ａ
を貫通し、給水箱１２内の端部でコイルバネ２５がプー
リ１８の回転方向と同じ方向に巻かれている。

【００３５】コイルバネ２５の一端はプーリ軸１８ａに
固定されており、他端には円錐状のキャップ２６が取り
付けられている。このキャップ２６はその側面で伝達板
２２の腕部２２ａに当接する。尚、モータ１３やプーリ
１８などの撹拌翼１５駆動手段が設けられた空間にはそ
の下方にカバー２１が設けられており、洗濯機１の水槽
２(図１参照)が設けられた空間に対して水密な構成とな
っている。

【００３６】上記撹拌翼１５駆動手段の構成によると、
コイルバネ２５はプーリ１８の回転方向と同方向に巻か
れているため、プーリ１８が回転すると伝達板２２を介
した撹拌翼１５の回転負荷(抵抗)により、コイルバネ２
５はプーリ軸１８ａに緊密に巻着してこれと共に回転す
る。故に、キャップ２６に押されて伝達板２２も回転
し、撹拌翼１５が回転する。

【００３７】伝達板２２の腕部２２ａは弾性を有し、ま
たキャップ２６が円錐状で弾性体であるコイルバネ２５
に取り付けられていることから、洗剤投入箱１１を給水
箱１２から引き出したとき、キャップ２６との位置関係
によって腕部２２ａ無理な力が係ってもその当接(係合)
状態を容易に解消することができる。また、その際の衝
撃は上記構成によって緩和されたものとなる。もちろ
ん、洗剤投入箱１１を給水箱１２内へ装着するときも容
易に元の当接状態に戻ることができる。

【００３８】上記撹拌翼１５駆動手段のクラッチ機構は
図１０に示す構成にしてもよい。即ち、プーリ軸１８ａ
に駆動板３０を固定し、該駆動板３０に弾性を有する板
状の腕３０ａを設け、腕３０ａの先端にキャップ２６を
取り付ける。一方、伝達板２２の腕部２２ａの先端には
キャップ２６の嵌合部２２ｂを取り付ける。従って、プ
ーリ軸１８ａと共に駆動板３０が回転するとキャップ２
６は嵌合部２２ｂと嵌合していることから、伝達板２２
も回転する。

【００３９】図６は洗剤投入箱１１を給水箱１２から引
き出した状態を示している。洗剤投入箱１１の後壁上部
にはストッパ１１ｇが設けられており、給水箱１２の前
部にはストッパリブ１２ｆが設けられている。洗剤投入
箱１１をガイド１２ｄ上に摺動させて引き出すと、スト
ッパリブ１２ｆがストッパ１１ｇに係止して洗剤投入箱
１１の離脱を阻止する。引き出された洗剤投入箱１１を
更に本体から離脱させる場合には、洗剤投入箱１１を矢
印Ａ方向に持ち上げるとよい。

【００４０】蓋２３の軸１１ａにバネ(図示せず)を設け
て、蓋２３に開成する方向の付勢力を与えておくと、洗
剤投入箱１１を引き出してで蓋２３は開成する。洗剤投
入容器１１を引き出すことで、第１投入部１１ｉに粉末
洗剤４０、第２投入部１１ｃ(図４参照)には漂白剤又は
液体洗剤、第３投入部１１ｄ(図４参照)には柔軟剤を入
れ、再び洗剤投入箱１１を給水箱１２内に装着する。

【００４１】図３において、給水弁１０(図１参照)の開
成により給水箱１２の給水部１２ｇに送水されると、給
水部１２ｇに送水された水は小孔１２ｂ,１２ｃより散
水される。小孔１２ｂより散水された水は洗剤投入箱１
１から洗剤溶解ケース１４内に注がれる。洗剤溶解ケー
ス１４では撹拌翼１５の回転により洗剤の溶解が促進さ
れ、洗剤液は洗剤液流出口１４ａから給水箱１２の底部
を通って(図中、矢印Ｐ)、出水口１２ｈより水槽３へ投
入される。

【００４２】撹拌翼１５は中心部で周速が遅く、また遠
心力が小さいことから、撹拌効果を高めるために中心部
に中心羽根１５ｃを設けている。また、円周の先端にも
撹拌効果を高めるために先端羽根１５ｂを設けている。
さらに、ブラシ１５ａが洗剤溶解ケース１４の内壁を摺
擦することで、洗剤液流出口１４ａの洗剤による目詰ま
りや洗剤溶解ケース１４内の洗剤の残留を防止してい
る。特に、給水箱１２の小孔１２ｃより洗剤液流出口１
４ａへ散水されることによってこれらの効果がより向上
する。

【００４３】図８は、洗剤投入箱１１における漂白剤や
液体洗剤を投入するための第２投入部１１ｃの側断面図
である。尚、第３投入部１１ｄもこれと同じ構成である
ことから、その説明は省略する。第２投入部１１ｃの底
面は後方へいくに従って低くなっており、最も低いとこ
ろでは底面より突出して第２投入部１１ｃ外部に連通す
るサイフォン管１１ｆが形成されており、このサイフォ
ン管１１ｆにサイフォン蓋１１ｅが被せられている。サ
イフォン蓋１１ｅは洗剤投入箱１１の底面に一体となっ
たリブ１１ｎによって支持されている。

【００４４】漂白剤や液体洗剤が投入される第２投入部
１１ｃについては、第１投入部１１ｉと同じ給水箱１２
から給水される。給水と同時に開口部１２ｉから第２投
入部１１ｃ内に注水され、所定の液面に達するとサイフ
ォン効果によりサイフォン管１１ｆから漂白剤や液体洗
剤を溶解した水が第２投入部１１ｃ外部へ流出し、出水
口１２ｈより脱水兼洗濯槽３(図１参照)へ投入される。

【００４５】一方、柔軟仕上げ剤は洗濯水への添加時期
が洗剤や漂白剤と異なるので、第３投入部１１ｄへの給
水のために前記給水箱１２内で第１投入部１１ｉ及び第
２投入部１１ｃとは独立した給水経路(図示せず)が設け
られている。この給水経路への給水は制御回路９(図１
参照)によって制御される。

【００４６】洗剤投入箱１１を装着した際の係止手段と
しては、図８に示すように、一端を山形に折り曲げた板
バネ３１をその他端で給水箱１２の側壁に固定し、洗剤
投入箱１４の底部に板バネ３１の先端折り曲げ部３１ａ
が嵌合する凹部１１ｈを形成する。これによって、洗剤
投入箱１１を給水箱１２内に押し込むと、先端折り曲げ
部３１ａが凹部１１ｈに係止する。洗剤投入箱１１を引
き出す際には、板バネ３１の弾性力によって容易に係止
を解除することができる。

【００４７】洗剤投入箱１１が給水箱１２に装着された
ことを検知するための装着検知手段は、洗剤投入箱１１
を給水箱１２に装着すると給水箱１２の後壁に押し込ま
れるスイッチ棒３２と、押し込まれたスイッチ棒３２に
洗剤投入箱１１を押圧する方向に付勢力を与えるバネ３
３と、押し込まれたスイッチ棒３２の端部によって押圧
されるスイッチ３４から成る。

【００４８】該スイッチ３４が押圧されると制御回路９
(図１参照)にはオン信号が発振され、制御回路９ではス
イッチ３４がオンのときのみモータ１３を駆動させる。
また、洗剤投入箱１１が引き出されると押し込まれてい
たスイッチ棒３２はバネ３３の付勢力によって押し込ま
れる前の状態に戻り、スイッチ３４ではオフとなる。

【００４９】また、プーリ１８の停止を制御するための
位置検知手段について説明する。プーリ１８にはその水
平な面上より突出した被検知片１８ｂが設けられてお
り、その近傍には被検知片１８ａを認識するスイッチ３
５を配置して構成する。伝達板２２の腕部２２ａとキャ
ップ２６との当接箇所、即ちキャップ２６の位置はプー
リ１８と共に回転移動しており、スイッチ３５で被検知
片１８ａの位置を検知することでキャップ２６の位置を
求めることができる。

【００５０】本実施形態のクラッチ機構において、伝達
板２２の腕部２２ａが洗剤投入箱１１の移動方向と平行
になる位置、即ち腕部２２ａが後方又は前方に延びる位
置にあるときは、キャップ２６と伝達板２２との係合、
離脱を比較的容易に行うことができる。故に、スイッチ
３５でキャップ２６の位置を求めてキャップ２６が回転
軸１５ａのすぐ後方又は前方にあるときのみプーリ１８
を停止できるようにモータ１３を制御すると、クラッチ
機構の係合、離脱が容易に行われ、洗剤投入箱１１の着
脱時のけつまずきを防止することができる。

【００５１】また、図１１には本発明に係る洗濯機の撹
拌翼の着脱機構の一実施形態について説明する。図に示
すように、撹拌翼１５'と回転軸１５'ｄとの結合部には
撹拌翼１５'に凹部１５'ｆを形成し、回転軸１５'ｄに
溝１５'ｇを形成する。この凹部１５'ｆから溝１５'ｇ
にＵ字形状のバネ３６を差し込み、バネ３６の両脚部分
を溝１５'ｇに固定する。

【００５２】このバネ３６における回転軸１５'ｄから
はみ出した部分によって、撹拌翼１５'が回転軸１５'ｄ
に係止される。故に、撹拌翼１５'は動作中に回転軸１
５'ｄから抜けることなく回転し、また清掃時など撹拌
翼１５を取り外す際には、バネ３６をＱ方向に抜き取る
ことによって容易に外すことができる。

【００５３】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の洗濯機
によると、洗剤投入箱を洗濯機本体から引き出す構成で
あることから、洗剤投入箱の洗剤投入開口面積は回動式
のものに比べて大きくとることができる。

【００５４】また、請求項２の洗濯機によると、ほぼ水
平面内で回転する撹拌翼を洗剤投入箱底部に設け、洗剤
投入箱として十分な空間が確保された構成であることか
ら、洗剤の投入の際に撹拌翼が邪魔にならない。また、
撹拌翼は効率よく撹拌が行われるための最低限の羽根し
か形成されていない。これによって、洗剤投入箱内の洗
剤は箱内への散水と撹拌翼の回転によって効率よく溶解
し、洗剤の洗浄効果が高まることとなる。

【００５５】また、請求項３の洗濯機によると、洗剤投
入箱を着脱自在としたため、清掃などのメンテナンスを
容易に行うことができる。

【００５６】また、請求項４の洗濯機によると、撹拌翼
側クラッチ部材と駆動手段側クラッチ部材との双方に無
理な力が加わっても部材の弾性によってスムーズに係
合、離脱が行われるので、洗剤投入箱のスライドが容易
になる。

【００５７】また、請求項５の洗濯機によると、撹拌翼
の回転に伴って洗剤液流出用の小孔を清掃することが出
来、洗剤による小孔の目詰まりを防止できる。

【００５８】また、請求項６の洗濯機によると、洗剤投
入箱に蓋を設けているため、未溶解の洗剤が溶解ケース
から溢れることを防止できる。さらに、洗剤投入箱内に
はシャワー状に散水されるため、洗剤の飛び散りが抑制
されて効率よく洗剤の溶解が行われる。

【００５９】また、請求項７の洗濯機によると、洗剤投
入箱に洗剤以外の洗濯処理剤を独立して収容する容器を
一体に設けているため、限られた空間を活用して利便性
の高い洗濯機となる。また、洗濯処理剤も洗剤と同様に
水に溶解して洗濯槽に投入することができ、その溶解度
を向上させて洗濯処理剤の有する効果をより高めること
ができる。

【００６０】また、請求項８の洗濯機によると、洗剤投
入箱を定位置に装着した状態を維持するように係止手段
を設けているため、駆動手段の振動等により洗剤投入箱
が本体から外れることを防止できる。

【００６１】また、請求項９の洗濯機によると、この装
着検知手段が設けられていることにより、使用者が洗剤
投入箱の装着を忘れたままで駆動手段が作動することを
防止でき、安全性が確保できる。

【００６２】請求項１０の洗濯機によると、位置検知手
段によってクラッチ機構の撹拌翼側クラッチ部材と駆動
手段側クラッチ部材との係合箇所が検知できることによ
って、洗剤投入箱を移動させる際にクラッチ機構の部材
が干渉するのを防止する。故に、洗剤投入箱の装着作業
をよりスムーズに行うことができる。

【００６３】請求項１１の洗濯機によると、撹拌翼が回
転軸から容易に取り外せるので洗剤投入箱内部の清掃な
どメンテナンスを容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態の洗濯機の側断面図。

【図２】本実施形態の洗濯機の上面図。

【図３】本実施形態の洗濯機の洗剤溶解装置付近の側断
面図。

【図４】洗剤投入箱の上面図。

【図５】蓋の上面図。

【図６】本実施形態の洗濯機において洗剤投入箱を引き
出した状態を示した側断面図。

【図７】洗剤溶解ケースの外観図。

【図８】本実施形態の洗濯機において製材投入箱の第２
投入部を示した側断面図。

【図９】回転板の上面図。

【図１０】クラッチ機構の他の実施形態を示した側断面
図と分解図。

【図１１】回転翼の回転軸付近の縦方向断面図と横方向
断面図。

【符号の説明】

１ 洗濯機 ２ 水槽 ３ 脱水兼洗濯槽 ４ パルセータ ５ モータ ６ 支持部材 ７ 蓋 ８ 上面板 ９ 制御回路 １０ 給水弁 １１ 洗剤投入箱 １２ 給水箱 １３ モータ １４ 洗剤溶解ケース １５ 撹拌翼 １６ モータ台 １８ プーリ １９ ベルト ２２ 伝達板 ２３ 蓋 ２５ コイルバネ ２６ キャップ

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に収容した洗剤を水に溶解させて洗
   濯槽に投入する洗剤投入箱と、前記洗剤投入箱に給水す
   る給水手段と、前記洗剤投入箱内で水と洗剤とを撹拌す
   る撹拌翼と、該撹拌翼を駆動させる駆動手段とを備えた
   洗濯機において、 前記洗剤投入箱は前記洗濯機本体から水平方向に自在に
   引き出し可能であり、前記撹拌翼は回転軸が鉛直方向に
   配されており、前記洗濯機本体に設けられた前記駆動手
   段からの駆動力はクラッチ機構によって前記撹拌翼に伝
   達されることを特徴とする洗濯機。
2. 【請求項２】 前記撹拌翼は略円板状で中心部と周縁部
   にそれぞれ羽根が形成されており、前記洗剤投入箱の底
   面に平行且つ近接して位置することを特徴とする請求項
   １に記載の洗濯機。
3. 【請求項３】 前記洗剤投入箱は前記洗濯機本体から着
   脱可能であることを特徴とする請求項１又は２に記載の
   洗濯機。
4. 【請求項４】 前記クラッチ機構では、互いに係合して
   駆動力の授受を行う撹拌翼側クラッチ部材と駆動手段側
   クラッチ部材のうち、少なくとも一方が弾性を有するも
   のであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに
   記載の洗濯機。
5. 【請求項５】 前記洗剤投入箱内に洗剤溶解ケースを設
   けて該洗剤溶解ケース内で前記撹拌翼により洗剤の溶解
   を行い、該洗剤溶解ケースの壁には洗剤を溶解した水が
   流出する小孔が形成されており、前記撹拌翼には前記洗
   剤溶解ケースの内壁に摺接するブラシを設けたことを特
   徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の洗濯機。
6. 【請求項６】 前記洗剤投入箱を覆う開閉自在の蓋を設
   け、該蓋は複数の小孔を開口してなることを特徴とする
   請求項１乃至５のいずれかに記載の洗濯機。
7. 【請求項７】 前記洗剤投入箱に、前記洗剤とは異なる
   洗濯処理剤を収容し、該洗濯処理剤を水に溶解させて洗
   濯槽へ投入する洗濯処理剤投入部を設けたことを特徴と
   する請求項１乃至６のいずれかに記載の洗濯機。
8. 【請求項８】 引き出した前記洗剤投入箱を再び前記洗
   濯機本体へ装着したとき、前記洗剤投入箱と前記洗濯機
   本体とを係止する係止手段を設けたことを特徴とする請
   求項１乃至７のいずれかに記載の洗濯機。
9. 【請求項９】 前記洗剤投入箱の洗濯機本体への装着の
   有無を検知する装着検知手段を設けたことを特徴とする
   請求項１乃至８のいずれかに記載の洗濯機。
10. 【請求項１０】 前記クラッチ機構の前記撹拌翼側クラ
    ッチ部材と前記駆動手段側クラッチ部材との係合箇所は
    駆動力に伴って変位するものであり、その位置を検知す
    る位置検知手段を設け、前記駆動手段は該位置検知手段
    によって検知される位置が所定のところにあるときのみ
    停止可能であることを特徴とする請求項１乃至９のいず
    れかに記載の洗濯機。
11. 【請求項１１】 前記撹拌翼は前記回転軸から着脱自在
    であることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかに
    記載の洗濯機。