JPS6240222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は相対する接続用パイプの突き合せ端
の接続フランジ間にボルト及びナツトを介して挟
み配管されるボールバルブに関するもので、低圧
用パイプから高圧用パイプに至るまでバルブ本体
の大きさを変えることなく、夫々の各中心点を確
実に一致させて接続できる様になしたボールバル
ブを提供せんとするものである。

この種ボールバルブは、バルブ本体の接続端に
接続フランジを形成せず、接続用パイプの突き合
せ端（接続端）に形成した接続フランジ間に介在
させ、両接続フランジ間にボルトを架設し、バル
ブ本体をボルトに内接させ、ナツトで締付けて挟
み配管している。そしてこのボールバルブはバル
ブ本体を各ボルトに内接させて位置決めし、接続
フランジにて保持している。ところでパイプの接
続フランジに形成されるボルト取付孔はその接続
フランジの大きさに応じて中心から等距離の位置
に形成されている。従つてバルブ本体を各ボルト
に内接させればバルブ本体とパイプの中心が一致
して接続が確実となる。しかし乍ら前記接続フラ
ンジは、パイプ内を流れる流体の圧力に対応して
その大きさが異なり、低圧になる程小さく、逆に
高圧になる程大きく形成される。これが為低圧用
パイプと高圧用パイプとでは接続フランジに形成
されるボルト取付孔の位置が異なることになり、
低圧用では、その内接円の径が小さく、高圧用で
は大きくなる。従つてバルブ本体の外径を低圧用
の大きさに形成したものでは、高圧用のパイプ間
に接続する場合、バルブ本体の外径よりボルトの
内接円の径が大きくなり、バルブ本体とボルトと
の間で隙間を生じ、バルブ本体とパイプとの中心
を合せるのが困難で、ナツト締付時の位置規制も
困難で、接続作業が煩雑となり、作業性が非常に
悪かつた。その為に従来では、バルブ本体を各圧
力に対応できる様その接続用フランジに架設され
るボルトの内接円と一致させた各種大きさのもの
を製作していた。これであれば、作業性は向上す
るが多種のバルブを用意せねばならず、在庫管理
が大変で、無駄が多く、コスト高となつていた。

この考案は、上記従来の欠点に鑑み、これを改
良除去したもので、バルブ本体の外周にリングを
装着させて、一種のバルブでもつて低圧用パイプ
から高圧用パイプまで簡単に接続できる様になし
たものである。以下この考案の構成を図面に示す
実施例に従つて説明する。

第１図乃至第３図に於いて、１はバルブ本体
で、その外径面１ａを低圧用の大きさで且つ円筒
面に形成し、内部に流体流通路２ａ，２ｂを形成
してある。３はバルブ本体１内に弁座４ａ，４ｂ
を介して回転自在に設けたボールで、内部に流体
流通孔５を穿設してある。６はバルブ本体１の内
部からグランドパツキング７ａ，７ｂを介して外
部へ突出させた回転軸で、下端部６ａをボール３
の係止溝８内に係止させて外部からの回転をボー
ル３に伝達し、ボール３を回転させる。９は回転
軸６の上部に係合させた操作レバー、１０は回転
軸６に螺挿させたナツトで、操作レバー９を固定
させる。１１は操作レバーの回動範囲を規制する
ストツパーピンである。１２，１３は接続用パイ
プで、夫々の突き合せ端縁に接続フランジ１４，
１５を形成し、その接続フランジ１４，１５にパ
イプ１２，１３の中心から等距離位置に適数個の
ボルト取付孔１６，１７を形成してある。１８は
バルブ本体１の外周面１ａの周方向に沿つて形成
した嵌合溝１９に嵌込み固定した補正用リング
で、第３図に示す様に完全なリングに形成せずに
一部を切欠いた割リング状に形成し、当該切欠部
２０が上方に位置する様にバルブ本体１に装着
し、操作レバー９の操作の支障とならない様にな
す。またリング１８の厚みは、全周に亘つて均一
になし、且つバルブ本体１の嵌合溝１９に装着さ
せた状態で、パイプ１２，１３間に介在させ、両
接続フランジ１４，１５のボルト取付孔１６，１
７間にボルト２１を挿通させて架設した際、各ボ
ルト２１にリング１８の外周面が内接する厚さに
形成し、幅寸法は適当に設定する。

上記構成に於いて、その接続作業を説明する
と、バルブ本体１内に弁座４ａ，４ｂを介してボ
ール３を内装し、回転軸６をグランドパツキング
７ａ，７ｂを介して外部へ突出させ、操作レバー
９を取付け、更にバルブ本体１の外周の嵌合溝１
９にリング１８を装着してボールバルブを形成し
た後、このボールバルブを接続するパイプ１２，
１３の突き合せ端間に配置し、接続フランジ１
４，１５の取付孔１６，１７にボルト２１を挿通
させ、このボルト２１の内面にリング１８を内装
させた状態でボルト２１にナツト２２を螺挿さ
せ、これを締付け、接続フランジ１４，１５間に
ボールバルブを挟み配管すれば接続が完了とな
る。

上記構成であれば、バルブ本体１の外径面と、
パイプ１２，１３の接続フランジ１４，１５に形
成した取付孔１６，１７の内接円との径が異な
り、取付孔１６，１７間に挿通させたボト２１と
バルブ本体１との間に隙間を生じても、バルブ本
体１に装着したリング１８がその隙間を埋めてボ
ルト２１に内接するので、バルブ本体１と接続用
パイプ１２，１３の中心が即座に一致し、位置合
せが簡単で後はナツトを締付ければよく、接続作
業が非常に簡単となる。またバルブ本体１の大き
さを低圧用のパイプに対応して形成しておけば、
リング１８の厚みを変えることにより簡単に高圧
用パイプに接続させることができる。更にバルブ
本体１を各種大きさのものを形成する必要がな
く、厚みの異なるリングを形成すればよく、在庫
管理が容易で、製作も容易であり、コストの低減
化が図れる。

尚、上記実施例では、リング１８をバルブ本体
１の外周に形成した嵌合溝１９に嵌め込む様にな
したが、これに限定されるものはなく、例えば嵌
合溝１９を形成せず、バルブ本体１の外周面をフ
ラツトになし、これにリング１８を装着してもよ
い。またリング１８は剛性の高い部材でもよく、
弾性体で形成してもよい。またリングは１本でも
複数でもよい。バルブ本体の中心以外に取付る場
合は切欠のないリングでもよい。

以上説明した様にこの考案は相対するバルブの
接続フランジ間にボルト及びナツトにて挟み配管
されるボールバルブに於いて、両接続フランジ間
に架設された複数個の取付ボルトに内接する外周
面を有する調心用補正リングをバルブ本体の円筒
状外周面に装着したから、複数個の取付ボルトで
形成される内接円径が種々異なる場合であつて
も、一定の外径に量産された安価なボールバルブ
を使用することができる。即ち、ボールバルブの
外径と種々のボルト内接円径との寸法差は、調心
用補正リング厚さを変更するのみで対処でき、バ
ルブ本体の外径を変更する場合に比べ安価であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係かるボールバルブの縦断側
面図、第２図はその上面図、第３図は一方の接続
用パイプを外した状態の正面図である。 １……バルブ本体、３……ボール、１２，１３
……接続用パイプ、１４，１５……接続フラン
ジ、１６，１７……取付孔、１８……リング、１
９……嵌合溝、２１……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対するバルブの接続フランジ間にボルト及び
   ナツトにて挟み配管されるボールバルブに於い
   て、両接続フランジ間に架設された複数個の取付
   ボルトに内接する外周面を有する調心用補正リン
   グをバルブ本体の円筒状外周面に装着したことを
   特徴とするボールバルブ。