JPS6240134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は異容量のコンプレツサを３台以上組
合わせて構成された冷凍機用マルチコンプレツサ
ユニツトにおける各コンプレツサの油面制御装置
に関する。

近年、店舗のシヨーケースのように年間を通じ
て稼働する冷凍設備用冷凍機として、季節による
冷凍負荷の変動に応じて容量制御が容易に行える
頭記のマルチコンプレツサユニツトが広く採用さ
れている。かかるマルチコンプレツサユニツト
は、受液器、ないしは水冷式コンデンサ等を架台
として、この上に複数台のコンプレツサを並べて
据付け、かつその冷媒吐出管、吸込管同志を並列
に配管接続し、外部の冷媒回路に対して並列運動
するように構成されている。そして冷凍負荷の増
減に相応して一部のコンプレツサを運動、停止す
ることにより容量制御を行う。

一方、かかるユニツトに採用されている半密閉
形コンプレツサは、良好な運転状態を維持するた
め、クランクケース内の冷凍機油の油面変動を抑
えて常に適正油量を滞留させておくことが極めて
重要である。特にマルチコンプレツサユニツトで
容量制御を行つている場合には、運転中と停止中
のコンプレツサとではクランクケース内の圧力条
件が異なることから、各コンプレツサの間でのク
ランクケース内の滞留油量に片寄りが生じて、こ
のままでは油面低下による油切れ運転の恐れがあ
り、この対策として周知のように各コンプレツサ
のクランクケース相互間を均圧均油管で連通接続
する方式が広く実施されている。

かかる均圧均油管方式は、マルチコンプレツサ
ユニツトを構成する各コンプレツサがいずれも同
容量のものであれば、容量制御運転によつて一部
のコンプレツサが停止しても、各コンプレツサ間
の均圧、均油を維持することができる。しかしな
がら、マルチコンプレツサユニツトを構成する各
コンプレツサの容量が異なる場合には、コンプレ
ツサごとに吸入圧力、クランクケース内圧力との
差がまちまちであることから、仮に均圧均油管で
異容量のコンプレツサの間を相互接続しても、も
はや均圧均油が維持できない。したがつてこの場
合には各コンプレツサごとに個別に油面制御器を
取付けて適正な油面制御を行うようにしている。
この油面制御器は一種のフロートバルブとして構
成されたものであり、クランクケースの外側に取
付けて油戻り管を通じて戻る油量を制御し、クラ
ンクケース内の油面を適正に保つ。しかも個々の
クランクケースの油面を他のコンプレツサの油面
に関係なく単独に制御できる。

次にかかる油面制御器を採用した従来における
マルチコンプレツサユニツトを第１図に示す。な
お第１図では一例として３台のコンプレツサ１，
２，３から成り、かつこのうちコンプレツサ１と
２は同容量の10、３は15であるとする。各コ
ンプレツサ１，２，３は架台４の上に横一列に並
べて据付けられており、各吐出管同志が高圧側ガ
ス冷媒配管５に並列接続されている。なお図示し
てないが吸込管も低圧側ラインに並列接続されて
いる。一方、冷媒配管５の途中には油分離器６が
介挿されており、ここで冷媒ガス中より分離回収
された冷凍機油は点線矢印で示すように油溜器
７、返油管８および前述した油面制御器９を介し
て個々に各コンプレツサ１，２，３のクランクケ
ースに導入されるようにして油面制御回路が構成
されている。

しかして第１図のようなマルチコンプレツサユ
ニツトに対し、各コンプレツサのすべてに高価な
油面制御器９を取付けることは、ユニツト全体と
しての製作費が高くなるので、その改善策が望ま
れている。

この考案は上記の点にかんがみなされたもので
あり、その目的は油面制御器の使用台数の低減を
図りつつ、各コンプレツサの適正油面を維持でき
るようにしたマルチコンプレツサユニツトの油面
制御装置を提供することにある。

かかる目的はこの考案により、異容量のコンプ
レツサを組合わせた互に並列配管接続される３台
以上のコンプレツサから成り、かつこのうちの一
部が複数台の同容量コンプレツサであるマルチコ
ンプレツサユニツトにおいて、コンプレツサの容
量別に１台の油面制御器を対応設置し、この油面
制御器を介して油分離器で回収した冷凍機油をク
ランクケースへ返油させるようにするとともに、
同容量のコンプレツサ同志の間ではそのクランク
ケースの相互間に均圧均油管を配管して構成した
ことにより達成される。

以下この考案を図示実施に基づき説明する。

第２図および第３図において、例えば容量が10
のコンプレツサ１，２と、容量が15のコンプ
レツサ３の３台で構成されるマルチコンプレツサ
ユニツトに対しては、同容量コンプレツサ１と２
のうちの一方のコンプレツサ１と、異容量のコン
プレツサ３のクランクケースにそれぞれ油面制御
器９が取付けられ、返油管８を通じて油溜器７か
ら返油を受けるようにされる。さらに同容量のコ
ンプレツサ１と２の間では、クランクケースの相
互を連通するように均圧均油管１０が配管されて
いる。

上記の構成によれば、異容量（10と15）の
各コンプレツサ相互間は油面制御器９でそれぞれ
適正な油面制御が行われ、さらに同容量（10）
のコンプレツサ同志の間では安価な均圧均油管１
０を介して適正な油面維持が得られる。かくして
全負荷運転時あるいは容量制御運転時の如何に関
係なく、第１図の従来方式と同様に、常に各コン
プレツサのクランクケース内油面を適正に維持す
ることができる。しかも高価な油面制御器９の使
用台数は従来の方式に較べて少ない数で済み、そ
れだけ製作費の価格軽減を図ることができて実益
が得られる。なお複数台の同容量コンプレツサに
対応して設置される油面制御器は、図示実施例の
ようにコンプレツサ１と２のいずれか一方のクラ
ンクケースに直接取付けるほか、均圧均油管１０
の途中箇所に取付けてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の構成配置図、第２図は第１
図に対応するこの考案の実施例の構成配置図、第
３図は第２図の平面図である。 １，２……同じ容量同志のコンプレツサ、３…
…異なる容量のコンプレツサ、５……高圧側のガ
ス冷媒配管、６……油分離器、７……油溜器、８
……返油管、９……油面制御器、１０……均圧均
油管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互に並列配管接続される３台以上のコンプレツ
   サから成り、かつこのうちの一部が複数台の同容
   量コンプレツサである冷凍機用マルチコンプレツ
   サユニツトにおいて、コンプレツサの容量別にそ
   れぞれ１台の油面制御器を対応設置し、この油面
   制御器を介して油分離器で回収した冷凍機油をク
   ランクケースへ返油させるようにするとともに、
   同容量のコンプレツサ同志の間ではそのクランク
   ケースの相互間に均圧均油管を配管したことを特
   徴とする冷凍機用マルチコンプレツサユニツトの
   油面制御装置。