JPS6239300Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱電対保護管の接続構造に関し、詳し
くは測温部である下部外側管と上部外側管である
接続管（以下接続管と称す。）と、熱電対を収納
する内側管との、それぞれの接続構造に関する提
案である。

熱電対を使用して、ヘリウム、一酸化炭素など
の高温ガスや鉄鋼、銅、銀、マグネシウム、亜
鉛、アルミニウムなどの溶融金属浴の温度を測定
する場合、ボロンナイトライド（以下BNと称
す。）は耐熱性に優れ熱衝撃に強く、また溶融金
属に反応しない特性を有するので、熱電対の保護
管として極めて優れた材料であることが知られて
いる。しかし、管状のBNを白金−白金ロジウム
熱電対の保護管として使用した場合には、BNと
白金とが反応して断線する欠点がある。そこで本
考案者らは、先に熱電対の保護管としての従来の
BN成形体の外側管の内側に、更にセラミツクス
成形体の内側管を内装することによつて、BNと
白金との反応を防止し、白金−白金ロジウム熱電
対を溶融金属などの温度測定に使用可能とした保
護管を提供した（実願昭53−122308号）。

熱電対保護管に使用されるBN耐火材の製造
は、ホツトプレス法その他焼結法で製造された焼
結体からなり、これを切削して保護管が製造され
るため、管長は約30cm程度のものであつて、長尺
物の製造は困難である。しかも極めて高価なもの
であるため短尺物を継ぎ合わせて使用し、溶損し
た部分だけを取替えるようにしている。

しかし、従来の保護管の接続構造は、例えば第
１図に示すように、外側管であるBN管１，２を
接続部材３によつてねじ接続されている。このた
め測温時に、溶融金属のスプラツシユ地金や溶融
滓が、特に下側ねじ部に噛み込むことが多く、溶
損した外側管２を取替える際に、ねじ接合部が外
れず、接続継手部材３も同時に取替えねばならな
いこととなり、コスト高となつていた。

一方、熱電対を保護するアルミナ耐火物製の内
側管の長さは、BNと白金との反応を防止する意
味からは、高温部のBN管２に対応する部分に相
当する長さであればよいのであるが、熱電対の使
用は、測温する際には下向にして使用し、測温後
はほぼ水平状態にするため、内側管は外側管の内
部で移動し、破損するおそれがあるので、一般に
長尺の内側管を使用しているために、これまたコ
スト高となる。

本考案は従来の熱電対における上記欠点を解決
するためになされたものであつて、上部接続管と
下部外側管との接合部への溶融金属や溶融滓など
の噛み込みを防止し、かつ内側管と外側管との間
隔を一定に保持して内側管を短尺化し、溶損され
易い下部測温部だけの取り外し交換を、容易にす
ることが可能な接続構造の保護管を提供するもの
である。

本考案の熱電対保護管の接続構造の要旨は、上
部外側管である接続管と下部外側管との接続にあ
たり、接合管の下端部にはねじ部を設け、また下
部外側管には上端の外周には突起部を、そして内
周には凹部切欠部をそれぞれ設け、両者を接続継
手部材によつて接続するものである。この接続部
材には、下部外側管の突起部を係止する係止部を
備え且つ接続管下端部とねじ接合し、下部外側管
を懸吊するようにして接続する構造である。

また内側管の外周には、内側管と外側管との間
に一定の間隙を保持するための凸部が設けられ、
下部外側管の上端部内周に設けられた凹部切欠部
に嵌め込むことによつて、内側管を所定位置に安
定させ、内側管の長さを従来の内側管に比較して
短尺化することが出来、コストの低減を図り得た
ものである。

以下、本考案の接続構造を実施態様の図面に基
づいて詳細に説明する。

第２図は本考案の実施の一例を示す断面説明図
で、１はBN製の接続管、２はBN管状成形体の外
側管、４は外側管２に内装された内側管で、例え
ばアルミナ、窒化珪素、石英等の管状成形体であ
る。５は二層構造の管状成形体に内装された熱電
対素線で、例えば白金−白金ロジウム熱電対であ
る。

下部外側管２の上端部の外周には突起部６を設
ける。この突起部６は、外側管２と一体成形とし
てもよいが、BNは高価であるために外側管２の
溶損取替え時のコスト増になるので、本実施例で
は取外し可能な突起部材として、フランジのねじ
込み機構とした。

この外側管２に設けた突起部６を係止する係止
部１０を下端部に備え、上部内周にねじ部を設け
た接続継手部材（BN）７により、接続管１に下
部外側管２を接続係止するようにした。従つて接
続継手下部にスラグ、地金などが噛み込んでも、
ねじ機構でないので取り外しが容易である。

一方、内側管４を短尺化するために、外側管２
の上端部内周に凹部切欠部８を設けると共に、内
側管と外側管との間隔を一定に維持するために、
内側管４の外周に凸部９を設け、その凸部９を外
側管の凹部切欠部８に嵌め込み、接続管１の下端
により移動しないように保持している。なお内側
管４に設けた凸部は、内側管と一体成形としても
よく、ねじ込み式のリングでもよい。また外側管
２と内側管４の材質が異なるために発生する、熱
膨張差を吸収させるために凹部８を凸部９よりも
広くしている。

以上の説明から明らかなように、二重管構造の
熱電対保護管の接続部に、本考案の接続構造を適
用すれば、溶損度の大きい、従つて取替え頻度の
多い測温部の外側管の取り替えを容易にし、接続
継手部材の破損を防止し、しかも内側管を短尺化
することが出来て、経済的に極めて優れた効果を
もたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の接続構造を示す説明図、第２図
は本考案実施例の接続構造を示す縦断面説明図で
ある。 １……接続管、２……外側管、３……接続部
材、４……内側管、５……熱電対、６……突起
部、７……接続継手部材、８……凹部切欠部、９
……凸部、１０……係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高温の被測温雰囲気中に挿入される外側管と熱
   電対が収納される内側管とを有する熱電対保護管
   における上部と下部の外側管の接続において、下
   端部にねじ部を備えた上部接続管と、上端部の外
   周に突起部内周に凹部切欠部をそれぞれ設けた測
   温部の下部外側管と、該下部外側管の突起部を係
   止する係止部を備え前記接続管下端部とねじ接合
   する接続継手部材と、上記下部外側管の上端部内
   周に設けられた凹部切欠部に嵌め込む凸部を外周
   に設けた内側管とからなる熱電対保護管の接続構
   造。