JPS6238943Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は家電製品等に使用するための緩衝性を
要する包装材に関する。

従来、この種の機器類を輸送するための包装材
としては、緩衝材の貼合されたトレーと、角筒状
スリーブの組み合せで行なわれることが多い。こ
の場合、緩衝材の貼合されたトレーには二種類あ
り、一つは発泡スチロール等のプラスチツクフオ
ーム成型品を緩衝材とし、段ボール製トレーに接
着剤で貼合したものと、もう一つは、片面段ボー
ルを積層してつくられた段ボール積層体をカツト
して緩衝材としホツトメルト等で段ボール製トレ
ーに貼合したものである。前者は廃棄段階で包装
材を焼却すると、黒煙を発生し、又高発熱量のた
め焼却炉を損傷することがあるし、後者は廃棄段
階での包装材の処理は比較的容易であるが、段ボ
ールの積層体をカツトしたり、組み込んだり、接
着したりして手間を要し、ひいては包装材のコス
ト高をまねく欠点がある。

本考案は従来のこの種の包装材の欠点を解消す
るため提案されたものであつて、次に図面に示す
実施例についてこれを説明する。

Ａは機器類の左右両端角部を包装する角型トレ
ーパツクで、該角型トレーパツクは次のように構
成されている。即ち、波型中芯を有する段ボール
によつて背の低い長方形箱状（トレー状）の容体
１を形成し、この容体１の左右両側には補強用Ｌ
字型合紙２，２（板紙を数枚張り合せたもの）を
貼着３，３するとともに、該Ｌ字型合紙２，２と
容体１の両側縁４，４との間に、被包装機器類の
両サイド角部に嵌合する受皿状凹所６と、適宜形
状の溝５，５とを表面に有するパルプモウルド
ａ，ａ（新聞、雑誌又は段ボール屑等の古紙又は
パルプを原料として所望形状の抄型とした抄網に
よつて湿式法で製造したもの）を、紙玉充填材を
入れたウレタンフオーム７，７の発泡材によつて
容体１と一体に接着してパルプモウルドで機器類
を支持できるようにしたものである。なお８，
８′はパルプモウルド下面及び側面に設けたウレ
タンフオームの浸入間隙、８″はパルプモウルド
側面に適宜数設けられたウレタンフオーム侵入縦
溝、９，９は容体１長手方向の両側縁４′，４′に
貼着３した合紙製の補強帯である。次にＢ（第６
図参照）は角筒状スリーブで、波型中芯を有する
段ボールによつて形成され、機器類の上下両端部
を包装した前記各角型トレーパツクＡ，Ａの上方
外側から機器類全体を包装するように縦に嵌装し
て、これらの両トレーパツクを被覆するようにし
て、該スリーブの外側から適宜バンド等で締付け
て梱包するものである。

なお前記した機器類の上下両端部を各角型トレ
ーパツクＡ，Ａで包装する形式に替え、上部が略
平坦状の機器類については、上部包装用トレーパ
ツクを廃止して、上底１０を有する角筒状スリー
ブB′（第７図参照）を複両面段ボール１１等をパ
ツキング材として、これを機器類の頭部に介装し
て、上方から機器類全体を包装するように縦に嵌
装して前記同様スリーブの外側から適宜バンド等
で締付けて梱包してもよい。

叙上のように構成した本考案は例えばエアコン
のセパレート型屋外機Ｃを包装梱包して輸送する
ときは、第５，６図に示すように１個の角型トレ
ーパツクＡをパルプモウルドを上向きにして置
き、該トレーパツク上に前記エアコンのセパレー
ト型屋外機Ｃを載置してパルプモウルドで支持さ
せるとともに、該屋外機の上端に他の角型トレー
パツクＡをパルプモウルドを下向きにして被覆
し、更に上端のトレーパツク上から、これら全体
を被覆するように角筒状スリーブＢを縦に嵌装し
てP.Pバンド１２，１２（ポリプロピレン製荷造
り紐）で締めて荷造りして輸送するものである
が、前記屋外機Ｃのような上端部が平坦で比較的
単純形状の機器の場合には、むしろ第７図に示す
ように、１個の角型トレーパツクＡに屋外機Ｃを
載置支持させて、上底１０を有する角筒状スリー
ブB′を、パツキング材１１を介して上から全体を
被覆するように縦に嵌装してP.Pバンドで締めて
荷造りする方が簡単に包装できる。

上記したように、本考案においては、角型トレ
ーパツクＡはその外側を波型中芯を有するトレー
状段ボール容体１となし、その内側に直接機器類
を支持するパルプモウルドａ，ａを、紙玉充填材
を入れたウレタンフオーム７，７で段ボール容体
１に一体に接着したものであるから、紙玉充填材
の混入したウレタンフオームによつてウレタンフ
オームに適度の剛性を与えて極めて緩衝性能を強
くすることができ、しかも取扱いが容易で、機器
類を安定した包装状態となし得られ、更に包装荷
造りに厄介な手間を要せず包装費用も安価になし
得られ、又廃棄状態で包装材を焼却するときにも
黒煙等をあまり発生することなく、高発熱量のた
めに焼却炉を損傷することがない等の効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案トレーパツクの斜面図、第２図
は平面図、第３図は第２図イ−イ線断面図、第４
図は、第２図ロ−ロ線断面図、第５図は機器類を
輸送するときの包装作用図、第６図は包装梱包状
態を示す一部切欠した正面図、第７図は他の型の
包装梱包状態を示す一部断面とした正面図であ
る。 Ａ，Ａ……角型トレーパツク、Ｂ……角筒状ス
リーブ、B′……上底付角筒状スリーブ、１……容
体、２，２……合紙、５，５……溝、ａ，ａ……
パルプモウルド、７，７……紙玉充填材入りウレ
タンフオーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機器類の端部を包装する角型トレーパツクと、
   該角型トレーパツクの外側より機器類全体を包装
   する波型中芯を有する段ボールよりなる角筒状ス
   リーブとよりなり、前記角型トレーパツクは、内
   面に受皿状の凹所と溝とを有するパルプモウルド
   を、トレー状段ボール箱の両側に対称的に配し
   て、パルプモウルドと段ボール箱との間に、紙玉
   充填材を混入したウレタンフオームを一体的に発
   泡接着してなることを特徴とする機器類を包装す
   る包装材。