JPS6238605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、食器洗浄機において洗浄液を好適に
指向させる技術に関し、特に、上面開口の洗浄槽
をドアで覆つて洗浄室を形成すると共に、該洗浄
室内に、固定のラツク受台と、該ラツク受台上に
摺動自在に支持される食器収納用ラツクと、ラツ
ク受台の少なくとも下方に配設され、ラツクの収
納食器に噴出する複数の洗浄ノズルとを備えた形
式の食器洗浄機に対する上述の技術の適用に関す
るものである。

一般に、上述した形式の食器洗浄機は、ポンプ
圧力によつて洗浄液を噴射し、食器にまんべんな
く当てることにより食器を洗浄するものである
が、従来の食器収納用ラツクの受台は同ラツクを
単に受ける目的のためにのみしか設計されていな
かつた。

この事実に鑑みて、本考案の食器洗浄機は、受
台を単にラツクの支持用として用いるのではな
く、受台上へのラツクの載置と受台上からのラツ
クの除去とを円滑に行うことを可能にすると同時
に、受台にて洗浄ノズルからの洗浄液を食器に跳
ね返らせることにより食器の洗浄効果を高めると
共に洗浄中に洗浄液が機外へ飛散するを防止する
目的で案出されたものである。

この目的から、本考案による上述の形式の食器
洗浄機においては、受台は、ほぼ四角の枠体を形
成するよう接続された対の横部分及び対の縦部分
からなる受部と、最端にある洗浄ノズルからの洗
浄液噴射領域にまで下方に延びるように、前記枠
体の各辺から垂下する補強部とからなり、前記食
器収納用ラツクの摺動方向に対してほぼ直交する
前記受部の前記横部分の外側縁部からは、前記補
強部がその下端ほど外側に位置して傾斜垂下して
おり、また、前記横部分の内側縁部からは、短板
がその下端ほど内側に位置して傾斜垂下している
ことを特徴とするものである。

次に、本考案の好適な実施例について添付図面
を参照して詳細に説明するが、図中、同一符号は
同一又は対応部分を示すものとする。

第１図〜第３図において、１は４本の脚２で床
上に支持される本体で、上面開口の洗浄槽３はド
ア１３で覆われ洗浄室を形成している。洗浄室の
内部には、その上方部位及び下方部位のそれぞれ
に洗浄ノズル４及びすすぎノズル５が組み込まれ
ている。洗浄槽３の下方には洗浄用ポンプ６と、
すすぎ用ポンプ７と、操作ボツクス８とが取り付
けられ、また、洗浄槽３内には食器９を収納する
周知のラツク１０が、受台１１の上に乗せられて
いる。受台１１にはラツク１０の出入ガイド用と
してガイド板１２が取り付けられる。上面開口の
洗浄槽を覆うドア１３は、洗浄槽背面に設けられ
た案内板１４に昇降自在に取り付けられ、ドア１
３を昇降させるため四角ハンドル１５がレバー１
６を介してドア１３に取り付けられる。第５図は
洗浄ノズル４の一つの洗浄液噴射角度αを表す。

以上の構成は従来周知のものであり、この構成
において、ドア１３を閉めて、操作ボツクス８の
操作により洗浄を行う。洗浄ポンプ６は、洗浄槽
３より洗浄液を吸い込み、洗浄ノズル４を洗浄液
圧力で回転させながら、食器９に洗浄液を吹き付
け洗浄する。洗浄ポンプが停止してから、洗浄液
用とは別の給湯回路からきれいなすすぎ湯をすす
ぎポンプ７で吸い込み、ポンプ圧力ですすぎノズ
ル５を回転させながらすすぎ湯一定量（ポンプ運
転時間）を食器に吹き付け洗浄工程を終了する。
第４図に示す改良前の受台１１において、長さｂ
で示す部分はラツク受部１１ｂで、長さａで示す
部分は受台の補強部１１ａであり、上記洗浄工程
において、最端の洗浄ノズル４からの洗浄液が第
５図に示す噴射角度αをもつて噴射された場合、
長さａの補強部１１ａの下端を通つて矢印イのよ
うに抜け、ドア１３の外に飛散することがあり、
また、矢印ウのように食器９の方に飛ばすその分
洗浄効果が落ちるものであつた。

そこで、本考案においては、第６図から諒解さ
れるように、受台２０の補強部２１をその下端が
最端の洗浄ノズル４からの洗浄液噴射領域に入る
まで下方に延長する。このようにすることによ
り、洗浄ノズル４からの洗浄液は矢印エ、オのよ
うにドア１３の外に抜けることなく補強部２１で
跳ね返つて全て食器９に指向され、より洗浄効果
を高めるものである。即ち、第７図はそのような
補強部２１を有する受台２０の全体斜視図をガイ
ド板１２を取り除いて示しており、該受台２０
は、上部及び下部が開放した四角の枠体の形態で
あつて、四角の受部２２の各辺から前述した補強
部２１がその下端ほど外側に広がるように傾斜し
て垂下している。受部２２は、両頭矢印２３で示
すラツク１０の摺動もしくは進入退出方向に関し
てほぼ直交する横部分２２ａと、前記方向にほぼ
平行な縦部分２２ｂとから構成されており、各補
強部２１は横部分及び縦部分２２ａ，２２ｂの外
側縁部から斜めに垂下している。また、第７図か
ら諒解されるように、各横部分２２ａの内側縁部
からは短板２４がその下端ほど内方に延びるよう
に傾斜して垂下している。補強部２１と受部２２
の短板２４との傾斜角度及び長さは、最端の洗浄
ノズル４から噴射されて補強部２１に当たつた洗
浄液が食器に向かつて跳ね返るように設計されて
いる。

尚、図示の実施例においては、ラツク１０の進
入退出方向２３に関してほぼ平行な補強部もその
下端ほど外側へ傾斜しているが必ずしもその必要
はない。

第８図は本考案の変形実施例を示す図であつ
て、受台２０のラツク受部２２に数個の穴２５を
明けることにより、この穴２５がなければ該ラツ
ク受部２２で下へ跳ね返る洗浄液（破線の矢印）
を上に抜き、更に洗浄効果を高めるようにしたも
のである。

以上のように、本考案による食器洗浄機におい
ては、最端にある洗浄ノズルからの洗浄液噴射領
域にまで下方に延びる洗浄液反射部は固定の受台
に設けられているので、この洗浄液反射部が食器
収納用ラツクの進入退出の邪魔にならないだけで
なく、受台の受部には、食器収納用ラツクの進入
退出方向にほぼ直交する横部分の外側縁部及び内
側縁部からそれぞれ垂下する補強部、短板がそれ
ぞれ外側及び内側に傾斜しているので、食器収納
用ラツクを受台の受部に沿つて同受部上に載置し
たり同受部上から除去したりする作業の際に、食
器収納用ラツクの底部にバリが出ていても、食器
収納用ラツクは受台上を円滑に滑動し、同作業が
容易に行なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用できる食器洗浄機の正面
図、第２図は洗浄槽内部構造の詳細を示すため一
部破断して示す正面図、第３図は第２図の側面
図、第４図は従来構造における第２図のア部詳細
図、第５図は洗浄ノズルの噴射角度を示す図、第
６図は本考案の構成を備えた食器洗浄機の第４図
に相当する図、第７図は第６図のラツク受台の斜
視図、第８図は本考案の変形実施例を示す部分断
面図である。 ３……洗浄槽、４……洗浄ノズル、９……食
器、１０……食器収納用ラツク、１３……ドア、
２０……ラツク受台、２１……補強部、２２……
受部、２２ａ……受部の横部分、２２ｂ……受部
の縦部分、２３……摺動方向、２４……短板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面開口の洗浄槽をドアで覆つて洗浄室を形成
   すると共に、該洗浄室内に、固定のラツク受台
   と、該ラツク受台上に摺動自在に支持される食器
   収納用ラツクと、前記ラツク受台の少なくとも下
   方に配設され、前記ラツクの収納食器に噴水する
   複数の洗浄ノズルとを備えた食器洗浄機におい
   て、前記受台は、ほぼ四角の枠体を形成するよう
   接続された対の横部分及び対の縦部分からなる受
   部と、最端にある洗浄ノズルからの洗浄液噴射領
   域にまで下方に延びるように、前記枠体の各辺か
   ら垂下する補強部とからなり、前記食器収納用ラ
   ツクの摺動方向に対してほぼ直交する前記受部の
   前記横部分の外側縁部からは、前記補強部がその
   下端ほど外側に位置して傾斜垂下しており、ま
   た、前記横部分の内側縁部からは、短板がその下
   端ほど内側に位置して傾斜垂下していることを特
   徴とする食器洗浄機。