JPS6238556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案はたばこの煙を水中に通過させて吸出す
ようにした喫煙用水パイプに関する。

（従来技術） 従来一般の水パイプは、内部に水を充填するケ
ーシング自体にたばこ挿着部とたばこ吸出口とを
設けると共に、たばこ挿着部に連通する煙導管を
ケーシングの内底部まで突入させ、またたばこ吸
出口に連通して該ケーシングにパイプ部を一体突
設し、たばこ挿着部に挿着したたばこの煙を煙導
管を通つてケーシングの水中に導き、煙に含まれ
るニコチン等の水溶成分を水中で溶解除去させた
後、パイプ部で喫煙するようになつている。

この従来技術ではケーシング自体を密封構造に
しているため、使用により汚れた水を取り替える
場合にたばこ挿着部やパイプ部を通じて行わなけ
ればならず、その取扱いが面倒であり、またケー
シング内部を清掃することが不可能であつた。ま
た従来技術ではケーシングにパイプ部が一体突設
されているため嵩高になり、たとえば旅行などの
際の携帯に不便であつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記の事情に鑑み、ケーシング内の水
が汚れた場合には簡単に取り替えることができる
ようにすると共に、運搬または不使用の保管の際
に嵩張ることなくコンパクトに折り畳むことがで
きるようにすることを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために本考案は、内部に
水を充填するケーシング１と、このケーシングに
水密的に、かつ着脱自在に蓋をする肉厚な蓋体２
とを備え、この蓋体２にそれぞれケーシング内部
に通ずるたばこ挿着口３とたばこ吸出口４とを設
け、たばこ挿通口３に連通して蓋体２に、ケーシ
ング内部底面附近に延びる煙導管５を取外し可能
に垂設し、また前記たばこ吸出口４に付勢手段６
に付勢されてその先端部が蓋体２より若干突出す
る中空係合部材７を気密的に内蔵し、前記たばこ
吸出口４に対応し、かつ前記中空係合部材７に係
脱自在に係合するパイプ部８を蓋体２に回動自在
に枢着してなる構成を採用するものである。

（実施例） 第１図において、１はアクリル樹脂などの合成
樹脂、ガラスあるいはアルミなどの金属材によつ
て形成された上部が開口する略たばこケース大の
ケーシングで、内部に水がその中腹程度まで充填
されるようになつている。２は同様の材料、たと
えば合成樹脂製の肉厚な蓋体で、その一側面に開
口し、ケーシング内部に連通する円孔状のたばこ
挿着口３と、これに対応する他側面に開口し、同
じくケーシング内部に連通するたばこ吸出口４と
が穿たれており、蓋体２の外周面に水密リング１
５が嵌着され、ケーシング１に水密的にかつ離脱
自在に蓋するようになつている。たばこ挿着口３
に連通して蓋体２には、合成樹脂製またはアルミ
ニウム製の煙導管５が着脱可能に取付けられ、そ
の下端部がケーシング内部の底面附近に垂下して
いる。該煙導管５にはフイルタチツプ１１が挿入
されると共に、その上端部附近には合成樹脂製の
短管１６が弾圧的に嵌着され、該短管に小径な絞
り孔１０が形成され、下端部に逆止弁９が設けら
れる。該逆止弁９は、第３図に示すように煙導管
５の下端部に底板１７を一体形成すると共に、該
底板に複数の通気孔１８と中心部に係合孔１９を
設け、一方ゴムまたは軟質合成樹脂製の円板状の
弁体２０がその中心部に穿設した突起２０ａを前
記係合孔１９に係合するようにして底板１８に取
付けられ、常時、即ち非喫煙時は該弁体２０によ
つて上記空気孔１８を塞ぐ構造からなる。また前
記たばこ吸出口４には中空ピン状の係合部材７が
内蔵され、コイルスプリング６ａによつて中空係
合部材７の先端部が蓋体２の外壁より若干突出す
るよう付勢されている。そしてたばこ吸出口４に
対応して蓋体２に二又状の軸受部２１が突設さ
れ、これに周知の形状をしたパイプ部８が軸ピン
２２によつて回動自在に枢着されている。第４図
によつて更に詳細に説明すると、中空係合部材７
は硬質合成樹脂によつて形成した硬質筒状部材１
２と、軟質合成樹脂またゴムによつて形成した軟
質筒状部材１３とからなり、硬質筒状部材１２の
後端部に形成した係合溝１２ｂに軟質筒状部材１
３の先端部に形成した係合突起１３ｂを係合する
ことによつて両者が一体的に連結されている。そ
して硬質筒状部材１２の先端部には凸球部１２ａ
が形成され、これに対応してパイプ部８の先端部
には凹球部８ａが形成されると共に、該凹球部８
ａと同軸に気密用の弾性リング１４がパイプ部８
に嵌着され、一方前記軟質筒状部材１３の後端部
に気密用のひれ部１３ａが突設され、該ひれ部１
３ａはたばこ吸出口４の内壁に常時接触してい
る。したがつて中空係合部材７の中空部に内蔵さ
れたコイルスプリング６ａに付勢されてその凸球
部１２ａはパイプ部８の凹球部８ａに係合し、た
ばこ吸出口４を通過する煙は気密用ひれ部１３ａ
および弾性リング１４に気密保持されて外部に漏
洩することなくパイプ部８より喫煙されることに
なる。なおまたパイプ部８の先端部に折畳時（第
２図）に前記中空係合部材７に係合する別の凹球
部８ｂが形成されると共に、パイプ部８の伸展時
（第１図）にそれ以上の回動を阻止するストツパ
ー２３が突設されている。

第１図は喫煙時の状態を示すもので、たばこ挿
着口３に挿着されたたばこＴの煙は煙導管５に導
入され、その狭り孔１０で圧縮された状態で流速
を増して通過し、ここで膨脹された状態となつて
煙導管５に挿入されているフイルタチツプ１１に
タール分を付着残存せしめ、煙導管５の下端部通
気孔１８より逆止弁９を開口せしめてこの部分で
もタール分やニコチンが付着し、これより水中に
小さな気泡ａとなつて吐出され、この水中で煙に
含有するニコチン等の水溶成分が溶解除去された
後、たばこ吸出口４を通つてパイプ部８より当然
に喫煙されることになる。なおこの喫煙時にパイ
プ部８はその先端部の凹球部８ａが蓋体２側の係
合部材７に気密的に係合しているため、パイプ部
８が蓋体２に対してガタつくことなくまた漏気す
ることなく安定して使用することができる。

なお喫煙によりケーシング１内の水やフイルタ
ーが汚れた場合には蓋体２をケーシング１から離
脱させ、水を入れ換えると共に、煙導管５を蓋体
２から取り外し、新しいフイルタチツプ１１の入
つた煙導管５と交換すればよい。

第２図は不使用の状態を示すもので、パイプ部
８は軸２２を中心にケーシング１の側面に沿つて
折畳まれ、これによつてパイプ部８の凹球部８ｂ
に前記中空係合部材７が係合するため、その折畳
状態が確実に維持されると共に、蓋体２のたばこ
吸出口４はパイプ部８の先端部に遮閉された状態
にあると共に、煙導管５下端部の逆止弁９はその
底部に密着して該煙導管５を閉塞しており、横倒
しても漏水することがない。

（効 果） 本考案によれば、内部に水を充填するケーシン
グ１と、このケーシングに水密的に、かつ着脱自
在に蓋をする肉厚な蓋体２とを備えてなるため、
ケーシング内の水を取替えたり、内部を清掃する
のが容易であり、かつ使用時に両者間から漏水す
ることがない。

また本考案によればケーシング内部底面附近に
延びる煙導管５を蓋体２に取外し可能に垂設して
なるため、煙導管５の内部が汚れた場合には、こ
れを新しいものに簡単に取替えることができる。

さらに本考案によれば蓋体２に設けたたばこ吸
出口４に対応してパイプ部８を蓋体２に回動自在
に枢着してなるため、パイプ部８を蓋体２に沿つ
て折り畳むことによつて嵩張ることがなく、携帯
や保管に便利である。

さらにまた本考案によれば前記たばこ吸出口４
に、付勢手段６に付勢されてその先端部が蓋体２
より若干突出する中空係合部材７を気密的に内蔵
し、これがパイプ部８に係脱自在に係合するよう
になつているため、喫煙時や不使用時にパイプ部
８は中空係合部材７に係合されて蓋体２にガタツ
クことなく安定して保持されている。

さらに本考案の実施態様項の第２項に示す実施
例によれば、不使用時蓋体２に貫通するたばこ吸
出口４はパイプ部８の先端部で遮閉されると共
に、たばこ挿着口３に通ずる煙導管５は逆止弁９
によつて閉塞されているため、ケーシング１が横
倒しても漏水することがなく、ケーシング１に水
を充填した状態で携帯することが可能である。

さらに本考案の実施態様項の第３項及び第４項
によれば煙導管５内の絞り孔１０附近やフイルタ
チツプ１１にタール分が付着することによるター
ル分除去作用と、ケーシング１内の水による湿式
のニコチン等水溶成分の溶解除去作用とにより煙
に含まれる有害成分を効率的に除去することがで
きる。

さらにまた本考案の実施態様項の第５項及び第
７項に示す実施例によれば、たばこ吸出口４から
パイプ部８に煙が通過する際に、軟質筒状部材１
３の気密用ひれ部１３ａとパイプ部８の気密用弾
性リング１４に気密保持され、漏気することがな
く確実に吸煙することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す縦断正面図、
第２図は同折畳状態を示す縦断正面図、第３図及
び第４図は同要部分解斜視図である。 １……ケーシング、２……蓋体、３……たばこ
挿着口、４……たばこ吸出口、５……煙導管、６
……付勢手段、７……中空係合部材、８……パイ
プ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内部に水を充填するケーシング１と、このケ
   ーシングに水密的に、かつ着脱自在に蓋をする
   肉厚な蓋体２とを備え、この蓋体２にそれぞれ
   ケーシング内部に通ずるたばこ挿着口３とたば
   こ吸出口４とを設け、たばこ挿着口３に連通し
   て蓋体２に、ケーシング内部底面附近に延びる
   煙導管５を取外し可能に垂設し、また前記たば
   こ吸出口４に付勢手段６に付勢されてその先端
   部が蓋体２より若干突出する中空係合部材７を
   気密的に内蔵し、前記たばこ吸出口４に対応
   し、かつ前記中空係合部材７に係脱自在に係合
   するパイプ部８を蓋体２に回動自在に枢着して
   なる喫煙用水パイプ。 ２ 前記煙導管５の下端部に、常時は煙導管５を
   密閉すると共に喫煙時に該煙導管を開口する逆
   止弁９を取付けてなる実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の喫煙用水パイプ。 ３ 前記煙導管５に径小な絞り孔１０を設けてな
   る実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   記載の喫煙用水パイプ。 ４ 前記煙導管５にフイルタチツプ１１を挿入し
   てなる実用新案登録請求の範囲第１項乃至第３
   項のいずれか記載の喫煙用水パイプ。 ５ 前記中空係合部材７は硬質筒状部材１２とこ
   れに連結される軟質筒状部材１３とからなり、
   該軟質筒状部材１３に気密用ひれ部１３ａが一
   体突設されてなる実用新案登録請求の範囲第１
   項乃至第４項のいずれか記載の喫煙用水パイ
   プ。 ６ 前記付勢手段６はコイルスプリング６ａから
   なる実用新案登録請求の範囲第１項乃至第５項
   のいずれか記載の喫煙用水パイプ。 ７ 前記パイプ部８に、前記中空係合部材７が気
   密的に係合するための気密用弾性リング１４が
   嵌合されてなる実用新案登録請求の範囲第１項
   乃至第６項のいずれか記載の喫煙用水パイプ。