JPS6238019B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、下方から上方に向かつて開放し、垂
直な軸線を中心に回転駆動され、篩を備えている
円錐状ドラムと、ドラム内部に同心的に設けら
れ、ドラム下端よりも高い位置にあり、ドラムに
固定連結されているカツプ状加速部材とを備え、
このカツプ状加速部材の上端が、軸方向および半
径方向に間隔をおいて白下−鐘形分配部材によつ
て取り囲まれ、この鐘形分配部材がドラム回転軸
線に対して同心的に設けられ、かつ上方から下方
に向かつて大きくなつており、鐘形分配部材の下
方縁部がドラム下端の近くまで達している、特に
稀薄液の副成−白下を砂糖とかま残りに分離する
ための、連続的に作動する砂糖用遠心分離機に関
する。

精糖工業においては、甜菜および／または甘蔗
から砂糖をできるだけ多く製出するために努力が
なされている。

しかし、残念ながら、遠心分離される白下の粘
度が常に変わるので、現在まで砂糖の多量の製出
は達成されていない。この粘度の変化は特に副成
（低級）−白下の遠心分離の際に顕著である。今ま
では遠心分離機に副成−白下を合せることが強い
られた。なぜなら、一様な結晶質の、品質が良好
な副成糖を生産するために、現在では希薄液の副
成−白下が製造されるからである。

副成白下を遠心分離することができかつ鐘形分
配部材が組込まれている連続作動型遠心分離機は
周知である。西ドイツ特許公告第2207663号明細
書では、鐘形分配部材はドラム上に白下をできる
だけ一様に分布させて遠心分離機の安定した回転
を保証する。この連続作動型遠心分離機はほぼ一
様な粘度の白下だけを効率よく遠心分離すること
ができる。液体成分の少ない白下は遠心ドラムの
篩上に不均一に分布するので、効率が悪い。一
方、希薄液の白下から製造された砂糖は効率が同
じでも品質が悪すぎる。なぜなら、多いシロツ
プ／液体成分が白下を篩上を迅速に滑らせ、かま
残りを除去しないからである。これを避けるため
に、効率が悪くなる。

東ドイツ実用新案登録第1782182号明細書で
は、白下の主たる脱水が最下方の篩段によつて行
なわれる。この場合も、西ドイツ特許公告第
2207663号明細書で述べたこと、即ち、どろどろ
した白下の場合には過剰のかま残りが分離され、
その結果ドラムの篩上における白下の分布が不均
一になつて遠心分離機の回転を不安定にし、遠心
分離機の回転が再び安定するまで、効率は悪い。

白下が希薄液のときには不十分な脱水だけしか
行なわれない。製出された砂糖は品質が悪くそし
て効率も悪い。

本発明の課題は、同じ粘度の白下が常に遠心ド
ラムの篩に供給されるように、装入された白下の
粘度のすべての変化に対して影響を及ぼすことで
ある。

この課題はドラムが、ドラム上方部分と、この
ドラム上方部分の傾斜角度と異なる傾斜角度を有
するドラム下方部分とからなり、白下−鐘形分配
部材の下端が、ドラム下方部分と相対的に高さ方
向に調整可能であり、ドラム下方部分の篩の通過
横断面積が、白下−鐘形分配部材の下端の調整範
囲内において、下方から上方に向かつて減少して
いることによつて達成される。白下−供給装置に
おける白下−鐘形分配部材の特に下方縁部の高さ
を本発明に従つて調節することができるので、ド
ラムの垂直軸線に対して傾斜している篩付ドラム
下方部分によつて、粘度が異なる副成−白下、特
に希薄液の白下、から多量のかま残りが除去され
る。その際、このかま残りの除去量はドラム上方
部分の始端のところに形成される白下層が一様な
厚さになつて、糖密と砂糖に良好に分離できる程
度である。

白下の液体成分が比較的に少ない場合には、白
下−鐘形分配部材の下方縁部が上方へ動かされる
ので、白下は篩付ドラム下方部分の上方領域に位
置する。従つて、液体除去装置としてのドラム下
方部分の下方領域は働かない。白下が比較的に希
薄の液体のときには、鐘形分配部材の下方縁部は
下方へ動かされる。従つて、篩付ドラム下方部分
上の受け取り領域が下方へ変位して、白下が長い
篩区間にわたつて進むので、強く脱水される。よ
つて、鐘形分配部材の特に下方縁部を高さ方向に
移動させることにより、予脱水を正確に行なうこ
とができるので、最適の粘度の白下をドラム上方
部分に供給することができる。

白下−鐘形分配部材の特に下方縁部の移動（変
位）は、白下−鐘形部材の全体もしくは一部が高
さ方向に延びるスリツトを備え、このスリツトを
介してピンに沿つて滑動可能で滑動位置に固定可
能であることによつて達成される。

砂糖とかま残りの分離は、ドラム下方部分の篩
作用によつて一層良好となる。このドラム下方部
分は、下方から上方へ小さくなる通過孔を備えて
いて、そしてドラムの遠心段への移行の前の上方
の縁部のところに孔のない領域がある。

特許請求の範囲第３項から第５項までに相応し
て、鐘形分配部材の下方縁部の調節は、装入され
た白下の質および／またはドラムの上縁を越えて
砂糖受け室に達する砂糖の質もしくは量を介し
て、調節機構と制御回路によつて達成される。

図には本発明に従つて形成された遠心分離機の
実施例が示されている。

第１図には、本発明の本質、即ち考えられるす
べての変形の上位にある発明思想、が描出されて
いる。

一部だけしか示されていない連続的に作動する
砂糖用遠心分離機１の場合、下方から上方へ開口
している截頭円錐状遠心ドラム２が使用される。
この遠心ドラムは、白下を砂糖とかま残り（ろ出
液）に分離するための分離篩と共に、垂直に延び
る軸線３を中心に回転する。

分離篩に溜る結晶砂糖が遠心ドラム２の上端の
方向へ移動して落下縁部４から放出される一方、
かま残りが分離篩を通過しそして遠心ドラム２の
かま残り排出口５から排出される。

遠心ドラム２はその外方を液体受器６によつて
取囲まれている。この液体受器は生かま残りのた
めの下方の液体集め室７と白かま残りのための上
方の液体集め室８を備えている。両液体集め室７
と８を分離するために、定置された中間壁９が役
に立つ。

遠心ドラム２はその下端に下方のドラム部分１
０を備えている。このドラム部分は上方のドラム
部分１１と比較して傾斜が急である。

両ドラム部分１０，１１は内方の篩１２を有し
ている。更に、下方のドラム部分１０はその表面
面積に相対して上方のドラム部分１１よりも多数
のかま残り排出口５を備えている。中間壁９は、
上方のドラム部分１１の下方のかま残り排出口５
が生かま残りのための下方の液体集め室７の内方
に位置するような高さに設けられている。前記上
方のドラム部分１１は下方のドラム部分１０と異
なりその下方端部と上方端部にだけ、周方向に配
置された多数のかま残り排出口５を備えている。

下方のドラム部分１０の分離篩１２は多量の液
体が通過できる下方領域１２ａを備えている。こ
の多量の液体の通過は、例えば孔が多数設けられ
ていることによつて可能となる。

中央の領域１２ｂでは液体の通過がより少な
い。一方、非常に狭い上方の領域１２ｃは液体が
全く通過しない、即ち孔が形成されていない。

篩１２を形成する場合、細かな段階で変化する
多数の領域に、あるいは大まかな段階で変化する
非常に少ない領域に区分するには、多数の方法が
ある；分離能力が無段階に直線状にまたは累進的
に変化する篩１２をも設けることができる。

遠心ドラム２には白下供給装置１３によつて白
下が装入される。この白下供給装置１３は少なく
共１つのカツプ状加速部材14（第２図参照）と鐘
形分配部材１５とを有する。この鐘形分配部材は
上方から下方へ截頭円錐状に拡がつていてそして
その下方縁部１６は下方のドラム部分１０内に位
置している。

控えボルト３３に固定された鐘形分配部材１５
の下方縁部１６もしくはそれに相当する構造部材
は、本発明に従つて、図に示された矢印１７の方
向に移動可能であるので、第２図からわかるよう
に、いろいろな位置を占めることができる。

鐘形分配部材１５が低所にある場合（第２図の
左側参照）に白下が装入されると、白下は、上方
のドラム部分１１に達する前に、下方のドラム部
分１０の篩１２上を比較的に長い道程にわたつて
移動する。鐘形分配部材１５は本発明に従つてそ
の都度次のような深さに置かれる。即ち、下方の
ドラム部分１０から上方のドラム部分１１への移
行のための流動性を保つために、白下内に残つて
いる最後の生かま残りが、上方のドラム部分１１
の排出口５を経て生かま残りのための下方の液体
集め室７内に流出するような深さに置かれる。鐘
形分配部材１５の高さを適当に調節することによ
り、残りだけが上方のドラム部分１１の下方の排
出口５を経て排出されるように、非常に多量の生
かま残りを下方のドラム部分１０内で分離するこ
とがすべての状態のもとで可能である。本発明に
従つて鐘形分配部材１５の高さを正しく調節する
ことにより、上方のドラム部分の最適の流過能力
または分離能力を保証するために、上方のドラム
部分１１上の供給白下の液体成分が極端に多い場
合でも少ない場合でも、一定の固体−液体比率の
白下または中間生成物を放出することが達成され
る。

本発明に従つて鐘形分配部材１５の高さ調節す
ることは、構造的に異なるいろいろな方法で実現
可能である。

図には、鐘形分配部材１５の全体が高さ方向に
おいて調節可能となつている例が示されている。
しかし、本発明の思想は次のようなときにも実現
される。即ち、鐘形分配部材自体は移動不可能
で、その代りに可動のスライダ、リング、マスク
またはその類似物が下方縁部１６を高さ方向に移
動させるとき、もしくは白下が鐘形分配部材１５
の下方縁部１６を通過した後に下方のドラム部分
１０の篩１２上で高さ方向、即ち第１図の矢印１
７の方向、に移動することが適当な中間部材によ
つて可能であるときに実現される。

第２〜６図の実施例は鐘形分配部材１５の全体
の高さを調節するための実施形を示している。

第２〜４図に係る例は、運転中鐘形分配部材の
調節を断念し得る程、白下の液体含有量が極端に
変化する場合に、使用される。

この例の場合、担持リング１８がカツプ状加速
部材１４に固定され、鐘形分配部材１５がその上
端部に案内スリーブ１９を備えている。この案内
スリーブは滑動できるように担持リング１８上に
支持されている。

簡単な実施形（第２図と第３図）の場合、案内
スリーブ１９は、直径方向に対置していて軸方向
に延びる少なく共２つのスリツト２０を備えてい
る。担持リング１８に固定されたピン２１、特に
ボルト、が前記スリツト２０を貫通し、スリツト
−ピン−ガイドを形成している。従つて、鐘形分
配部材１５は高さ方向（矢印１７の方向）に手で
移動させ、そしてナツト２２によつて所望の位置
に固定することができる。

第４図の実施形の場合には、スリツト２０が周
方向に傾斜して延びている。この構造の場合、高
さの調節は案内スリーブ１９もしくは鐘形分配部
材１５を回転させることによつて行なわれる。調
節位置に固定することは、垂直に延びるスリツト
２０の場合にも使用されるナツト２２によつて行
なわれる。

第５図の実施例では、案内スリーブ１９の上端
が歯付リム２３を備えている。この歯付リムに
は、制御されてモータで駆動される最終制御要素
すなわちアクチユエータ２５の歯車要素２４がか
みあう。最終制御要素２５は圧力媒体モータと電
気モータのいずれをも備え得る：第４図の実施形
ではいかなる場合でも、斜めのスリツト２０が歯
付リム２３と案内スリーブ１９の回転によつて鐘
形分配部材１５を高さ方向に移動させる。

第５図の実施形は、運転中における自動調節に
適している。

スリツト２０が垂直であるときには、最終制御
要素２５を垂直に設けることができる。その際、
歯付リム２３の代りに、他の伝達手段を使用しな
ければならない。この実施形は図に示されていな
い。

第６図に係る実施形では、案内スリーブ１９が
内方へ突出するリブ２６を備えている。このリブ
はリング２７によつて囲まれている。このリング
２７は球軸受２８によつて担持リング２９に固定
されている。担持リング２９は垂直に延びている
調節ねじ３０によつて高さ方向に移動する。調節
ねじは横材３１に保持されている。横材３１は遠
心分離機の適当な固定部材、例えば第６図におい
て鎖線で示した白下流入管３２と連結されてい
る。

この構造によつて、運転中に鐘形分配部材の高
さを調節することが可能となるが、この調節は手
動で、即ち調節ねじ３０を操作することによつ
て、行なわれる。

シロツプを完全に分離するためには、ほとんど
の場合この手動調節で十分である。

全自動調節は、遠心分離機設備が非常に大き
く、それによつて最適な作業効率を得るためにす
べての遠心分離機を調節する前に、白下の変更に
多くの時間がかかるような場合に、必要である。

上述した実施例は、通過断面積が下方から上方
へ向かつて減少する篩１２を備えかつ白下の著し
く変動する液体成分を分離するために設けられる
付加的な下方ドラム部分１０と相対的に、鐘形分
配部材１５の下方縁部１６を高さ方向に調節し、
それによつて上方ドラム部分１１の分離効率が最
適となるように所定の性質の白下を上方ドラム部
分に供給するための、二三の例にすぎない。

上記の自動運転を実現するための例が第１図と
第５図に示してある。

アクチユエータ２５を制御して操作し、それに
よつて白下−鐘形分配部材１５の下方縁部１６
を、必要に応じて、分離篩１２のそれぞれの領域
１２ａ，１２ｂ，１２ｃの適当な高さ位置まで昇
降させるようにするために、遠心分離機の運転を
監視するセンサが必要である。このようなセンサ
は例えば、ドラム上方縁部４に設けた光電池３４
である。この光電池によつて、砂糖の層の厚さま
たは流出する砂糖量が最適に記録される。信号は
導体３５を経て調整器３７に達する。この調整器
は信号を適当な操作パルスに変換し、この操作パ
ルスは導体３８を経てアクチユエータ２５に供給
される。

しかし、生かま残りの砂糖含有量を測定するた
めに、生かま残り用の液体集め室７の中または図
示していない生かま残り管の中に、センサとして
の偏光計３６を設けることができる。この偏光計
の信号は導体３５を経て調整器３７に供給され、
この調整器は導体３８を介してアクチユエータ２
５を制御する。白下−鐘形分配部材の下縁１６を
自動的に昇降させることによつて、最適な運転が
達成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の本質を知ることができる概略
図、第２図は本発明に従つて形成された遠心分離
機の簡単な構造の実施形の部分断面図、第３図は
第２図の遠心分離機の簡略化した部分側面図、第
４図は第２，３図の遠心分離機の変形を示す図、
第５図は本発明に従つて形成された遠心分離機の
他の実施形の部分図、第６図は本発明に従つて形
成された遠心分離機の他の実施形を示す図であ
る。 図中符号、２……ドラム、４……上方縁部、１
０……下方ドラム部分、１２……篩、１５……白
下−鐘形分配部材、１６……下端、２０……スリ
ツト、２１……ピン、２５……最終制御要素。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下方から上方に向かつて開放し、垂直な軸線
   ３を中心に回転駆動され、篩を備えている円錐状
   ドラム２と、 ドラム内部に同心的に設けられ、ドラム下端よ
   りも高い位置にあり、ドラムに固定連結されてい
   るカツプ状加速部材１４とを備え、 このカツプ状加速部材の上端が、軸方向および
   半径方向に間隔をおいて白下−鐘形分配部材１５
   によつて取り囲まれ、 この鐘形分配部材がドラム回転軸線に対して同
   心的に設けられ、かつ上方から下方に向かつて大
   きくなつており、鐘形分配部材の下方縁部がドラ
   ム下端の近くまで達している、 連続的に作動する砂糖用遠心分離機において、 ドラムが、ドラム上方部分１１と、このドラム
   上方部分の傾斜角度と異なる傾斜角度を有するド
   ラム下方部分１０からなり、 白下−鐘形分配部材の下端１６が、ドラム下方
   部分１０と相対的に高さ方向に調整可能であり、 ドラム下方部分１０の篩１２の通過横断面積
   が、白下−鐘形分配部材１５の下端１６の調整範
   囲内において、下方から上方に向かつて減少して
   いることを特徴とする遠心分離機。 ２ 白下−鐘形分配部材１５が高さ方向に延びる
   スリツト２０を備え、このスリツトを介してピン
   ２１に沿つて滑動可能で滑動位置に固定可能であ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   遠心分離機。 ３ 白下−鐘形分配部材１５がアクチユエータ２
   ５、例えば油圧装置によつて調整可能であること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項
   記載の遠心分離機。 ４ アクチユエータ２５が偏光計３６によつて制
   御可能な調整器３７に接続されていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項から第３項までのい
   ずれか一つに記載の遠心分離機。 ５ 調整器３７を制御するために、砂糖の層厚と
   砂糖の量に応答するセンサと光電池の少なくとも
   一方が、ドラム２の上縁４に設けられていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項から第３項ま
   でのいずれか一つに記載の遠心分離機。