JPS6237401B2 - - Google Patents
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- JPS6237401B2 JPS6237401B2 JP10030977A JP10030977A JPS6237401B2 JP S6237401 B2 JPS6237401 B2 JP S6237401B2 JP 10030977 A JP10030977 A JP 10030977A JP 10030977 A JP10030977 A JP 10030977A JP S6237401 B2 JPS6237401 B2 JP S6237401B2
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- Feedback Control In General (AREA)
Description
本発明は積分要素を含んだプロセス制御装置に
関する。 たとえば、火力発電プラントのタービン速度制
御系は第1図に示すようになつている。すなわ
ち、ボイラより供給される蒸気Qは制御弁11で
加減され、タービン12に供給され、回転トルク
を与えてタービン12が回転する。タービン12
の回転数Nは回転数検出器13で検出され、これ
がプロセス制御装置14内のプロセス入出力装置
15に入力され、演算制御装置16で所定の演算
が施こされてこれにより制御弁11を加減する。
この場合のプロセス制御装置14は計算機システ
ムで構成され、その機能ブロツクは第2図で示さ
れる。この制御系は制御対象17(タービン回転
数N)の測定値信号aを目標設定器18に設定さ
れた目標値a0に合致させる様に動作させるもので
あり、これは次の如き動作を行う。すなわち、目
標値a0と測定値信号aとは比較器19で比較さ
れ、その偏差△aはその値に対し、比例要素2
0、微分要素21、積分要素22で各演算が施さ
れ、夫々加算器23で加算されて制御信号bを生
む。この制御信号bは操作器24(制御弁11の
駆動機構)に与えられ、操作信号cを生ずる。こ
の操作信号cに対応して制御対象17が変化し、
測定値信号aを変化させる。 この様な制御系において、積分動作信号dは測
定値信号aが目標値a0と異なるとき、時間ととも
にその動作を増大又は減少させる働きがあり、偏
差△aのオフセツトを除去する。ところが、何ら
かの事情により偏差△aが消失しないと、積分動
作信号dは増大(又は減少)し続け、操作器24
の動作範囲を越えてしまう。この現象は一般に積
分圧飽和(reset windup)とよばれる。 この飽和状態を越えて積分してしまうと、逆動
作に移行する場合、操作器24はこの積分値すな
わち積分動作信号dが飽和点以下になるまで動作
せず、制御動作のおくれを生ずることになる。こ
の様なreset windupを避けるために、一般に第
3図に示すようなスイツチ手段25を設け、いわ
ゆる積分を殺すことが行なわれる。すなわち、操
作器24の飽和点検出手段26により、操作信号
cが予め定めたリミツト値になつたことを検出
し、これにより飽和に達したと判定して積分要素
22の積分動作を殺すスイツチ手段25を開く。
これにて制御系の積分圧飽和をなくすことができ
る。 しかしながら、積分圧飽和を解消するために上
述の如きスイツチ手段25および飽和点検出手段
26を設けても、これは単に操作器24の飽和点
をとらえるだけであるため、操作信号cのリミツ
ト値の設定の仕方によつて不都合を生じることが
ある。積分圧飽和を抑えることに主眼をおくと、
操作器24の操作範囲が広くできる場合であつて
もリミツト値は低い値に設定することとなり、そ
うすると、積分要素22のきく範囲が狭くなる。
また、その場合、比例要素20のみで制御するこ
ととなるので、偏差△aが残存したり動作遅れが
生じたりする。 一方、リミツト値を高い値に設定すると、操作
信号cに外乱要素がある場合や制御対象17の時
定数が大きい場合等には、操作器24の操作範囲
をこえて積分要素22が動作することがあるの
で、積分圧飽和を生じるおそれが多分にある。結
局、このように単に積分要素22を殺すだけのも
のは有効ではなくなる。 本発明の目的は上述のような欠点、不都合のな
いプロセス制御装置を提供することにある。 以下に本発明の一実施例を説明する。まず、本
発明の基本動作は以下のA法、B法の2法からな
つている。 A法:積分動作信号dの制限を設定する方法 積分動作信号dの制限値をR0とすると、この
制限値R0は次の様に定められる。目標値a0と測定
値信号aとの偏差△aが正値の場合には増方向の
制限値を操作信号cとし、負の制限値はなしとす
る。つまり、積分の増方向は操作信号cをこえな
いように制限し、減方向は制限しない。また、偏
差△aが負値の場合には減方向の制限値は操作信
号cとし、正の制限値はなしとする。つまり、積
分の減方向は操作信号cを逸脱しないように制限
し、増方向は制限しない。 以上要するに、
関する。 たとえば、火力発電プラントのタービン速度制
御系は第1図に示すようになつている。すなわ
ち、ボイラより供給される蒸気Qは制御弁11で
加減され、タービン12に供給され、回転トルク
を与えてタービン12が回転する。タービン12
の回転数Nは回転数検出器13で検出され、これ
がプロセス制御装置14内のプロセス入出力装置
15に入力され、演算制御装置16で所定の演算
が施こされてこれにより制御弁11を加減する。
この場合のプロセス制御装置14は計算機システ
ムで構成され、その機能ブロツクは第2図で示さ
れる。この制御系は制御対象17(タービン回転
数N)の測定値信号aを目標設定器18に設定さ
れた目標値a0に合致させる様に動作させるもので
あり、これは次の如き動作を行う。すなわち、目
標値a0と測定値信号aとは比較器19で比較さ
れ、その偏差△aはその値に対し、比例要素2
0、微分要素21、積分要素22で各演算が施さ
れ、夫々加算器23で加算されて制御信号bを生
む。この制御信号bは操作器24(制御弁11の
駆動機構)に与えられ、操作信号cを生ずる。こ
の操作信号cに対応して制御対象17が変化し、
測定値信号aを変化させる。 この様な制御系において、積分動作信号dは測
定値信号aが目標値a0と異なるとき、時間ととも
にその動作を増大又は減少させる働きがあり、偏
差△aのオフセツトを除去する。ところが、何ら
かの事情により偏差△aが消失しないと、積分動
作信号dは増大(又は減少)し続け、操作器24
の動作範囲を越えてしまう。この現象は一般に積
分圧飽和(reset windup)とよばれる。 この飽和状態を越えて積分してしまうと、逆動
作に移行する場合、操作器24はこの積分値すな
わち積分動作信号dが飽和点以下になるまで動作
せず、制御動作のおくれを生ずることになる。こ
の様なreset windupを避けるために、一般に第
3図に示すようなスイツチ手段25を設け、いわ
ゆる積分を殺すことが行なわれる。すなわち、操
作器24の飽和点検出手段26により、操作信号
cが予め定めたリミツト値になつたことを検出
し、これにより飽和に達したと判定して積分要素
22の積分動作を殺すスイツチ手段25を開く。
これにて制御系の積分圧飽和をなくすことができ
る。 しかしながら、積分圧飽和を解消するために上
述の如きスイツチ手段25および飽和点検出手段
26を設けても、これは単に操作器24の飽和点
をとらえるだけであるため、操作信号cのリミツ
ト値の設定の仕方によつて不都合を生じることが
ある。積分圧飽和を抑えることに主眼をおくと、
操作器24の操作範囲が広くできる場合であつて
もリミツト値は低い値に設定することとなり、そ
うすると、積分要素22のきく範囲が狭くなる。
また、その場合、比例要素20のみで制御するこ
ととなるので、偏差△aが残存したり動作遅れが
生じたりする。 一方、リミツト値を高い値に設定すると、操作
信号cに外乱要素がある場合や制御対象17の時
定数が大きい場合等には、操作器24の操作範囲
をこえて積分要素22が動作することがあるの
で、積分圧飽和を生じるおそれが多分にある。結
局、このように単に積分要素22を殺すだけのも
のは有効ではなくなる。 本発明の目的は上述のような欠点、不都合のな
いプロセス制御装置を提供することにある。 以下に本発明の一実施例を説明する。まず、本
発明の基本動作は以下のA法、B法の2法からな
つている。 A法:積分動作信号dの制限を設定する方法 積分動作信号dの制限値をR0とすると、この
制限値R0は次の様に定められる。目標値a0と測定
値信号aとの偏差△aが正値の場合には増方向の
制限値を操作信号cとし、負の制限値はなしとす
る。つまり、積分の増方向は操作信号cをこえな
いように制限し、減方向は制限しない。また、偏
差△aが負値の場合には減方向の制限値は操作信
号cとし、正の制限値はなしとする。つまり、積
分の減方向は操作信号cを逸脱しないように制限
し、増方向は制限しない。 以上要するに、
【表】
であり、R0(U)は増方向の制限値を、R0(D)は
減方向の制限値を示している。 B法:積分のバランス方法 A法のところで述べたように、制限値R0は偏
差△aの極性が反転する前後で切替わるが、B法
は制限値R0は設けずに偏差△aの極性反転に応
じて一定の条件のもとに積分要素22の積分値を
その時の操作信号cの値にバランスさせるもので
ある。 (a) 偏差△aが正から負に極性反転した場合に操
作信号c<積分動作信号dのとき、積分動作信
号dの値をその時点での操作信号cの値に一致
させバランスさせる。 (b) 偏差△aが負から正に極性反転した場合に操
作信号c>積分動作信号dのとき、積分動作信
号dの値をその時点での操作信号cの値に一致
させバランスさせる。 (c) 上記(a)、(b)以外ではそのままの積分値を適用
し、バランス処理は行なわない。 以下、A法、B法について詳細に説明する。第
4図はA法を用いた場合のプロセス制御装置14
のブロツク構成図である。積分要素22の出力e
は高値優先手段27と低値優先手段28とのいず
れかに印加される。この全体を積分演算要素29
として示しているが、この積分演算要素29は第
2図、第3図の積分要素22とは異なる。即ち、
第2図、第3図の積分要素22は第4図の積分要
素22に対応している。 極性検出手段30は偏差△aの正負の極性を検
出するものである。一方、積分圧飽和除去手段3
2はこの極性検出手段30からの偏差△aの極性
を入力し、偏差△aが負の場合にスイツチ手段3
1を高値優先手段27側とし、正の場合は低値優
先手段28側とするものである。すなわち、高値
優先手段27と低値優先手段28とのいずれを選
択するかをまず判定する。 そして、積分圧飽和除去手段32はプロセス入
出力装置15を介して読込まれた操作信号cと積
分演算手段29の出力である積分動作信号dとを
比較し、積分動作信号dがプロセス入出力装置1
5を介して読込まれた操作信号cと同一であれ
ば、積分要素22の積分値をその操作信号cに一
致させバランスさせる。つまり、操作信号cはプ
ロセス入出力装置15を介して周期的に積分圧飽
和除去手段32に読み込まれ、積分圧飽和除去手
段32は積分動作信号dがその読込んだ操作信号
cと同一であるときは、積分要素22の積分値を
その時点で読込んだ操作信号cに一致させるわけ
である。これはスイツチ手段33を介して行わ
れ、その時点での操作信号cをセツトし終えると
スイツチ手段33は開となる。 第4図のプロセス制御装置14の処理内容は第
5図のフローチヤートで示される。目標値a0と測
定値信号aとの偏差△aは比較器19で求められ
(イ)、その偏差△aの極性は極性判定手段30で判
定され(ロ)、偏差△aが正であるときは積分圧飽和
除去手段32はスイツチ手段31にて低値優先手
段28を選択して増方向の制限値R(U)を操作
信号cとする(ハ)。一方、偏差△aが負であるとき
はスイツチ手段31にて高値優先手段27を選択
して減方向の制限値R(D)を操作信号cとする(ニ)。
なお、第5図のフローチヤートには積分圧飽和除
去手段32による積分要素22へのバランス処理
は示されていないが、積分動作信号dが操作信号
cと同一であるときはそのバランス処理が行われ
ることは言うまでもない。 次にA法を用いた場合の特性図を第6図に示
す。いま時点t0で目標値a0と測定値信号aとの偏
差△aが負になつたとする。また時点t0〜t14で操
作信号cの値、積分動作信号dの値が積分圧飽和
除去手段32に周期的に読込まれるものとする。 まず、時点t0では偏差△aの極性が負となるの
で、極性判定手段30はスイツチ手段31にて高
値優先手段27側を選択する。すなわち、積分要
素22の出力eと操作信号cとのうち高値のもの
を積分動作信号dとして出力するようになる。い
ま第6図に示すように、時点t0においては操作信
号cの方が積分要素22の出力eより大きいの
で、積分動作信号dは操作信号cと等しくなる。
したがつて、積分圧飽和除去手段32はスイツチ
手段33を介して積分要素22の積分値をその時
点t0でその操作信号cの値に一致(バランス)さ
せる。 積分要素22の積分値すなわち出力eは、時点
t0で、その時の操作信号cの値にセツトされる
が、偏差△aが負なので徐々に減少する。そし
て、時点t1において、積分圧飽和除去手段32に
積分動作信号dと操作信号cとが入力され比較さ
れるわけであるが、時点t0と時点t1の間において
は操作信号cの方が積分要素22の出力eより大
きいので、積分動作信号dは操作信号cと等しく
なり、時点t1においても時点t0の場合と同様に、
積分要素22の積分値をその時点t1での操作信号
cの値に一致(バランス)させる。時点t2におい
ても同様である。 ところが、時点t3においては積分要素22の出
力eの方が操作信号cより大きくなるので、積分
動作信号dは積分要素22の出力eに等しくな
る。したがつて、積分圧飽和除去手段32に入力
される積分動作信号dと操作信号cとは等しくな
くなり、積分要素22へのバランス処理は行われ
ない。時点t4,t5,t6においても同様である。 そして、時点t7において偏差△aの極性が正に
なると、極性判定手段30はスイツチ手段31に
て低値優先手段28側を選択することとなる。そ
うすると、その時点t7では操作信号cの方が積分
要素22の出力eより小さいので、積分動作信号
dは操作信号cに等しくなり、これによつて積分
要素22の積分値はその時点t7の操作信号cの値
に一致しバランス)させられる。時点t8,t9,t10
においても同様である。 時点t11になつて、積分要素22の出力eが操
作信号cより小さくなると、積分動作信号dは積
分要素22の出力eに等しくなり、したがつて、
積分動作信号dと操作信号cとは等しくなくな
る。つまり、積分要素22へのバランス処理を行
われない。以下時点t12,t13においても同様であ
る。そして、時点t14で偏差△aが負となると、
以下時点t0における場合と同様の処理が行われ
る。 以上のとおり、時点t0〜t2の間および時点t7〜
t10の間においては、積分動作信号dは操作信号
cに制限され、また時点t2〜t7の間および時点t10
〜t14の間においては、積分動作信号dは積分要
素22の出力eに等しく制限されない。 かかるA法によると操作信号cが飽和点に達し
なくても、即ち操作信号cの全範囲に亘つて、積
分値を偏差△aの大きさによつて、この操作信号
c以上(又は以下)にしない様にし、オーバシユ
ートを防止して偏差反転時の回復を早める。特
に、操作量に外乱がない場合には有効である。 次に、第7図にB法を用いた場合のプロセス制
御装置14のブロツク構成を示す。B法の場合
は、目標設定器18に設定された目標値a0と測定
値信号aとの偏差△aの極性変化を極性反転検出
手段34で検出し、積分値バランス手段38を動
作させる。 第8図はB法における積分値バランス手段38
の動作を示すフローチヤートである。偏差△aの
極性が変化したことを極性反転検出手段34が検
出すると、積分値バランス手段38はその時点に
おける積分動作信号dを求め、信号d0として保存
する(イ)。そして、偏差△aの極性が正から負に反
転したか否かの判定を行い(ロ)、偏差△aの極性が
正から負に反転したものであるときは、操作信号
cと上述の極性反転時における積分動作信号d0と
を比較する(ハ)。比較の結果、操作信号cより積分
動作信号d0の方が大きい場合は、積分要素22の
出力である積分動作信号dをd0からその時の操作
信号cの値に一致(バランス)させる(ニ)。これは
スイツチ手段35を介して行われる。一方、操作
信号cが積分動作信号d0より大きい場合(ハ)はバラ
ンス処理は行われない。 次に、偏差△aが正から負に反転したものでな
いときは、偏差△aが負から正に反転したか否か
を判定し(ホ)、偏差△aが負から正に反転したもの
であるときは、操作信号cと極性反転時の積分動
作信号d0とを比較する(ヘ)。比較の結果、操作信号
cが積分動作信号d0より大きいときは、積分要素
22の出力である積分動作信号dをd0からその時
の操作信号cの値に一致(バランス)させる(ト)。
これは、スイツチ手段35を介して行われる。一
方、操作信号cが積分動作信号d0より小さい場合
や、偏差△aの極性反転がない場合等(ヘ)、(ホ)に
は、バランス処理は行われない。 第9図はB法を用いた場合の特性図である。第
9図A,Cは偏差△aが正から負に極性反転した
場合を示し、第9図B,Dは偏差△aが負から正
に極性反転した場合を示している。ここで、積分
動作信号dに制限をかけないで通常のPID制御を
行なつたとすると、積分動作信号dは、第9図A
ではa11−a12−a13、第9図Bではa21−a22−a23、
第9図Cではa31−a32−a33、第9図Dではa41−
a42−a43のように変化する。この場合、第9図
A,Cのように偏差△aが正から負に極性反転し
たとき、すなわち測定値信号aが目標値a0をオー
バーしたときに積分動作信号dが操作信号cより
も大きいときは積分要素22の逆動作にあたつて
積分動作の遅れが生ずるおそれがある。また、第
9図Bのように偏差△aが負から正に極性反転し
たときに積分動作信号dが操作信号cより小さい
ときも同様に積分動作の遅れが生じるおそれがあ
る。 そこで、B法では前述のとおり、偏差△aが正
から負に極性反転した場合に操作信号cが積分動
作信号dより小さいときは、積分動作信号dを操
作信号cに一致させ、一方偏差△aが負から正に
極性反転した場合に操作信号cが積分動作信号d
より大きいときは、積分動作信号dを操作信号c
に一致させる。 したがつて、B法を用いた場合の特性は第9図
Aではa11−a12−a13−a14−a15、第9図Bではa21
−a22−a24−a25、第9図Cではa31−a32−a34−a35
のように変化する。なお、第9図中のハツチング
部はB法を適用しない場合よりも積分量が少なく
て済む量を示しており、逆動作にあたつて積分動
作遅れが少ないことを示している。また、第9図
Dの場合は偏差△aが負から正に極性反転し操作
信号cが積分動作信号dより小さい場合であり、
積分動作をより制御に働かせるためにはバランス
処理をしない方がよい場合であるので、バランス
処理は行わない。 このB法はA法の様に積分要素22の動作を積
極的に制限するのではなく、偏差△aの極性反転
後の積分動作による制御おくれを極少にする働き
をする。 従つて、B法は積分圧飽和の範囲が広く、積分
動作を制御に強く働かせる場合に有効である。
又、このB法は操作信号cに外乱要素が含まれる
場合にも積分による不安定性を解消でき、有効で
ある。 次に、A法とB法とを併用した実施例を第10
図に示す。A法とB法との併用にあつては、操作
信号cが制御系の通常使用範囲内にある場合には
B法を使用し、その通常使用範囲を逸脱したと
き、たとえば外乱等で極端な過大操作となる場合
にA法を使用するようにしたものである。A法と
B法との切換えは操作信号判定手段36によりス
イツチ手段37を切換えることにより行われる。 操作信号判定手段36には操作信号cの通常使
用範囲を定めるための上限値L1と下限値L2とが
設定され、操作信号cがその通常使用範囲内にあ
る場合にはスイツチ手段37を図示のとおりと
し、操作信号cが通常使用範囲を逸脱したときは
スイツチ手段37を図示の逆側に接続する。 第11図はA法とB法とを併用した場合のプロ
セス制御装置14の処理を示すフロチヤートであ
る。操作信号判定手段36は一定周期で操作信号
cを読込みその読み込んだ操作信号cをc0として
保存する(イ)。一方、操作信号cの通常使用範囲を
定める上限値L1と下限値L2とを読込み(ロ)、操作
信号c0と上限値L1、操作信号c0と下限値L2とをそ
れぞれ比較する(ハ)。そして操作信号c0が上限値L1
未満であるか否かが判定され(ニ)、操作信号c0が上
限値L1未満でないときはA法を選択する(ホ)。一
方、操作信号c0が上限値L1未満であるときは、操
作信号c0が下限値L2をこえるものであるか否かが
判定され(ヘ)、操作信号c0が下限値L2をこえるもの
でないときはA法を選択する(ホ)。すなわち、操作
信号c0がc0L1、C0L2であるときはA法を選択
する。 一方、操作信号c0が上限値L1未満で、かつ下限
値L2をこえるとき、すなわち通常使用範囲L2<c0
<L1であるときはB法を選択する(ト)。 このように、A法とB法を併用すれば、A法の
積分圧飽和の除去効果とB法の積分による不安定
性の解除効果とが両方得られる。つまり、A法に
よる積分の制限される機会が極力少なくでき、積
分の効果が有効に活きてくる。積分が制限にひつ
かかると実質的に積分動作がなくなり、周波数応
答における位相改善の効果がなくなるので制御系
の安定度を確保すること、及び制御系の調整がむ
づかしくなるので、このA法とB法の併用は極め
て効果がある。 次に、この発明を適用することのできる火力発
電プラントの蒸気発生装置(ボイラ)におけるボ
イラ出口の蒸気温度制御系を第12図に示して説
明する。すなわち、ボイラ40へは給水ポンプ4
1により圧縮された水が流入され、この水は水管
42でバーナ43から噴出される燃料の火炎44
で加熱される。その後、この流体(水又は蒸気)
は過熱器45でさらに過熱され、蒸気となつた流
体は制御弁11を介して蒸気タービン12に供給
される。この過程における蒸気温度の制御は、制
御対象17として温度検出器46で測定される蒸
気温度Taを考え、操作器24として燃料の流量
制御弁47及び燃料と流体温度Tcの変化特性
を、操作信号cとして検出器48で検出される流
体温度Tcを考える。なお、流量制御弁48はプ
ロセス制御装置14からの制御信号bで開度制御
されるようになつている。また給水ポンプ41の
流量をプロセス制御装置14に入力しているの
は、蒸気温度Taがその目標値を維持するために
給水ポンプ41の流量に対応した燃料流量を予め
定めるためである。これは、ボイラ出口温度制御
系においてはプロセスの時定数が非常に長いので
少しでも制御遅れをおさえるようにするためであ
る。 以上のように、本発明によればプロセス制御装
置の積分要素が不必要な積分動作をすることを抑
えることができるので、タービン回転数の制御の
みならず、ボイラ出口温度制御系のようにプロセ
ス時定数が長く積分要素が飽和を生じやすい制御
系において特に有効である。 すなわち、A法を用いて不必要な積分動作を抑
え、積分の逆動作移行時における制御遅れを防止
することができる。また、操作信号が通常使用範
囲にあるときには、測定値信号とその目標値との
偏差の極性が反転しない限り積分動作に制限を加
えることのないB法を採用し、操作信号が通常使
用範囲を逸脱したときは積分動作に制限を加える
ことのあるA法を採用することにより、より安定
した制御が可能となる。
減方向の制限値を示している。 B法:積分のバランス方法 A法のところで述べたように、制限値R0は偏
差△aの極性が反転する前後で切替わるが、B法
は制限値R0は設けずに偏差△aの極性反転に応
じて一定の条件のもとに積分要素22の積分値を
その時の操作信号cの値にバランスさせるもので
ある。 (a) 偏差△aが正から負に極性反転した場合に操
作信号c<積分動作信号dのとき、積分動作信
号dの値をその時点での操作信号cの値に一致
させバランスさせる。 (b) 偏差△aが負から正に極性反転した場合に操
作信号c>積分動作信号dのとき、積分動作信
号dの値をその時点での操作信号cの値に一致
させバランスさせる。 (c) 上記(a)、(b)以外ではそのままの積分値を適用
し、バランス処理は行なわない。 以下、A法、B法について詳細に説明する。第
4図はA法を用いた場合のプロセス制御装置14
のブロツク構成図である。積分要素22の出力e
は高値優先手段27と低値優先手段28とのいず
れかに印加される。この全体を積分演算要素29
として示しているが、この積分演算要素29は第
2図、第3図の積分要素22とは異なる。即ち、
第2図、第3図の積分要素22は第4図の積分要
素22に対応している。 極性検出手段30は偏差△aの正負の極性を検
出するものである。一方、積分圧飽和除去手段3
2はこの極性検出手段30からの偏差△aの極性
を入力し、偏差△aが負の場合にスイツチ手段3
1を高値優先手段27側とし、正の場合は低値優
先手段28側とするものである。すなわち、高値
優先手段27と低値優先手段28とのいずれを選
択するかをまず判定する。 そして、積分圧飽和除去手段32はプロセス入
出力装置15を介して読込まれた操作信号cと積
分演算手段29の出力である積分動作信号dとを
比較し、積分動作信号dがプロセス入出力装置1
5を介して読込まれた操作信号cと同一であれ
ば、積分要素22の積分値をその操作信号cに一
致させバランスさせる。つまり、操作信号cはプ
ロセス入出力装置15を介して周期的に積分圧飽
和除去手段32に読み込まれ、積分圧飽和除去手
段32は積分動作信号dがその読込んだ操作信号
cと同一であるときは、積分要素22の積分値を
その時点で読込んだ操作信号cに一致させるわけ
である。これはスイツチ手段33を介して行わ
れ、その時点での操作信号cをセツトし終えると
スイツチ手段33は開となる。 第4図のプロセス制御装置14の処理内容は第
5図のフローチヤートで示される。目標値a0と測
定値信号aとの偏差△aは比較器19で求められ
(イ)、その偏差△aの極性は極性判定手段30で判
定され(ロ)、偏差△aが正であるときは積分圧飽和
除去手段32はスイツチ手段31にて低値優先手
段28を選択して増方向の制限値R(U)を操作
信号cとする(ハ)。一方、偏差△aが負であるとき
はスイツチ手段31にて高値優先手段27を選択
して減方向の制限値R(D)を操作信号cとする(ニ)。
なお、第5図のフローチヤートには積分圧飽和除
去手段32による積分要素22へのバランス処理
は示されていないが、積分動作信号dが操作信号
cと同一であるときはそのバランス処理が行われ
ることは言うまでもない。 次にA法を用いた場合の特性図を第6図に示
す。いま時点t0で目標値a0と測定値信号aとの偏
差△aが負になつたとする。また時点t0〜t14で操
作信号cの値、積分動作信号dの値が積分圧飽和
除去手段32に周期的に読込まれるものとする。 まず、時点t0では偏差△aの極性が負となるの
で、極性判定手段30はスイツチ手段31にて高
値優先手段27側を選択する。すなわち、積分要
素22の出力eと操作信号cとのうち高値のもの
を積分動作信号dとして出力するようになる。い
ま第6図に示すように、時点t0においては操作信
号cの方が積分要素22の出力eより大きいの
で、積分動作信号dは操作信号cと等しくなる。
したがつて、積分圧飽和除去手段32はスイツチ
手段33を介して積分要素22の積分値をその時
点t0でその操作信号cの値に一致(バランス)さ
せる。 積分要素22の積分値すなわち出力eは、時点
t0で、その時の操作信号cの値にセツトされる
が、偏差△aが負なので徐々に減少する。そし
て、時点t1において、積分圧飽和除去手段32に
積分動作信号dと操作信号cとが入力され比較さ
れるわけであるが、時点t0と時点t1の間において
は操作信号cの方が積分要素22の出力eより大
きいので、積分動作信号dは操作信号cと等しく
なり、時点t1においても時点t0の場合と同様に、
積分要素22の積分値をその時点t1での操作信号
cの値に一致(バランス)させる。時点t2におい
ても同様である。 ところが、時点t3においては積分要素22の出
力eの方が操作信号cより大きくなるので、積分
動作信号dは積分要素22の出力eに等しくな
る。したがつて、積分圧飽和除去手段32に入力
される積分動作信号dと操作信号cとは等しくな
くなり、積分要素22へのバランス処理は行われ
ない。時点t4,t5,t6においても同様である。 そして、時点t7において偏差△aの極性が正に
なると、極性判定手段30はスイツチ手段31に
て低値優先手段28側を選択することとなる。そ
うすると、その時点t7では操作信号cの方が積分
要素22の出力eより小さいので、積分動作信号
dは操作信号cに等しくなり、これによつて積分
要素22の積分値はその時点t7の操作信号cの値
に一致しバランス)させられる。時点t8,t9,t10
においても同様である。 時点t11になつて、積分要素22の出力eが操
作信号cより小さくなると、積分動作信号dは積
分要素22の出力eに等しくなり、したがつて、
積分動作信号dと操作信号cとは等しくなくな
る。つまり、積分要素22へのバランス処理を行
われない。以下時点t12,t13においても同様であ
る。そして、時点t14で偏差△aが負となると、
以下時点t0における場合と同様の処理が行われ
る。 以上のとおり、時点t0〜t2の間および時点t7〜
t10の間においては、積分動作信号dは操作信号
cに制限され、また時点t2〜t7の間および時点t10
〜t14の間においては、積分動作信号dは積分要
素22の出力eに等しく制限されない。 かかるA法によると操作信号cが飽和点に達し
なくても、即ち操作信号cの全範囲に亘つて、積
分値を偏差△aの大きさによつて、この操作信号
c以上(又は以下)にしない様にし、オーバシユ
ートを防止して偏差反転時の回復を早める。特
に、操作量に外乱がない場合には有効である。 次に、第7図にB法を用いた場合のプロセス制
御装置14のブロツク構成を示す。B法の場合
は、目標設定器18に設定された目標値a0と測定
値信号aとの偏差△aの極性変化を極性反転検出
手段34で検出し、積分値バランス手段38を動
作させる。 第8図はB法における積分値バランス手段38
の動作を示すフローチヤートである。偏差△aの
極性が変化したことを極性反転検出手段34が検
出すると、積分値バランス手段38はその時点に
おける積分動作信号dを求め、信号d0として保存
する(イ)。そして、偏差△aの極性が正から負に反
転したか否かの判定を行い(ロ)、偏差△aの極性が
正から負に反転したものであるときは、操作信号
cと上述の極性反転時における積分動作信号d0と
を比較する(ハ)。比較の結果、操作信号cより積分
動作信号d0の方が大きい場合は、積分要素22の
出力である積分動作信号dをd0からその時の操作
信号cの値に一致(バランス)させる(ニ)。これは
スイツチ手段35を介して行われる。一方、操作
信号cが積分動作信号d0より大きい場合(ハ)はバラ
ンス処理は行われない。 次に、偏差△aが正から負に反転したものでな
いときは、偏差△aが負から正に反転したか否か
を判定し(ホ)、偏差△aが負から正に反転したもの
であるときは、操作信号cと極性反転時の積分動
作信号d0とを比較する(ヘ)。比較の結果、操作信号
cが積分動作信号d0より大きいときは、積分要素
22の出力である積分動作信号dをd0からその時
の操作信号cの値に一致(バランス)させる(ト)。
これは、スイツチ手段35を介して行われる。一
方、操作信号cが積分動作信号d0より小さい場合
や、偏差△aの極性反転がない場合等(ヘ)、(ホ)に
は、バランス処理は行われない。 第9図はB法を用いた場合の特性図である。第
9図A,Cは偏差△aが正から負に極性反転した
場合を示し、第9図B,Dは偏差△aが負から正
に極性反転した場合を示している。ここで、積分
動作信号dに制限をかけないで通常のPID制御を
行なつたとすると、積分動作信号dは、第9図A
ではa11−a12−a13、第9図Bではa21−a22−a23、
第9図Cではa31−a32−a33、第9図Dではa41−
a42−a43のように変化する。この場合、第9図
A,Cのように偏差△aが正から負に極性反転し
たとき、すなわち測定値信号aが目標値a0をオー
バーしたときに積分動作信号dが操作信号cより
も大きいときは積分要素22の逆動作にあたつて
積分動作の遅れが生ずるおそれがある。また、第
9図Bのように偏差△aが負から正に極性反転し
たときに積分動作信号dが操作信号cより小さい
ときも同様に積分動作の遅れが生じるおそれがあ
る。 そこで、B法では前述のとおり、偏差△aが正
から負に極性反転した場合に操作信号cが積分動
作信号dより小さいときは、積分動作信号dを操
作信号cに一致させ、一方偏差△aが負から正に
極性反転した場合に操作信号cが積分動作信号d
より大きいときは、積分動作信号dを操作信号c
に一致させる。 したがつて、B法を用いた場合の特性は第9図
Aではa11−a12−a13−a14−a15、第9図Bではa21
−a22−a24−a25、第9図Cではa31−a32−a34−a35
のように変化する。なお、第9図中のハツチング
部はB法を適用しない場合よりも積分量が少なく
て済む量を示しており、逆動作にあたつて積分動
作遅れが少ないことを示している。また、第9図
Dの場合は偏差△aが負から正に極性反転し操作
信号cが積分動作信号dより小さい場合であり、
積分動作をより制御に働かせるためにはバランス
処理をしない方がよい場合であるので、バランス
処理は行わない。 このB法はA法の様に積分要素22の動作を積
極的に制限するのではなく、偏差△aの極性反転
後の積分動作による制御おくれを極少にする働き
をする。 従つて、B法は積分圧飽和の範囲が広く、積分
動作を制御に強く働かせる場合に有効である。
又、このB法は操作信号cに外乱要素が含まれる
場合にも積分による不安定性を解消でき、有効で
ある。 次に、A法とB法とを併用した実施例を第10
図に示す。A法とB法との併用にあつては、操作
信号cが制御系の通常使用範囲内にある場合には
B法を使用し、その通常使用範囲を逸脱したと
き、たとえば外乱等で極端な過大操作となる場合
にA法を使用するようにしたものである。A法と
B法との切換えは操作信号判定手段36によりス
イツチ手段37を切換えることにより行われる。 操作信号判定手段36には操作信号cの通常使
用範囲を定めるための上限値L1と下限値L2とが
設定され、操作信号cがその通常使用範囲内にあ
る場合にはスイツチ手段37を図示のとおりと
し、操作信号cが通常使用範囲を逸脱したときは
スイツチ手段37を図示の逆側に接続する。 第11図はA法とB法とを併用した場合のプロ
セス制御装置14の処理を示すフロチヤートであ
る。操作信号判定手段36は一定周期で操作信号
cを読込みその読み込んだ操作信号cをc0として
保存する(イ)。一方、操作信号cの通常使用範囲を
定める上限値L1と下限値L2とを読込み(ロ)、操作
信号c0と上限値L1、操作信号c0と下限値L2とをそ
れぞれ比較する(ハ)。そして操作信号c0が上限値L1
未満であるか否かが判定され(ニ)、操作信号c0が上
限値L1未満でないときはA法を選択する(ホ)。一
方、操作信号c0が上限値L1未満であるときは、操
作信号c0が下限値L2をこえるものであるか否かが
判定され(ヘ)、操作信号c0が下限値L2をこえるもの
でないときはA法を選択する(ホ)。すなわち、操作
信号c0がc0L1、C0L2であるときはA法を選択
する。 一方、操作信号c0が上限値L1未満で、かつ下限
値L2をこえるとき、すなわち通常使用範囲L2<c0
<L1であるときはB法を選択する(ト)。 このように、A法とB法を併用すれば、A法の
積分圧飽和の除去効果とB法の積分による不安定
性の解除効果とが両方得られる。つまり、A法に
よる積分の制限される機会が極力少なくでき、積
分の効果が有効に活きてくる。積分が制限にひつ
かかると実質的に積分動作がなくなり、周波数応
答における位相改善の効果がなくなるので制御系
の安定度を確保すること、及び制御系の調整がむ
づかしくなるので、このA法とB法の併用は極め
て効果がある。 次に、この発明を適用することのできる火力発
電プラントの蒸気発生装置(ボイラ)におけるボ
イラ出口の蒸気温度制御系を第12図に示して説
明する。すなわち、ボイラ40へは給水ポンプ4
1により圧縮された水が流入され、この水は水管
42でバーナ43から噴出される燃料の火炎44
で加熱される。その後、この流体(水又は蒸気)
は過熱器45でさらに過熱され、蒸気となつた流
体は制御弁11を介して蒸気タービン12に供給
される。この過程における蒸気温度の制御は、制
御対象17として温度検出器46で測定される蒸
気温度Taを考え、操作器24として燃料の流量
制御弁47及び燃料と流体温度Tcの変化特性
を、操作信号cとして検出器48で検出される流
体温度Tcを考える。なお、流量制御弁48はプ
ロセス制御装置14からの制御信号bで開度制御
されるようになつている。また給水ポンプ41の
流量をプロセス制御装置14に入力しているの
は、蒸気温度Taがその目標値を維持するために
給水ポンプ41の流量に対応した燃料流量を予め
定めるためである。これは、ボイラ出口温度制御
系においてはプロセスの時定数が非常に長いので
少しでも制御遅れをおさえるようにするためであ
る。 以上のように、本発明によればプロセス制御装
置の積分要素が不必要な積分動作をすることを抑
えることができるので、タービン回転数の制御の
みならず、ボイラ出口温度制御系のようにプロセ
ス時定数が長く積分要素が飽和を生じやすい制御
系において特に有効である。 すなわち、A法を用いて不必要な積分動作を抑
え、積分の逆動作移行時における制御遅れを防止
することができる。また、操作信号が通常使用範
囲にあるときには、測定値信号とその目標値との
偏差の極性が反転しない限り積分動作に制限を加
えることのないB法を採用し、操作信号が通常使
用範囲を逸脱したときは積分動作に制限を加える
ことのあるA法を採用することにより、より安定
した制御が可能となる。
第1図はタービン回転数制御系のブロツク図、
第2図および第3図は従来のプロセス制御装置の
ブロツク図、第4図は本発明のA法を用いた場合
のプロセス制御装置のブロツク図、第5図は本発
明のA法の処理を示すフローチヤート、第6図は
本発明のA法の特性図、第7図は本発明のB法を
用いた場合のプロセス制御装置のブロツク図、第
8図は本発明のB法の処理を示すフローチヤー
ト、第9図は本発明のB法の特性図、第10図は
本発明のA法およびB法を併用した場合のプロセ
ス制御装置のブロツク図、第11図はその処理を
示すフローチヤート、第12図はボイラ入口蒸気
温度制御系のブロツク図である。 14……プロセス制御装置、15……プロセス
入出力装置、16……演算制御装置、17……制
御対象、18……目標設定器、20……比例要
素、21……微分要素、22……積分要素、24
……操作器、27……高値優先手段、28……低
値優先手段、29……積分演算手段、30……極
性判定手段、32……積分圧飽和除去手段、34
……極性反転検出手段、36……操作信号判定手
段、38……積分値バランス手段。
第2図および第3図は従来のプロセス制御装置の
ブロツク図、第4図は本発明のA法を用いた場合
のプロセス制御装置のブロツク図、第5図は本発
明のA法の処理を示すフローチヤート、第6図は
本発明のA法の特性図、第7図は本発明のB法を
用いた場合のプロセス制御装置のブロツク図、第
8図は本発明のB法の処理を示すフローチヤー
ト、第9図は本発明のB法の特性図、第10図は
本発明のA法およびB法を併用した場合のプロセ
ス制御装置のブロツク図、第11図はその処理を
示すフローチヤート、第12図はボイラ入口蒸気
温度制御系のブロツク図である。 14……プロセス制御装置、15……プロセス
入出力装置、16……演算制御装置、17……制
御対象、18……目標設定器、20……比例要
素、21……微分要素、22……積分要素、24
……操作器、27……高値優先手段、28……低
値優先手段、29……積分演算手段、30……極
性判定手段、32……積分圧飽和除去手段、34
……極性反転検出手段、36……操作信号判定手
段、38……積分値バランス手段。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 制御対象の測定値信号とその目標値との偏差
が零となるように積分要素を含んだ演算制御装置
で制御信号を演算し、この制御信号を操作器に与
え、これによつて得られる操作信号に対応して前
記制御対象を制御するプロセス制御装置におい
て、前記積分要素の出力と前記操作信号とのうち
小さい方を選択して出力する低値優先手段と、前
記積分要素の出力と前記操作信号とのうち大きい
方を選択して出力する高値優先手段と、前記測定
値信号とその目標値との偏差の極性を判定する極
性判定手段と、この極性判定手段にて前記偏差が
正であると判定されたときは前記低値優先手段の
出力を、一方前記偏差が負であると判定されたと
きは前記高値優先手段の出力を積分動作信号とし
て前記制御信号に加えるとともに、前記操作信号
と前記積分動作信号とを周期的に比較しこれらが
等しいときは前記積分要素の積分値をその時の前
記操作信号の値に一致させる積分圧飽和除去手段
とを備えたことを特徴とするプロセス制御装置。 2 制御対象の測定値信号とその目標値との偏差
が零となるように積分要素を含んだ演算制御装置
で制御信号を演算し、この制御信号を操作器に与
え、これによつて得られる操作信号に対応して前
記制御対象を制御するプロセス制御装置におい
て、前記積分要素の出力と前記操作信号とのうち
小さい方を選択して出力する低値優先手段と、前
記積分要素の出力と前記操作信号とのうち大きい
方を選択して出力する高値優先手段と、前記測定
値信号とその目標値との偏差の極性を判定する極
性判定手段と、この極性判定手段にて前記偏差が
正であると判定されたときは前記低値優先手段の
出力を、一方前記偏差が負であると判定されたと
きは前記高値優先手段の出力を積分動作信号とし
て前記制御信号に加えるとともに、前記操作信号
と前記積分動作信号とを周期的に比較しこれらが
等しいときは前記積分要素の積分値をその時の前
記操作信号の値に一致させる積分圧飽和除去手段
と、前記測定値信号とその目標値との偏差の極性
が反転したことを検出する極性反転検出手段と、
この極性反転検出手段が前記偏差の極性反転を検
出したとき前記操作信号と前記積分要素の出力と
を比較し、前記偏差が正から負に反転した場合に
前記操作信号が前記積分要素の出力より小さいと
きは前記積分要素の積分値を前記操作信号の値と
し、一方前記偏差が負から正に反転した場合に前
記操作信号が前記積分要素の出力より大きいとき
は前記積分要素の積分値を前記操作信号の値とす
る積分値バランス手段と、前記操作信号がその通
常使用範囲内にあるかどうかを判定し前記通常使
用範囲内にあるときは前記積分圧飽和除去手段の
動作を阻止し、前記通常使用範囲内でないときは
前記積分値バランス手段の動作を阻止する操作信
号判定手段とを備えたことを特徴とするプロセス
制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10030977A JPS5433976A (en) | 1977-08-22 | 1977-08-22 | Integral operational system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10030977A JPS5433976A (en) | 1977-08-22 | 1977-08-22 | Integral operational system |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8281487A Division JPS62254204A (ja) | 1987-04-06 | 1987-04-06 | プロセス制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5433976A JPS5433976A (en) | 1979-03-13 |
JPS6237401B2 true JPS6237401B2 (ja) | 1987-08-12 |
Family
ID=14270562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10030977A Granted JPS5433976A (en) | 1977-08-22 | 1977-08-22 | Integral operational system |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5433976A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH642467A5 (de) * | 1980-03-19 | 1984-04-13 | Sulzer Ag | Regelverfahren und schaltung zum ausueben des verfahrens. |
-
1977
- 1977-08-22 JP JP10030977A patent/JPS5433976A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5433976A (en) | 1979-03-13 |
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