JPS6235984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、既設管の所要箇所を外嵌する状態に
取付けた割Ｔ字管およびこれに固定連結した弁蓋
を介して、前記既設管に穿設の孔を通して上下方
向に移動可能で、かつ、前記既設管を弁箱として
既設管内の流体通路を遮断可能な弁体を設置して
なる管路遮断器の構造に関する。

上記管路遮断器は弁体に対する弁箱を既設管そ
のもので兼用させるから、既設管の一部を切管し
てそこに弁箱を形成するケーシングを挿入設置す
る場合に比して、部品点数、作業工数、手間の各
面で経済的に実施しやすいという利点を有する反
面、既設管が経年劣化（酸化、腐蝕）のために強
度低下していたり、或いは、老朽鋳鉄管や石綿管
のように強度の低い材料から構成されている場合
には、管路の確実な遮断のための弁体を強く押付
けた場合、既設管に破断や亀裂が生じ漏洩事故を
惹き起しやすいという欠点を有している。

本考案はかかる欠点を解消して既設管を弁箱に
利用することを目的とするもので、本考案の管路
遮断器の構造は、既設管の所要箇所を外嵌する状
態に取付けた割Ｔ字管およびこれに固定連結した
弁蓋を介して、前記既設管に穿設の孔を通して上
下方向に移動可能で、かつ、前記既設管を弁箱と
して既設管内の流体通路を遮断可能な弁体を設置
してなる管路遮断器の構造であつて、前記割Ｔ字
管を中膨らみ形状に構成すると共に、前記既設管
の弁箱相当部分とそれに外嵌の割Ｔ字管との間全
てに硬化性補強材を充填してあることを特徴とす
る。

従つて、弁箱として利用される既設管が脆弱で
あつても、中膨らみ形状に構成した割Ｔ字管と既
設管との間全てに充填硬化した前記補強材がこの
脆弱既設管の弁箱相当部分の内、特に弁体の押圧
作用を受ける部分をその外周部から割Ｔ字管と共
に支えるので、管路遮断のために弁体を強く押付
けても、既設管に破断や変形が生じる恐れがな
く、また、たとえ弁体の押圧作用によつて小さな
亀裂が生じたとしてもその外側には特に厚い層を
成す前記補強材が存在しているから、不測の漏洩
事故は確実に防止できる。それ故に又、弁体を強
く押付けることが可能で管路遮断作用を所期通り
確実、良好なものにすることができる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図、第２図は、割丁字管２として中膨らみ
形状に構成した管路遮断器の構造を示し、前記割
丁字管２を既設管１の所要箇所を外嵌する状態に
取付け、この割丁字管２の突出筒部２ａに対応す
る位置において既設管１に孔１ａを穿設し、筒部
２ａの遊端開口部に弁蓋３を固定連結し、前記孔
１ａを通して筒部２ａ内と既設管１内とに亘つて
上下移動可能で既設管１そのものを弁箱として管
１内の流体通路Ａを遮断することが可能な弁体４
を、前記弁蓋３に対し操作弁軸５を介して取付け
るとともに、既設管１の弁箱相当部分とそれに外
嵌の割Ｔ字管２との間全てに硬化性補強材６を充
填してある。

前記補強材６としては、セメントモルタルや樹
脂、或いは樹脂セメントなどがあるが、短時間硬
化のためには樹脂又は樹脂セメントが好ましく、
そのうちでも二液性樹脂が良い。

一般に孔１ａの径は既設管１の内径よりも小さ
く、従つて既設管１軸芯方向視において弁体４の
横巾と孔１ａの径とを等しくした場合でも、第３
図のように弁体４を既設管１底部に接当する直前
の状態で弁体４の左右両側辺と既設管１内周面と
の間に隙間Ｓ，Ｓが生じるので、弁体４をして金
属製基体４Ａの外周部全体にゴムなどの弾性材４
Ｂを貼着し、弁体４を弁軸５方向で十分に押付け
ることにより弾性材４Ｂを横巾方向に膨出するよ
う強制的に弾性変形させ、もつて流体通路Ａ全体
を確実に遮断させるという手段が採られる。そし
て前記の強制的な弾性変形を行なうためには弁体
４を既設管１底部に相当強力に押付けなければな
らず、それだけに既設管１が脆弱であれば破断や
亀裂を惹起する可能性が高いのであるが、これを
中膨らみ形状の割Ｔ字管と既設管１との間への前
記補強材６の充填硬化により未然に確実に防止し
ている訳である。

尚、７および８は補強材注入口およびエアー抜
き口を閉塞したプラグ、９，９は割丁字管２の軸
芯方向両端部と既設管１との間に介在させたパツ
キン、１０，１０は割丁字管２の分割半円筒部材
２Ａ，２Ａ同志を既設管１に対して締付ける状態
に連結するボルト・ナツトを示す。

尚、既設管１として水道管のような液体輸送管
に適用するのが一般的であるが、ガス導管のよう
な気体輸送管に適用しても良きものである。又、
管路遮断器の既設管１に対する取付け施工は、既
設管１内輸送流体の流動を停止したのちに行なう
も、流動状態を維持したまま行なうも、何れでも
良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る管路遮断器の構造の実施例
を示し、第１図は縦断側面図、第２図は縦断正面
図、第３図は概略縦断正面図である。 １……既設管、１ａ……孔、２……割丁字管、
３……弁蓋、４……弁体、６……硬化性補強材、
Ａ……流体通路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 既設管１の所要箇所を外嵌する状態に取付け
   た割Ｔ字管２およびこれに固定連結した弁蓋３
   を介して、前記既設管１に穿設の孔１ａを通し
   て上下方向に移動可能で、かつ、前記既設管１
   を弁箱として既設管１内の流体通路Ａを遮断可
   能な弁体４を設置してなる管路遮断器の構造で
   あつて、前記割Ｔ字管２を中膨らみ形状に構成
   すると共に、前記既設管１の弁箱相当部分とそ
   れに外嵌の割Ｔ字管２との間全てに硬化性補強
   材６を充填してあることを特徴とする管路遮断
   器の構造。 前記硬化性補強材６は、セメントモルタルで
   ある実用新案登録請求の範囲第項に記載の管
   路遮断器の構造。 前記硬化性補強材６は、二液性樹脂である実
   用新案登録請求の範囲第項に記載の管路遮断
   器の構造。 前記弁体４は、弁軸方向からの押付けにより
   弾性変形して、流体通路Ａ全体を遮断できるよ
   うに弾性材から構成されている実用新案登録請
   求の範囲第項ないし第項のいずれかに記載
   の管路遮断器の構造。