JPS6235777Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、組立建物の骨組構成部材における
可動式日除けの取付兼断熱装置に関する。

たとえばサンルームのように、屋外への伝熱部
分および屋内への伝熱部分を有するアルミニウム
押出型材製骨組構成部材に透明パネルの縁部が取
付けられている組立建物では、冬季において、屋
内の熱が骨組構成部材を通つて屋外に逃げて、屋
内の気温が下がつてしまうことがあつた。また、
夏季においては、屋外の熱が骨組構成部材を通つ
て屋内に侵入するとともに、太陽光線が透明パネ
ルを通つて屋内に入り込むために屋内の温度が高
くなり過ぎるという問題があつた。

この考案は上記実情に鑑みてなされたものであ
つて、上記骨組構成部材を通つての屋内と屋外と
の間の熱流を遮断しうるとともに、透明パネルを
通つての太陽光線の侵入を防止する可動式日除け
を簡単に取付けることのできる装置を提供するこ
とを目的とする。

この考案による組立建物の骨組構成部材におけ
る可動式日除けの取付兼断熱装置は、屋外への伝
熱部分および屋内への伝熱部分を有するアルミニ
ウム押出型材製骨組構成部材に透明パネルの縁部
が取付けられている組立建物において、骨組構成
部材の内面に、骨組構成部材の屋内への伝熱部分
を覆うように断熱材を介してカバーが取付けら
れ、カバーの両側のうち少なくともいずれか一方
に可動式日除けを案内するレールが設けられてい
るものである。

上記において、屋外または屋内への伝熱部分に
は、屋外または屋内に露出する部分と、屋外また
は屋内に露出した金属製部材に直接接触した部分
とが含まれる。透明パネルとしては、透明合成樹
脂製パネル、ガラス製パネルおよびペア・ガラス
製パネルなどが用いられる。可動式日除けとして
は、カーテン、ブラインド、シヤツタ、断熱板製
スライド式日除けパネルなどが用いられる。

この考案の組立建物の骨組構成部材における可
動式日除けの取付兼断熱装置によれば、骨組構成
部材の屋内への伝熱部分が、断熱材を介して取付
けられたカバーによつて覆われているので、骨組
構成部材を通つての屋内と屋外との間の熱流が遮
断される。したがつて、冬季において屋内の熱が
屋外に逃げ、夏季において屋外の熱が屋内に侵入
するのを防止することができる。また、カバーに
レールが設けられているので、このレールに案内
されるように、透明パネルの内側に可動式日除け
を配置することができ、この日除けで夏季におけ
る太陽光線の侵入を防止することができる。ま
た、組立建物を組立てた後、または既に組立てら
れた組立建物の骨組構成部材にも適用することが
できる。さらに、骨組構成部材に特別な断熱加工
を施す必要はないので、温暖地向けと寒冷地向け
とに区別して骨組構成部材を設計、製造する必要
はない。

この考案を、以下実施例を示す図面を参照しな
がら説明する。この実施例において組立建物はサ
ンルームであり、その屋根における骨組構成部材
に、この考案の装置を適用した場合を示してい
る。以下の説明において、左右とは第２図を基準
にし、左とは第２図左側を指し、右とは第２図右
側を指すものとする。また、前とは左方に向つて
左側を指し、後とは左方に向つて右側を指すもの
とする。

サンルーム１の屋根２は、屋根枠３内において
左右方向に所定間隔をおいて前後に配置された複
数のアルミニウム押出型材製骨組構成部材４，５
間に、複数のペア・ガラス製透明パネル６が配置
されたものである。

最も左側に位置する骨組構成部材４は、左側屋
根枠部材３ａの右側面に取付けられたものであつ
て、垂直壁７と、垂直壁７の上縁に連なつた上部
右方突出壁８と、垂直壁７の下縁に連なつた下部
右方突出壁９とを備えている。垂直壁７の高さの
中央部には、右方に開口しかつ長手方向に伸びる
溝１０が左方突出状に設けられている。また、垂
直壁７左面の上下両縁寄りの部分には、横断面略
鉤形の上下両当接部１１が左方突出状に設けられ
ており、溝１０の底壁外面および上下両当接部１
１が左側屋根枠部材３ａの右側面にそわされてい
る。上部右方突出壁８の右側縁には下方突出壁１
２が設けられている。下方突出壁１２は下方に向
つて若干右方に傾斜している。下部右方突出壁９
の右側縁部は上方に屈曲せしめられ、その上縁に
連なつて右方に突出したパネル受部１３が設けら
れている。パネル受部１３には、その全長に渡つ
て合成樹脂製断熱材１４が取付けられている。断
熱材１４の骨組構成部材４側を向いた面の高さの
中央部には長手方向に伸びる嵌合溝１４ａが設け
られており、この嵌合溝１４ａにパネル受部１３
を嵌合させて、断熱材１４がパネル受部１３に取
付けられている。また、下部右方突出壁９の下面
には、下方に開口しかつ長手方向にに伸びるタツ
ピング・ビスねじ嵌め用溝１５が設けられてい
る。最も右側に位置する骨組構成部材は、上記骨
組構成部材４と左右対称形である。

他の骨組構成部材５は、横断面略形で、垂直
ウエブ１７と、下部フランジ１８と、上部フラン
ジ１９とを備えている。下部フランジ１８の左右
両側縁部は上方に屈曲せしめられ、その上縁に連
なつて左右両方に突出したパネル受部２０が設け
られている。パネル受部２０には、その全長に渡
つて合成樹脂製断熱材２１が取付けられている。
断熱材２１の骨組構成部材５側を向いた面の高さ
の中央部には長手方向に伸びる嵌合溝２１ａが設
けられており、この嵌合溝２１ａにパネル受部２
０を嵌合させて、断熱材２１がパネル受部２０に
取付けられている。また、下部フランジ１８の下
面には、下方に開口しかつ長手方向に伸びるタツ
ピング・ビスねじ嵌め用溝２２が設けられてい
る。上部フランジ１９の左右両側縁には、下方突
出壁２３が設けられている。下方突出壁２３は下
方に向つて若干外方に傾斜している。

透明パネル６の左側縁部は、断熱材１４を介し
てパネル受部１３に受けられ、骨組構成部材４に
被せられたアルミニウム押出型材製固定部材２５
より固定されている。固定部材２５は、骨組構成
部材４の下方突出壁１２の右側面に沿う壁２６
と、壁２６の上縁に連なつて左方に伸びかつ骨組
構成部材４の上面に沿う水平壁２７と、水平壁２
７の左側縁部に連なつて垂直壁７の上縁部左側面
に係合する係合壁２８と、壁２６の下縁に連なつ
て下方に向つて右方に傾斜した傾斜壁２９と、傾
斜壁２９の下縁に連なつた垂下壁３０と、垂下壁
３０の下縁に連なつて左方に突出した壁よりなる
押え部３１とを備えている。壁２６の左側面に
は、下方突出壁１２の下面と係合している係合部
３２が左方突出状に全長に渡つて設けられてお
り、この係合によつて骨組構成部材４に固定され
ている。透明パネル６の左側縁部は発泡性合成樹
脂製スペーサ３３を介して押え部３１により押え
られ、さらにパネル６と押え部３１との間にコー
キング材３４が充填されている。透明パネル６の
右側縁部は、断熱材２１を介してパネル受部２０
に受けられ、骨組構成部材５に被せられたアルミ
ニウム押出型材製固定部材３５によつて固定され
ている。固定部材３５は、骨組構成部材５の下方
突出壁２３外面に沿う左右一対の対向壁３６と、
対向壁３６の上縁どうしを全長に渡つて連結する
連結壁３７と、対向壁３６の下縁に連なつて下方
に向つて外方に傾斜した傾斜壁３８と、傾斜壁３
８の下縁に連なつた垂下壁３９と、垂下壁３９の
下縁に連なつて内方に突出した壁よりなる押え部
４０とを備えている。対向壁３６の内面には下方
突出壁２３の下面と係合している係合部４１が内
方突出状に全長に渡つて設けられており、この係
合によつて骨組構成部材５上に固定されている。
透明パネル６の縁部は発泡性合成樹脂製スペーサ
４２を介して押え部４０により押えられ、さらに
パネル６と押え部４０との間にコーキング材４３
が充填されている。

骨組構成部材４および５の下面は、それぞれ断
熱材４５，４６を介してアルミニウム押出型材製
カバー４７，４８で覆われている。カバー４７お
よび４８は、それぞれカバー４７，４８および断
熱材４５，４６を下方から貫通したタツピング・
ビス４９，５０を、タツピング・ビスねじ嵌め用
溝１５，２２にねじ嵌めることにより取付けられ
ている。カバー４７上面の右側縁は断熱材１４の
下面に密接しており、断熱材４５および１４によ
つて骨組構成部材４に接触しないようになされ
て、骨組構成部材４とカバー４７との間に断熱空
間が形成されている。また、カバー４７の右側面
には右方に開口しかつ長手方向に伸びる内部拡大
溝からなるカーテン・レール５１が一体的に設け
られているカバー４８上面の左右両側縁は断熱材
２１の下面に密接しており、断熱材２１および４
６によつて骨組構成部材５に接触しないようにな
されて、骨組構成部材５とカバー４８との間に断
熱空間が形成されている。カバー４８の左右両側
面にはそれぞれ側方に開口しかつ長手方向に伸び
る内部拡大溝からなるカーテン・レール５２が一
体的に設けられている。そして、カバー４７とカ
バー４８との間において日除け用カーテン５４が
配置されている。カーテン５４には、長さ方向に
所定間隔をおいて、左右方向に伸びる多数の管状
支持部材５５が配置されており、支持部材５５の
両端にランナ５６が取付けられている。ランナ５
６は、レール５１，５２のスリツトの上下の側壁
内面に沿つて転動する上下１対の転子５７と、こ
れらを連結する軸５８と、軸５８に固定されてス
リツトから外方に突出する連結用突出部５９とか
らなる。支持部材５５の左右両端には透孔６０ａ
を有する蓋６０が取付けられ、また若干中央寄り
の内部には長さ方向に摺動する可動板６１が配置
されている。可動板６１と連結用突出部５９と
が、透孔６０ａを貫通した連結棒６２によつて連
結されている。連結棒６２の内端部は可動板６１
にねじ嵌められ、他端部は連結金具６３によつて
連結用突出部５９に取付けられている。そして、
可動板６１と蓋６０との間において、連結棒６２
に可動板６１を内方に付勢する押しばね６５が配
置されている。可動板６１の若干内方にはストツ
パ６４が設けられている。したがつて、ランナ５
６も、常に支持部材５５の方向に付勢されてい
る。また、カバー４７，４８の下面には、下方に
開口しかつ長手方向に伸びる内部拡大溝６６，６
７が設けられている。この内部拡大溝６６，６７
は、サンルーム１内に照明器具を取付けるさい
に、電気コードを収納したり、照明器具を吊り下
げるためのフツクを取付けたりするのに用いられ
る。また、この内部拡大溝６６，６７は、サンル
ーム１内に植木ばち等を吊り下げるためのフツク
を取付けるのにも用いられる。

以上のように、骨組構成部材４，５の内面が、
断熱材４５，４６を介してカバー４７，４８で覆
われ、屋内に露出しないようになされているの
で、骨組構成部材４，５を通つての熱流が遮断さ
れる。また、隣り合う骨組構成部材４，５に取付
けられたカバー４７，４８間にカーテン５４が配
置され、カーテン５４のランナ５６がカバー４
７，４８に設けられたレール５１，５２に沿つて
移動するようになつているので透明パネル６を通
つての太陽光線の入射を防止することができる。

第３図には、可動式日除けとして、カーテンの
代わりに、断熱板性スライド式日除けパネル７１
が用いられた場合の実施例が示されている。日除
けパネル７１は上下皮材７２，７３間の周囲に枠
７４を配置し、皮材７２，７３間に、発泡性合成
樹脂が注入発泡せしめられたものであり、左右両
側面にローラ７５が取付けられている。そして、
ローラ７５がカバー４７，４８のレール５１，５
２内に入れられ、レール５１，５２の下壁上を転
動することにより、パネル７１が前後方向にスラ
イド自在となつている。

上記実施例においては、サンルームの屋根にお
ける骨組構成部材にこの考案の装置を用いた場合
が示されているが、これに限るものではなく、こ
の考案の装置は、サンルームの壁、ならびに温室
の屋根および壁などに適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の実施例を示
し、第１図はこの考案の装置を適用したサンルー
ムの斜視図、第２図は第１図の−線にそう拡
大断面図、第３図はこの考案の他の実施例を示す
第２図相当の図である。 ４，５……骨組構成部材、６……透明パネル、
４５，４６……断熱材、４７，４８……カバー、
５１，５２……レール、５４……カーテン、７１
……スライド式日除けパネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋外への伝熱部分および屋内への伝熱部分を有
   するアルミニウム押出型材製骨組構成部材４，５
   に透明パネル６の縁部が取付けられている組立建
   物において、骨組構成部材４，５の内面に、骨組
   構成部材４，５の屋内への伝熱部分を覆うように
   断熱材４５，４６を介してカバー４７，４８が取
   付けられ、カバー４７，４８の両側のうち少なく
   ともいずれか一方に可動式日除け５４，７１を案
   内するレール５１，５２が設けられている、組立
   建物の骨組構成部材における可動式日除けの取付
   兼断熱装置。