JPS6234986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コークスの乾式消火を行うコークス
炉における赤熱コークス搬送用コークバケツトの
回転装置に関するものである。

（従来技術） コークス乾式消火設備において、コークス炉か
ら窯出される赤熱コークスはレール上を走行する
バケツト台車に載置されたコークバケツトで受け
て巻上塔までバケツト台車で運び、その後コーク
バケツトをクレーンで巻き上げて乾式消火設備の
プレチヤンバー上へ運び、コークバケツトの底部
に設けられたコークス排出ゲートを開いて赤熱コ
ークスをプレチヤンバー内に装入し、赤熱コーク
スは乾式消火設備で消火され赤熱コークスの顕熱
は系内で例えばボイラーにて発電用の蒸気を得る
など有効利用されるが、赤熱コークスを排出した
後のコークバケツトは再びバケツト台車へ載置
し、移送して次のコークス炉の窯出に備える。こ
のように、コークバケツトはバケツト台車と共に
赤熱コークスの搬送のために反復使用される装置
である。

従来のコークバケツト及びバケツト台車は第３
図に示すようにバケツト台車１上に矩形のコーク
ス受板２を有した矩形のコークバケツト３を搭載
しコークス炉４まで電車により牽引して窯出前の
コークス炉窯口に定位置でコークス炉４からコー
クガイドを介して押し出される赤熱コークス５を
受ける。しかし既設のコークス炉ではコークス落
下点６が極端に炉側にあり、そして赤熱コークス
の安息角によつてコークバケツト３内のコークス
は炉側に片寄つてしまいコークバケツト３の全容
積に対するコークス有効容積比はきわめて低いも
のであつた。又荷姿も偏荷重となり巻上塔におい
てクレーンで吊り上げた際バランスを取るために
コークバケツト３の反コーク炉側にバランスウエ
イトを設ける必要があり、又バランスウエイトを
設けることによりコークバケツトが重くなるとい
う不都合があつた。

このような問題を解決するために、コークバケ
ツト用台車に回転可能なターンテーブルを備え、
このターンテーブル上にコークバケツトを載置す
るようにしたコークバケツト用台車が実公昭54−
39483号公報に開示されている。

この技術によれば正方形或いは円形のコークバ
ケツトを該ターンテーブル上に載置しターンテー
ブルを回転させながら受骸できるのでコークバケ
ツトを小容量化でき、片荷の状態が解消できるこ
とから台車がレールの曲り部において転倒すると
いうトラブルがなくなると説明されている。

しかしながら、実公昭54−39483号公報に開示
されたコークバケツト用台車はターンテーブルを
台車上に備える方式のものであるため、窯出の
時に起る排出ゲート隙間からの落骸、浮遊粉じ
ん等がターンテーブル上に堆積し、このためにコ
ークバケツトをターンテーブル上に載置するとき
ターンテーブル上に堆積したコークス塊又はコー
クス粉が支障となり、安定したコークバケツトの
載置及びコークバケツトの円滑な旋回に支障を起
すなど不都合な点があり、このために入力又はエ
ヤーによる堆積コークスの排除作業を必要とし
た。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は前記従来技術の不都合な点を改善し、
コークバケツト内のコークス有効容積比を大きく
するための回転バケツト及びこの回転バケツトを
回転させるきわめて実用的な回転装置を提供せん
とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、赤熱コークスを回転しながら受けて
乾式消火設備へ搬送する回転式コークバケツト及
びバケツト台車において、バケツト台車の上面に
３個以上のローラーを円輪状に配置すると共にこ
れらのローラーを配した中心を回転軸心として回
転が可能な腕を有しそれぞれの腕の端部に上向き
に突起を設けた回転腕を設け、更に該回転腕を回
転させる駆動装置を設け、一方、コークバケツト
底部に設けられた２分割された排出ゲートの底面
にはそれぞれ半円形のレールを合わせて円輪状と
なるように設け、更に該排出ゲートの底面には前
記回転腕の突起と嵌合する凹部を設けたことを特
徴とするコークバケツトの回転装置である。

以下図面に示す実施例装置に基いて本考案を詳
細に説明する。

第１図は本考案の実施例装置を一部断面をもつ
て示す正面図であり、第２図は本考案に係るバケ
ツト台車の平面図である。

本考案は、第１図及び第２図に示すように、赤
熱コークスを回転しながら受けて乾式消火設備へ
搬送する回転式コークバケツト３及びこのコーク
バケツト３を載置してレール上を移動するバケツ
ト台車１において、バケツト台車１の上面に３個
以上の受けローラー９を回転軸心１５を中心とし
て円輪状に例えば８個配置し、該回転軸心１５を
中心として回転する回転腕１０を設ける。この回
転腕１０は複数個の腕１０Ａ，１０Ｂを有しそれ
ぞれの上方端部には上向きに突起１６Ａ，１６Ｂ
を設けており、回転腕１０はバケツト台車１に設
けた駆動装置１４により回転できるようになつて
いる。図中１１は軸受、１３は伝導軸である。

一方、コークバケツト３の底部には赤熱コーク
スを排出するため２分割されて対向的に回動する
排出ゲート８が設けられており、その底面に半円
形のレール１２，１２を両方を合わせたときに円
輪状となるように固設し、更に該排出ゲート８の
底面には前記回転腕１０の突起１６Ａ，１６Ｂが
嵌合する凹部１７，１７を設けてなるものであ
り、コークバケツト３がバケツト台車１に載置さ
れた状態では排出ゲート８の底面に固設したレー
ル１２，１２がバケツト台車１に円輪状に配した
受ローラー９，９，…に乗つてこれらのローラー
により荷重が支えられ、かつ該凹部１７，１７に
回転腕１０の突起１６Ａ，１６Ｂが嵌合する。

ここで、排出ゲート底面の凹部１７，１７と回
転腕１０の突起１６Ａ，１６Ｂとの嵌合は、必ず
しも強固に嵌り合う必要はなく、隙間のある遊嵌
合の状態でも良い。

コークバケツト３をバケツト台車１上に載置す
る際のセンターリングは、コークバケツト３の吊
金具７，７…がバケツト台車１に固設されたガイ
ドレール１８，１８…内をローラー１９，１９，
…により案内されて降下することにより行う。そ
のときの凹部１７，１７の位置は第１図に示すよ
うに定つており、突起１６Ａ，１６Ｂの位置を該
凹部の位置に対応させて予めセツトしておく。な
お、回転腕１０にはスプリングを介して上下に移
動できるようにしておくことはセツトミスによる
回転腕の破損を防止する上で有効である。

（考案の作用） コークス炉から赤熱コークスを窯出する際に
は、本考案のコークバケツト及びバケツト台車は
第１図の状態になつている。即ち、凹部１７，１
７内に突起１６Ａ，１６Ｂが嵌合した状態なつて
いるから、駆動装置１４を駆動し伝導軸１３を介
して回転腕１０に回転力を与えてコークバケツト
３を回転させながら赤熱コークス５を受ける。従
つてコークバケツト３内には赤熱コークス５は一
方に偏ることなく満遍無く受骸することができ
る。受骸後は駆動装置１４を停止し、バケツト台
車１を乾式消火設備へ搬送した後吊金具７を介し
てコークバケツト３を吊り上げる。そのとき該凹
部１７，１７と突起１６Ａ，１６Ｂとの係合が自
動的に解かれコークバケツト３内の赤熱コークス
５はプレチヤンバー内へ排出され、その後空にな
つたコークバケツト３を再びバケツト台車１上へ
降下させると第１図の状態に戻る。このとき吊金
具７はガイドレール１８、ローラー１９により案
内されセンターリングがなされる。

（考案の効果） 以上述べたとおり、本考案装置は排出ゲートの
底部に下向きに設けられた凹部と単純な回転腕と
により構成されていることから落骸、浮遊粉じん
等による回転機能の低下、又はバケツトが回転不
能に陥いるということもなく円滑な受骸が実行で
きる。本考案のバケツト回転装置を具備したコー
クバケツトで受骸した赤熱コークスはコークバケ
ツト内でコークス炉側に片寄つた積荷状態が発生
せずほぼ平坦になることから、全体重量のバラン
スをとるためのバランスウエートも不要となりコ
ークバケツトの軽量化ができる。又、矩形のコー
クバケツトで生ずる反コークス炉側の積載されな
い部分がなくなりバケツト有効容積比が著しく大
きくなるためコークバケツトの小型化が可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置を一部断面をもつ
て示す正面図、第２図は本考案に係るバケツト台
車の平面図、第３図は従来技術を例示する側面図
である。 １：バケツト台車、３：コークバケツト、５：
赤熱コークス、７：吊金具、８：排出ゲート、
９：受ローラー、１０：回転腕、１０Ａ，１０
Ｂ：腕、１３：伝導軸、１４：電動機、１５：回
転軸心、１６Ａ，１６Ｂ：突起、１７：凹部、１
８：ガイドレール、１９：ローラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 赤熱コークスを回転しながら受けて乾式消火設
   備へ搬送する回転式コークバケツト及びバケツト
   台車において、バケツト台車の上面に３個以上の
   ローラーを円輪状に配置すると共にこれらのロー
   ラーを配した中心を回転軸心として回転が可能な
   腕を有しそれぞれの腕の端部に上向きに突起を設
   けた回転腕を設け、更に該回転腕を回転させる駆
   動装置を設け、一方コークバケツトの底部に設け
   られた排出ゲートの底面にレールを設けると共に
   該排出ゲートの底面には前記回転腕の突起と嵌合
   する凹部を設けたことを特徴とするコークバケツ
   トの回転装置。