JPS6234510Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、台所用品である調理具を壁面等に
吊下して整理収納するハンガーに関するものであ
る。

（従来の技術） 従来、台所用品を吊下収納するハンガーは実公
昭56−9402号公報、実公昭56−45564号公報、実
公昭57−36116号公報、実開昭56−11684号公報、
実開昭56−158976号公報等に開示されているよう
に数多く種々のものが提案されている。しかしこ
れらは主として小物を整理するものであつて、鍋
等の大型の調理具を収納し得ないものである。又
調理具を整理できるものとして開示された実公昭
53−7904号公報の掛け具は、鍋本体を水平に掛け
止めるので、前方に大きく張出して嵩張り台所を
狭くするものである。さらに、実開昭56−136750
号公報の装置にあつては、コ字状本体のフツクに
鍋体の柄に枢結したループ状のフツク受けを引掛
けるので、フツク受けがぐらつき、フツクへの鍋
体の脱着操作が困難であり、一方鍋蓋は本体と壁
面との間に形成された空間部分に深く挿込むもの
であるから、収納、取出しが極めて不便で、使い
勝手が悪い等の問題点がある。

（考案が解決しようとする問題点） そこで、この考案は上記従来の問題点に鑑み、
これを解決したものであつて、調理具、主として
鍋類を蓋体と一緒に、コンパクトに収納整理でき
使い勝手の勝れた調理具用ハンガーを得ようとす
るものである。

（問題点を解決するための手段） これを達成する手段として、この考案は、壁状
掛止体に掛止する引掛け部の前方に鍋蓋体を載置
する載置部を延設して、その前方に立上り部を設
けると共に、この立上り部の前方に調理具の把手
を係止する一対の支持部を一定間隔をおいて相対
向状に形成して、両支持部の間に前面に開口する
把手挿入部を形成したものである。

（実施例） この考案の具体的構成を図面に示す実施例につ
いて詳細に説明する。

１はハンガーであつて、金属製の線材よりなり
その中央部を半円形状に弯曲して突出杆部２を形
成し、その両端を夫々前方に且つ水平に突出させ
て鍋本体を支持する支持杆部３を平行に設け、再
び外側斜後方に且つ水平に折返して側杆部４を形
成し、両支持杆部３，３間に前面が開口する方形
状の把手挿入部５を、又支持杆部３と側杆部４と
の間に夫々三角形状の間隙部６を形成する。さら
に両側杆部４の後端を少しく下方に折曲げて段状
の立上り部７を形成した後、後方に向つて水平に
延設して鍋蓋体を載置する載置杆部８を平行に設
け、その後端を垂直上方に折曲げて先端を夫々逆
Ｕ字状に弯曲して引掛け杆部９を形成する。１０
は壁状掛止体であつて、方形状の枠杆１１に適宜
間隔をおいて平行に横杆１２を、又これと直交す
るように適宜間隔をおいて平行に縦杆１３を溶着
し、さらに中央部分の２本の縦杆１３，１３は互
に先端が近接するように前方に且つ水平に折曲げ
て斜杆部１４，１４を形成し、両斜杆部１４，１
４を後方に且つ水平にＵ字状に折曲げて掛止杆部
１５を形成する。

この様に構成されているので、壁状掛止体１０
を台所の壁面等に取付けた後、該壁状掛止体１０
の横杆１２の適宜位置にハンガー１の引掛け杆部
９を引掛けて吊下する。そして例えば片手鍋Ａを
収納するには、鍋蓋体Ｂを載置杆部８上に立て掛
けて立上り部７に当接するようにして載置し、鍋
本体Ａは把手部Ｃの上端の凹状の括部Ｄを把手挿
入部５に前面よりスライドするように挿入し、両
支持杆部３，３によつて括部Ｄを支持して鍋本体
Ａを吊下する。又両手鍋Ｅの場合には、鍋本体Ｅ
の両側に取付けられたコ字状の把手Ｆ，Ｆの一方
の把手Ｆを両載置杆部８，８間より挿入して、把
手Ｆの両側部Ｇを間隙部６に移動し、把手Ｆの握
部Ｈを突出杆部２上を通して両支持杆部３，３に
引掛けて鍋本体Ｅを吊下し、その蓋体Ｉは片手鍋
蓋体と同様、載置杆部８上に立て掛けて収納す
る。そしてこれら鍋を使用する際は、上記操作を
逆に行なえば良い。

これにより、ハンガー１に組となつた鍋本体と
鍋蓋体とを１個所に整理収納させることができる
ので、使用時他の鍋本体や鍋蓋体とを組み違える
ことなく調理の準備をスムーズに行なうことがで
きる。

なお、蓋体のない鍋Ｊは壁状掛止体１０の中央
上端に設けた掛止杆部１５に支持吊下しても良
い。

又片手鍋Ａの把手部Ｃに括部Ｄがなく、これに
代つてリング状の掛け具の付いたものを収納する
際は、掛け具を突出杆部２に引掛けて吊下すれば
良い。

さらに、上記実施例における壁状掛止体として
孔が等間隔に穿設されているボード体であつても
良い。

次に、第９図は上記実施例に代る他の実施例で
あつて、ハンガーをプラスチツク成形体で構成し
たものである。即ち、ハンガー２１は水平底面に
水抜き孔２２を穿設した鍋蓋体載置用の載置部２
３の後端に吊下壁面２４を立設し、その上端両側
に下方に向つて折曲げられた引掛け部２５を有
し、又載置部２３の前端には滑り止め用の立上り
前縁部２６を形成し、その上端を前方に向つて水
平に張出すと共に、中央に切欠いた把手挿入部２
７を有する鍋把手支持部２８と、把手挿入部２７
内端の前縁部２６に鍋把手引掛部２９を突設形成
したものである。

これによつて、ハンガー２１を壁状掛止体１０
に引掛け、鍋蓋体Ｂを立上り前縁部２６に当接す
るように載置部２３に立掛けると共に、把手挿入
部２７に鍋本体の把手Ｆを挿入して括部Ｄを両側
の支持部２８，２８によつて係止して鍋本体Ａを
吊下する。又把手Ｆに括部Ｄのないリング状の掛
け具を有するものは、鍋把手引掛部２９に掛止め
て鍋本体Ａを吊下しても良い。

（考案の効果） 以上、実施例について詳述したように、この考
案は、鍋本体のハンガーへの収納取外しに、ルー
プ状フツクを全く使用せず前面が開口する把手挿
入部より把手を直接挿脱して、その両側の支持部
によつて確実に吊下させるので、従来例のように
鍋本体の把手のループ状フツク受けがぐらついて
フツクへの係脱に煩瑣な手数がかかることなく、
円滑に脱着操作させることができる。さらに蓋体
は載置部と立上り部とによつて立て掛けられるの
で、すべり落ちることなく、蓋体の大さきに関係
なく収納、取出しが簡単であつて、安定性良くコ
ンパクトに収納することができる。その上鍋の大
きさ、使用頻度等に応じてハンガーを壁状掛止体
の適宜位置に移動できる等、極めて使い勝手に優
れた、製造容易にして安価な調理具用ハンガーを
提供することができる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のハンガーの平面図、第２図
は同じく正面図、第３図は同じく側面図、第４図
は同じく斜視図、第５図は壁状掛止体の斜視図、
第６図はこの考案の使用状態の正面図、第７図は
同じく片手鍋を吊下した状態の側面図、第８図は
同じく両手鍋を吊下した状態の側面図、第９図は
他の実施例の斜視図を示す。 １……ハンガー、２……突出杆部、３……支持
杆部、４……側杆部、５……把手挿入部、７……
立上り部、８……載置部、９……引掛け杆部、１
０……壁状掛止体、１２……横杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁状掛止体に係止する引掛け部の前方に鍋蓋体
   を載置する載置部を延設して、その前方に立上り
   部を設けると共に、この立上り部の前方に調理具
   の把手を係止する一対の支持部を一定間隔をおい
   て相対向状に形成して、両支持部の間に前面に開
   口する把手挿入部を形成したことを特徴とする調
   理具用ハンガー。