JPS6234132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガス管内のガス圧の異常を検出してガ
ス遮断弁を作動させるガス遮断弁作動装置の改良
に関するものである。

（従来の技術） 家庭用のガス管内のガス圧の異常を検出してガ
ス遮断弁を作動させる装置としては圧力計と電磁
式のガス遮断弁とを組合わせたものが一部に用い
られているが、従来のものはガス圧が一定値以下
となつた場合にガス遮断弁を作動させる機能を有
するのみで不都合である。そこで、ガス圧が適正
燃焼圧力範囲を越えた場合にはガス遮断弁を作動
させることができるものも一部で開発されている
が、デイジタル式の圧力計とマイクロコンピユー
ターとを組合わせる等の複雑な構造のもので家庭
用として普及させるには不向きであつた。

（考案の目的） 本考案はこのような問題点を解決して、ガス管
内のガス圧力が許容値を越えた場合にも許容値以
下となつた場合にも確実にガス遮断弁を作動させ
ることができ、しかも構造が簡単で安価に製作す
ることができるうえ誤動作の虞れのないガス遮断
弁作動装置を目的として完成されたものである。

（考案の構成） 本考案はガス圧力計の指針の回転軸に該指針と
一体にする磁石を回転面内の相対向する位置にＮ
極とＳ極とを位置させて取付けるとともに、計器
本体の裏面に磁石の回転面と平行に設けられた支
持板上には指針が適正燃焼圧力範囲の下限値以下
の圧力を表示したとき及び指針が適正燃焼圧力範
囲の上限値以上の圧力を表示したときに磁石のＮ
極とＳ極が交互に接近する方向にガス遮断弁作動
用の近接スイツチを取付けたことを特徴とするも
のであり、以下、図示のプロパンガス用の実施例
について詳細に説明する。

図中１はガス管に取付けられたガス圧力計の計
器本体、２は指針、３は該指針２の回転軸、４は
回転軸３のピニオン部５と噛合い図示を略したダ
イアフラムの変位を回転軸３の回転運動に変換す
るラツク、６は指針２の後面に設けられた表示板
である。回転軸３の後部には円盤状の磁石７が指
針２と一体に回転するように取付けられている。
磁石７は第２図に示すように回転面内の相対向す
る位置にＮ極とＳ極とを配置したフエライト製の
永久磁石であり、例えば残留磁気が2200〜2500ガ
ウス、抗磁力が1700〜1900エルステツドのものを
用いることができる。一方、計器本体１の裏面に
は計器本体１に対して角度調節可能な円形の支持
板８が磁石７の回転面に平行に設けられており、
該円板の支持板８には磁石７の磁極が接近したと
きに回路を閉じて図示を略した電磁式のガス遮断
弁を作動させる近接スイツチ９が取付けられてい
る。近接スイツチ９は指針２がプロパンガスの適
正燃焼圧力範囲である230〜330mm水柱の下限値以
下の圧力を表示したときおよび指針２が適正燃焼
圧力の上限値以上の圧力を表示したときに磁石７
のＮ極とＳ極が交互に近接スイツチ９の作動範囲
内に接近する方向に取付けられる。この指針２と
磁極と近接スイツチ９との相対関係を第３図〜第
６図により更に詳細に説明すると、第３図のよう
に指針２が適正燃焼圧力範囲内の値を表示してい
るときには磁極はいずれも近接スイツチ９の非作
動範囲１０内に位置しているが、第４図のように
指針２が適正燃焼圧力範囲の上限値以上の圧力を
表示したとき、あるいは第５図のように指針２が
適正燃焼圧力範囲の下限値以下の圧力を表示した
ときには磁極のＮ極とＳ極とが入替つて近接スイ
ツチ９の作動範囲１１内に位置し、更に、第６図
のように指針２が圧力ゼロを表示したときにも両
磁極が近接スイツチ９の非作動範囲１０に位置す
るように構成されている。なお、上記の近接スイ
ツチ９の作動範囲１１と非作動範囲１０との幅は
磁石７の磁力や近接スイツチ９との間隔等を変え
ることにより調節することができ、また、その絶
対値は近接スイツチ９を計器本体１に対して回転
させることにより調節することができるから、適
正燃焼圧力範囲の異なる都市ガス等の他種類のガ
スにも適用することができる。

このように構成されたものは、家庭用のプロパ
ンガスのガス管等に取付けて用いられるもので、
ガス圧が適正燃焼圧力範囲にあるときには第３図
のように指針２の回転軸３に指針２と一体に取付
けられた磁石７の回転面内の相対向する位置にあ
るＮ極とＳ極が計器本体１に取付けられた近接ス
イツチ９から離れた非作動範囲１０内に位置する
のでガス遮断弁は作動することがない。しかし、
第４図、第５図に示すようにガス圧が適正燃焼圧
力範囲を外れて指針２が適正燃焼圧力範囲の下限
値以下あるいは上限値以上の圧力を表示したとき
には、磁石７のＮ極とＳ極が交互に接近する位置
に取付けられた近接スイツチ９が作動してガス遮
断弁がガスを遮断し危険を防止する。また、ガス
圧がゼロとなつたときにも第６図のように近接ス
イツチ９は非作動状態となり、ガス圧がゼロであ
るのにガス遮断弁を作動させておく無駄を省くこ
とができる。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、ガ
ス圧力計の指針と一体に回転する磁石と近接スイ
ツチとを組合せることによりガス圧が適正燃焼圧
力範囲を越えたときにもそれ以下となつたときに
も確実にガス遮断弁を作動させることができるも
のであり、ガス管が抜けた場合、ガス管にピンホ
ールが生じた場合、ガスボンベの圧力調節弁の故
障によりガス圧が異常上昇を示した場合等に生ず
る危険を防止することができる。また、本考案は
磁石と近接スイツチとを利用したものであるから
構造簡単で安価に製作することができるうえに故
障や誤動作の虞れがなく、しかも回転面内の相対
向する位置にＮ極区Ｓ極とを位置させた磁石を用
いることによりガス圧ゼロのときにガス遮断弁開
放、230mm水柱以下のとき遮断弁作動、230〜330
mm水柱のときガス遮断弁開放、330mm水柱以上の
ときガス遮断弁作動という複雑な制御をマイコン
のような装置を用いずに単一の近接スイツチのみ
で行うことができる。よつて本考案は家庭用とし
て好適であり、従来のガス遮断弁作動装置の問題
点を解決したものとしてその実用的価値は大であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案の実施例を示すもので、
第１図は一部切欠側面図、第２図は一部切欠正面
図、第３図、第４図、第５図、第６図は作動説明
図である。 １：計器本体、２：指針、３：回転軸、７：磁
石、８：支持板、９：近接スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス圧力計の指針２の回転軸３に該指針２と一
   体に回転する磁石７を回転面内の相対向する位置
   にＮ極とＳ極とを位置させて取付けるとともに、
   計器本体１の裏面に磁石７の回転面と平行に設け
   られた支持板８上には指針２が適正燃焼圧力範囲
   の下限値以下の圧力を表示したとき及び指針２が
   適正燃焼圧力範囲の上限値以上の圧力を表示した
   ときに磁石７のＮ極とＳ極が交互に接近する方向
   にガス遮断弁作動用の近接スイツチ９を取付けた
   ことを特徴とするガス遮断弁作動装置。