JPS6234063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は湯水混合栓等の給水栓において逆流防
止，流量調節，給水停止等の作用をなさしめる制
水装置に関するものである。

例えば湯水混合栓においては第１図に示したよ
うにその栓本体ａに連なるクランク形の給水管ｂ
の途中に従来から逆流防止と流量調節と給水停止
をなさしめるための制水装置ｃが設けられてい
る。この制水装置ｃは実公昭55−27718号公報に
もその構造が開示されているが、その直角折曲部
をなす外側の垂直壁に筒体ｄを螺着し、該筒体ｄ
中に調節軸ｅを螺合し、該調節軸ｅの縦孔ｆにコ
マ型の弁体ｇの軸部ｈを遊嵌し、該弁体ｇを給水
管ｂの内壁に形成された弁座ｊに相対向させてな
る。しかしてこのように構成された制水装置は、
弁体ｇのストロークを調節軸ｅの螺子込み量を調
節することによつて変更できるものであるが、そ
のストロークの調節可能幅が狭い欠点がある。即
ち、この構成ではストロークを長くしようとする
と筒体ｄや調節軸ｅを前方に大きくはり出させな
ければならないが、大きくはり出すと栓本体ａの
連結ナツトｋを締め付けるに際し使用するスパナ
の回転の邪魔になつた。従つてストロークの調節
可能幅は狭くならざるを得ずこれが狭いために流
量調節のできる範囲が狭い欠点があつた。また、
一般に錆や金属片等の異物が弁体ｇと弁座ｊの隙
間にひつかかり止水時にその異物をかみ込むと弁
座ｊにみ傷を付けることがあるが、従来の制水装
置では弁座ｊに傷が付いたり摩耗したりすると給
水管ｂの全体を交換しなければならなかつた。即
ち弁座ｊに少しでも傷が付いてその密着性が損な
われると逆流防止は元来衛生上の観点から一次側
と二次側との水圧差がわずかであるときでも働ら
かなければらないところそれが働らかなくなるの
でそうすると給水管ｂ全体を交換しなければなら
なくなりこのために交換コストが高くなるという
欠点があつた。

本考案は、上記欠点を解消せんとするもので、
流入管と略々直交方向に折曲る流出管を形成し、
その交差部内に流出管と同心的な円筒体を螺合
し、該円筒体の周囲には流入管側と該円筒体内と
を連通させる横孔を開設し、該円筒体の基端部中
に調節軸を同心的に螺合し、外部に露呈した該調
節軸の外端面に工具係合溝を形成し、さらに該調
節軸の延長部を流出管中に突出させ該延長部に弁
体を摺動自在に串通すると共にその先端に止部材
を固設しコイルバネの一端を該止部材に係止させ
て該コイルバネにより弁体を流入側へ付勢するこ
とにより該弁体を前記円筒体先端の弁座部に相対
向させてなる給水栓における制水装置である。

以下に図面と共に本考案の一実施例を第２図及
び第３図に示した壁面取付型の湯水混合栓につい
て説明する。第２図において、１は給湯ハンドル
２をもつて開閉せられる給湯栓部、３は給水ハン
ドル４をもつて開閉せられる給水栓部、５は給湯
栓部１に連なる給湯管、６は給水栓部３に連なる
給水管、７は湯水混合吐出管を示す。しかして給
水管６の断面を第３図に示すが、該給水管は壁面
８から垂直に突出した流入管９と直交方向に流出
管１０が形成されたもので、その交差部の流出管
１０と相対する壁面に螺口１１を形成し、該螺口
１１に流出管１０と同心的な円筒体１２を螺合
し、該円筒体１２の一端は流出管１０の内周にＯ
リング１３をもつて水密に嵌合する。該円筒体１
２の螺合部にも水封用にＯリング１４が設けられ
る。そして該円筒体１２の周囲には流入管９側と
該円筒体１２内とを連通させる横孔１５を開設す
る。また円筒体１２の基端部中に調節軸１６を同
心的に螺合し、外部に露呈した該調節軸１６の外
端面１７に一文字状の工具係合溝１８を形成す
る。調節軸１６の延長部１９を円筒体１２内を通
つて流出管１０中まで突出させ該延長部１９に円
盤状の弁体２０を摺動自在に串通すると共にその
先端に止部材２１を螺合によつて固設する。そし
てコイルバネ２２の一端を該止部材２１に係止さ
せて該コイルバネ２２により前記弁体２０を流入
側へ付勢することにより前記円筒体先端の弁座部
２３に該弁体２０を相対向させてなる。なお２４
は円筒体１２の外方突出端外周に嵌着した覆いキ
ヤツプで前記調節軸１６の外端面１７が露呈する
窓孔２５が形成されている。

このように構成された制水装置では、流入管９
側から流入する水圧によつて弁体２０がコイルバ
ネ２２の弾性に抗して弁座部２３から離間して通
水される。またその際の最大通水量は調節軸１６
を螺回させて止部材２１を進退動させることによ
り弁体２０の可動範囲が調節されるのでこれによ
つて所望に調節することができる。このとき流出
管１０側から水圧がかかると弁体２０は弁座部２
３に密着し逆流を防止する。そして止部材２１を
最も弁座部２３に近づけて弁体２０の可動範囲を
ゼロにすれば止水機能を兼備できる。

なお上記実施例は流入管と流出管とが直交方向
に折曲している例を示したが、その折曲角度は必
ずしも正確に直角である必要はなくある程度の範
囲のものに適用できること勿論である。

以上説明したように本考案は流入管と流出管と
が直交状に交差する給水管或いは給湯管におい
て、その流出管と同心的な円筒体を交差部内に螺
合し、該円筒体の先端に弁座部を形成し、該円筒
体の基端部中に同心的に螺合した調節軸の前記流
出管中への延長部に弁体を設けて該調節軸を動か
すことによつて流量調節ができるようにしてい
る。このため実施例に示したように壁面から突出
させたクランク形の給水管を介して給水栓を取付
けたような場合調節軸をその壁面と平行な方向に
進退動させることで流量調節を行うことができる
ようになり、ストロークが大きくても調節軸が前
方に大きくはり出すようなことはなくこのために
栓本体の連結ナツト締め付けの邪魔になることな
く取付作業を容易ならしめる。また、弁座部が傷
付いたり摩耗したりして交換の必要が生じた場合
に従来のように給水管ごと交換しなくても円筒体
を交換するだけでよく修理が簡単になりコストも
かからないなど有益な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の湯水混合栓を示した正面図、第
２図は本考案に係る制水装置を取付けた湯水混合
栓を示した正面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断
面拡大図である。 ９……流入管、１０……流出管、１２……円筒
体、１５……横孔、１６……調節軸、１７……外
端面、１８……工具係合溝、１９……延長部、２
０……弁体、２１……止部材、２２……コイルバ
ネ、２３……弁座部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流入管と略々直交方向に折曲る流出管を形成
   し、その交差部内に流出管と同心的な円筒体を螺
   合し、該円筒体の周囲には流入管側と該円筒体内
   とを連通させる横孔を開設し、該円筒体の基端部
   中に調節軸を同心的に螺合し、外部に露呈した該
   調節軸の外端面に工具係合溝を形成し、さらに該
   調節軸の延長部を流出管中に突出させ該延長部に
   弁体を摺動自在に串通すると共にその先端に止部
   材を固設しコイルバネの一端を該止部材に係止さ
   せて該コイルバネにより前記弁体を流入側へ付勢
   することにより該弁体を前記円筒体先端の弁座部
   に相対向させてなることを特徴とする給水栓にお
   ける制水装置。