JPS6232572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は濾布走行式フイルタープレスのフイ
ード金具支持装置に関する。

濾布走行式フイルタープレスは、第１図に示す
ように、複数枚の濾板１を移動自在に並列配置
し、各濾板１間に濾布２を２重に介在するととも
に、濾布間にフイード金具３を挿入し、各濾板１
を閉じた状態でフイード金具３から汚泥を濾布２
間に注入して濾過脱水するようになつている。

ところで、従来、対向する両濾板１の側部にそ
れぞれ水平な案内孔を形成し、各案内孔に摺動自
在に挿入されるピンをフイード金具３に突設し
て、ピンの案内孔への挿入により両濾板１にフイ
ード金具３を支持し、濾板１の開板時、濾布など
の移動によりフイード金具３に水平の力が加わる
と、ピンが案内孔内を摺動してフイード金具３が
濾板１から離れ、ケーキの排出に支障のないよう
にしている。しかしながら両濾板１側におけるフ
イード金具３の支持中心がずれているため、摺動
の際の摩擦などによりフイード金具３に加わる力
の作用点が両濾板１側で異なり、ピンに曲げモー
メントが生じてピンが案内孔を円滑に摺動せず、
濾板１とフイード金具３間に十分な間隙が生じ
ず、ケーキが円滑かつ確実に排出されない問題が
ある。

この考案の目的はフイード金具に加わる力の作
用点を両濾板側で同一線上として曲げモーメント
を生じさせず、ピンを案内孔に円滑に摺動せしめ
るようにしてケーキを円滑かつ確実に排出できる
フイード金具支持構造を提供しようとするもので
ある。

すなわち、この考案は上記従来のフイード金具
の支持構造において、対向する濾板によつてフイ
ード金具を支持し、その両側における支持中心を
同一水平線上に位置させたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図に示すように、サイドフレーム４に複数
枚の濾板１がローラ５を介して移動自在に並列配
置され、各濾板１の両側部はリンク６により連結
されて、油圧シリンダ７により各濾板１を開閉す
るようになつている。各濾板１の上下にはガイド
ローラ８が設けられ、このガイドローラ８を介し
て無端状の濾布２が各濾板１間で２重となるよう
に張設され、この２重の濾布２間にフイード金具
３が挿入されている。

なお、図中９は圧搾水配管である。

第２図及び第３図に示すように、対向する一方
の濾板１の両側部に、２個の水平な案内孔１０が
形成され、この両案内孔１０にフイード金具３に
突設されたピン１１がそれぞれ摺動自在に挿入さ
れている。また、対向する他方の濾板１の両側部
には、前記２個の案内孔１０間の中心線上に案内
孔１２が形成され、この案内孔１２を挿通してボ
ルト１３がフイード金具３にねじ込まれている。
案内孔１２はフイード金具３側（第２図において
左側）が小径に形成され、その径はボルト１３の
頭部径より小さく設定されて、ボルト３の頭部即
ち突出部が小径部の端に係止することにより、小
径部がストツパーとなつて濾板１からフイード金
具３が所定距離以上離れるのが阻止される。

前記所定距離は、開板した際濾板１間のほぼ中
央にフイード金具３が位置するように設定する。
なお、図中２１はブツシングである。

濾板１及びフイード金具３にはそれぞれ給泥孔
１４，１５が形成され、濾板１が閉板され、フイ
ード金具３を介し互に圧接すると、各給泥孔１
４，１５が水密に連通して給泥路が構成され、こ
の給泥路からフイード金具３の導通孔１６を通つ
て濾布２間に汚泥が圧入されて濾過脱水が行なわ
れる。

なお、図中２２はパツキングである。

上記実施例は以上のように構成されており、つ
ぎにその作用について説明する。

いま、閉板状態において各濾板１間に汚泥が供
給され、濾過脱水工程が終了し、第１図に示すよ
うに、つづいて油圧シリンダ７により濾板１が右
側から順に開板されると、通常、フイード金具３
は遅く移動する側の濾板１（左側の濾板）に引き
づられて移動するが、その移動につれボルト１３
が案内孔１２内に摺動して、その頭部が小径部の
端に係止して、フイード金具３が他方の濾板１か
らそれ以上離れるのが阻止され、それ以後は一方
の濾板１から離れることになつて第２図に示すよ
うに、フイード金具３が対向する両濾板１間に十
分な空隙をもつて位置し、ケーキが円滑かつ確実
に排出される。ケーキの排出後、シリンダ７によ
り各濾板１を閉じると、ピン１１及びボルト１３
が案内孔１０，１２を摺動してフイード金具３が
濾板１に接近し、隣接する濾板１がフイード金具
３を介して圧接し、閉板工程が終了し、濾過脱水
工程へと移行する。以後、上記作用を繰り返して
汚泥の濾過脱水が行なわれる。

その開閉板時において、両案内孔１０間の中心
線上に案内孔１２が形成され、対向する両濾板１
側における支持中心が同一水平線上に位置してい
るため、フイード金具３の移動の際、金具３に加
わる力の作用点が両濾板１側で同一線上となり、
金具３は曲げモーメントなどが生じずに円滑に移
動する。

なお、第４図に示すように、一方の濾板１側の
案内孔１０及びピン１１を他方の濾板１側の案内
孔１２及びボルト１３と同様な構成にすれば、開
板の際フイード金具３がどちらの濾板１に接着し
ていても、開板途中でいずれかのボルトの頭部が
案内孔の小径部端に係止し、その後、その係止に
よつてフイード金具３の移動が阻止され、第２図
に示すようにフイード金具３を濾板１間に十分な
空隙をもつて確実に位置させることができる。ま
た、同図に示すように、ピン１１とフイード金具
３との間、またはボルト３とフイード金具３との
間にばね、ゴムパツキン等の弾性体２３を挿入す
ることにより、閉板時にフイード金具３が濾板１
に接着することがないようにすることもできる。

また、第５図に示すように、ボルト１３及び案
内孔１２をフイード金具３の単なるガイドとし、
別にフイード金具３の上面に対向する両濾板１方
向に延びる位置決め板１７を固着し、この板１７
の両端に下向きの爪１８を形成し、この爪１８を
濾板１に形成された水平方向の溝１９に摺動自在
に嵌め込み、爪１８と溝１９の両端に設けたスト
ツパー２０との係止によつて、フイード金具３を
位置決めするようにしてもよい。

さらに、ピン１１、ボルト１３及び案内孔１
０，１２の数及び位置は適宜に選定すればよい
が、対向する濾板１の両側において、それらによ
つて構成される支持部分の中心が同一水平線上に
位置する条件さえ満足すればフイード金具３が円
滑に移動する効果を得ることができる。

以上のように、この考案のフイード金具支持装
置によると、対向する濾板によつて、その間に挿
入されたフイード金具を支持し、その両側におけ
る支持中心を同一水平線上に位置させたので、フ
イード金具に移動の際曲げモーメントなどが生じ
ず円滑に移動させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフイルタープレスの概略正面図、第２
図は第１図にこの考案のフイード金具支持装置を
適用した一実施例の一部切断要部平面図、第３図
は第２図のフイード金具支持部分の斜視図、第４
図は他の実施例の切断部分平面図、第５図はさら
に他の実施例の部分斜視図である。 １……濾板、２……濾布、３……フイード金
具、１０……案内孔、１１……ピン、１２……案
内孔、１３……ボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数枚の濾板を移動自在に並列配置し、各濾
   板間に濾布を２重に介在するとともにその濾布
   間にフイード金具を挿入し、各濾板を閉じた状
   態でフイード金具から汚泥を濾布間に注入して
   濾過脱水する濾布走行式のフイルタープレスに
   おいて、対向する一方の濾板の側部に複数の水
   平な案内孔を形成すると共に、他方の濾板側部
   にも水平な案内孔を形成し、フイード金具には
   前記各案内孔にそれぞれ摺動自在に挿入される
   ピンを突設してピンの案内孔への挿入によりフ
   イード金具を両濾板に着脱自在に支持し、かつ
   その両濾板側における支持中心を同一水平線上
   に位置させたことを特徴とするフイルタープレ
   スのフイード金具支持装置。 (2) 上記他方の濾板側のピン先端に突起を形成す
   るとともにそのピンの案内孔内に前記突起が係
   止するストツパー部を形成し、そのストツパー
   部と突起との係止により濾板からフイード金具
   が所定距離以上離れるのを阻止するようにした
   実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載のフイル
   タープレスのフイード金具支持装置。 (3) 上記各ピン先端に突起を形成するとともに、
   その各ピンの案内孔内に前記突起が係止するス
   トツパー部を形成し、そのストツパー部と突起
   との係止により濾板からフイード金具が所定距
   離以上離れるのを阻止するようにした実用新案
   登録請求の範囲第(1)項に記載のフイルタープレ
   スのフイード金具支持装置。