JPS6231488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗面化粧台や衛生設備用として設けら
れる洗面器等の水洗装置に関する。

従来、衛生設備用に設けられる水洗装置として
第１図に示すようなものがある。これは凹状のボ
ール５０を形成した洗面器本体５１に給水栓５２
を設けるとともにボール５０を排水本管（図示せ
ず）に連通させる排水管５３を設けたものであ
る。このような水洗装置において、給水栓５２か
ら水を流し続けて洗顔等を行なう場合、ボール５
０内から水がオーバーフローしないように、排水
管５３に連通するオーバーフロー流路（図示せ
ず）を洗面器本体５１に設け、この流路入口とし
てボール５０内の上位にオーバーフロー孔５４を
開設するようにしている。

しかし、このオーバーフロー孔５４は水がボー
ル５０内から何らの流路抵抗となる障壁を設けて
いないのでボール５０内に浮遊する異物がオーバ
ーフロー流路内に侵入し、同流路内が閉塞した
り、異物が腐食し悪臭を放ちやすくなるという問
題がある。またオーバーフロー孔５４は露出する
形態なので、水洗装置の外観を劣化させるという
欠点もある。

本考案は以上のような問題を解消しようとする
もので、オーバーフロー孔に化粧カバーを装着す
ることによつて外観を良好となし、かつオーバー
フロー流路内への異物の流下を防止することを目
的とするものである。

本考案の基本的構成は、ボールに開設されたオ
ーバーフロー孔を隠蔽するとともにボール内とオ
ーバーフロー流路とを連通可能なカバーを、オー
バーフロー孔に嵌入可能な弾性取付具により装着
することにより、水洗器の外観を良好となすとと
もに、オーバーフロー用流路内への異物の侵入を
防止させるようにしたものである。

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を詳細
に説明する。

第２図は本考案に係る水洗装置を具備した洗面
台の斜視図で、キヤビネツトC₁上に載置連結さ
れたカウンターC₂に水洗器１が取付けられ、同
水洗器１にはスパウト２、湯水混合用の温度調整
ハンドル３及び流量調整ハンドル４が設けられて
いる。５は水洗器１に凹状に形成されたボール
で、底部に排水口６を有し、キヤビネツトC₁内
に配管された排水管７に連通しており、これらに
より水洗装置Ａが構成される。

ボール５の右側壁５ａの上部側に第３図で示す
ようなオーバーフロー孔８が貫設され、水洗器１
に画成されたオーバーフロー流路９にボール５内
は連通している。オーバーフロー流路９は従来の
洗面器と同様の手段で、排水口６の下流側におい
て排水管７に連通しており、ボール５から溢れた
水はオーバーフロー孔８、オーバーフロー流路９
を経て排水管７に排水される。

１０はオーバーフロー孔８に取付具１１により
装着されるカバー本体であり、第４図にその斜視
図、第５図に背面図、及び第６図に第５図の−
線による断面図を示す。カバー本体１０は黄銅
製でその表面側を化粧面となすようにメツキ処理
したもので、略方形の前部被覆板１２、同前部被
覆板１２の背面側に「字状に突設される上部被覆
板１３と側部被覆板１４とを備え、上部及び側部
被覆板１３，１４の交点と対角線位置に補助杆１
５を突設させている。１６は前部被覆板１２の略
中心であつて背面側に突出され内部に螺子１７を
形成した連結筒体である。

このカバー本体１０には対オーバーフロー孔８
取付用の取付具１１が歯付ワツシヤ１８を伴なつ
てビス１９を連結筒体１６の螺子１７に螺入する
ことにより一体的に連結され、カバー本体１０と
取付具１１によりカバーＢを構成する。取付具１
１は小負荷のバネとして用いられるステンレス鋼
板製で、第７図のように所要巾を有するととも
に、弾性力が減衰しないように巾方向断面は曲率
の小さい弧状である。また第３図及び第８図で明
らかなようにビス挿通孔２０の中心に関して略Ｗ
字状の対称形に屈曲形成され、その先端部２１，
２２は対称軸方向に各々屈曲し、外方に突出する
ような形状で屈曲点２３，２４を有している。そ
して先端部２１，２２間の距離はオーバーフロー
孔８の縦方向開口長さより小さく、かつ屈曲点２
３，２４間の距離は同開口長さより大きくしてお
く。

カバーＢの取付けについて述べると、取付具１
１の先端部２１，２２をオーバーフロー孔８内に
挿入して押し込めば、屈曲点２３，２４がオーバ
ーフロー孔形成壁８ａに押圧されるようになり、
同屈曲点２３，２４がオーバーフロー流路９内に
達すると取付具１１は弾性変形して屈曲点２３，
２４部分がオーバーフロー孔８のコーナー８ｂに
係合し、これによりカバー本体１０の上部被覆板
１３、側部被覆板１４及び補助杆１５の先端部が
水洗器１の側壁５ａに当接した状態で、カバーＢ
の装着を完了する。

このカバーＢ装着において、取付具１１は弾性
体であるため、オーバーフロー孔８の寸法形状が
多少異なつても確実に取付けることができる。特
に水洗器を陶器製とした場合、陶器は比較的寸法
公差が大きく、寸法にばらつきがあるので、この
ような弾性取付具１１による装着構造は極めて有
効である。

オーバーフロー孔８はカバー本体１０の前部、
上部及び側部被覆板１２，１３，１４によつて隠
蔽され、水洗装置Ａの前方側に露呈することがな
く外観を良好となすことができるうえ、補助杆１
５を設けているので、カバー本体１０が傾くこと
はない。また、第３図において前部及び側部被覆
板１２，１４の下端はオーバーフロー孔８の開口
域レベルより低いので最大溜水面レベルはカバー
本体１０の下端より高い。従つて、浮遊する異物
はオーバーフロー孔８へはカバー本体１０が障壁
となり到達することができず、オーバーフロー流
路９内に異物が流下することを防ぐことができ
る。

尚、本実施例ではボール５の右側壁５ａにオー
バーフロー孔８を設けたが、左側壁に設けられて
いる場合にはカバー本体１０の側部被覆板の位置
を逆にすればよく、さらに従来例で示したように
内奥側正面に設ける場合は上部被覆板と左右両側
に側部被覆板を設けるようにすればよい。

又、カバー本体や取付具はプラスチツク等で形
成してもよい。

以上のように本考案に係る水洗装置はその構成
により下記の効果を奏する。

(1) オーバーフロー孔が露出しないので外観を良
好となすことができる。

(2) カバー本体がオーバーフロー孔への流路の障
壁として作用するのでオーバーフロー孔内に侵
入することがない。

(3) カバーは弾性を有する取付具によつて、水洗
器のボール表面側からオーバーフロー孔に装着
されるので、装着が容易であり、同オーバーフ
ロー孔裏面にカバーを取り付けるための加工を
施す必要がないうえ、オーバーフロー孔の寸法
精度が不良であつても容易に着脱することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の水洗装置の一例を示す斜視図、
第２図は本考案に係る水洗装置の斜視図、第３図
はカバーの取付状態を示す断面図、第４図はカバ
ー本体を背面側から観た斜視図、第５図は同背面
図、第６図は同第５図の−線矢視による断面
図、第７図は取付具の平面図、第８図は同斜視図
である。 １……水洗器、５……ボール、７……排水管、
８……オーバーフロー孔、９……オーバーフロー
流路、１１……取付具、Ａ……水洗装置、Ｂ……
カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボールにオーバーフロー孔を開設し、同ボール
   内をオーバーフロー流路により排水管に連通させ
   た水洗器を有する水洗装置であつて、上記オーバ
   ーフロー孔をボール内において隠蔽するとともに
   ボール内とオーバーフロー流路とを連通可能な形
   状のカバーを、上記オーバーフロー孔内に嵌入可
   能な弾性を有する取付具により装着したことを特
   徴とする水洗装置。