JPS6231091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は使い捨ての紙袋フイルターを使用した電
気掃除機に関するものである。

（従来の技術） 例えば実開昭50−94759号公報に開示されてい
る電気掃除機は後部に電動送風機を収納した掃除
機本体の前部に蓋体により開閉される収塵室を形
成し、該収塵室に紙袋等の使い捨ての収塵袋が直
接収納されている。そのために塵埃の集塵時に、
収塵室の室壁に突出したリブに収塵袋が引つ掛つ
た場合や、あるいは金属片等が塵埃の中に含まれ
て収塵袋に吸引された場合には収塵袋が破損して
塵埃が収塵室内に散乱し、塵埃の排出処理が面倒
になるばかりでなく、電動送風機に入り込んだ場
合には電動送風機が故障することになる。また、
収塵袋は集塵時に収塵室室壁及びこれらのリブに
直接当接するため、通気性が阻害され、さらに収
塵袋は保形性がないのでごみ捨て時に持ちにく
く、押えたり、つかんだりしたときには変形し
て、塵埃が外に出て、こぼれ落ちる欠点がある。

また、収塵室内に通気性を有した布袋を収納
し、この布袋内に紙袋等の収塵袋を収納した電気
掃除機も公知（実開昭52−41167号公報参照）で
あるが、前記布袋は保形性がなく、また変形自在
であるから電動送風機を作動して集塵動作を行な
う場合、布袋が（少なくともその一部が）本体集
塵室内壁に密接して通気性が悪くなり、集塵性能
が低下すると共に、ごみ捨て時に布袋が持ちにく
く、押えたり、つかんだりしたときには変形して
塵埃が外に出てこぼれ落ちるという欠点がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、収
塵用の紙袋フイルターを破損しにくく、さらに万
一、紙袋フイルターが掃除中に破損しても塵埃の
散乱と電動送風機内への侵入を防止すると共に集
塵性能の向上と塵埃の排出処理を容易に行うこと
ができる電気掃除機を提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 本案の電気掃除機は後部に電動送風機を収納す
ると共に上面開口のフイルター収納室を区画形成
した電気掃除機本体と、前記フイルター収納室の
開口部を開閉自在に閉塞する吸気口を有した蓋体
と、前記フイルター収納室に着脱自在に収納され
る通気性と保形性を有した上面開口の箱形容器
と、前記蓋体の吸気口と連通する空気流入口を有
すると共に前記箱形容器の開口部に保持される端
板を付設し、前記箱形容器内に収納される使い捨
ての紙袋フイルターとより構成したことを特徴と
している。

（作用） 掃除中において、蓋体の吸気口から塵埃と共に
流入した吸込気流は紙袋フイルターで塵埃を濾過
されて通過し、箱形容器を介してフイルター収納
室に入る。このとき、箱形容器は通気性と保形性
があるからフイルター収納室の壁面との間に隙間
が保て、通気性を良好に保てるので高い集塵性能
を維持できる。

また、紙袋フイルターは箱形容器に収納される
ので掃除中に破損することが殆どなく、万一破損
しても、箱形容器により塵埃がフイルター収納室
に散乱したり或は電動送風機に侵入したりするこ
とはない。

（実施例） 図において、電気掃除機本体１は一個の自在前
車輪２及び二個の後車輪３により支持され、前部
に把手４を有している。前記本体１の前部には、
上面がフイルター挿入開口５となつたフイルター
収納室６が設けられ、該収納室の後部には、下方
に通風口７を有する仕切板８を隔てて電動送風機
９が設置されている。

１０はフイルター挿入開口５からフイルター収
納室６に挿入される通気性と保形性のある上面開
口の箱形容器である。この箱形容器１０は合成樹
脂で成型した箱形枠１１の適当個所に合成樹脂ネ
ツト１２を張架したものであり、フランジ部１３
をフイルター挿入開口５の口縁に載置して吊下支
持されるものである。

１４は箱形容器１０の中に着脱自在に挿入され
る紙製で袋状の紙袋フイルターで該フイルター１
４の口縁には厚紙の端板１５が接着されている。
前記端板１５の周辺部は外側に張出し、箱形容器
１０の開口部口縁に係止して保持される支持フラ
ンジの役目も兼ねるものである。

１６はフイルター挿入開口５を開閉する蓋体
で、後端の突部１７を本体１に設けた係合穴１８
に係合し、本体１の前部に装着したクランプ１９
を前縁に係合することにより、本体１に固定さ
れ、同時に箱形容器１０のフランジ部１３及び紙
袋フイルター１４の端板１５を上から締付けるも
のである。従つて紙袋フイルター１４は箱形容器
１０により外形形状を保形された状態で、フイル
ター収納室６の壁面と隙間を有して保持される。
蓋体１６には水平な吸気口２０が設けられ、その
内側には、逆止弁２１が上端を支点として回動自
在に枢支されている。逆止弁２１はねじりばね２
２により閉鎖方向に附勢されている。

前記端板１５は、紙袋フイルター１４の袋口部
を蓋のように覆うものであるが、この端板には第
３図に見られるような切目２３が入れられて自閉
可能なフラツプ２４を形成している。フラツプ２
４の自由端側には、反対向きの小フラツプ２５
が、フラツプ２４の中にくい込むような形で形設
されている。また逆止弁２１の自由端には、第４
図に示す如く、小フラツプ２５の部分を突破る突
部２１ａが形設されている。

次に動作を説明する。

フイルター収納室６に箱形容器１０及び紙袋フ
イルター１４を入れ、蓋体１６をかぶせると、第
１図に仮想線で示す如く逆止弁２１が小フラツプ
２５を突いて下方へ折曲げる。ここで吸気口２０
にホース２６を接続すると、逆止弁２１が押開か
れ、逆止弁２１はフラツプ２４をすくい上げて蓋
体１６内面のストツパー２７に押付ける。ホース
２６が接続されている間中、逆止弁２１はフラツ
プ２４の開放状態を維持する。電動送風機９を運
転すると塵埃は、吸込気流と共に吸気口２０を経
由してフラツプ２４を開いた後の空気流入口２８
から紙袋フイルター１４内に入り、濾過される。
このとき、紙袋フイルター１４は箱形容器１０で
外形形状を保形されており、外形形状が自由に変
形しないのでフイルター収納室６内の突出物で引
つ掛つて破損することは全くなく、また金属片等
が塵埃内に含まれていても、破損しにくいもので
あり、万一、紙袋フイルター１４が破損しても塵
埃は箱形容器１０内に貯まり、塵埃がフイルター
収納室６に散乱したり電動送風機９内に入り込む
ことがない。さらに紙袋フイルター１４及び箱形
容器１０とフイルター収納室６の壁面との間には
隙間があるから吸込気流が通過しやすく、紙袋フ
イルター１４及び箱形容器１０の通気性を良好に
保て、目詰まりがしにくくなるので集塵性能を長
期間、高く維持できる。

十分に塵埃を吸込んだ後はフラツプ２４を閉じ
てフイルター１４をごみ捨て箱に捨てるのである
が、蓋体１６をを外す時、第２図に示すように蓋
体１６の後端でフラツプ２４を押さえるようにす
ると掌によらずともフラツプ２４を閉じることが
できる。これを自然に行なうため、フイルター挿
入開口５の両側に立上がり壁２９を形設し、この
壁の内側に、前端の導入部が上向いた水平なガイ
ド溝３０を形設し、このガイド溝３０に、蓋体１
６の両側に突出したピン、又はローラーを係合さ
せて、蓋体１６がフラツプ２４をなでつつ引抜か
れるようにしておくと良い。またフラツプ２４か
ら受ける抵抗を減ずるため、第５図に示すように
蓋体１６の後端にローラー３１を枢支しても良
い。尚、実施例では、蓋体１６の着脱にてフラツ
プ２４を自動的に閉じるようにしたが、蓋体の開
閉によつても同様の自動閉塞が可能である。

そしてこのごみ捨て時において、紙袋フイルタ
ー１４を収納したまま箱形容器１０をフイルター
収納室６から取り出し、そのままごみ捨て場所に
持ち運んで紙袋フイルター１４を捨てることがで
き、このとき、紙袋フイルター１４は変形しない
ので塵埃が紙袋フイルター１４からこぼれ落ちる
ことがなく、衛生的に且つ容易にごみ捨てができ
る。

（考案の効果） 以上のように本案の電気掃除機によれば、使い
捨ての紙袋フイルターの端板を、通気性と保形性
を有する上面開口の箱形容器の開口部に保持する
ことにより紙袋フイルターを箱形容器に収納し、
該箱形容器を電気掃除機本体のフイルター収納室
に着脱自在に収納しているから、以下のような効
果を有している。

フイルター収納室と箱形容器との間に隙間が
でき、吸込気流が通過しやすいから紙袋フイル
ターの通気性が良好となつて集塵性能が向上す
る。

紙袋フイルターが破損しにくく例え破損して
も塵埃は箱形容器内に貯まり、塵埃がフイルタ
ー収納室に散乱したり電動送風機に侵入するこ
とはなく、塵埃の排出処理が容易となりまた電
動送風機の故障も防止できる。

ごみ捨て時に紙袋フイルターを箱形容器ごと
上面開口のフイルター収納室から上向きに取り
出しても、箱形容器が変形しないから塵埃がこ
ぼれ落ちることがなく、衛生的なごみ捨てがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案電気掃除機の一実施
例を示し、第１図及び第２図は異なる状態の断面
図、第３図はフイルター端板の平面図、第４図は
逆止弁の正面図である。第５図は他の実施例を示
す第１図と同様の断面図である。 １……電気掃除機本体、６……フイルター収納
室、１０……箱形容器、１４……紙袋フイルタ
ー、１５……端板、１６……蓋体、２８……空気
流入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後部に電動送風機を収納すると共に前部に上面
   開口のフイルター収納室を区画形成した電気掃除
   機本体と、前記フイルター収納室の開口部を開閉
   自在に閉塞する吸気口を有した蓋体と、前記フイ
   ルター収納室に着脱自在に収納される通気性と保
   形性を有した上面開口の箱形容器と、前記蓋体の
   吸気口と連通する空気流入口を有すると共に前記
   箱形容器の開口部に保持される端板を付設し、前
   記箱形容器内に収納される使い捨ての紙袋フイル
   ターとより構成したことを特徴とする電気掃除
   機。