JPS6230840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車、特にバツクドアをもつ自動
車の後部車体構造に関する。

ハツチバツク型自動車においては、一般にリヤ
フエンダパネルの上縁部およびリヤエンドパネル
の上縁部でバツクドアの受部が構成され、この両
パネルの接続部分、つまり、バツクドア受部のコ
ーナー部を裏面側に取付けた補強板で補強されて
いる。かかる補強構造はハツチバツク型に限ら
ず、例えば、実開昭55−161670号公報に示されて
いる如く、一般の自動車でも採用されている。一
方、車体後部内壁を構成するクオータパネルにハ
ツト状の補強部材をベルトラインに沿つて固定
し、このベルトライン部分を補強することも一般
に知られている。

しかるに、上記従来の補強構造では、コーナー
部およびベルトライン部がそれぞれ部分的に補強
されるものの、クオータパネル、リヤフエンダパ
ネルおよびリヤエンドパネルの三者の結合強度を
高めるには至らず、また、コーナー部あるいはベ
ルトライン部に作用する荷重の周辺部材への分散
が充分に図れないため、車体後部全体の剛性は高
くならず、しかも、補強のための部品点数も多く
なりがちである。

本考案は、かかる点に鑑み、上記クオータパネ
ルに車体前後方向に延びるレインホースメントの
前部を固定し、ベルトライン部の補強を図る一
方、レインホースメントの後部をリヤフエンダパ
ネルとリヤエンドパネルとに結合してバツクドア
受部のコーナー部を構成することにより、該コー
ナー部の強度を高めるとともに、クオータパネ
ル、リヤフエンダパネルおよびリヤエンドパネル
の三者の結合を強固にして車体後部全体の剛性を
高めた自動車の後部車体構造を提供するものであ
る。

以下、本考案の構成を実施例につき図面に基づ
いて説明する。

第１図に示すハツチバツク型の自動車１におい
て、２はリヤフエンダパネル、３はリヤエンドパ
ネル、４はバツクドアであり、第１図中、鎖線円
で囲まれた部分の具体的構造は第２図に拡大して
示されている。

すなわち、リヤフエンダパネル２は、その上縁
部にパネル端部を内側に屈曲してバツクドア４の
側縁部を受ける断面凹状の側縁受部５が形成され
ている。一方、リヤエンドパネル３は、その上縁
部にパネル端部を内側に屈曲してバツクドア４の
後縁部を受ける断面Ｌ字状の後縁受部６が形成さ
れている。

リヤフエンダパネル２の側縁受部５の凹所５ａ
および内縁部５ｂは、バツクドア４のコーナー部
に対応する部分で下方が切欠かれており、この内
縁部５ｂには車体後部内壁を構成するクオータパ
ネル７の上縁部が接合されている。一方、前記側
縁受部５の外縁部５ｃは、車体後面側へ折曲され
たリヤフエンダパネル２の後縁部５ｄに連なつて
おり、該後縁部５ｄの外面にリヤエンドパネル３
の側縁部が接合されている。また、リヤエンドパ
ネル３の前記後縁受部６は、バツクドア４のコー
ナー部に対応する部分で側方が切欠かれている。

さらに、上記リヤフエンダパネル２、リヤエン
ドパネル３およびクオータパネル７の三者は、第
３図に単独で示すレインホースメント８で結合さ
れている。

すなわち、レインホースメント８は、前部９が
断面ハツト状で、リヤフエンダパネル２とクオー
タパネル７の間において車体のベルトラインに沿
つて車体前後方向に延び、かつ、開口部がクオー
タパネル７側へ向けられている。そして、前部９
は開口部両側の上フランジ部９ａと下フランジ部
９ｂがクオータパネル７の外面に接合されてお
り、前部９とクオータパネル７とでベルトライン
部は閉断面構造となつている。

一方、レインホースメント８の後部１０は、断
面ハツト状前部９の側壁部および下壁部に相当す
る部分がねじり上げた状態になつたもので、リヤ
フエンダパネル２の側縁受部５に倣つて前部９側
から下降傾斜しており、側縁受部６の凹所５ａ、
内縁部５ｂおよび外縁部５ｃにそれぞれ対応する
凹所１０ａ、内縁部１０ｂおよび外縁部１０ｃを
備える。この後部１０の凹所１０ａは前部９の上
壁部に連なり、また、後部１０の内縁部１０ｂは
前部９の上フランジ部９ａに連なつている。この
凹所１０ａおよび内縁部１０ｂはバツクドア４の
コーナー部に対応してリヤエンドパネル３の中央
側へ湾曲し、その先端部１０ｄはリヤエンドパネ
ル３の後縁受部６に対応してＬ字状となり、さら
に、後部１０の後縁部１０ｅは下方へ折曲げられ
ている。

そうして、このレインホースメント８の後部１
０は、その上部がリヤフエンダパネル２の側縁受
部５の下端部に、また、湾曲した先端部１０ｄが
リヤエンドパネル３の後縁受部６の側端部にそれ
ぞれ裏面側から接合されて、バツクドア４のコー
ナー部を受けるコーナー受部１１を構成してい
る。

上記構造において、リヤフエンダパネル２とリ
ヤエンドパネル３との接続部はレインホースメン
ト８の後部１０で、また、ベルトライン部分はレ
インホースメント８の前部９で補強されている。
そして、レインホースメント８がリヤフエンダパ
ネル２、リヤエンドパネル３、クオータパネル７
の三者に結合されているため、ベルトライン部分
に加わる荷重はレインホースメント８を介してリ
ヤフエンダパネル２およびリヤエンドパネル３に
分散される。また、リヤフエンダパネル２とリヤ
エンドパネル３との接続部、つまり、コーナー受
部１１およびその周辺にバツクドア４の開閉等に
よつて加わる荷重はレインホースメント８を介し
てクオータパネル７に分散される。

以上のように、本考案によれば、リヤフエンダ
パネルとリヤエンドパネルとの接続部と、ベルト
ライン部とが１個のレインホースメントで補強さ
れ、該レインホースメントがリヤフエンダパネ
ル、リヤエンドパネル、クオータパネルの三者が
結合されているため、この三者の結合強度が高く
なるとともに、荷重の分散が図れ、バツクドア受
部のコーナー部を含めて車体後部全体の剛性が高
くなり、合わせて、補強のための部品点数も少な
くなるという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は自
動車の斜視図、第２図は第１図の鎖線円で囲まれ
た部分の構造をバツクドアがない状態で示す斜視
図、第３図はレインホースメントの斜視図であ
る。 １……自動車、２……リヤフエンダパネル、３
……リヤエンドパネル、４……バツクドア、５…
…側縁受部、６……後縁受部、７……クオータパ
ネル、８……レインホースメント、９……前部、
１０……後部、１１……コーナー受部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤフエンダパネルとリヤエンドパネルの各々
   の上縁部がバツクドアの受部を構成し、上記リヤ
   フエンダパネルには車体後部内壁を構成するクオ
   ータパネルの上端部が接合され、該クオータパネ
   ルの外面には車体前後方向に延びるレインホース
   メントの前部が車体ベルトラインに沿つて固定さ
   れ、該レインホースメントの後部はリヤフエンダ
   パネルとリヤエンドパネルとに結合されてバツク
   ドア受部のコーナー部を形成していることを特徴
   とする自動車の後部車体構造。