JPS6230472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は高電圧が加わる整流装置に関するも
のである。

従来この種の装置として第１図，第２図に示す
ものがあつた。図において、１は変圧器一次巻
線、２は変圧器二次巻線、３は整流装置、４はブ
リツジ回路を構成する各アームに接続された整流
素子、５は静電シールド、Ｐ，Ｕ，Ｎ，Ｖは接続
端子である。

第１図に示すように変圧器の二次巻線２とブリ
ツジ回路で接続された整流装置３において整流素
子４として、一般にシリコン整流素子が使用され
ているが、高電圧が整流装置３に印加された時に
は整流素子４の構造上、電界が著しく乱され高電
位傾度のところが生じて、そこから絶縁破壊に進
展することになる。これを防ぐために、第２図に
示すようにブリツジ回路で接続された整流装置全
体を静電シールド５で覆いこの静電シールド５を
所定の接続端子（図に於てはＶ端子）と接続して
電界を緩和する手段が用いられていた。しかしこ
の方法によると整流装置３の各接続端子Ｐ，Ｕ，
Ｎ，Ｖ間に印加される電圧が高いので、整流装置
３と静電シールド５間の距離を大きくとらなけれ
ば、コロナ放電が発生し、絶縁の信頼性を落す結
果になるので、小形化が困難であると云う欠点が
あつた。

この考案は上記のような従来のものゝ欠点を除
去するためになされたもので、ブリツジ回路を形
成する各整流素子を接近した電位のグループに分
割してそれぞれを静電シールドで覆うようにした
整流装置を提供することを目的としている。

以下この考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。

第３図はこの考案の一実施例の要部を示してい
る。第３図に於て、４は整流素子、５ａ，５ｂは
静電シールド、Ｐ，Ｕ，Ｎ，Ｖは接続端子、P₁，
U₁，N₁，V₁はそれぞれ接続端子Ｐ〜Ｕ，Ｕ〜
Ｎ，Ｎ〜Ｖ，Ｖ〜Ｐの中間電位点を示している。
静電シールド群５ａは図示されるように接続端子
Ｐ，Ｕ，Ｎ，Ｖとそれぞれ接続されこれ等の接続
端子と電位の近い各整流素子群を覆うように配置
され、静電シールド群５ｂは中間電位点P₁，
U₁，N₁，V₁とそれぞれ接続されこれ等の電位点
と電位の近い各整流素子群を覆うように配置され
ている。

第３図のような構成においては、各静電シール
ド５ａ，５ｂの電位差は各接続端子間の電位差Ｅ
の1/2となり、整流素子４と各静電シールド５
ａ，５ｂ間の電位差は1/4Ｅとなる。従つて各静
電シールド５ａ，５ｂは各整流素子４に接近し
て、配置することが可能となる。

以上の説明では整流素子がブリツジ回路を構成
する各回路に４ケ（偶数ケ）直列に接続された例
を示したが、必ずしも偶数ケである必要はなく、
奇数ケでも接続端子間のほゞ中間電位の各点に静
電シールド５ｂを接続すれば同様な効果が得られ
ることはいうまでもない。

以上のようにこの考案によれば、複数ケの整流
素子が直列に接続されたブリツジ回路で、各接続
端子の近傍に接続された整流素子群と、各接続端
子のほゞ中間点近くに接続された整流素子群を
夫々、別の静電シールドで覆うように構成したの
で、整流素子と静電シールドとの間に加わる電圧
が低減され、従つて整流素子と静電シールド間の
絶縁距りが縮小され、装置の小形化が達成出来る
と云う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は整流装置を説明する回路図、第２図は
従来の整流装置の整流素子群の接続とこれ等を覆
う静電シールドの配置を示す図、第３図はこの考
案の一実施例の整流素子群の接続とこれ等を覆う
静電シールド群の配置を示す図である。 図において、１は変圧器の一次巻線、２は変圧
器の二次巻線、３は整流装置、４は整流素子、
５，５ａ，５ｂは静電シールド、Ｐ，Ｕ，Ｎ，Ｖ
は接続端子、P₁，U₁，N₁，V₁は接続端子の中間
点電位である。なお図中同一符号は同一又は相当
部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数ケの整流素子が直列に接続されたアーム、
   このアームによつて構成されたブリツジ回路、こ
   のブリツジ回路を外部回路と接続する接続端子、
   この接続端子近傍に接続された上記整流素子を覆
   う接続端子と同電位の第１の静電シールド、上記
   接続端子間の中間点近傍に接続された上記整流素
   子を覆うこの中間点と同電位の第２の静電シール
   ドを備えた整流装置。