JPS6230246B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は焼鈍炉例えばカテナリー型連続焼鈍炉
入側又は出側におけるシール装置に関するもの
で、ストリツプの形状不良やストリツプの位置変
動に対してストリツプにスリ疵又は押疵等を発生
させることなく炉圧維持を可能にすると共に高温
ストリツプに対してもシールロールの曲損トラブ
ルを最小にするシール装置である。

従来、ステンレス鋼板用連続焼鈍炉の場合、分
割されたカテナリー型連続焼鈍炉であつた為、炉
内圧力の制御は該焼鈍炉入出側の開口部を小さく
する程度で特に行わないでも操業に支障はなかつ
た。

しかし省エネ型の焼鈍炉が要求される昨今で
は、前記分割タイプのカテナリー型連続焼鈍炉を
連結し、燃焼排ガスを炉入側に流して排ガスを有
効利用した予熱炉や更にエヤーレキユペレーター
や、温水器等を設置した一体構造の密閉タイプの
カテナリー型の連続焼鈍炉が建設されている。該
一体構造のカテナリー型連続焼鈍炉では、燃焼排
ガスを炉入側に流すべく各炉内の圧力制御が必要
であり、特に炉入側又は出側のシール性が炉の熱
効率を左右する重要なポイントと成る。

しかしステンレス鋼板用連続焼鈍炉の場合、カ
テナリー型連続焼鈍炉の為に炉入出側共ストリツ
プ張力変動、又は炉内フアーネスロール２，２′
の取付位置変更等によりストリツプ位置は上下に
大きく変動する。又炉入側は、ストリツプの形状
不良や溶接点の通過等の為に常に一定の開口が必
要であつた。炉出側においても、前記炉入側と同
様な問題点と共に通過ストリツプが高温な為（一
般に800〜1100℃）に第６図に示す従来型のシー
ルロール３″，４″を採用してもロールの曲損トラ
ブルでのロールの回転不良に伴うストリツプのス
リ疵発生、ストリツプエツジ部の（片）耳波通過
時の上ロール押上げに伴うストリツプの押疵発生
等のトラブルが起る為に結局炉入出側共に30〜60
mm程度の１定値以上の開口が必要であつた。又、
炉入出側共シールロールの代りに例えば第５図に
示すフアイバー系シールダンパー２７，２７′を
採用して、シール効果を上げる為にストリツプと
ダンパーとの間隙を小さくするとストリツプの形
状不良や溶接点通過の時シール材に強度が無い
為、シール材がむしり取られて一定の開口と成つ
てしまう。又、キヤスタブル等の耐火材を使用し
たダンパーシール装置を採用すると、炉温急変に
伴うスポーリングでシール材が脱落したり、シー
ル効果を上げる為にストリツプとダンパーとの間
隙を小さくするとストリツプと接触した際にスト
リツプにスリ疵等が発生するので結局一定の開口
が必要であつた。

本発明は、かかる問題点を解決するため、レバ
ーフレーム７，７′にシールロール位置調整装置
８，８′を介して配設したシールロール３，４
を、ストリツプ１の位置変動があつても上下任意
の位置にセツト出来る構造にすると共にストリツ
プ１の形状不良や溶接点通過時には上側シールロ
ール３が上面側へ自在に可動して該シールロール
３が逃げ、形状不良の通過後はバランスウエイト
９とのバランスによりストリツプの上面に戻る構
造にしたものである。又下側シールロール４は油
圧、又はエヤーシリンダー１０′により上面側の
ストリツプ１面へ押付けるごとくしてシール効果
を上げるストリツプ１面に押疵やスリ疵が発生し
た場合は上下シールロール３，４共に夫々ストリ
ツプ１の上面側と下面側に離すごとく調整して操
業を中断することなく続行出来る。又、ラインス
トツプ時等の非常時には、シールロール３，４の
曲損を防止すべく上下のシールロール３，４共に
油圧又はエヤーシリンダー１０，１０′により
夫々ストリツプ１面から離れるごとくなしたシー
ル装置の発明でストリツプ１面のスリ疵や押疵発
生のトラブルがなくシール効果を上げ炉圧制御を
容易にして燃焼排ガスの有効利用率向上（20〜30
％アツプ）すなわち省エネ効果の向上を狙つたも
のである。又上下シールロール３，４共に直流電
動機１６，１６′でラインスピードに同調させた
駆動を行うことで更に上記効果が発揮出来ること
を確認した。

次に本発明の焼鈍炉出側シール装置についての
実施例を第１図〜第４図を用いて説明する。

第１図〜第４図は、フアーネスロール２を使用
して運転している場合の通常状態を図示したもの
で、シールロール３，４はストリツプ１のカテナ
リーに合わせてシールロール位置調整装置８，
８′で調整し、ストリツプ１との間隙が最小とな
るごとく調整する。同時にこの状態でシールロー
ル用バツフル１２，１２′とシールロール用側面
シールプレート１３の位置をシールロール用バツ
フル昇降装置１５でシールロールとの間隙が最小
と成るごとく調整する。通常状態において、上部
シールロール３は、バランスウエイト９で調整し
てシールロール３が自重で元の位置迄下がりレバ
ーフレームのストリツパー２５で止る様にする。
同様に下部シールロール４を調整すれば、第４図
のエヤー配管系統図に示す如く上部シールロール
は、ストリツプ１の形状不良や溶接点の通過時に
は自在に上部方向へシールロールが逃げるのでス
トリツプ面にスリ疵や押疵の発生は無い。尚、ス
トリツプ１への疵をなくす為にラインスピードに
同調させるごとく直流電動機１６，１６′でシー
ルロール３，４を駆動する。

本発明ではシール効果を上げる為に、シールロ
ール用バツフル１２，１２′を水冷ジヤケツトで
製作し、その内部にシール用エヤー吹付パイプ１
４を配設しているが、このシールロール用バツフ
ル１２，１２′はキヤスタブル等の耐火材で製作
しても良い。ラインストツプ停電、燃焼遮断等の
非常時には、エヤーシリンダー１０，１０′によ
りシールロール３，４は３′及び４′の位置迄逃げ
る。この場合、シールロール駆動用直流電動機１
６，１６′はレバーフレーム７，７′に塔載されて
いるのでチエーン２６，２６′の張力調整は不要
である。又、本発明におけるシールロールは、直
水冷スチールロールを採用しているが、万一スト
リツプにシールロール部で疵発生のトラブルが発
生した場合、シールロール３，４はシールロール
位置調整装置８，８′でシールロール３，４をス
トリツプ１から離れるごとく調整すれば、シール
効果を多少犠性にして操業は続行出来る。尚フア
ーネスロール２において、ストリツプ面に疵発生
トラブルが生じた時、フアーネスロール２′へラ
インストツプすることなく組替出来る方法を採用
しているので従来のごとく疵発生での操業中断は
無くなつた。

このようなシール装置の発明により炉内の炉圧
制御が容易に出来る様に成り炉の操業性が良好に
成ると同時に燃焼排ガスの有効利用率向上に伴う
省エネ効果、ストリツプ面の疵発生トラブルなく
通板率を向上させる効果はきわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のカテナリー型連続焼鈍炉の出
側シール装置の断面図、第２図は第１図のシール
ロール部断面詳細図、第３図は本発明のシールロ
ール駆動装置の一例図、第４図は本発明のシール
ロール昇降用エヤー配管系統図の一例図、第５図
は従来使用されていたフアイバー系のシールダン
パーの断面詳細図、第６図は従来タイプの炉出側
シールロールの断面詳細図である。 １……ストリツプ、２，２′……フアーネスロ
ール、３，３′，３″……上部シールロール、４，
４′，４″……下部シールロール、５……焼鈍炉、
６……仕切りダンパー、７，７′……レバーフレ
ーム、８，８′……シールロール位置調整装置、
９，９′……バランスウエイト、１０，１０′……
エヤーシリンダー、１１……ウオータージヤケツ
ト、１２，１２′……シールロール用バツフル、
１３……シールロール用側面シールプレート、１
４……シール用エヤー吹付パイプ、１５……シー
ルロール用バツフル昇降装置、１６，１６′……
シールロール駆動用直流電動機、１７，１７′…
…シールロール用軸受、１８，１８′……スピコ
ン、１９，１９′……フレホース、２０，２０′…
…電磁弁、２１……オイラー、２２……減圧弁、
２３……エヤフイルター、２４……ストツプバル
ブ、２５，２５′……レバーフレームのストツパ
ー、２６，２６′……駆動用チエーン、２７，２
７′……フアイバー系シールダンパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カテナリー型連続焼鈍炉の入出側シール装置
   において、焼鈍炉５の入側又は、出側又は入、出
   側に上下一対のシールロール３，４を相対向さ
   せ、該シールロール３，４でストリツプ１を挾持
   し、前記シールロール３，４をシールロール位置
   調整装置８，８′に回転自在に装着し、該シール
   ロール位置調整装置８，８′によりストリツプ１
   の変動に合せて、シールロール３，４の位置を調
   整するとともに、前記シールロール位置調整装置
   ８，８′をレバーフレーム７，７′に連結し、該レ
   バーフレーム７，７′を流体圧シリンダ１０，１
   ０′に連結したことを特徴とするカテナリー型連
   続焼鈍炉のシール装置。