JPS6229793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は石油等の液体燃料を燃焼させる液体燃
料燃焼装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

一般に暖房装置等の液体燃料燃焼装置では燃焼
装置本体と別体の着脱自在な燃料タンクを備え、
この燃料タンクを燃焼装置から取外して別の場所
で給油することができるものがある。そして、こ
のような燃料タンクは一般にその底部に燃料の供
給口と補給口を兼用する燃料口を有し、この燃料
口に弁機構を有するキヤツプを装着して構成され
ている。そして、燃料を補給する際にはこの燃料
タンクを燃焼装置本体から取外して転倒させ、上
記のキヤツプを取外して燃料口から燃料を補給す
るように構成されている。そして、燃料を補給し
たらキヤツプを装着し、この燃料タンクを燃焼装
置本体に装着する。この場合、上記キヤツプの弁
機構は燃料タンクが燃焼装置本体に装着されてい
ない場合には閉弁状態となり、燃料の流出を防止
するとともに燃料タンクを燃焼装置に装着した場
合に開弁し、燃料を供給するように構成されてい
る。また燃焼装置本体側には燃料タンクからの油
を貯溜する燃料貯溜皿が設けられており、供給さ
れた燃料はこの燃料貯溜皿に溜る。そしてこの燃
料貯溜皿内の油面が上昇して燃料タンクのキヤツ
プまで達するとこのキヤツプから燃料タンク内に
流入する空気が遮断され、燃料の流出が停止され
燃料貯溜皿内の油面が一定となるように燃料の供
給が制御される。

〔背景技術の問題点〕

前述した従来のものは燃料タンクのキヤツプが
常時燃料に濡れており、燃料補給の際にこのキヤ
ツプを取外す場合に手が汚れる不具合があつた。

また、このようなものは燃料補給の際には必ら
ず燃料タンクを取外さなければならず、この燃料
タンクを燃焼装置本体に装着したまま燃料の補給
をおこなうことができない不具合があつた。

〔考案の目的〕

本考案は燃料タンクが燃焼装置本体に対して着
脱自在なものにおいて、燃料補給の際に手が汚れ
ることがなく、また燃料タンクを燃焼装置本体に
装着したまま燃料を補給することができる液体燃
料燃焼装置を得ることにある。

〔考案の概要〕

本考案は燃焼装置本体に対して着脱自在な燃料
タンクの上部に燃料補給口を設け、また燃焼装置
本体側には接続器を設け、また上記燃料タンクの
底部には閉止弁機構を内蔵しこの燃料タンクが装
着された状態で上記燃焼装置本体側の接続器に嵌
合するとともに開弁して燃料を供給しまた燃料タ
ンクが取外された状態では閉弁して燃料の流出を
防止する弁内蔵接続器を設けたものである。した
がつて燃料を補給する際に燃料補給口のキヤツプ
を着脱しても手が汚れることはなく、また燃料タ
ンクを燃焼装置本体に装着したまま燃料を補給す
ることができるものである。

〔考案の実施例〕

図を参照して本考案の一実施例を説明する。図
中１は燃焼装置本体である。また、２は燃料タン
クであつて、石油等の液体燃料が収容されてい
る。そして、この燃料タンク２は燃料装置本体１
と別体に形成され、この燃焼装置本体１に対して
着脱自在に構成されている。そして、この燃焼装
置本体１側には接続器３が設けられ、また燃料タ
ンク２の底部には弁内蔵接続器４が設けられてい
る。そして、この燃料タンク２を燃焼装置本体１
に装着した状態でこの燃料タンク２側の弁内蔵接
続器４と燃焼装置本体１側の接続器３とが接続さ
れ、燃料タンク２内の燃料はこれら接続器３，４
を介して燃焼装置本体１側に供給されるように構
成されている。そして、供給された燃料は定油面
機構５に送られるように構成されている。この定
油面機構５はフロート６およびこのフロート６に
よつて開閉されるニードル弁７を有し、油面を一
定に維持して燃料の供給量を制御するように構成
されている。そして、この定油面機構５内の燃料
は燃料ポンプ８によつてバーナ９に送られるよう
に構成されている。そして、このバーナ９に供給
された燃料はこのバーナ９内で気化され、燃焼筒
１０内で燃焼し、燃焼ガスは熱交換器１１を通つ
て排気管１２から室外に排気されるように構成さ
れている。なお、燃焼用空気はブースタフアン１
３によつて強制的にバーナ９に送られ、また燃焼
ガスはインジユーサフアン１４によつて強制的に
排気されるように構成されている。また、１５は
対流フアンであつて、室内の空気はこの対流フア
ン１５によつて熱交換器１１に送られ、燃焼ガス
と熱交換して加熱されたのち燃焼装置本体１の前
面のルーバ１６を通つて室内に送られるように構
成されている。

次に上記燃料タンク２およびその取付構造につ
いて第５図ないし第８図を参照して説明する。こ
の燃料タンク２は鋼板等で形成され、上方から燃
焼装置本体１に装着されるように構成されてい
る。なお、１７はこの燃料タンク２を把持するた
めの把手、１８は油量計である。そして、この燃
料タンク２の上部には燃料補給口１９が設けら
れ、この燃料補給口１９にはキヤツプ２０が装着
されている。

また、前記接続器３および弁内蔵接続器４は以
下の如く構成されている。２１は弁内蔵接続器４
の本体であつて、この本体２１は略円筒状をなし
ている。そして、この本体２１の上端は燃料タン
ク２の底部に液密に取付けられ、この本体２１は
燃料タンク２の底面から下方に突出されている。
そして、この本体２１の下端部内面にはＯリング
２２が装着され弁座を形成している。そして、こ
のＯリング２２には上方から弁体たとえば鋼球２
３が着座し、この鋼球２３はスプリング２４の付
勢力によつて上記Ｏリング２２に押圧されてい
る。

また、２５は前記接続器３の本体であつて、こ
の内部に前記弁内蔵接続器４の本体２１が嵌合す
るように構成されている。そして、この接続器３
の本体２５の内面にはＯリング２６が装着されて
おり、上記弁内蔵接続器４の本体２１が嵌合した
場合、このＯリングは第７図に示す如く上記本体
２１の先端部外周面に密着し、液密が得られるよ
うに構成されている。また、この接続器３の本体
２５内には上向に押上棒２７が突設されている。
そして、上記弁内蔵接続器４が嵌合された場合、
その押上棒２７は弁内蔵接続器４の鋼球２３に当
接してこれを押し上げ、第７図に示す如くＯリン
グ２２より離座させて開弁状態となし、燃料タン
ク２内の燃料がこの弁内蔵接続器４および接続器
３を介して燃焼装置本体１側に供給されるように
構成されている。また、この接続器２５には複数
の鋼球等の係合部材２８…が内面に突没自在に設
けられている。また、この接続器３の外周面には
内周面かテーパ状に形成された環状の押圧リング
２９が嵌合されており、この押圧リング２９はス
プリング３０によつて軸方向に付勢されている。
したがつて、上記係合部材２８…がこの押圧リン
グ２９のテーパ面で押圧され、常時内方に突出す
る方向に付勢されている。また、前記弁内蔵接続
器４の本体２１の基端部外周面には環状の係止凹
部３１が形成されている。そして、この弁内蔵接
続器４が接続器３に嵌合した場合、この係止凹部
３１内に上記係合部材２８…が嵌合し、所定の引
抜力以下ではこの弁内蔵接続器４が引抜けないよ
うにこれを固定している。また、上記係止凹部３
１の軸方向の長さｌは係合部材２８が係合するに
必要な長さ以上に、たとえば必要な長さの1.0〜
1.5倍に形成されており、各部の寸法誤差を吸収
し得るように構成されている。

また、上記燃焼装置本体１側にはタンク受皿３
２が設けられている。このタンク受皿３２は金属
板をプレス成形したものであつて、略矩形の浅皿
状をなしている。そして、上記接続器３はこのタ
ンク受皿３２の中央部に突出して設けられてお
り、燃料タンク２の着脱の際に弁内蔵接続器４あ
るいは接続器３等から燃料が漏洩した場合、この
タンク受皿３２によつて漏洩した燃料が捕集され
るように構成されている。そして、このタンク受
皿３２で受けられた燃料はドレン管３３を介して
定油面機構５に送られるように構成されている。

また、上記燃料タンク２の底部からは下方に向
けてタンク支持体３４が突設されている。このタ
ンク支持体３４はコ字状をなし、その下端は前記
弁内蔵接続器４の下方まで突出し、また下部には
燃焼装置本体１側の接続器３が挿入される抜穴３
５が形成されている。そして、上記燃料タンク２
を取外して床面等に載置する場合にはこのタンク
支持体３４によつて燃料タンク２が安定して支持
され、また弁内蔵接続器４を保護するように構成
されている。また、このタンク支持体３４の下端
にはタンク案内部材３６が取付けられている。こ
のタンク案内部材３６は前記タンク受皿３２の形
状に対応した略矩形の浅皿状をなし、タンク受皿
３２内に密嵌し、燃料タンク２の装着位置を規制
して燃料タンク２側の弁内蔵接続器４と燃焼装置
本体１側の接続器３との位置合せをおこない、両
者を確実に嵌合させるように構成されている。そ
して、このタンク案内部材３６には複数たとえば
４個の取付孔３７…が形成されており、また上記
タンク支持体３４にはこれらの取付孔３７…にそ
れぞれ対応して螺孔３８…が形成されている。そ
して、このタンク案内部材３４の取付孔３７…を
貫通して取付螺子３９…がタンク支持体３４の螺
孔３８…に螺装され、これらの取付螺子３９…に
よつてタンク案内部材３６がタンク支持体３４に
取付けられている。そして、上記タンク案内部材
３６の取付孔３７…は取付螺子３９…の径より大
径に形成されており、このタンク案内部材３６…
の水平方向の取付位置を調整できるように構成さ
れている。そして、組立時には弁内蔵接続器４と
接続器３とが嵌合した状態においてこのタンク案
内部材３６がちようどタンク受皿３２に密嵌する
ようにその取付位置が調整される。

次に上記一実施例の作用を説明する。燃料タン
ク２内の燃料は弁内蔵接続器４、接続器３を介し
て定油面機構５に送られる。そして、この定油面
機構５は内部の油面が一定となるように燃料の供
給量を制御する。そして、この定油面機構５内の
燃料は燃料ポンプ８によつてバーナ９に送られ、
燃焼される。そして、燃料を補給する場合には燃
料タンク２を取外す。この場合、燃料タンク２を
取外すと第８図に示す如く弁内蔵接続器４の鋼球
２３がスプリング２４の押圧力によつてＯリング
２２に押圧されて閉弁状態となり、燃料タンク２
内の燃料の流出が防止される。そして、この取外
した燃料タンク２を床面等に載置し、燃料補給口
１９のキヤツプ２０を取外して燃料を補給する。
この場合、燃料タンク２はタンク支持体３４によ
つて安定に支持され、また燃料タンク２を運搬す
る場合に他物に衝突してもタンク支持体３４によ
つて弁内蔵接続器４が直接他物に衝突することが
なく、この弁内蔵接続器４が保護される。また、
この燃料タンク２は装着時、燃料補給時のいずれ
にも正立状態であるから、この燃料タンク２の上
部の燃料補給口１９のキヤツプ２０が燃料で汚れ
るようなことはなく、このキヤツプ２０の着脱の
際に手が汚れることもなく、また手が滑ることも
なく着脱が容易である。また、石油缶等をこの燃
焼装置本体１の近傍まで運搬できる場合には燃料
タンク２を取外さずに装着したまま燃料補給口１
９のキヤツプを取外して燃料を補給することがで
き、使い勝手がよい。

なお、本考案は上記の一実施例には限定されな
い。

たとえば燃焼装置本体の構成は必らずしも上記
の一実施例には限定されない。

また、タンク支持体等の構成も必らずしも上記
のものに限定されず、場合によつてはこのような
タンク支持体を設けなくてもよい。

〔考案の効果〕

上述の如く本考案は着脱自在な燃料タンクの底
部に弁内蔵接続器を設け、また燃焼装置本体側に
はこの弁内蔵接続器と接続される接続器を設け、
また燃料タンクの上部には燃料補給口を設けたも
のである。したがつてこの燃料タンクは燃焼装置
本体に装着された状態および取外して燃料を補給
している状態のいずれも正立状態であり、燃料補
給口のキヤツプ等が燃料で汚れることがない。よ
つてこの燃料補給口のキヤツプを着脱する際に手
が汚れることがなく、また手が滑ることもないの
で燃料補給が容易であり、また燃料タンクを燃焼
装置本体に装置したまま燃料を補給することもで
き、使い勝手がよい。

さらに本考案では、燃料タンク側の弁内蔵接続
器の外周に抜止固定用の係止凹部を係止し、燃焼
装置本体側の接続器に上記係止凹部に係合する係
合部材を設け、上記係止凹部の軸方向の長さを上
記係合部材が係合するに必要な長さ以上の長さに
形成したものである。したがつて燃焼装置本体側
の接続器に燃料タンク側の弁内蔵接続器が接続し
た際に、一方の接続器の係合部材が他方の弁内蔵
接続器の係止凹部に係合し、このためその接続が
確実に図られ、燃料タンクに不用意な衝撃や振動
が加わつても、その接続が外れるようなことがな
く、また前記係止凹部の軸方向の長さが前記係合
部材が係合するに必要な長さ以上の長さを有する
から、前記接続器や弁内蔵接続器に寸法上の誤差
があつても、それを吸収して的確な接続を図るこ
とができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は分解斜
視図、第２図は縦断面図、第３図は第２図の−
線に沿う断面図、第４図は第２図の−線に
沿う断面図、第５図は燃料タンクおよびその取付
部分の縦断面図、第６図は燃料タンクおよびその
取付部分の分解斜視図、第７図は嵌合した状態に
おける弁内蔵接続器と接続器の縦断面図、第８図
は分離した状態における弁内蔵接続器と接続器の
縦断面図である。 １……燃焼装置本体、２……燃料タンク、３…
…接続器、４……弁内蔵接続器、１９……燃料補
給口、２０……キヤツプ、２３……鋼球、２７…
…押上棒、３２……タンク受皿、３４……タンク
支持体、３６……タンク案内部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼装置本体と、この燃焼装置本体に着脱自在
   な燃料タンクと、この燃料タンクの上部に設けら
   れた燃料補給口と、上記燃焼装置本体側に設けら
   れた接続器と、上記燃料タンクの底部に設けられ
   閉止弁機構を内蔵しこの燃料タンクを装着した状
   態において上記燃焼装置本体側の接続器に嵌合す
   るとともに上記閉止弁機構が開弁して燃焼装置本
   体側に燃料を供給しまたこの燃料タンクを取外し
   た状態で閉弁して燃料の流出を防止する弁内蔵接
   続器とを具備し、前記弁内蔵接続器は外周に抜止
   固定用の係止凹部を、また前記接続器は上記係止
   凹部に係合する係合部材をそれぞれ有し、上記係
   止凹部の軸方向の長さが上記係合部材が係合する
   に必要な長さ以上の長さに形成されていることを
   特徴とした液体燃料燃焼装置。