JPS6229625Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は過給機付内燃機関の排気バイパス弁を
作動するダイヤフラムに熱が伝わりにくくして、
ダイヤフラムの熱老化を防止するようにした過給
機付内燃機関の排気バイパス装置に関するもので
ある。

第１図に示すように、タービン１及びコンプレ
ツサ２を同軸上に設けた過給機３を装備した内燃
機関４においては、排気管５からの排気ガスＧに
よりタービン１を駆動して、コンプレツサ２を回
転し、コンプレツサ２で加圧された空気Ａを吸気
管６から内燃機関の各気筒に導入しているが、過
給圧力Ｐがある一定圧力以上になると、機関自体
の耐久性の上で問題があるので、排気管５からタ
ービン１への管路の途中に、ババパス弁７を有す
るバイパス路８からなる排気バイパス装置を設
け、このバイパス弁７を開くことにより排気ガス
Ｇの一部をバイパスさせてタービン１の仕事量を
低下させ、コンプレツサ２による過給圧力Ｐを適
正に保つようにしている。

この場合、吸気管６から過給圧力Ｐを排気バイ
パス装置内のダイヤフラム９にて受け、この圧力
がばね材１０の取付荷重を上回ると、ダイヤフラ
ム９を取り付けたバイパス弁７がバイパス路８を
開くようになつている。

しかしながら、排気ガスＧの熱は、第２図の拡
大側断面図に示すごとく、バイパス弁７からピス
トン１１及びプレート１２等を通つてダイヤフラ
ム９に伝達され、排気ガスＧの温度が高くなる
と、ウエストガスダクト１３及びガイドホルダ１
４等からブツシユ１５及びガイド１６経由、バイ
パス弁７への熱伝達も多くなり、その熱はバイパ
ス弁７のピストン１１方向のバルブ軸端に流れて
プレート１２及びピストン１１に伝わるのでこれ
らプレート１２及びピストン１１に挾まれている
ゴム系材料からなるダイヤフラム９は、その許容
温度を越える場合が多く、ダイヤフラム９が熱老
化して、そこから圧力が洩れるという恐れがあ
る。

そこで本考案の目的は前記従来の過給機付内燃
機関の排気バイパス装置の有する欠点を解消し、
排気バイパス装置のダイヤフラムに熱が伝わりに
くく、ダイヤフラムの熱老化が発生しにくい優れ
た過給機付内燃機関の排気バイパス装置を提供す
ることである。

前記目的を達成する本考案に係る過給機付内燃
機関の排気バイパス装置は、ダイヤフラム弁のダ
イヤフラムの両面をフイン付ピストン及びフイン
付プレートを積層して挾持し、更に前記ピストン
及びプレートを断熱材を介して弁軸に固定したこ
とを特徴とするものである。

即ち、内燃機関の排気管路にタービンへの排気
ガスをバイパスさせるように設けられたバイパス
路に設けたダイヤフラム式のバイパス弁のダイヤ
フラムの両面をピストン及びプレートを積層して
挟持し、しかも、これらのピストン及びプレート
にフイン付のものを使用している。

更に、ピストンとダイヤフラムとプレートの積
層体をバイパス弁に固定するに際して、ピストン
とプレートの外面（ダイヤフラムに接触している
面の反対の面）に断熱材を当てがい、バイパス弁
に断熱的に固定したものである。

従つて、ダイヤフラムの両面を挟持するピスト
ンとプレートとはフイン付のものが使用されてい
る関係で放熱性が良好である。また、ピストンと
ダイヤフラムとプレートからなる積層体は、断熱
材を当てがつてバイパス弁の弁軸に固定されてい
る関係で、この弁軸から熱がピストンやプレート
に伝達することを防止することができる。

以下第３図を参照して本考案の一実施例を説明
するが、第３図は第２図の従来の排気バイパス装
置のダイヤフラム９の取付部に相当する部分を拡
大した縦断面図であり、第２図とほぼ同様な構成
及び機能を有するものであり、同じ部品は同じ部
品番号で示している。

本考案ではダイヤフラム９の片面９ａ（この実
施例においては圧力が作用する面の反対の面）に
フイン１１ａを設けたピストン１１を積層し、他
の片面９ｂ（この実施例においては圧力が作用す
る面）にはフイン１２ａを設けたプレート１２を
積層する。この時ピストン１１のフイン１１ａに
はこのピストン１１を押圧するばね材１０のガイ
ドも兼ねさせるようにする。

そして、ピストン１１とプレート１２が積層さ
れたダイヤフラム９のバイパス弁７への取付部に
は断熱材１８をその上下にバイパス弁７とダイヤ
フラム９、ピストン１１およびプレート１２とが
接触しないように積層し、さらにこれらの断熱材
１８の上部および下部には放熱板１７を別の断熱
材１８′で上記同様にバイパス弁７と放熱板１７
とが接触しないように挾むようにして取付ける
（尚、この放熱材１７は上下いずれか一方であつ
ても良い。） 従つて、前記実施例の装置では排気ガスＧの熱
は、まず断熱材１８′で弱められてから放熱板１
７で放熱され、さらに断熱材１８で弱められてか
らプレート１２のフイン１２ａやピストン１１の
フイン１１ａで放熱された後にダイヤフラム９に
伝わるので、ダイヤフラム９の温度上昇は防止さ
れ、ダイヤフラム９は許容温度以下に保たれる。

本考案に係る過給機付内燃機関の排気バイパス
装置は、排気バイパス装置のダイヤフラム弁を構
成しているダイヤフラムの両面をフイン付ピスト
ン及びフイン付プレートを積層して挟持し、更に
前記ピストン及びプレートを断熱材を介して弁軸
に固定して構成されている。

前記のようにダイヤフラムの両面を支持するピ
ストンとプレートにはフインが設けられているの
で、放熱効果が良好である。

しかも、ピストンとダイヤフラムとプレートの
積層体は断熱材を介してバイパス弁に固定されて
いるので、排気ガスの熱によつて高温に加熱され
ているバイパス弁から前記ピストンとプレートに
熱伝達されるのを極力防止することができる。

従つて、ダイヤフラムの加熱は極力防止でき、
常にその許容温度以下に維持できるので、ダイヤ
フラムの熱劣化を防止でき、その耐久性が向上す
る。

また、ばね材はピストンのフインによつてガイ
ドされているのでばね材の移動が規制されること
になり、ばね材自体の不規則な運動が防止される
からバイパス弁の挙動が安定するものとなる。

従つて、その排気バイパス装置の信頼性が向上
し、その結果、その過給機付内燃機関の保護の上
でも有効である。

また、本考案は、低、中負荷においてタービン
への排気ガスをバイパスして無過給状態とし、高
負荷状態においてタービンへ排気ガスを流して過
給状態とするための排気バイパス装置であつて
も、適用できるものであることは言うまでもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は排気バイパス装置を有する従来の過給
機付内燃機関の概略配置図、第２図は第１図の排
気バイパス装置の要部拡大の縦断面図、第３図は
本考案の一実施例における排気バイパス装置の要
部の縦断面図である。 １……タービン、３……過給機、４……内燃機
関、５……排気管、７…バイパス弁、８……バイ
パス路、９……ダイヤフラム、１０……ばね材、
１１……ピストン、１１ａ……フイン、１２……
プレート、１２ａ……フイン、１７……放熱板、
１８，１８′……断熱材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排気バイパス装置のダイヤフラム弁のダイヤフ
   ラムの両面をフイン付ピストン及びフイン付プレ
   ートを積層して挟持し、前記ピストン及びプレー
   トを断熱材を介して弁軸に固定してなる過給機付
   内燃機関の排気バイパス装置。