JPS6228928B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は毛髪に化学的変化を与えることなく、
強いセツト保持力を付与することのできる二液型
毛髪処理剤に関する。 髪型の固定化法には酸化剤と還元剤の二液を使
用して毛髪を化学的に処理し、含イオウアミノ酸
のＳ―Ｓ結合を切断し、所望の髪型に整えたの
ち、再結合させて、長期間のセツト保持力を与え
るパーマネント処理法と、ごく短時間のセツト保
持力を与える毛髪に化学的変化を与えない方法と
がある。 毛髪に化学変化を与えるパーマネント処理は非
常に強いセツト保持力が得られるが、必然的に毛
髪に損傷を与え、毛髪の美しさを損う欠点があ
る。 一方、毛髪に化学的変化を与えない方法には、
通常、セツトローシヨン、ヘアセツト、ヘアスプ
レーなどの毛髪化粧料が使用されている。これら
の化粧料には、ポリマーを用いて毛髪表面に薄い
膜を形成させて髪型を固定するタイプと毛髪に湿
気を与えて毛髪中の水素結合を緩やかにし、つい
で熱を加えて乾燥させて髪型に合つた水素結合を
再形成させるタイプとがある。 ポリマーを用いるタイプは毛髪にゴワゴワした
感じを与え、また、髪が重たい感じを与える。髪
型保持力を高めるためにポリマーの使用量を多く
すると、髪がベタベタして汚れ易いという欠点も
有する。 水素結合を利用するタイプは水をスプレーした
のち熱風乾乾燥するだけで良いが、髪型保持力が
弱いこと、髪の艶を失なうなど欠点が多く、通
常、ポリマーを用いる方法を補助的に補なうため
に用いられるに過ぎない。 さらに、これら方法に共通する欠点として、湿
気、特に雨に濡れたときに、すぐに髪型が崩れる
ことがある。 本発明は、上述の如き問題点を解決するもので
あつて、毛髪に化学的変化を与えずに、比較的強
いセツト保持力と強い耐水性を与え、しかもカー
ルなど髪型が容易に整えられる毛髪処理剤を提供
するものであつて、脂肪酸の水溶性塩を含む水性
溶液を第１液とし、水溶性多価金属塩を含む水性
溶液を第２液とし、第１液と第２液を反応させて
水不溶性脂肪酸多価金属塩を形成させることを特
徴とする。 第１液は脂肪酸の水溶性塩を含む水性溶液であ
り、脂肪酸としては水不溶性の多価金属塩を生成
するものであれば特に制限はないが、炭素数６〜
20の脂肪酸が適しており、また、飽和の脂肪酸が
好ましい。脂肪酸の具体例としては、カプロン
〓〓〓〓
酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、アラキン酸およびこれらの
混合物が挙げられる。 脂肪酸の水溶性塩としては、アルカリ金属塩お
よびアルカノールアミン塩が例示できる。特に、
ナトリウム塩、カリウム塩およびトリエタノール
アミン塩が好ましい。 第１液の溶媒は、主に水であり、低温での流動
性、粘度、使い易さ等を考慮して、エタノール等
の低級アルコール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン等の低級多価アルコ
ール、非イオン性水溶性高分子などが任意に使用
できる。また、第２液との識別のため、使用感を
高めるため等の理由から、色素、香料、防腐剤な
どを必要に応じ任意に使用することもできる。 第２液は水溶性多価金属塩を含む水性溶液であ
る。 多価金属塩は水溶性であれば、無機化合物、有
機化合物のいずれもが使用でき、好ましい多価金
属はアルミニウムおよびジルコニウムである。水
溶性多価金属塩の具体例としては、硫酸アルミニ
ウム、酢酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、硫
酸ジルコニウムが挙げられる。 第２液の溶媒は主として水であるが、多価金属
塩の溶解性を阻害しない範囲で低級アルコール
類、低級多価アルコール類等を水と共に使用する
こともできる。さらに、色素、香料、防腐剤など
を必要に応じ、任意に使用することができる。 第１液および第２液の濃度は、希釈するときの
希釈倍率、直接毛髪に適用する際の使い易さ、水
溶性多価金属塩の溶解度、水溶性脂肪酸塩との使
用割合などの種々の条件により適宜設定されるも
のであるが、実用上、第１液中の水溶性脂肪酸塩
の量は0.01〜20重量％、好ましくは0.05〜15重量
％が適当であり、第２液中の水溶性多価金属塩の
濃度は0.01〜25重量％、好ましくは0.1〜15重量
％が適当である。 本発明の二液型毛髪処理剤を用いて毛髪を処理
するには、第１液と第２液とを用いて毛髪を順次
処理し、毛髪上に水不溶性多価金属塩を形成すれ
ばよい。通常は、先づ第１液で処理し、次いで第
２液で処理するが、この逆の処理順序でもよい。 たとえば洗髪後に、リンスと同様の使用方法
で、先ず第１液を適用する。この方法としては、
第１液をそのまま、あるいは少量の水と共に毛髪
にすりこむように毛髪になじませる方法と、第１
液を適当な濃度に希釈してその水溶液に毛髪全体
を浸漬する方法などがある。第１液を毛髪に直接
塗布する場合は、第１塩の水溶性脂肪酸塩の濃度
は0.01〜２重量％程度が適当であり、毛髪を浸漬
する場合は、浸漬液の濃度は0.01〜１重量％程度
が適当である。 第１液で毛髪を処理した後、軽くすすぐかまた
は余分の水を絞つてから、第２液を適用して毛髪
上に脂肪酸多価金属塩を形成させる。この適用方
法も第１液による処理と同様に、第２液をそのま
ま、あるいは少量の水と共に毛髪にすり込むよう
に毛髪になじませる方法と、第２液の希釈水溶液
を調製して毛髪を処理する方法がある。毛髪を浸
漬する場合は、浸漬溶液は水溶性多価金属塩を
0.01〜５重量％含有するのが適当である。 第１液と第２液とを用いて毛髪を順次処理した
あと、通常、水気を軽く拭き取り、ついで、カー
ラーなどの整髪用具を用いて髪型を整え、ドライ
ヤーなどにより熱風乾燥すればよい。 本発明の毛髪処理剤によれば、毛髪上で水溶性
の脂肪酸塩と多価金属塩とが反応して水不溶性の
脂肪酸多価金属塩が形成され、この不溶性塩が水
をはじくため、不溶性塩が髪型を保持すると同時
に雨や湿気による水素結合の緩みを防止し、水に
対して抵抗性のある髪型保持力が得られる。 実施例 処女毛をラウリル硫酸ナトリウム１％の水溶液
で３回洗浄して自然乾燥させ、長さ20cmに切りそ
ろえて１ｇづつ束ね、性能評価に用いる毛束とし
た。 一方、毛髪の処理を行なうために、各種の水溶
性脂酸塩の水溶液（第１液）と、水溶性多価金属
塩の水溶液（第２液）を調製した。 次に、予め用意した上記の長さ20cm、重さ１ｇ
の毛束を第１液に浸漬し、すぐに引き出して、第
２液にその毛束を浸漬した。処理を終えた毛束を
軽くすすいでから、直径25mmのカーラーに巻きド
ライヤーで乾燥した。 得られたカールの付いた毛束に霧吹きで水を噴
霧して湿らしてから毛束の長さを測り、カールの
保持力を調べた。 〓〓〓〓
対照として、単に水に浸したのみの毛束を同様
に25mmのカーラーに巻き、ドライヤーで乾燥して
水を噴霧し、カールの保持力を調べた。 使用した薬剤の種類および濃度とともに毛束の
長さを第１表に示す。毛束の長さが短い程、カー
ル保持力の良いことを示す。

【表】 〓〓〓〓

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 脂肪酸の水溶性塩を含む水性溶液を第１液と
   し、水溶性多価金属塩を含む水性溶液を第２液と
   し、第１液と第２液を反応させて水不溶性多価金
   属塩を形成させる二液型毛髪処理剤。 ２ 脂肪酸の水溶性塩が炭素数６〜20のアルカリ
   金属塩またはアルカノールアミン塩である特許請
   求の範囲第１項記載の処理剤。