JPS62288776A - ピストンリング - Google Patents

ピストンリング

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JPS62288776A
JPS62288776A JP13157186A JP13157186A JPS62288776A JP S62288776 A JPS62288776 A JP S62288776A JP 13157186 A JP13157186 A JP 13157186A JP 13157186 A JP13157186 A JP 13157186A JP S62288776 A JPS62288776 A JP S62288776A
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alloyed
piston ring
hard
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JP13157186A
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Takashi Tomota
隆司 友田
Noritaka Miyamoto
典孝 宮本
Joji Miyake
譲治 三宅
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 3、発明の詳細な説明 産業上の利用分野 この発明は自動車用エンジン等に使用されるピストンリ
ングに関し、特にリングの18!動百等にCV D (
Chemical Vaper Deposition
 )もしくはPVD (Physical Vaper
 Deposition )によりrrN、r;c等の
硬質なセラミック被膜を形成したビス[・シリングに関
するものでおる。
従来の技術 一般に自動車用エンジン等に使用されるピストンリング
には、それ自体の耐摩耗性が優れていることが要求され
るとともに、1習勤相手材でおるシリングボアをできる
だけ摩耗さけないようなものでおること、すなわち相手
攻撃性が小さいことが要求され、ざらにこのほか耐焼付
性が優れていることなども要求される。
従来このような要求から、ピストンリングの1占勅面に
MO溶射や窒化を施して硬質層を形成刃ることが広く行
なわれているが、Mo溶射では相手攻撃性が大ぎいこと
が多く、また窒化では耐焼付性が低いなど、それぞれ一
長一短が必り、未だ満足できる技術は確立していなかっ
たのが実情である。
そこで最近ではCVDや、イオンプレーテイングで代表
されるPVDすなわちいわゆる気相メッキによってTi
CやTiNで代表されるセラミック硬質被膜を形成した
ピストンリングが例えば特開昭57−57868号公報
や実開昭59−126159号公報などにおいて提案さ
れ、注目を浴びている。PVDもしくはCVDによって
TiC,TiNの硬質被膜を形成した場合、その被膜自
体の硬さはHv2000〜3000程度と著しく高く、
また摩擦係数は比較的小さいため、優れた耐摩耗性と低
い相手攻撃性を有するピストンリングが得られるものと
期待される。
しかしながら、現在の技術では、CVDもしくはPVD
によって密着性良くしかも層内にクラック等の欠陥を(
Gかずに被膜形成可能な膜厚みは7シm以下に過ぎない
。このように膜厚が薄いため、被膜自体は著しく硬質で
あっても、下地としてのピストンリング母材の表面層が
軟質であれば優れた耐摩耗性を充分に発揮させることは
できない。
換言すれば、CVDもしくはPVDによりT r c。
TiNの硬質被膜を形成して優れた耐摩耗性を有するピ
ストンリングを1りるためには、硬質被膜の下地でおる
母材の少なくとも表面層を高硬度化しておくことが必要
である。
そこで従来から、ビス1〜ン母材の表面層の硬度を高め
る手法として、予め焼入れ、浸炭焼入れ、了化等の表面
硬化処理を施しておく方法(例えば実開昭59−126
159号公報等)が知られており、またピストン母材の
鋼材自体として、工具m等の硬質合金鋼を用いる方法も
知られている。
発明が解決すべき問題点 前述のようにCVDもしくはPVDによるTiNやTi
C等の硬質セラミック被膜の下地としてのピストン母材
の少なくとも表面層の硬度を高める手法のうち、焼入れ
、浸炭焼入れ、窒化などの表面硬化処理を施しておく方
法では、処理温度が高いため、ピストンリング全体の強
度、靭性が低下する問題があり、またCVDやPVDに
よる硬質セラミック被膜が摩耗によって消滅した時の耐
焼付性が劣り、そのため硬質被膜消滅時にスカッフィン
グが生じてしまうことが多いという問題がおる。
ざらに、CVD、ヤPVDの処理時には母材表面が50
0〜800℃の高温となるから、焼入れ等により表面硬
化処理を施しておいてもCVD処理やPVD処理処理品
温により焼戻しを受けて母材表面層が軟化してしまう問
題がある。すなわらCVDは、金属化合物塩やその他の
反応物質を含むベーパーを高温の母材表面で分解させて
、金属ヤ金屈の窒化物や炭化物等を母材表面に析出さけ
る方法で必って、本質的に母材表面が高温に加熱される
ことが不可欠である。またPVDのうちでもイオンブレ
ーティング法においては、イオンや電子の衝撃により母
材表面が高温に加熱される。したがってこれらの方法で
は母材表面が高温となることは避けられず、例えばTi
NヤTiCの硬質被膜を生成する場合、母材表面は50
0〜800℃程度には温度上昇する。そのため、CVD
やPVDにより鋼表面にTiCやTiNの硬質被膜を生
成する場合、予め母材の鋼表面層を焼入れ等により硬化
させておいても、CVD処理ヤPVD処理中に母材の鋼
表面層が高温で軟化してしまうことが多く、このように
母材鋼表面層が軟化してしまえば、既に述べたように折
角TiCヤTiNの硬質被II!を生成しても充分な耐
摩耗性向上効果を発揮できなくなる。
また前述のように、ピストン母材の鋼材自体として工具
鋼等のvj!質合会合金鋼いた場合でも、その高温軟化
抵抗(焼戻し抵抗)が小さい場合には、CVDヤPVD
による処理時の高温によって母材表面層が軟化してしま
うことを避は難かった。
もちろんピストン母材の鋼材として、特に高温焼戻し抵
抗の高い高合金鋼を用いることも考えられるが、その場
合には合金元素添加量か多くなってコストアップを招く
とともに、加工性や成形性が低下するなどの別の問題を
招く。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、鉄
系材料からなる母材の少なくとも摺動面にCVDもしく
はPVDによる硬質セラミック被膜が形成されたピスト
ンリングにおいて、母材の著しい高コスト化や母材の成
形性、加工性の低下を招くことなく、耐摩耗性を充分に
向」ニさせるとともに、母材の強度低下を防止し、かつ
硬質セラミック被膜消滅後の耐焼付性を確保し1ワるよ
うにしたピストンリングを提供することを目的とするも
のである。
問題点を解決するための手段 この発明のピストンリングは、鉄系材料からなるピスト
ンリング本体の少なくとも摺動面の表面層に、炭化物形
成元素を含む材料が合金化された合金化層が形成されて
おり、かつその合金化層の上にCVDもしくはPVDに
より硬質セラミック被膜が形成されていることを特徴と
するものである。
作   用 この発明のピストンリングの代表的な例の断面構造を第
1図に示す。第1図において1は炭素鋼等の鉄系材料か
なる母材であって、この母材1は全体として通常のピス
トンリング形状に作られている。母材1の各面のうち、
少なくともシリンダボアに摺擦される面すなわち摺動面
2の表面層には、炭化物形成元素を含む材料が合金化さ
れて合金化層3が形成されており、この合金化層3の上
にCVDもしくはPVDによる硬質セラミック被膜4が
形成されている。
ここで、母材表面層に合金化されて合金化図を形成する
炭化物形成元素としては、母材の主成分で必るFeより
も炭化物形成傾向が強い元素と定義することができ、例
えばCr、M○、W、Ta、V、Nb、Ti、Zrなど
を用いることができ、またこれらのうちの1種のみを用
いても、また2種以上を同時に用いても良い。このよう
な炭化物形成元素を母材表面に合金化するにあたっては
、その炭化物形成元素を含む材料(以下これを合金化材
料と記す)を母材表面に配置し、その上からレーザ、プ
ラズマ、電子ビーム、TIGアーク等の高密度エネルギ
ビームを照射し、合金化材料を溶融させると同時に、そ
の下側の母材の表面層をも溶融させる。斯くすれば炭化
物形成元素が母材の表面層に合金化され、その溶融層が
凝固することによってその炭化物形成傾向の炭化物やF
eとの複合炭化物が分散した硬質な合金化層が生成され
る。
ここで、合金化材料は、要は炭化物形成元素を含んでい
るものであれば良く、例えば実質的に炭化物形成元素の
みからなる単体金属の粉末等を用いても良く、おるいは
その炭化物形成元素がCと結合した炭化物の形態で合金
化材料として用いても良い。前者の場合は、合金化材料
の炭化物形成元系単体金属が合金化時に母材である鋼等
の表面層中の固溶Cやセメンタイトと結合して炭化物(
Feとの複合炭化物を含む)を形成し、一方後者の場合
には合金化材料中の炭化物が溶融した母材表面層中に拡
散してその母材表面層中に分散することになる。もちろ
ん炭化物形成元素の金属とその炭化物が混合・合金化し
ている状態のものを合金化材料として使用しても良く、
またそれらのいずれか一方もしくは両者とFeとが合金
化されているいわゆる母合金を用いても良い。なお炭化
物を合金化材料として用いる場合には、母材表面層との
合金化を容易にするため、[eと前記炭化物との両者を
含む母合金を合金化材料として用いることが望ましい。
また合金化材料を配置する手段としては、粉末の材料を
直接配置したり、あるいは粉末を溶射して溶鋼層を形成
しておいたり、また粉末の混練物の状態で配置したり、
ざらには薄板の状態で配置したりすれば良い。
上述のようにして形成される合金化層における炭化物形
成元素の含有間は特に限定しないが、平均で2wt%〜
20wt%程度か好ましい。2wt%未満では充分に高
温焼戻し抵抗を高めることが困難で必り、一方20wt
%を越えても高温焼戻し抵抗は変わらないたいめ、コス
ト而から20wt%以下が好ましい。
また合金化層の厚みが20νm未満では最終的にCVD
もしくはPVDによる硬質被膜生成後に充分な耐摩耗性
を発揮させることが困難となる。一方合金化層の厚みが
50νmを越えるような厚い合金化層を生成する場合、
合金化材料中における入熱によってピストンリング強度
が低下してしまうおそれがおる。したがってピストンリ
ングとして優れた性能を得るためには合金化層の厚みを
20〜5Qpmの範囲内とすることが好ましい。
以上のような合金化層の上に形成される硬質セラミック
被膜はCVDもしくはPVDによって生成される。これ
らのCVDやPVDによる硬質セラミック被膜生成処理
は、公知の方法に従って行なえば良い。例えばCVDに
よりTiC被膜を生成する場合は、ペーパーソースとし
てT i Cff14十Ca’HsCH3を用いるとと
もにキャリヤガスとしてH2ガスを用い、また同じ<C
VDによりTiN被膜を生成する場合は、ペーパーソー
スとしてT i Cl14を用いるとともにキャリヤガ
スとしてN2、もしくはN2+H2を用いれば良い。
またPVDとしてはlE着、イオンブレーティング(ド
ライブレーティング)、スパッタリングなどが必るが、
イオンブレーティングが最も好ましい。イオンブレーテ
ィングによりTiN被膜やT + C被膜を生成する場
合、それぞれ蒸発材料としてT+N、lcを用いたり、
あるいは反応性スパッタリングによってTiN、TiC
を生成しても良い。
硬質セラミック被膜を開成するセラミック物質は、硬さ
がtlv1000程度以上の超硬質物質でおれば良く、
TiC1TiNのはかCrNなどを用いることができる
。またこの硬質セラミック被膜の厚みが2.1>m未満
では、母材に均一にセラミック被膜を付着させることが
困難となり、また仮に均一に付着さt!得たとしても、
充分な耐摩耗性を発揮することができなくなるおそれが
おる。一方硬質セラミック被膜が5pmを越える厚膜と
なれば、CVDvJPVDでは層内の密着強度や画材と
の密着強度が低下し、被膜のカケやクラックが生じ易く
なる。したがって硬質セラミック被膜の厚みは2〜5p
mの範囲内とすることが好ましい。
以上のようなピストンリングにおいて、PVDもしくは
CVDによる硬質セラミック被膜の下地としての合金化
層は、Cr、MO,W等の炭化物形成元素を含む材料が
i14等の鉄系材料からなる母材に合金化されることに
よって、鋼中の炭化物(セメンタイト)をこれらの炭化
物形成元素によって複合強化した複合炭化物や、それら
の炭化物形成元素自体の炭化物が分散した状態となって
いる。これらの炭化物はいずれも単に硬質であるばかり
でなく熱的に安定でおり、したがってこれらの炭化物が
分散していることにより優れた高温焼戻し抵抗く耐軟化
抵抗)を示す。したがってC■D処理もしくはPVD処
理時に母材表面層が500〜800°Cの高温に昇温し
ても、その母材表面層(合金化層)が軟化することが有
効に防止され、CVD、PVD処理後も高い硬度を維持
する。そのため最終的にTiNヤTiC等の硬質ピラミ
ック被膜が生成された状態で、母材表面層(合金化層)
がTiNやTiC等の硬質セラミック被膜に対するバッ
クアツプ層として機能して、優れた耐摩耗性を発揮する
ことができる。また前記合金化層は、従来の窒化層など
と比較して耐焼付↑1に優れており、したがって硬質ご
ラミック被膜が摩耗によって消滅した場合においてもビ
ス1〜シリングやその相手材であるシリングポアにスカ
ッフィングが生じるおそれが極めて少ない。
そしてまた、特に合金化層の厚みを50)Jm以下とす
れば、合金化処理時にピストンリングが軟化してピスト
ンリング全体としての強度を低下させることが防止され
る。さらに、硬質セラミック被膜の厚さを特に5pm以
下としておけば、硬質セラミック被膜の層内における密
着性や母材との密着性を充分に確保することができ、し
たかつて硬質セラミック被膜のクラック発生や欠は落ち
を防止することができる。
なお第1図においては、ピストンリングの摺動面2のみ
に合金化層3および硬質セラミック被膜4を形成したも
のとしたか、より耐久性能を高めるためには、第2図に
示すようにピストンのリング渦に接するリング上面5お
よび/またはリング下面6にも前記同様な合金化層3お
よび硬質ピラミック被膜4を形成しておくことが望まし
い。このようにすれば、シリングポアとの間の摩耗に対
してのみならず、ピストンのリング溝との間の摩耗に対
しても優れた耐摩耗性等を発揮することができる。
実施例 [実施例1] ff1lilWのφ80mのコンプレッションリング用
ピストンリング母材に第1表の記号A−Eに示す処理を
施して本発明例のリングおよび比較例のリングを得た。
第  1  表 ここで、本発明例り、Fは、第2図に示すようにリング
摺動面2d′3よびリング上下面5.6に、合金化IJ
 rE+としてのMoCもしくはWO2−厚さ50pm
に溶射した後、シー11照射によってその合金化材料溶
則層とその下側のは材最表面層を溶融・再凝固させて合
金化層3を形成し、その後500°CX3tlrの熱処
理を施し、さらにその合金化層の表面に研磨およびラッ
ピング仕上げを施して2pmR7の粗さとし、その後P
 V D 9!a理としてイオンブレーティングにより
3戸厚のT i N層4を500℃×2hrで形成した
一方比較例A、Bは、硬化処理として窒化もしくはMO
)容躬を施した後、本発明例り、Eの場合と同様な研磨
、ラッピング仕上げを施して表向粗さをり、 l=と同
様に2、C)umRZとしたものであり、PVDによる
TiNコーティングは行なわなかった。また比較例Cは
、母材表面の研磨・ラッピング仕上げを施した後、表面
硬化処理は行なわずに、本発明例り、Eと同様な条件で
PVI理で3pm厚のTiN層を形成したものでおる。
以上のようにして処理されたA−Eの各ピストンリング
の因動面および上下面の硬さの測定結果を第1表中に示
す。
[性能試験11 前記実施例1で作成したピストンリングをコンプレッシ
ョンリングとして各々鋳鉄製シリンダブロックで作られ
た別個のエンジンに組入れて、実機エンジンによる連続
高速耐久試験を300時間行ない、ピストンリングl晋
動面および鋳鉄製シリングブロックポア面の摩耗を測定
した。その結果を第3図に示す。
第3図から、PVDによるTiN被膜の下地としての母
材表面層MoCもしくはWC合金化層を形成した本発明
材り、Eを用いた場合は、いずれも比較材A−Cを用い
た場合と比較してリング摩耗、ボア摩耗ともに少なく、
ピストンリングとして浸れた耐摩耗性を有するとともに
相手攻撃性が小さいことか明らかである。
’に i13 P V DによるTiNコーティングの
下地の母材表面に硬化処理を施さなかった比較材Cにお
いては、リング摺動面および上下面のTiN層が消滅し
て、母材が露出していた。これに対し本発明材り、Eは
、耐久試験後もTiN被膜が1μm程度残っていること
が確認された。
U性能試験2」 実施例1で作成したピストンリングA〜Fを各々別個の
エンジンに組み入れて、実機エンジンによる冷熱サイク
ル試服を200時間行なった。
その結果、窒化のみの比較材へにおいては試験開始直後
にスカッフか発生した。これは窒化層の耐焼付性の低さ
によると考えられる。
一方比較材Bおよび本発明材り、Eはエンジン運転上は
200[li間まで異常は生じなかったか、比較材Bを
用いたエンジンではシリンダボアか20pm程度摩耗し
ており、本発明材り、Eを用いたエンジンのシリンダボ
ア摩耗2νmに比べ著しく人ぎかつ lこ。
また比較材Cは本発明材り、Eとほぼ同様な禎性を示し
たが、試験終了後リングとボアにスカッフ初期の傷が一
部にル2められた。これは、比較TiN層が消滅した後
におけるリング母材とシリンダボアとの耐焼付性が低い
ことから生じたものであることが確認された。
「実施例2」 前)ホの各試験から、PVDによるTiN硬質被膜の下
地としてMoCもしくはWCの合金化層を形成した場合
の効果が大ぎいことが判明したため、次に実開昭59−
126159−Q公報で提案さ°れているもの、すなわ
ちPVDによる硬質セラミック被膜の下地処理として窒
化を施したビス1〜ンリングを作成し、これを比較材「
とじた。この比較材Fのビス1〜ンリングは、実施例1
における比較材Aと同様にして下地硬化層として50.
L1m厚の窒化層を形成した後、実施例1における本発
明材り、Eと同様な条件で3pm厚のTiN層をPVD
法により形成したものでおる。
[性能試験3] 前記性能試験1と同様な方法で本発明材り、E、および
比較材Eをエンジンに別個に組入れて連続高速耐久試験
を行なったところ、摩耗特性はほぼ同様の特性を示した
[性能試験4] 本発明材り、Eおよび比較材Fの各ピストシリングにつ
いて、前記性能試験2と同様な冷熱)ナイクル試験を5
00時間行なった。その結果、本発明材り、Eを用いた
場合は500時間まで何の異常も示さなかったのに対し
、比較材Fを用いた場合は250時間でスカッフが発生
した。
試朕後のリングを調査した結果、本発明材D、Eの摺動
面はTiN層がほとんど消滅していたが、スカッフ等の
異常は全く認められなかった。一方比較材「では本発明
材D、[と同様にTiN層が消滅しており、しかもリン
グ摺動面の窒化層とシリンダボアに無数のスカッフ傷が
認められた。
[実施例3] 実施例1における本発明材りと同様な方法でMoC合金
化およびPVDによるTiN被膜の形成を行なうにあた
って、合金化処理時におけるレーザの送り速度、出力を
コン1〜ロールして合金化層厚さを10〜70JJmの
範囲で変化させた。なおいずれの場合も合金化層の上に
3pmのTiN層を形成した。
[性能試験5] 実施例3で作成した各ピストンリングの折損強度を調べ
るために、合い口拡げ試験により、リング切損に至るま
での拡げ母を各々測定した。その結果を第4図に示す。
第4図から合金化層厚さが50umを越えれば急激にリ
ング強度が低下することが認められた。したがって合金
化層厚さは503.In以下が好ましいことが判る。
[実施例4] 実施例1における本発明材りと同様な方法でMoC合金
化およびPVDによるTiN被膜の形成を行なうにあた
って、合金化層厚さを10〜50JJm、TiN被膜の
厚さを1〜8pmまでそれぞれ変化させて、種々の合金
化層厚み、種々のTiN被膜厚みを組合せた多数のピス
トンリングを作成した。
[性能試験6] 実施例4で19だ各ピストンリングを性能試験1と同様
なエンジン実機評価にかけて耐摩耗性を評価した。その
結果を第5図に示す。第5図において、X印は、TiN
層のカケやクラックが生じたちのめるいは耐摩耗性が前
記本発明材り、Eより劣るものを示す。また○印はTi
N層のカケやクラックが生じず、かつ耐摩耗性が前記本
発明材D、Eと同等またはそれ以上であったものを示す
第5図に示されるように、TiN層の厚さが6pm以上
のものでは、リング製造時あるいは耐久評価中にTiN
層のカケやクラックが発生した。これは、TiNが厚膜
になるに従って層内の密着強度あるいは母材との密着強
度が低下するためと考えられる。
またT i Nliの厚みが2)Jm未満では第3図に
示される本発明材り、Eと比較して耐摩耗性が不足する
ことが判明した。これは、TiN層が薄すぎるため、均
一に母材に付着しないことが必ることおよび硬質波tP
J(TiN)層の耐摩耗i生を充分に生かせないことに
起因すると考えられる。
一方、TiN層の厚みが2〜5pmでは、合金化層厚み
が20〜505Jmの場合に第3図の本発明材D、Eと
同様に優れた特性を示した。
これらの結果から合金化層厚さ20〜sopm、 pv
Dによる硬質セラミック被膜層の厚さ2〜5νMがこの
発明における最適な組合せでおることが判明した。
発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、この発明のビス1
−シリンダは、鉄系材料からなる母材の少なくともl占
動面の表面層がMO,W等の炭化物形成元系を含む材料
が合金化されて炭化物の分散した硬質な層とされてあり
、その硬質な合金化層の上にTiNヤTiC等の超硬質
なセラミック被膜がCVDもしくはPVDにより形成さ
れているものであり、このようにCVDもしくはPVD
による硬質セラミック被膜の下地層として形成した母材
表面の合金化層は、炭化物が分散したものでおるため硬
質でおるばかりでなく高温耐軟化特性にも潰れており、
したがってCVDヤPVD処理時において母材表面が高
温となっても充分な硬度をIff持するため、硬質セラ
ミック被膜に対するバックアツプ層として有効に別面し
、倒れた耐17耗性を発揮させることができる。また硬
質セラミック被膜の下地の合金化層は、摩耗により硬て
1セラミツク被膜が消失した状態でシリンダボアに対し
優れた耐焼付性を示し、したがって硬質セラミック被膜
が消失した状態でもスカッフィングが生じることを有効
に防止して、シリンダポアおよびピスンリングの耐久性
を高めることができる。なお、合金化層は表面層のみに
形成されるものであるから、ビスl〜ンリング全体を高
合金化した場合と比較すれば格段に低コストで得ること
ができ、また合金化層は母材をピストンリング形状に成
形、加工後に形成すれば良いから、このような合金化層
の存在により成形性、加工性を損なうおそれはない。
ざらに、合金化層の厚みを特に507,1m以下とすれ
ば、合金化層形成のための合金化処理時にピストンリン
グ全体の強度を低下させるおそれはなく、高強度のピス
トンリングを1昇ることができ、また硬質セラミック被
膜の厚みを5.L、1m以下とすれば、充分な昼前性を
有する硬質セラミック?7!膜を1% ’C1硬質セラ
ミック被膜のカケやクラックを防止し、耐久性を一層高
めことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のピストンリングの基本的な例を示す
断面図、第2図はこの発明のピストンリングの他の例を
示す断面図、第3図は実施例における性能試験1による
耐摩耗性能を示すグラフ、第4図は実施例における性能
試験5による切損に至るまでの拡げ量を示すグラフ、第
5図は実施例における性能試験6による耐摩耗性評価を
示す図である。 1・・・母材、 2・・・摺動面、 3・・・合金化層
、 4・・・硬質セラミック被膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)鉄系材料からなるピストンリング母材の少なくと
    も摺動面の表面層に、炭化物形成元素を含む材料が合金
    化された合金化層が形成されており、かつその合金化層
    の上にCVDもしくはPVDにより硬質セラミック被膜
    が形成されていることを特徴とするピストンリング。
  2. (2)前記合金化層が20〜50μmの範囲内の厚みで
    形成されている特許請求の範囲第1項記載のピストンリ
    ング。
  3. (3)前記硬質セラミック被膜が2〜5μmの範囲内の
    厚みで形成されている特許請求の範囲第1項記載のピス
    トンリング。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009507160A (ja) * 2005-09-01 2009-02-19 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 内燃機関用のピストンリングを製作するための方法及びこのようなピストンリング

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JP2009507160A (ja) * 2005-09-01 2009-02-19 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 内燃機関用のピストンリングを製作するための方法及びこのようなピストンリング

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