JP2002371352A - バナジウム系被膜の成膜方法 - Google Patents

バナジウム系被膜の成膜方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼の焼き戻し温度より低い成膜温度でも溶融塩
拡散法によるのと同等の硬度とともに、実用密着性およ
び靱性を備えたバナジウム系被膜を形成可能なバナジウ
ム系被膜の成膜方法を提供すること。 【解決手段】VN膜14、VCN膜16及びVC膜18
のいずれか一層又は二層以上からなるバナジウム系被膜
をイオンプレーティングにより無機基材12の表面に反
応成膜させる方法。バナジウムを蒸発源とし、注入ガス
を窒素ガス及び/又は炭化水素ガスとして注入ガス量・
ガス比を膜種・膜厚に対応させて調節維持することによ
り、バナジウム系被膜の各層をそれぞれ反応成膜させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はVN膜、VCN膜及びVC膜のい
ずれか一層又は二層以上からなるバナジウム系被膜を無
機基材の表面に成膜する方法に関する。特に、鍛造やプ
レス成形等の金属塑性加工用金型に好適な被膜の形成方
法に関する。
【0002】
【背景技術】従来、プレス成形等の金型は、基材が一般
に鋼製であるため、耐摩耗性等の耐久性を維持するため
に、硬質皮膜処理をする必要がある。
【0003】そして、硬質皮膜処理のひとつとして炭化
バナジウム(VC)膜処理がある。そして、VC膜の形
成方法は、熱反応析出拡散法(TRD法:Thermal Reac
tiveDeposition and Diffusion)が主流であった(特開
昭49−118637号・特公昭54−7610号・特
公昭56−18670号公報等参照)。
【0004】しかし、上記TRD法の場合、浴温を80
0〜1200℃(前記公報参照)とする必要があり、作
業環境、省エネルギー、生産性等の見地から望ましくな
かった。すなわち、作業環境が高温となり、浴温を維持
するためのエネルギーが必要となるとともに、被膜処理
後の製品の冷却にも時間を要した。
【0005】また、母材(基材)が鋼である金型の場
合、鋼の焼き戻し温度(通常、550〜650℃:「半
導体・金属材料用語辞典」工業調査会、1999参照)
よりはるかに高い温度に母材がさらされる。このため、
金属塑性加工用金型のような高い寸法精度が要求される
鋼製品の場合不適であった。
【0006】
【発明の開示】本発明は、上記にかんがみて、鋼の焼き
戻し温度より低い成膜温度でも溶融塩拡散法によるのと
同等の硬度とともに、実用密着性および靱性を備えたバ
ナジウム系被膜を形成可能なバナジウム系被膜の形成方
法を提供することを目的(課題)とする。
【0007】上記課題を解決するために、鋭意開発に努
力をする過程で、従来、硬度の低いバナジウム系被膜し
か実用的な密着性や靱性が得られないとされていたイオ
ンプレーティングにより鋼材等の表面に反応成膜させる
場合において、注入ガス量/ガス比を膜種・膜厚に対応
させて調節・維持することにより上課題を解決できるこ
とを見出して、下記構成のバナジウム系被膜の形成方法
に想到した。
【0008】VN膜、VCN膜及びVC膜のいずれか一
層又は二層以上からなるバナジウム系被膜をイオンプレ
ーティングにより無機基材の表面に反応成膜させる方法
であって、バナジウムを蒸発源とし、注入ガスを窒素ガ
ス及び/又は炭化水素ガスとして注入ガス量・ガス比を
膜種・膜厚に対応させて調節維持することにより、前記
バナジウム系被膜の各層をそれぞれ反応成膜させること
を特徴とする。
【0009】上記の如く、ガス注入量ないしガス比を調
節することにより、成膜組成を無機基材に対して密着性
の良好な(通常硬度が低い)組成から耐摩耗性の良好な
(通常硬度が高い)組成へと段階的にないし連続的に変
化させることができる。そして、イオンプレーティング
の成膜温度(基板温度)は、通常550℃が上限であ
る。
【0010】特に、バナジウム系被膜を、基材側から順
に配されたVN膜、VCN膜及びVC膜からなる複合被
膜とすることが、上記目的を達成し易い。
【0011】硬度が、VN:HV2000、VCN:H
V2500、VC:HV3500と順に高くなってお
り、成膜組成を無機基材に対して密着性の良好な(通常
硬度が低い)組成から耐摩耗性の良好な(通常硬度が高
い)組成へと段階的にないし連続的に変化させることが
できるためである。
【0012】さらに、各層の反応成膜工程間の移行に際
して、注入ガス量・ガス比を段階的又は連続的に変化さ
せて各傾斜組成の層間結合層を反応成膜させることが望
ましい。各層間の組成変化の落差(ギャップ)が縮小さ
れて、熱衝撃や機械的衝撃を受けた場合の層間剥離がよ
り発生し難くなるためである。
【0013】さらに、無機基材として鋼材を用いた場
合、成膜時の基板温度を400〜500℃に調節するこ
とが望ましい。
【0014】強靭鋼材の焼き戻し温度が、前述の如く、
通常、約550〜650℃であるため、温度バラツキを
考慮した場合、500℃以下が望ましく、逆に400℃
未満であると、各成膜の密着性を得難くなる。
【0015】上記イオンプレーティングによりバナジウ
ム系被膜を反応成膜させたバナジウム系被膜処理無機製
品は、下記構成のものとなる。
【0016】VN膜、VCN膜及びVC膜のいずれか一
層又は二層以上からなるバナジウム系被膜を無機基材の
表面に備えた無機製品において、バナジウム系被膜が、
成膜組成を無機基材に対して密着性の良好な組成から耐
摩耗性の良好な組成へと段階的にないし連続的に変化し
ていることを特徴とする。
【0017】そして、上記構成において、バナジウム系
被膜が、基材側から順に配されたVN膜、VCN膜及び
VC膜からなる複合被膜とし、さらには、該複合被膜の
各層間に、傾斜組成の層間結合層を介在させる。
【0018】そして、複合被膜の最外層硬度をビッカー
ス硬度:HV3000以上とすることが耐摩耗性の見地
から望ましく、当該硬度は、膜厚比を、VN膜/VCN
膜/VC膜=0.5/0.5/9〜3/3/4とし、合
計膜厚2〜50μmとすることにより得易くなる。
【0019】また、無機基材としては、通常、強靭鋼材
を使用し、製品としては機械的衝撃や熱衝撃をさらされ
易く、寸法精度も要求される金属塑性加工用金型に適用
すると、本発明の効果がさらに顕著となる。
【0020】なお、特開平9−71856号公報に、バ
ナジウム系被膜(VC+40%Ni)をAIP法により
形成する技術が記載されているが、本発明の如く、硬度
の高い(HV2000以上、望ましくはHV3000以
上)バナジウム系被膜を予定していない。
【0021】
【発明を実施するための最良の形態】以下、本発明を実
施形態に基づいて、詳細に説明をする。本明細書で、化
学式VN、VCN、VCは、それぞれ窒化バナジウム
(立方晶系)、炭窒化バナジウム(同)、炭化バナジウ
ム(同)を意味する。
【0022】また、「HV」は、JIS Z 2244に準じて測
定したビッカース硬さを意味する。
【0023】図1は、本発明の一実施形態のバナジウム
系被膜処理無機製品の部分断面図であり、基本的には、
鋼材製の基材12の表面に基材12側から順に配された
VN膜14、VCN膜16、VC膜18からなる複合被
膜(バナジウム系被膜)を備えた無機製品である。
【0024】上記において、基材12側から順にVN膜
14、VCN膜16、VC膜18と配すると、前述の如
く、その順に硬度が高くなり、基材、特に鋼材製基材
(通常、HV600〜900)との硬度差を小さくする
ことができる。したがって、表面硬度が高くても基材と
の密着性を確保し易くなる。そして、VC膜18は、前
述の如く、HV3500であり、耐摩耗性確保の要因
(パラメータ:径数)となる表面硬度を確保しやすい。
なお、さらに耐摩耗性の向上が要求される場合は、耐摩
耗性の他の要因である摩擦係数(動摩擦係数:JIS K 71
25)を低減させることが望ましい。その動摩擦係数
(μ)は、0.3以下、望ましくは,0.2以下とす
る。当該摩擦係数は、後述の如く、炭化水素(炭素供給
源)の量を増大させることにより容易に得ることができ
る。
【0025】本実施形態では、必然的ではないが、さら
に、複合被膜の各層間、すなわちVN膜14/VCN膜
16間およびVCN膜16/VC膜18間に、傾斜組成
の第一・第二層間結合層20、22を介在させてある。
【0026】これらの層間結合層20、22の存在によ
り、各層間の硬度差がさらに縮まり、結果的に機械的衝
撃や熱衝撃による層間剥離が発生し難くなり、結果的に
バナジウム系被膜の靱性が増大する、すなわち、耐久性
が増大する。
【0027】より具体的には、各膜層の膜厚比を、VN
膜14/VCN膜16/VC膜18=0.5/0.5/
9〜3/3/4、望ましくは、1/1/8〜2.5/
2.5/5、最も望ましくは、約2/2/6とし、合計
膜厚2〜50μm、望ましくは3〜10μm、最も望ま
しくは約6μmとする。
【0028】当該VC膜のVN膜またはVCN膜に対す
る膜厚比が大きすぎると、VC膜の膜厚が特に10μm
を越えるような場合、膜の圧縮応力が増大するために、
VC膜が自己破壊若しくは下層(VCN膜)との層間剥
離が発生し易い。また、膜靱性が低くなるため、鍛造時
の衝撃により、VC膜に亀裂が発生し易くなる。
【0029】逆にVC膜のVN膜またはVCN膜に対す
る膜厚比が小さすぎると、被膜全体の硬度がHV330
0以下となって、耐摩耗性を得難くなる。
【0030】また、複合被膜の合計膜厚が小さすぎる
と、所要の表面硬さ(耐摩耗性)を得難く、逆に大きす
ぎると、バナジウム系被膜の基材からの層剥離が発生し
易くなる。また、膜靱性が低下するためプレス・鍛造時
の衝撃により被膜に亀裂が発生し易くなる。
【0031】また、層間結合層20、22の層厚(膜
厚)は、バナジウム系被膜の構成層であるVN膜、VC
N膜、VC膜に比べて、格段に薄いものである。層間結
合の作用を奏すれば、可及的に薄い方が望ましく、通
常、VN膜、VCN膜の0.5/10〜3/10、望ま
しくは、1/10〜2/10、最も望ましくは約1.5
/10とする。設定理由は、下記の如くであると推定さ
れる。
【0032】基材と被膜との硬度格差による剥離を抑制
するために三層構造とするだけで充分と考えられる。ま
た、層間結合層が無くても被膜層間の硬度格差はHV1
000以内であるため、使用目的に対して上記設定以上
の厚さは必要ないと考えられる。
【0033】ここでは、強靭鋼材を使用するのは、金属
塑性加工用金型の如く、機械的衝撃、熱衝撃を受け易い
金属塑性加工用金型等の金属製品(無機製品)を予定し
ているためである。
【0034】鋼材としては、高速度鋼、ダイス鋼、粉末
ハイス鋼、セミハイス鋼等のFe基合金(強靭鋼材)を
好適に使用できる。基材としては、550℃以上の耐熱
性を有すれば、Fe基合金に限られず、Ti基合金、銅
基合金、サーメットさらにはセラミックス等が使用可能
である。ただし、Fe基合金、特に、強靭鋼以外は、焼
き戻しによる寸法歪が発生しないため、本発明の効果の
全てを享受できない。
【0035】上記Fe基合金の具体例としては、SKH
51、SKH55、SKH57等の高速度鋼、SKD1
1、SKD61等の冷間・熱間ダイス鋼、さらには、H
AP10、HAP40等の粉末ハイス鋼(日立金属社
製)、YXR3、YXR7、YXR33等のセミハイス
鋼(同社製)等を挙げることができる。
【0036】次に、上記実施形態の無機製品の製造方
法、すなわち、バナジウム被膜の成膜方法について説明
をする。
【0037】本実施形態では、図2に示すようなイオン
プレーティング装置、通常、アークイオンプレーティン
グ(AIP)装置を用いて行う。AIP法は、バナジウ
ムを蒸発源とし、反応ガスを窒素ガス及び/又は炭化水
素ガスとして注入ガス量・ガス比を膜種・膜厚に対応さ
せて調節維持することにより、VN膜、VCN膜、VC
膜を高純度で基材上に反応成膜させることが容易なため
である。当然、多陰極熱電子照射法、高周波励起法、ホ
ロカソードディスチャージ法、クラスタ法、活性化反応
蒸着法、等他のタイプのイオンプレーティング法も可能
である。
【0038】イオンプレーティング装置は、チャンバー
24内に、バナジウム金属を保持する蒸発源保持部(ポ
ット部)25と、バイアス電圧源26と接続された被処
理物(基材)28を載置する回転テーブル30を備えて
いる。さらに、チャンバー24は、チャンバー内を所定
真空度に維持する排気ポンプと接続される排気口32
と、反応ガス(窒素及び/又はメタン)を導入する反応
ガス導入口34とを備えるとともに、チャンバー24内
を所定温度に維持するとともに基材(基板)28も所定
温度に維持するヒータ36を備えている。
【0039】そして、AIP法により反応成膜する場合
を例に採り説明する。
【0040】蒸発源とするバナジウム(V)は、通常、
ツウナインからスリーナインの純度のものを使用する。
また、バナジウムと反応する元素である窒素及び炭素の
供給源であるガスは、前者は窒素ガス(N2)、後者と
してメタン(CH4)、エタン、エチレン、アセチレン
等の炭化水素ガスを使用可能である。炭化水素ガスとし
ては、未反応性ガスが装置や基材表面を汚染するため、
煤の発生し難い、メタンが望ましい。そして、それらの
純度は、それぞれ、スリーナインからシックスナインと
する。
【0041】そして、AIP法による成膜条件は、表1
の通りとする。
【0042】
【表1】
【0043】上記条件項目の着眼点について以下にそれ
ぞれ説明する。
【0044】真空度:真空度が高すぎる(絶対圧が低
い)と、反応ガス量が少ない状態となり、成膜速度が遅
くなり生産性が低下し、また、成膜された被膜が、金属
成分過多の組成になってしまったり、粒子が粗くて空隙
の多いもの(結晶核の生成が遅くなるためと推定され
る。)になりやすい。
【0045】逆に真空度が低すぎる(絶対圧が高い)
と、反応ガス量が過剰となり、反応に使用されずに充分
に活性化されていないガスが、成長被膜面で吸着インヒ
ビタ(抑制剤)として作用するおそれがある。
【0046】特に、金型に本発明を適用して耐摩耗性の
向上を期待する場合、表面膜(VC膜)は、膜硬度とと
もに滑り性も要求され、そのような場合には、潤滑剤と
して作用するC(カーボン)が膜中に含有させることが
望ましい。しかし、C含有率が過剰になると膜硬度が低
下して、やはり耐摩耗性が低下する。そのようなバラン
スが採れる真空度は、約25〜35mtorr(33.3〜46.6
Pa)、望ましくは約30mtorr(39.9Pa)、メタン
ガス量で、約400〜600mL/min、望ましくは約50
0mL/minとする。
【0047】アーク電流:電流値が低すぎると成膜速
度が遅くなり、逆に高過ぎると、装置の安全性の見地か
ら望ましくない。
【0048】バイアス電圧:一般的に、バイアス電圧
が高いほど成膜速度が遅くなるため、生産性を考慮して
適当な範囲で設定する。供給ガスが窒素(N2)の場
合、バイアス電圧の窒化物成膜結晶にほとんど影響はな
く50〜400V、望ましくは、50〜200Vの範囲
で適宜設定できる。CH4等の炭化水素の場合、バイア
ス電圧が低いと、VCの結晶性が低くなって、炭化物成
膜の耐摩耗性が得難くなる。このため、窒素と同様、5
0〜400Vの範囲でも可能であるが、生産性と結晶性
とのバランスから、約100〜200Vが望ましく、さ
らに望ましくは約150Vとする。
【0049】基板温度:温度が高いほど成膜速度が速
くて望ましいが、省エネルギー及び基材の耐熱性の見地
から、基材が鋼の場合、焼き戻しによる寸法歪が発生し
ない温度以下、通常350〜550℃、望ましくは40
0〜500℃とする。なお、基材がセラミックスの如
く、熱歪が発生しない場合は、イオンプレーティングの
最高温度550℃前後で行ってもよい。
【0050】また、各層間に層間結合層を形成する場合
におけるガス流量及び着膜時間の一例を表2に示す。表
2において、Xはバナジウム充填量および膜厚により異
なるが、例えば、充填量800gで合計膜厚3〜10μ
mの場合、X=300〜1000秒とする。
【0051】
【表2】
【0052】表2の各層間結合層のガス量及び圧力は、
瞬時にその量及び圧力になるわけでなく、通常、着膜時
間の中間時間、例えば40〜50秒後にその圧力に連続
的に上昇して、その後設定値を維持するものである。そ
の点は、VCN膜、VC膜でも同様である。
【0053】なお、上記では、バナジウム系被膜とし
て、VN膜/VCN膜/VC膜の複合被膜を例にとって
説明したが、VN膜、VCN膜及びVC膜の各単層膜で
も、さらには、VN膜/VCN膜、VCN膜/VC膜、
VN膜/VC膜の各複合膜についても同様にして成膜で
きる。鋼を基材とし、複合膜とする場合は、原則的には
硬度の低い方を基材側とし、各層間には、層間結合層を
形成するようにすることが望ましい。
【0054】したがって、本発明の成膜方法は、一番硬
度の低いVN膜でも硬度はHV2000であり、望まし
くはHV3000以上の硬度のバナジウム系被膜を容易
に鋼等の基材上に密着性良好に成膜できる。
【0055】また、本発明のバナジウム系被膜の成膜方
法は、金属塑性加工用金型ばかりでなく、耐摩耗性が要
求されるあらゆる無機製品、例えば、シリンダライナ
ー、バルブリフター、スプロケット、ギヤ、プーリー、
車軸等の輸送機関関連部材、機械部品、治具等に適用で
きるものである。
【0056】
【試験例】次に、本発明の効果を確認するために実施例
1・2・3および比較例1・2について行った試験例を
説明する。
【0057】なお、イオンプレーティング装置は、神戸
製鋼社製「AIP4024型」を用い、Vは純度スリー
ナインのもの800gを充填し、N2は純度ファイブナ
イン、CH4は純度スリーナインのものをそれぞれ使用
した。
【0058】実施例1:表2において、X=600sと
してバナジウム系被膜を基材である金型のプレス面に合
計膜厚約6μmのバナジウム系被膜(VN膜/VCN膜
/VC膜)を成膜した。また、基材は冷間ダイス鋼(S
KD11:HV650、HRC58.0靱性評価と同じ)製
のプレス加工用金型(図3:150mmφ×70mmt)
とした。
【0059】実施例2:実施例1において、設定圧力を
20mtorr(26.6Pa)としたものである。他の条件
は、実施例1と同じ。
【0060】実施例3:実施例1において、X=300
0sとして膜厚約6μmの単層VC膜を成膜した。他の
条件は、実施例1と同じ。
【0061】比較例1・2は、下記に準じて、熱CVD
法及びTRD法に基づいて、膜厚それぞれ約6μmの単
層VC膜及び単層TiC膜を、実施例1と同じ基材(S
KD11製プレス成形用金型)上に成膜(成膜温度:約
1000℃)した。
【0062】そして、上記で得た各実施例及び比較例の
金型について、下記項目の試験を行った。
【0063】(1)耐久性評価試験 実施例1及び比較例1について、ワーク材(SUS、3mm
t)を用いて、不良品が発生するまでの型寿命(摩耗に
よる成形不良)の成形個数を評価した。
【0064】実施例1の型寿命は6万個であったのに対
し、比較例1は約4万個であった。
【0065】なお、このとき型の寸法歪を測定したが、
実施例1は最大でも±40μmであったのに対し、比較
例は平均数100μmであった。
【0066】(2)摩擦係数評価/結果 実施例1・2について、JIS K 7125に準じて、動摩擦係
数を測定した。結果は、実施例1:0.197、実施例2:
0.287で、メタンガス量が多い方が、動摩擦係数が低い
ことが分かる。
【0067】(3)膜靱性評価/結果 実施例「スクラッチテスター」(スイス、CSEM社製商品
名)を用いて、下記方法/条件で評価した。
【0068】方法…ダイヤモンド圧子(120°円錐
形)を被膜に押し付けながら(スクラッチしながら)、
連続的に荷重を0〜100Nまで増大させていき、被膜
にチッピングや剥離等の破壊現象が発生する。通常は、
破壊現象発生時を、臨界荷重値として評価するが、膜靱
性はチッピング開始荷重で評価することが信頼性がある
ため、チッピング開始荷重で評価した。ここで「チッピ
ング」とは、被膜の欠け(欠落)のことである。スクラ
ッチテストを行った場合、圧子荷重の増加に伴い、被膜
はスクラッチ(掻き傷)→チッピング→剥離の順で破壊
されることが多い。
【0069】条件…圧子移動距離:10mm、同移動速
度:10mm/min、同加重速度:1.67N/s 結果は、実施例1:60N、実施例2:45N、比較例
2:30Nであり、本発明の各実施例、特に複合被膜の
実施例1は、靱性(耐チッピング性)が格段に高いこと
が分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるバナジウム系複合被膜の一例を
示すモデル図
【図2】本発明に使用するイオンプレーティング装置の
一例を示す概略モデル図
【図3】試験例に使用する基材であるダイス鋼製金型の
モデル斜視図
【符号の説明】
12 基材 14 VN膜 16 VCN膜 18 VC膜 20 第一層間結合層 22 第二層間結合層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E050 JA01 JB09 JD03 JD04 4K029 BA54 BA55 BA58 BB02 BC00 BC02 BD05 CA04 EA01 EA05 EA08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VN膜、VCN膜及びVC膜のいずれか
    一層又は二層以上からなるバナジウム系被膜をイオンプ
    レーティングにより無機基材の表面に反応成膜させる方
    法であって、 バナジウムを蒸発源とし、注入ガスを窒素ガス及び/又
    は炭化水素ガスとして注入ガス量・ガス比を膜種・膜厚
    に対応させて調節維持することにより、前記バナジウム
    系被膜の各層をそれぞれ反応成膜させることを特徴とす
    るバナジウム系被膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】 前記バナジウム系被膜が、基材側から順
    に配されたVN膜、VCN膜及びVC膜からなる複合被
    膜であることを特徴とする請求項1記載のバナジウム系
    被膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記各層の反応成膜工程間の移行に際し
    て、注入ガス量・ガス比を段階的又は連続的に変化させ
    て各傾斜組成の層間結合層を反応成膜させることを特徴
    とする請求項1又は2記載のバナジウム系被膜の成膜方
    法。
  4. 【請求項4】 前記無機基材として鋼材を使用するとと
    もに、成膜時の基板温度を400〜500℃に調節して
    行うことを特徴とする請求項3記載のバナジウム系被膜
    の成膜方法。
  5. 【請求項5】 前記無機基材として鋼材を使用するとと
    もに、成膜時の基板温度を400〜500℃に調節して
    行うことを特徴とする請求項1又は2記載のバナジウム
    系被膜の成膜方法。
  6. 【請求項6】 VN膜、VCN膜及びVC膜のいずれか
    一層又は二層以上からなるバナジウム系被膜を無機基材
    の表面に備えた無機製品において、 前記バナジウム系被膜が、成膜組成を無機基材に対して
    密着性の良好な組成から耐摩耗性の良好な組成へと段階
    的にないし連続的に変化していることを特徴とするバナ
    ジウム系皮膜処理無機製品。
  7. 【請求項7】 前記バナジウム系被膜が、基材側から順
    に配されたVN膜、VCN膜及びVC膜からなる複合被
    膜であることを特徴とする請求項6記載のバナジウム系
    皮膜処理無機製品。
  8. 【請求項8】 前記複合被膜の各層間に、さらに、傾斜
    組成の層間結合層が介在していることを特徴とする請求
    項7記載のバナジウム系被膜処理無機製品。
  9. 【請求項9】 前記複合被膜の最外層硬度がビッカース
    硬度:HV3000以上であることを特徴とする請求項
    7又は8記載のバナジウム系被膜処理無機製品。
  10. 【請求項10】 前記複合被膜において、膜厚比が、V
    N膜/VCN膜/VC膜=0.5/0.5/9〜3/3
    /4であり、合計膜厚2〜50μmであることを特徴と
    する請求項9記載のバナジウム系被膜処理無機製品。
  11. 【請求項11】 前記無機基材が鋼材であることを特徴
    とする請求項10記載のバナジウム系被膜処理無機製
    品。
  12. 【請求項12】 前記無機基材が鋼材であることを特徴
    とする請求項9記載のバナジウム系皮膜処理無機製品。
  13. 【請求項13】 適用製品が金属塑性加工用金型である
    ことを特徴とする請求項11又は12記載のバナジウム
    系被膜処理無機製品。
  14. 【請求項14】 VC膜が炭素粒子(カーボン粒子)を
    含有することを特徴とする請求項10、11、12又は
    13記載のバナジウム系被膜処理無機製品。
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