JP2002371352A - バナジウム系被膜の成膜方法 - Google Patents
バナジウム系被膜の成膜方法Info
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Abstract
拡散法によるのと同等の硬度とともに、実用密着性およ
び靱性を備えたバナジウム系被膜を形成可能なバナジウ
ム系被膜の成膜方法を提供すること。 【解決手段】VN膜14、VCN膜16及びVC膜18
のいずれか一層又は二層以上からなるバナジウム系被膜
をイオンプレーティングにより無機基材12の表面に反
応成膜させる方法。バナジウムを蒸発源とし、注入ガス
を窒素ガス及び/又は炭化水素ガスとして注入ガス量・
ガス比を膜種・膜厚に対応させて調節維持することによ
り、バナジウム系被膜の各層をそれぞれ反応成膜させ
る。
Description
ずれか一層又は二層以上からなるバナジウム系被膜を無
機基材の表面に成膜する方法に関する。特に、鍛造やプ
レス成形等の金属塑性加工用金型に好適な被膜の形成方
法に関する。
に鋼製であるため、耐摩耗性等の耐久性を維持するため
に、硬質皮膜処理をする必要がある。
バナジウム(VC)膜処理がある。そして、VC膜の形
成方法は、熱反応析出拡散法(TRD法:Thermal Reac
tiveDeposition and Diffusion)が主流であった(特開
昭49−118637号・特公昭54−7610号・特
公昭56−18670号公報等参照)。
0〜1200℃(前記公報参照)とする必要があり、作
業環境、省エネルギー、生産性等の見地から望ましくな
かった。すなわち、作業環境が高温となり、浴温を維持
するためのエネルギーが必要となるとともに、被膜処理
後の製品の冷却にも時間を要した。
合、鋼の焼き戻し温度(通常、550〜650℃:「半
導体・金属材料用語辞典」工業調査会、1999参照)
よりはるかに高い温度に母材がさらされる。このため、
金属塑性加工用金型のような高い寸法精度が要求される
鋼製品の場合不適であった。
戻し温度より低い成膜温度でも溶融塩拡散法によるのと
同等の硬度とともに、実用密着性および靱性を備えたバ
ナジウム系被膜を形成可能なバナジウム系被膜の形成方
法を提供することを目的(課題)とする。
力をする過程で、従来、硬度の低いバナジウム系被膜し
か実用的な密着性や靱性が得られないとされていたイオ
ンプレーティングにより鋼材等の表面に反応成膜させる
場合において、注入ガス量/ガス比を膜種・膜厚に対応
させて調節・維持することにより上課題を解決できるこ
とを見出して、下記構成のバナジウム系被膜の形成方法
に想到した。
層又は二層以上からなるバナジウム系被膜をイオンプレ
ーティングにより無機基材の表面に反応成膜させる方法
であって、バナジウムを蒸発源とし、注入ガスを窒素ガ
ス及び/又は炭化水素ガスとして注入ガス量・ガス比を
膜種・膜厚に対応させて調節維持することにより、前記
バナジウム系被膜の各層をそれぞれ反応成膜させること
を特徴とする。
節することにより、成膜組成を無機基材に対して密着性
の良好な(通常硬度が低い)組成から耐摩耗性の良好な
(通常硬度が高い)組成へと段階的にないし連続的に変
化させることができる。そして、イオンプレーティング
の成膜温度(基板温度)は、通常550℃が上限であ
る。
に配されたVN膜、VCN膜及びVC膜からなる複合被
膜とすることが、上記目的を達成し易い。
V2500、VC:HV3500と順に高くなってお
り、成膜組成を無機基材に対して密着性の良好な(通常
硬度が低い)組成から耐摩耗性の良好な(通常硬度が高
い)組成へと段階的にないし連続的に変化させることが
できるためである。
して、注入ガス量・ガス比を段階的又は連続的に変化さ
せて各傾斜組成の層間結合層を反応成膜させることが望
ましい。各層間の組成変化の落差(ギャップ)が縮小さ
れて、熱衝撃や機械的衝撃を受けた場合の層間剥離がよ
り発生し難くなるためである。
合、成膜時の基板温度を400〜500℃に調節するこ
とが望ましい。
通常、約550〜650℃であるため、温度バラツキを
考慮した場合、500℃以下が望ましく、逆に400℃
未満であると、各成膜の密着性を得難くなる。
ム系被膜を反応成膜させたバナジウム系被膜処理無機製
品は、下記構成のものとなる。
層又は二層以上からなるバナジウム系被膜を無機基材の
表面に備えた無機製品において、バナジウム系被膜が、
成膜組成を無機基材に対して密着性の良好な組成から耐
摩耗性の良好な組成へと段階的にないし連続的に変化し
ていることを特徴とする。
被膜が、基材側から順に配されたVN膜、VCN膜及び
VC膜からなる複合被膜とし、さらには、該複合被膜の
各層間に、傾斜組成の層間結合層を介在させる。
ス硬度:HV3000以上とすることが耐摩耗性の見地
から望ましく、当該硬度は、膜厚比を、VN膜/VCN
膜/VC膜=0.5/0.5/9〜3/3/4とし、合
計膜厚2〜50μmとすることにより得易くなる。
を使用し、製品としては機械的衝撃や熱衝撃をさらされ
易く、寸法精度も要求される金属塑性加工用金型に適用
すると、本発明の効果がさらに顕著となる。
ナジウム系被膜(VC+40%Ni)をAIP法により
形成する技術が記載されているが、本発明の如く、硬度
の高い(HV2000以上、望ましくはHV3000以
上)バナジウム系被膜を予定していない。
施形態に基づいて、詳細に説明をする。本明細書で、化
学式VN、VCN、VCは、それぞれ窒化バナジウム
(立方晶系)、炭窒化バナジウム(同)、炭化バナジウ
ム(同)を意味する。
定したビッカース硬さを意味する。
系被膜処理無機製品の部分断面図であり、基本的には、
鋼材製の基材12の表面に基材12側から順に配された
VN膜14、VCN膜16、VC膜18からなる複合被
膜(バナジウム系被膜)を備えた無機製品である。
14、VCN膜16、VC膜18と配すると、前述の如
く、その順に硬度が高くなり、基材、特に鋼材製基材
(通常、HV600〜900)との硬度差を小さくする
ことができる。したがって、表面硬度が高くても基材と
の密着性を確保し易くなる。そして、VC膜18は、前
述の如く、HV3500であり、耐摩耗性確保の要因
(パラメータ:径数)となる表面硬度を確保しやすい。
なお、さらに耐摩耗性の向上が要求される場合は、耐摩
耗性の他の要因である摩擦係数(動摩擦係数:JIS K 71
25)を低減させることが望ましい。その動摩擦係数
(μ)は、0.3以下、望ましくは,0.2以下とす
る。当該摩擦係数は、後述の如く、炭化水素(炭素供給
源)の量を増大させることにより容易に得ることができ
る。
に、複合被膜の各層間、すなわちVN膜14/VCN膜
16間およびVCN膜16/VC膜18間に、傾斜組成
の第一・第二層間結合層20、22を介在させてある。
り、各層間の硬度差がさらに縮まり、結果的に機械的衝
撃や熱衝撃による層間剥離が発生し難くなり、結果的に
バナジウム系被膜の靱性が増大する、すなわち、耐久性
が増大する。
膜14/VCN膜16/VC膜18=0.5/0.5/
9〜3/3/4、望ましくは、1/1/8〜2.5/
2.5/5、最も望ましくは、約2/2/6とし、合計
膜厚2〜50μm、望ましくは3〜10μm、最も望ま
しくは約6μmとする。
る膜厚比が大きすぎると、VC膜の膜厚が特に10μm
を越えるような場合、膜の圧縮応力が増大するために、
VC膜が自己破壊若しくは下層(VCN膜)との層間剥
離が発生し易い。また、膜靱性が低くなるため、鍛造時
の衝撃により、VC膜に亀裂が発生し易くなる。
る膜厚比が小さすぎると、被膜全体の硬度がHV330
0以下となって、耐摩耗性を得難くなる。
と、所要の表面硬さ(耐摩耗性)を得難く、逆に大きす
ぎると、バナジウム系被膜の基材からの層剥離が発生し
易くなる。また、膜靱性が低下するためプレス・鍛造時
の衝撃により被膜に亀裂が発生し易くなる。
厚)は、バナジウム系被膜の構成層であるVN膜、VC
N膜、VC膜に比べて、格段に薄いものである。層間結
合の作用を奏すれば、可及的に薄い方が望ましく、通
常、VN膜、VCN膜の0.5/10〜3/10、望ま
しくは、1/10〜2/10、最も望ましくは約1.5
/10とする。設定理由は、下記の如くであると推定さ
れる。
するために三層構造とするだけで充分と考えられる。ま
た、層間結合層が無くても被膜層間の硬度格差はHV1
000以内であるため、使用目的に対して上記設定以上
の厚さは必要ないと考えられる。
塑性加工用金型の如く、機械的衝撃、熱衝撃を受け易い
金属塑性加工用金型等の金属製品(無機製品)を予定し
ているためである。
ハイス鋼、セミハイス鋼等のFe基合金(強靭鋼材)を
好適に使用できる。基材としては、550℃以上の耐熱
性を有すれば、Fe基合金に限られず、Ti基合金、銅
基合金、サーメットさらにはセラミックス等が使用可能
である。ただし、Fe基合金、特に、強靭鋼以外は、焼
き戻しによる寸法歪が発生しないため、本発明の効果の
全てを享受できない。
51、SKH55、SKH57等の高速度鋼、SKD1
1、SKD61等の冷間・熱間ダイス鋼、さらには、H
AP10、HAP40等の粉末ハイス鋼(日立金属社
製)、YXR3、YXR7、YXR33等のセミハイス
鋼(同社製)等を挙げることができる。
法、すなわち、バナジウム被膜の成膜方法について説明
をする。
プレーティング装置、通常、アークイオンプレーティン
グ(AIP)装置を用いて行う。AIP法は、バナジウ
ムを蒸発源とし、反応ガスを窒素ガス及び/又は炭化水
素ガスとして注入ガス量・ガス比を膜種・膜厚に対応さ
せて調節維持することにより、VN膜、VCN膜、VC
膜を高純度で基材上に反応成膜させることが容易なため
である。当然、多陰極熱電子照射法、高周波励起法、ホ
ロカソードディスチャージ法、クラスタ法、活性化反応
蒸着法、等他のタイプのイオンプレーティング法も可能
である。
24内に、バナジウム金属を保持する蒸発源保持部(ポ
ット部)25と、バイアス電圧源26と接続された被処
理物(基材)28を載置する回転テーブル30を備えて
いる。さらに、チャンバー24は、チャンバー内を所定
真空度に維持する排気ポンプと接続される排気口32
と、反応ガス(窒素及び/又はメタン)を導入する反応
ガス導入口34とを備えるとともに、チャンバー24内
を所定温度に維持するとともに基材(基板)28も所定
温度に維持するヒータ36を備えている。
を例に採り説明する。
ツウナインからスリーナインの純度のものを使用する。
また、バナジウムと反応する元素である窒素及び炭素の
供給源であるガスは、前者は窒素ガス(N2)、後者と
してメタン(CH4)、エタン、エチレン、アセチレン
等の炭化水素ガスを使用可能である。炭化水素ガスとし
ては、未反応性ガスが装置や基材表面を汚染するため、
煤の発生し難い、メタンが望ましい。そして、それらの
純度は、それぞれ、スリーナインからシックスナインと
する。
の通りとする。
ぞれ説明する。
い)と、反応ガス量が少ない状態となり、成膜速度が遅
くなり生産性が低下し、また、成膜された被膜が、金属
成分過多の組成になってしまったり、粒子が粗くて空隙
の多いもの(結晶核の生成が遅くなるためと推定され
る。)になりやすい。
と、反応ガス量が過剰となり、反応に使用されずに充分
に活性化されていないガスが、成長被膜面で吸着インヒ
ビタ(抑制剤)として作用するおそれがある。
向上を期待する場合、表面膜(VC膜)は、膜硬度とと
もに滑り性も要求され、そのような場合には、潤滑剤と
して作用するC(カーボン)が膜中に含有させることが
望ましい。しかし、C含有率が過剰になると膜硬度が低
下して、やはり耐摩耗性が低下する。そのようなバラン
スが採れる真空度は、約25〜35mtorr(33.3〜46.6
Pa)、望ましくは約30mtorr(39.9Pa)、メタン
ガス量で、約400〜600mL/min、望ましくは約50
0mL/minとする。
度が遅くなり、逆に高過ぎると、装置の安全性の見地か
ら望ましくない。
が高いほど成膜速度が遅くなるため、生産性を考慮して
適当な範囲で設定する。供給ガスが窒素(N2)の場
合、バイアス電圧の窒化物成膜結晶にほとんど影響はな
く50〜400V、望ましくは、50〜200Vの範囲
で適宜設定できる。CH4等の炭化水素の場合、バイア
ス電圧が低いと、VCの結晶性が低くなって、炭化物成
膜の耐摩耗性が得難くなる。このため、窒素と同様、5
0〜400Vの範囲でも可能であるが、生産性と結晶性
とのバランスから、約100〜200Vが望ましく、さ
らに望ましくは約150Vとする。
くて望ましいが、省エネルギー及び基材の耐熱性の見地
から、基材が鋼の場合、焼き戻しによる寸法歪が発生し
ない温度以下、通常350〜550℃、望ましくは40
0〜500℃とする。なお、基材がセラミックスの如
く、熱歪が発生しない場合は、イオンプレーティングの
最高温度550℃前後で行ってもよい。
におけるガス流量及び着膜時間の一例を表2に示す。表
2において、Xはバナジウム充填量および膜厚により異
なるが、例えば、充填量800gで合計膜厚3〜10μ
mの場合、X=300〜1000秒とする。
瞬時にその量及び圧力になるわけでなく、通常、着膜時
間の中間時間、例えば40〜50秒後にその圧力に連続
的に上昇して、その後設定値を維持するものである。そ
の点は、VCN膜、VC膜でも同様である。
て、VN膜/VCN膜/VC膜の複合被膜を例にとって
説明したが、VN膜、VCN膜及びVC膜の各単層膜で
も、さらには、VN膜/VCN膜、VCN膜/VC膜、
VN膜/VC膜の各複合膜についても同様にして成膜で
きる。鋼を基材とし、複合膜とする場合は、原則的には
硬度の低い方を基材側とし、各層間には、層間結合層を
形成するようにすることが望ましい。
度の低いVN膜でも硬度はHV2000であり、望まし
くはHV3000以上の硬度のバナジウム系被膜を容易
に鋼等の基材上に密着性良好に成膜できる。
法は、金属塑性加工用金型ばかりでなく、耐摩耗性が要
求されるあらゆる無機製品、例えば、シリンダライナ
ー、バルブリフター、スプロケット、ギヤ、プーリー、
車軸等の輸送機関関連部材、機械部品、治具等に適用で
きるものである。
1・2・3および比較例1・2について行った試験例を
説明する。
製鋼社製「AIP4024型」を用い、Vは純度スリー
ナインのもの800gを充填し、N2は純度ファイブナ
イン、CH4は純度スリーナインのものをそれぞれ使用
した。
してバナジウム系被膜を基材である金型のプレス面に合
計膜厚約6μmのバナジウム系被膜(VN膜/VCN膜
/VC膜)を成膜した。また、基材は冷間ダイス鋼(S
KD11:HV650、HRC58.0靱性評価と同じ)製
のプレス加工用金型(図3:150mmφ×70mmt)
とした。
20mtorr(26.6Pa)としたものである。他の条件
は、実施例1と同じ。
0sとして膜厚約6μmの単層VC膜を成膜した。他の
条件は、実施例1と同じ。
法及びTRD法に基づいて、膜厚それぞれ約6μmの単
層VC膜及び単層TiC膜を、実施例1と同じ基材(S
KD11製プレス成形用金型)上に成膜(成膜温度:約
1000℃)した。
金型について、下記項目の試験を行った。
t)を用いて、不良品が発生するまでの型寿命(摩耗に
よる成形不良)の成形個数を評価した。
し、比較例1は約4万個であった。
実施例1は最大でも±40μmであったのに対し、比較
例は平均数100μmであった。
数を測定した。結果は、実施例1:0.197、実施例2:
0.287で、メタンガス量が多い方が、動摩擦係数が低い
ことが分かる。
名)を用いて、下記方法/条件で評価した。
形)を被膜に押し付けながら(スクラッチしながら)、
連続的に荷重を0〜100Nまで増大させていき、被膜
にチッピングや剥離等の破壊現象が発生する。通常は、
破壊現象発生時を、臨界荷重値として評価するが、膜靱
性はチッピング開始荷重で評価することが信頼性がある
ため、チッピング開始荷重で評価した。ここで「チッピ
ング」とは、被膜の欠け(欠落)のことである。スクラ
ッチテストを行った場合、圧子荷重の増加に伴い、被膜
はスクラッチ(掻き傷)→チッピング→剥離の順で破壊
されることが多い。
度:10mm/min、同加重速度:1.67N/s 結果は、実施例1:60N、実施例2:45N、比較例
2:30Nであり、本発明の各実施例、特に複合被膜の
実施例1は、靱性(耐チッピング性)が格段に高いこと
が分かる。
示すモデル図
一例を示す概略モデル図
モデル斜視図
Claims (14)
- 【請求項1】 VN膜、VCN膜及びVC膜のいずれか
一層又は二層以上からなるバナジウム系被膜をイオンプ
レーティングにより無機基材の表面に反応成膜させる方
法であって、 バナジウムを蒸発源とし、注入ガスを窒素ガス及び/又
は炭化水素ガスとして注入ガス量・ガス比を膜種・膜厚
に対応させて調節維持することにより、前記バナジウム
系被膜の各層をそれぞれ反応成膜させることを特徴とす
るバナジウム系被膜の成膜方法。 - 【請求項2】 前記バナジウム系被膜が、基材側から順
に配されたVN膜、VCN膜及びVC膜からなる複合被
膜であることを特徴とする請求項1記載のバナジウム系
被膜の成膜方法。 - 【請求項3】 前記各層の反応成膜工程間の移行に際し
て、注入ガス量・ガス比を段階的又は連続的に変化させ
て各傾斜組成の層間結合層を反応成膜させることを特徴
とする請求項1又は2記載のバナジウム系被膜の成膜方
法。 - 【請求項4】 前記無機基材として鋼材を使用するとと
もに、成膜時の基板温度を400〜500℃に調節して
行うことを特徴とする請求項3記載のバナジウム系被膜
の成膜方法。 - 【請求項5】 前記無機基材として鋼材を使用するとと
もに、成膜時の基板温度を400〜500℃に調節して
行うことを特徴とする請求項1又は2記載のバナジウム
系被膜の成膜方法。 - 【請求項6】 VN膜、VCN膜及びVC膜のいずれか
一層又は二層以上からなるバナジウム系被膜を無機基材
の表面に備えた無機製品において、 前記バナジウム系被膜が、成膜組成を無機基材に対して
密着性の良好な組成から耐摩耗性の良好な組成へと段階
的にないし連続的に変化していることを特徴とするバナ
ジウム系皮膜処理無機製品。 - 【請求項7】 前記バナジウム系被膜が、基材側から順
に配されたVN膜、VCN膜及びVC膜からなる複合被
膜であることを特徴とする請求項6記載のバナジウム系
皮膜処理無機製品。 - 【請求項8】 前記複合被膜の各層間に、さらに、傾斜
組成の層間結合層が介在していることを特徴とする請求
項7記載のバナジウム系被膜処理無機製品。 - 【請求項9】 前記複合被膜の最外層硬度がビッカース
硬度:HV3000以上であることを特徴とする請求項
7又は8記載のバナジウム系被膜処理無機製品。 - 【請求項10】 前記複合被膜において、膜厚比が、V
N膜/VCN膜/VC膜=0.5/0.5/9〜3/3
/4であり、合計膜厚2〜50μmであることを特徴と
する請求項9記載のバナジウム系被膜処理無機製品。 - 【請求項11】 前記無機基材が鋼材であることを特徴
とする請求項10記載のバナジウム系被膜処理無機製
品。 - 【請求項12】 前記無機基材が鋼材であることを特徴
とする請求項9記載のバナジウム系皮膜処理無機製品。 - 【請求項13】 適用製品が金属塑性加工用金型である
ことを特徴とする請求項11又は12記載のバナジウム
系被膜処理無機製品。 - 【請求項14】 VC膜が炭素粒子(カーボン粒子)を
含有することを特徴とする請求項10、11、12又は
13記載のバナジウム系被膜処理無機製品。
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