JPS6228754B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は印字ワイヤを有するアーマチヤを電
磁石にて吸引することにより、その印字ワイヤが
作動位置に移動されて印字が行われるようにした
ワイヤプリンターの印字ヘツドに関するものであ
る。

従来技術 通常、この種の印字ヘツドにおいては、作動位
置から不作動位置に復帰したアーマチヤを停止さ
せるためにストツパが用いられている。ところ
が、従来はこのストツパが固定されていたため、
アーマチヤがストツパに当つたとき、そのアーマ
チヤがリバウンドして、次の作動待機状態に素早
く移行されず、高速印字を行い得ないばかりでな
く、ときにはそのアーマチヤのリバウンドにより
印字ワイヤが作動位置に突出して、誤つた印字が
行われるおそれがあつた。

発明の目的 この発明の目的は、前記従来技術に存する欠陥
を解消して、アーマチヤのリバウンドを確実に阻
止できるようにし、しかもそのための構成がきわ
めて簡単で安価な印字ヘツドを提供することにあ
る。

実施例 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明すると、略円形をなし、中心部に開
口１ａが設けられた磁性材よりなる支持板１の下
部を除く後側面外周には、第２図及び第３図に示
すように７個の電磁石２が支持板１と同心円上に
等間隔をおいて配置されている。なお、この明細
書では第１図の左側を後部とする。

前記各電磁石２は、第１図に示すように、支持
板１の外周から後方へ折曲形成されたヨーク３
と、そのヨーク３と対応するように支持板１に植
設固定されたコア４と、そのコア４の外周に嵌着
された筒状の絶縁部材５と、その絶縁部材５の外
周に巻回されたコイル６とにより構成されてお
り、このコイル６に通電されたとき、コア４及び
ヨーク３に磁気力が発生するようになつている。

前記支持板１の前面中心部には前方へ突出し、
その前端に開口７ａを有する保護筒７が固定され
ている。同じく支持板１の前面には中心部に開口
８ａを有する基板８が固定され、その基板８には
前記各コア４と電源側との間の電路（図示しな
い）がプリントされている。

支持板１の開口１ａには支持筒９が後方へ突出
するように嵌合固定され、その中空部９ａが基板
８の開口８ａと連通している。そして、この支持
筒９、前記基板８、支持板１等により印字ヘツド
フレームが構成されている。その支持筒９の先端
面には、第３図から明らかなように前記各電磁石
２とそれぞれ対応するように浅い溝部１０が形成
されている。その溝部１０内において、支持筒９
には収容孔１１が形成され、その内部にはスプリ
ング１２が収容されている。前記各ヨーク３の自
由端の両側において前記各絶縁部材５には掛止片
１３が突出形成され、それらの間にはスプリング
１４が張設されている。

前記コア４の端面とそれぞれ対応するように磁
性材よりなるアーマチヤ１５が配置され、その基
端が前記スプリング１４とヨーク３の自由端面と
の間に挟持されて、このアーマチヤ１５がこの挟
持部分を中心として前後に回動可能に支持される
とともに、先端側が前記円の中心側に向かつて集
中している。各アーマチヤ１５の先端には、前記
支持筒９の中空部９ａ、基板８の開口８ａ及び保
護筒７の内側を通つてその保護筒７の先端開口７
ａから出没可能な印字ワイヤ１６が支持固定され
ている。

そして、前記コイル６に通電されていないとき
には、第１図に示すように、アーマチヤ１５が前
記収容孔１１内のスプリング１２の付勢力により
コア４の端面から離隔する静止位置に位置され
て、印字ワイヤ１６が保護筒７内に没入する不作
動位置に位置され、又、コイル６に通電されて電
磁石２が励磁されたときには、第５図に示すよう
にアーマチヤ１５がコア４に吸引されて、印字ワ
イヤ１６がその先端にて保護筒７の先端開口７ａ
から突出する作動位置まで移動され、ドツトプリ
ントが行われる。

なお、支持板１には前記各電磁石２を覆うカバ
ー１７が設けられている。

前記支持筒９には３本の段付きねじ１８により
耐摩耗性合成樹脂材料よりなる１個の円板状のス
トツプ部材１９が前後動及び傾動可能に支持さ
れ、また第１図に示すようにストツプ部材１９の
前面が支持筒９の端面と係合することにより、ス
トツプ部材１９のアーマチヤ１５の吸引移動方向
への移動が規制される。ストツプ部材１９の前面
外周部には前記各アーマチヤ１５の先端と係合可
能な係合面２０が形成されている。そして、アー
マチヤ１５が第５図に示すように電磁石２のコア
４に吸引されてストツプ部材１９の係合面２０に
対し所定の空隙をおいて対向する位置から、第１
図に示す静止位置に復帰したとき、前記ストツプ
部材１９がそのアーマチヤ１５の運動エネルギー
を受けてアーマチヤ１５が静止位置にて停止させ
るとともに、アーマチヤ１５の運動エネルギーが
ストツプ部材１９に受渡されて、ストツプ部材１
９自身が後方へ移動するようになつている。従つ
て、このストツプ部材１９はアーマチヤ１５の静
止位置を規制することになる。このストツプ部材
１９の質量はアーマチヤ１５とストツプ部材１９
とが係合する点におけるアーマチヤ１５の等価質
量と、その点におけるストツプ部材１９の等価質
量とが等しいか、あるいはストツプ部材１９の等
価質量が多少大きくなるように設定され、その意
味からこのストツプ部材１９には所定質量の金属
部材２１がインサートされ、アーマチヤ１５の運
動エネルギーを充分受承できるようになつてい
る。

前記ストツプ部材１９の後面には前記段付きね
じ１８により押え板ばね２２が支持され、その外
周に等間隔をおいて一体形成された３本の押え腕
２２ａがストツプ部材１９の後面に形成された受
け部２３に係合されていて、常にストツプ部材１
９をアーマチヤ１５の位置規制方向に向かつて付
勢している。従つて、この押え板ばね２２とスト
ツプ部材１９とでアーマチヤ１５の静止位置を規
制するストツパ２４が構成されている。

さて、このように構成された印字ヘツドにおい
て、所定の信号が入力されると、いずれかの電磁
石２が励磁されて、それと対応するアーマチヤ１
５がコア４に吸引され、そのアーマチヤ１５に支
持された印字ワイヤ１６が作動位置まで突出され
て、ドツトプリントがこのとき、アーマチヤ１５
は第５図に示すように、ストツプ部材１９の係合
面２０に対し所定の空隙をおいて対向配置され
る。

その後、電磁石２が消磁されると、スプリング
１２の付勢力によりアーマチヤ１５が静止位置側
へ復帰して、印字ワイヤ１６が不作動位置に復帰
され、そのアーマチヤ１５がストツプ部材１９の
係合面２０に係合される。このため、ストツプ部
材１９にてアーマチヤ１５の運動エネルギーが受
けとめられ、そのアーマチヤ１５がリバウンドす
ることなく即座に静止位置にて静止するととも
に、アーマチヤ１５の運動エネルギーがストツプ
部材１９に受渡されて、ストツプ部材１９が後方
へ移動される。

その後、前記ストツプ部材１９に受渡された運
動エネルギーが押え板ばね２２に吸引されて、そ
のストツプ部材１９は押え板ばね２２の付勢力に
よりアーマチヤ１５を静止規制させた位置まで復
帰される。

発明の効果 以上実施例にて例示したように、この発明は印
字ワイヤが作動位置から不作動位置へ復帰すると
き、アーマチヤの運動エネルギーを受けて移動さ
れる１個のストツプ部材を設けるとともに、その
ストツプ部材に対し、アーマチヤの位置規制方向
に向かつて付勢するばね手段を設けたことによ
り、静止位置に復帰したアーマチヤは、その運動
エネルギーがストツプ部材に受渡されてリバウン
ドしたりすることなく確実に制止され、そのリバ
ウンドによる不必要な誤つた印字を防止できると
ともに、ただちに次の印字動作の待機状態に移行
し得て、高速印字を行うことが可能になる。

しかも、そのための構成は全アーマチヤ共通
に、１個のストツプ部材と、押え板ばねとを設け
ただけであるから、きわめて簡単であり、安価に
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した印字ヘツドの縦
断面図、第２図は同じく一部切断背面図、第３図
は同じくストツパを除いて示す背面図、第４図は
ストツプ部材の背面図、第５図は第４図のストツ
プ部材をＡ−Ａ線において切断して示すこの発明
の要部断面図である。 電磁石……２、ヨーク……３、コア……４、ス
プリング……１２、アーマチヤ……１５、印字ワ
イヤ……１６、ストツプ部材……１９、係合面…
…２０、押え板ばね……２２、ストツパ……２
４。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ １つの円上に間隔をおいて位置するように印
   字ヘツドフレーム（１，９等）に設けられた複数
   個の電磁石２と、 前記各電磁石２のコア４の端面と対向するよう
   にそれぞれ配置され、それぞれの一端が対応する
   電磁石２のヨーク３の自由端に回動可能に支持さ
   れ、他端が前記円の中心に向かつて集中するよう
   に設けられたアーマチヤ１５と、 前記印字ヘツドフレーム（１，９等）とアーマ
   チヤ１５との間に設けられアーマチヤ１５をコア
   ４の端面から離隔する方向に付勢するばね部材１
   ２と、 前記印字ヘツドフレーム（１，９等）に支持さ
   れ、前記ばね部材１２に抗して各アーマチヤ１５
   の静止位置を規制するストツパ２４と、 前記アーマチヤ１５の運動に追従可能に各アー
   マチヤ１５に対応してそれぞれ設けられ、アーマ
   チヤ１５が静止位置にあるとき不作動位置にあ
   り、前記電磁石２に通電されてアーマチヤ１５が
   吸引されたとき、作動位置に移動する印字ワイヤ
   １６と よりなるワイヤプリンターの印字ヘツドにおい
   て、 前記ストツパ２４は、 アーマチヤ１５の運動方向に移動可能な１個の
   ストツプ部材１９と、 そのストツプ部材１９は、各アーマチヤ１５の
   全ての他端とそれぞれ対応し、かつストツプ部材
   １９が印字ヘツドフレーム（１，９等）によりア
   ーマチヤ１５の吸引移動方向への移動が阻止され
   た状態で電磁石２に吸引されたアーマチヤ１５に
   対して所定の空隙をおいて対向するとともに、静
   止位置のアーマチヤ１５と係合する係合面２０を
   有し、前記印字ワイヤ１６が作動位置から不作動
   位置へ復帰した際、それに伴なつて静止位置へ復
   帰するアーマチヤ１５の運動エネルギーを受ける
   ことと、 そのストツプ部材１９を、常にアーマチヤ１５
   の静止位置を規制する位置へ向かつて付勢するば
   ね手段２２と により構成されていることを特徴とするワイヤプ
   リンターの印字ヘツド。 ２ 前記ストツプ部材１９は、所定質量の金属部
   材２１がインサートされた耐摩耗性の樹脂材料に
   て成形されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載のワイヤプリンターの印字ヘツ
   ド。