JPS6228587Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加工用治具の反転装置に係り、特に加
工用治具を取付支持すべき複数の治具取付プレー
トを回動自在に支承された回転板に回動自在に枢
着することにより、加工位置とセツト位置に加工
用治具を夫々配置し、上記回転板の反転で上記位
置を順次互換せしめるとともに、各々の位置で加
工用治具を反転自在とし、ワークの加工作業の効
率向上を図るようにした加工用治具の反転装置に
関する。

従来、ワークの加工作業は固定機台上にセツト
されたワークに対して工具を移動する方法、或は
作業場所以外にセツトされたワークを作業場所ま
で移動させて行う方法で成されていたが、これら
の方法にては作業効率が悪く、特に種類の異なつ
たワークの加工作業においては作業効率の低下は
甚だしく、著しく生産性が低下していた。

本考案者等は、ワークの加工作業における上記
問題点に鑑み、これを有効、且つ合理的に解決す
べく成されたもので、その目的とする処は、加工
用治具を取付支持すべき複数の治具取付プレート
を回転自在に支承された回転板に回動自在に枢着
することにより、加工位置とセツト位置に加工用
治具を夫々配置し、上記回転板の反転で上記位置
を順次互換せしめるとともに、各々の位置で加工
用治具を反転自在とし、ワークの加工作業の効率
向上を図るようにした加工用治具の反転装置を提
供するにある。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は本考案に係る反転装置の側面図、第２
図は同平面図、第３図は第１図３−３線断面図、
第４図は第３図４−４線断面図、第５図は第２図
５−５線断面図、第６図は第３図６−６線断面図
である。

図において１は機台であり、該機台１の中央部
には回転軸２が第３図及び第４図に示す如く機台
１の上下に固設された軸受３，３にて回動自在
に、且つ垂直に支承されている。前記回転軸２の
下方にはピニオン４が嵌着されており、該ピニオ
ン４は第３図、第４図及び第６図に示す如く機台
１に固設されたシリンダユニツト５のロツド６先
端に形成されたラツク７と噛合している。上記シ
リンダユニツト５は不図示の圧力供給源に接続さ
れており、この圧力供給源からの圧力を受けて駆
動せしめられ、前記ラツク７を機台１に回動自在
に設けられたガイドローラ８でガイドしつつ前後
動せしめ、前記ピニオン４を介して回転軸２を回
動せしめるものである。

一方、回転軸２の上端には回転板９が水平に固
着せしめられ、該回転板９は回転軸２と一体的に
回動する如く構成されている。回転板９の長手方
向の両端縁上には左右で一対を成す取付部材１
０，１０，１０′，１０′が固着され、組を成す取
付部材１０，１０間及び１０′，１０′間には反転
軸１１，１１′が水平、且つ互いに平行に軸受に
て回動自在に支承されている。夫々の反転軸１
１，１１′の各々の支持部材１０，１０′から突出
する端部には側面及び平面がＬ字形状を成す一対
の治具取付プレート１２，１２′が固着せしめら
れており、夫々の取付プレート１２，１２′の垂
直部材１２ａ，１２a′は後述の如くストツパアー
ムを兼ねており、又これらの水平部材１２ｂ，１
２b′には治具取付具１３，１３，１３′，１３′が
配設されている。又回転板９の長手方向の両端縁
で、且つ治具取付プレート１２，１２′が反転動
作を繰り返した際、これら１２，１２′の垂直部
材１２ａ，１２a′が当接する位置にはダンパ１４
及びストツパピン１５で１組を成すストツパ１６
…が固設されている。

一方、前記反転軸１１，１１′には第４図に示
す如くピニオン１７，１７′が嵌着されており、
これらピニオン１７，１７′には回転板９上の前
後方向に相対向して固設されたシリンダユニツト
１８，１８′から延びるロツド１９，１９′の先端
部に形成されたラツク２０，２０′が上方より噛
合している。上記シリンダユニツト１８，１８′
は不図示の圧力供給源に接続せしめられ、この圧
力供給源からの圧力を受けて駆動せしめられるも
のである。又上記ラツク２０，２０′上面には回
転板９上に固着されたブラケツト２１，２１′に
回動自在に固定されたガイドローラ２２，２２′
が当接している。

回転板９の長手方向一端の下面にはストツパ板
２３が垂設され、このストツパ板２３の下方両面
にはストツパ突起２４，２４が形成されている。

又機台１の前後方向両側面には固定板２５，２
５が固着せしめられ、各固定板２５にはストツパ
ピン２６、ダンパ２７、リンク部材２８及びリミ
ツトスイツチ２９が第１図及び第３図に示す如く
固設されている。又機台１の同側面にはシリンダ
ユニツト３０，３０が垂設され、各ユニツト３０
から上方へ延びるロツド３１の先端には第１図に
示す如くＬ形リンク３２の端部が枢着３３されて
いる。このＬ形リンク３２の基部は前記リンク部
材２８の先部に軸３４にて枢着され、該Ｌ形リン
ク３２はロツド３１の上下動で軸３４を中心とし
て揺動する如く構成されている。

次に本装置の作用を溶接作業に例をとつて説明
する。

まず第１図に示す如く夫々の治具取付プレート
１２，１２′の上下面に加工用治具Ａ，Ｂ，Ｃ，
Ｄを取付具１３，１３，１３′，１３′にて取付支
持する。今第１図において位置Ｘを加工位置、位
置Ｙをセツト位置とすれば、セツト位置Ｙに位置
する治具Ａ，Ｄに溶接すべきワークを夫々取付支
持する。

斯る状態からシリンダ３０，３０を駆動せしめ
て各ロツド３１を下動せしめれば、第１図におい
てＬ形リンク３２は軸３４を中心として時計方向
に回動し、回転板９をアンクランプ状態とする。
次にシリンダユニツト５を駆動すれば、回転板９
はラツク７、ピニオン４及び回転軸２を介して回
動し、反転した時点でストツパ板２５がまず他方
のダンパ２７に当接してこれ２７の作用で衝撃を
緩和され、次にこれの表面に形成した突起２４が
反対側のストツパピン２６に当接して停止する。
その後シリンダユニツト３０，３０を駆動してロ
ツド３１，３１を上動せしめれば、Ｌ形リンク３
２はストツパ板２５に当接し、回転板９をクラン
プ状態とする。

斯くして回転板９が反転したため、反転前セツ
ト位置Ｙにあつた治具Ａ，Ｄは加工位置Ｘに位置
し、逆に初め加工位置にあつた治具Ｂ，Ｃはセツ
ト位置に位置する。斯る状態にて、まず治具Ａに
固定セツトされたワークを溶接トーチＴにて溶接
加工する。この溶接加工終了後、治具Ｄに固定セ
ツトされたワークを溶接加工するには、シリンダ
ユニツト１８を駆動してラツク２０、ピニオン１
７及び反転軸１１を介して治具取付プレート１２
を治具Ａ，Ｄとともに軸１１の回りに回動せしめ
る。而して、これらＡ，Ｄ，１１が反転した時点
で、取付プレート１２の垂直部材１２ａがまず反
対側のストツパ１６のダンパ１４に当接して衝撃
を緩和され、次にストツパピン１５に当接して停
止する。斯くして反転前取付プレート１２の下方
に位置していた治具Ｄは取付プレート１２の上方
に位置し、逆に治具Ａは取付プレート１２の下方
に位置するため、この治具Ｄに固定セツトされた
ワークに対して溶接トーチＴにて溶接加工を行え
ばよい。

一方、この溶接加工と同時にセツト位置Ｙに位
置する治具Ｂ，Ｃに対して次に溶接加工を行うべ
きワークを取付プレート１２′を反転させつつ
夫々固定セツトする。

以後、前記と同様の操作を繰り返すことによ
り、ワークの取付、溶接加工、取外し作業を連続
して行えるため、これらの作業効率が著しく向上
する。又異なつた治具を取付ておけば、多種のワ
ークの加工が行え、汎用性を高めることができ
る。

尚以上は本装置の作用を溶接加工を例にとり説
明したが、本装置はその他任意の加工作業に適用
し得るものである。

以上の説明で明らかな如く本考案によれば、加
工用治具を取付支持すべき複数の治具取付プレー
トを回転自在に支承された回転板に回動自在に枢
着したため、加工位置とセツト位置に位置するワ
ーク同志を容易に互換することができるととも
に、各々の位置でワーク同志を反転互換せしめる
ことができ、従つてワークの加工作業と取付、取
外し作業を同時に行うことができ、これらの作業
効率を著しく向上せしめることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案に係る反転装置の側面図、第２図は同平
面図、第３図は第１図３−３線断面図、第４図は
第３図４−４線断面図、第５図は第２図５−５線
断面図、第６図は第３図６−６線断面図である。 尚図面中１は機台、２は回転軸、５，１８，１
８′３０はシリンダユニツト、９は回転板、１
１，１１′は反転軸、１２，１２′は治具取付プレ
ート、１３，１３′は治具取付具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転自在に支承された回転軸と、該回転軸に固
   着されて該回転軸と一体的に回転する回転板と、
   該回転板に支持され、前記回転軸と略直角な方向
   に延在する反転軸廻りに回動可能な複数の治具取
   付プレートと、該治具取付プレートに取り付けら
   れる加工用治具と、前記回転軸を回転駆動せしめ
   るとともに前記治具取付プレートを前記反転軸廻
   りに回転駆動せしめる駆動ユニツトと、を備える
   ことを特徴とする加工用治具の反転装置。