JPS622835B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はミシンに対する加工物搬送送り歯に関
し、特にジグザグ縫いまたは直線縫いに容易に転
換し得る新規な加工物送り歯装置に関する。

ジグザグ縫いを行うためには、最大ジグザグ幅
と同じ幅を有する針適合孔が必要であり、かつ加
工物送り歯の横脚は前記最大ジグザグ幅と同じ距
離だけ隔置せねばならぬ。直線縫いの場合は高品
質の縫目は制限された針孔を有する針板を使用し
た時に得られ、かつ好適な加工物送りは、特に針
目を加工物の縁に近接して位置決めする必要のあ
る場合は、送り歯の少なくとも一つの脚が針板の
針孔に密接して位置決めされた時に得られる。

これはもちろんミシンの送り歯全体を交換する
ことによつて行い得るが、このような交換には工
具を使用する必要があり、取外し部品の貯蔵の間
題が伴いかつ一連の手作業を行わねばならぬと言
う不便がある。

昭和42年５月23日付、S.J.Ketterer他の米国特
許第3320912号にはジグザグおよび直線縫い加工
物送り歯装置の転換に関する問題を解決する方法
として、一つの脚を枢動自在に連結し、該脚を敏
速に移動させて脚の間隔を変えるようになつた送
り歯を供することによつて解決する方法が記載さ
れている。しかしながらこの特許の装置において
は送り歯の質量が大であり、したがつて加工物送
り機構の作動時に生じる慣性力を増加せしめ、か
つ送り装置内の部品が弛んで振動、騒音および送
り装置内の摩耗を増加させるおそれがある。

本発明の目的はミシンのドロツプフイード機構
に対し、加工物送り歯を容易に転換するための装
置において、慣性および振動にほとんど影響をお
よぼすことなく、ジグザグ針板または直線縫い針
板の何らに対しても交互に共働し得るようになつ
た装置を供することである。本発明のこの目的は
補助送り歯部分を設け、該部分が直線縫目針板上
に捕捉されかつ拘束されるようになすことによつ
て達成される。前記補助送り歯部分には、ジグザ
グ針板に適合する間隔の大きな側方脚を有する型
の普通の送り歯の少なくとも一つの脚を工合良く
把持するようになつた面が形成されている。前記
補助送り歯部分はミシンの普通のジグザグ送り歯
と係合しかつこの送り歯からその運動のすべてを
引出す。

次に添付図面によつて本発明の好適な実施例を
説明する。

添付図面においてミシンのベツド部分１１は加
工物支持面１２を有している。第４図はミシンベ
ツドの加工物支持面上における加工織物内の針目
形成に影響をおよぼす種々の針目形成装置を示
す。この針目形成装置はミシンベツド内の軸承１
４によつて軸持された糸輪取器１３と、ミシンベ
ツドの上方において針棒１６によつて担持された
針１５にして、前記糸輪取器１３と共働して縦方
向往復運動および横押し運動を行い、針目形成時
に紙を連鎖させるようになつた針と、押え棒１８
によつて担持された押え１７と、全体が２０によ
つて表わされた加工物送り機構とを有している。
前記加工物送り機構は４モーシヨンドロツプフイ
ード機構と称されるもので、送り台２１を有し、
該送り台には単数または複数のねじ２３によつて
送り歯２２が装着されている。前記送り台はピボ
ツト２４によつて水平送り揺動枠２５に連結さ
れ、かつ上下送りリンク装置２６は２７によつて
示される如く送り台に枢着されている。任意の周
知の作動装置によつて前記水平送り枠および上下
送りリンク装置に運動を与え、前記送り歯に加工
物前進運動および復帰運動を行わせると共に、該
送り歯に上昇運動および下降運動を与え、加工織
物と係合せしめまたはこれから離すようになすこ
とができる。

前記針目形成装置の付近において、ミシンベツ
ド１１の加工物支持面１２には開口３９が形成さ
れ、該開口の中には針板４０が適合し、この針板
はねじ、位置決めピン、磁気保持装置等の如き締
着装置によつて前記支持面に装着されている。種
種の型の針目を形成する時に生じる状態に工合良
く適合するようになすために前記針板４０を交換
自在にし、ミシンによつて行わんとする作業の種
類に特に適する針板を使用し得るようになすこと
が望ましい。第１図および第２図は二つの異なる
針板４０′，４０を示し、これら針板はそれぞれ
同じ加工物支持面開口３９に適合しかつ同じ締着
装置４１によつて装着し得るようになつている
が、各針板は異なる型の針運動および加工物送り
機構の異なる配置に適合するようになつている。
第２図に示される如く針板４０には横方向に延び
る針適合孔４３が形成され、ジグザグ針目を形成
する時に針の横押し運動に適合するようになつて
いる。このジグザグ針適合孔４３を有する針板４
０には溝孔４５，４６，４７が形成され、該溝孔
は送り台２１によつて担持された送り歯２２の有
歯加工物係合リブの列と適合するようになつてい
る。

第１図に示される如く、針板４０′には実質的
に円形の針適合孔４４が形成され、直線縫い針目
を形成する時の針の運動と適合するようになつて
いる。直線縫いを行う時に加工織物が円形孔４４
によつて工合良く支持されるために、該加工織物
の垂下を最少限に止め、したがつて針の横押し運
動が行われない時の針目の品質を高めることがで
きる。なおミシンが直線縫い作業を行う時には、
針目はしばしば加工織布の一縁に密接して形成さ
れ、たとえばトツプステツチ作業が行われる。こ
の作業が行われる時には前記送り歯の加工物係合
リブの一つが針の往復運動通路に密接して位置決
めされ、加工物送り力が該加工物内に形成されつ
つある針目の線の両側に加わるようになつている
ことが望ましい。

このような加工物送り力を直線縫い針孔４４に
密接して加えるために、本発明の直線縫い針板内
の送り歯適合溝孔は、なるべくは針孔の片側にお
ける溝孔の幅を、実質的にジグザグ針板４０の溝
孔４５，４６間のウエブに等しい量だけ大きくす
ることによつて変型されている。したがつて第１
図および第５図に示される如く、直線縫い針板４
０′は針孔４４の一方の側にジグザグ針板４０の
場合と同様にジグザグ送り歯２２の有歯加工物係
合リブ３７と適合する溝孔５７を有するが、針孔
４４の後方と他方の側に亘つては単一のＬ字形溝
孔５８を有している。溝孔５８はジグザグ送り歯
の有歯加工物係合リブ３５，３６に適合し、かつ
リブ３５と針孔４４との間に隙間を与えるように
なつている。

第１図および第５図によつて明らかな如く、補
助送り歯部分６１の有歯加工物係合リブ６０は針
板溝孔５８内においてジグザグ送り歯２２のリブ
３５と並置されている。補助送り歯部分上のリブ
６０は基礎板６２から上向きに延び、該基礎板は
リブ６０と並んで形成され、送り歯２２のリブ３
５と工合良く適合する孔６３を有している。

前記基礎板６２にはなお締着孔６４が形成さ
れ、この孔は前記孔６３と実質的に平行に延び、
該孔を通つて延びる頭部付きリベツト６５が直線
縫い針板４０′の下方の盲ソケツト６６内に装着
されるようになつている。

針板４０′の下側には浅い凹所６７が形成さ
れ、この凹所の中には補助送り歯部分６１が嵌合
している。針板溝孔５８から遠い方の凹所６７の
縁に沿つて、該凹所６７には実質的に前記送り歯
溝孔５７，５８と平行に深い溝６８が形成され、
この溝と相対するように、前記補助送り歯部分に
は上向きに折曲されたフランジ６９が形成されて
いる。

第６図に示される如くリベツト６５には前記凹
所６７の底部から十分に隔置された頭部７０が形
成され、補助送り歯部分のフランジ６９または有
歯加工物係合リブ６０が前記凹所から外れること
なく、補助送り歯部分の垂直運動を自由に行わせ
るようになつている。このような配置によればリ
ベツト６５の如き単一の締着部材を使用し前記補
助送り歯部分を回転しないように、しかも常に凹
所６７内に拘束されかつ送り歯加工物係合リブ３
５と整合し、それによつて容易にミシンに適合さ
せることができる。前記リベツト６５は加工物係
合リブ６０よりも、フランジ６９に対して近く位
置決めされ、したがつて加工物係合リブの垂直運
動を大きくするようになつている。

前述の如き本発明の交換自在送り装置によれば
ジグザグ縫いから直線縫い之の変換が非常に容易
であり、すなわちジグザグ針板４０を外してその
代りに直線縫い針板４０′を置くだけで良い。補
助送り歯部分６１は直線縫い針板４０′の下に保
持され、さらにこれと係合する前記凹所６７によ
つて実質的にミシンの送り歯加工物係合リブと整
合するように維持され、補助送り歯部分をわずか
移動させるだけでその孔６３を送り歯のリブ３５
上に把持関係を有するように位置決めすることが
できる。

直線縫い針板４０′がミシンベツド上の定位置
にあり、かつ補助送り歯部分が主送り歯を把持す
るようになれば、この補助送り歯部分が主送り歯
のすべての運動を引受けるようになる。この時は
リベツト６５の頭部７０は前記運動に適合するよ
うに針板から十分に隔置される。

本発明の変換装置による時は送り台上の可動部
材の質量および慣性の増加は最少限に止められ、
かつ主送り歯２２は送り台に確実に装着された状
態に止るから、枢動または摺動運動が発生せず、
したがつて煩わしい弛緩、騒音または摩耗等の生
じるおそれもない。

直線縫いを行う時には前記補助送り歯部分６１
は針の往復運動通路に密接した加工物送り部材と
なり、加工物の縁に密接したトツプステツチの形
成を容易に行い得るようにする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の直線縫い針板を使用したミシ
ンの加工物支持ベツドの一部截欠せる頂面図；第
２図は第１図に示されたミシンの加工物支持ベツ
ドの一部截欠せる頂面図で、普通の送り歯を有す
るジグザグ縫い針板がミシン上の定位置にある状
態を示す図；第３図は実質的に第１図の線３−３
に沿つて取られたミシン加工物支持ベツドの断面
図で、針および押え装置を示す図；第４図は実質
的に第１図の線４−４に沿つて取られたミシン加
工物支持ベツドの断面図で、針、糸輪取器および
押え装置を示す図；第５図はジグザグ縫いに適す
る普通の送り歯、直線縫い針板、補助送り歯部分
および該補助送り歯部分を拘束するための装置を
示す展開透視図；第６図は第３図に示された針板
の拡大断面図で、補助送り歯部分および針板間の
共働関係の詳細を示す図である。 図において１１はベツド部分、１２は加工物支
持面、１３は糸輪取器、１４は軸承、１５は針、
１６は針棒、１７は押え、１８は押え棒、２０は
送り機構、２１は送り台、２２は送り歯、２４は
ピボツト、２５は水平送り揺動枠、２６は上下送
りリンク、３５はリブ、３９は開口、４０，４
０′は針板、４１は締着装置、４３，４４は針適
合孔、４５，４６，４７は溝孔、５８は溝孔、６
０は加工物係合リブ、６１は補助送り歯、６２は
基礎板、６３は孔、６４は締着孔、６５はリベツ
ト、６６は盲ソケツト、６７は凹所、６８は溝、
６９はフランジ、７０は頭部である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ミシンに対する転換自在加工物送り装置にし
   て、加工物支持ベツドを有する枠と、選択的に一
   定通路内において往復運動を行つて直線縫いを行
   い、または横方向に横動されてジグザグ縫いを行
   い得る針と、前記ベツド内に移動自在に支持され
   た送り台を有する加工物送り機構と、前記送り台
   上に装着されかつ両側に、前記針が行い得る最大
   横押し運動より大なる距離だけ隔置された加工物
   送り部分を備えた主送り歯と、前記送り台に作動
   的に連結され、前記主送り歯に加工物送り運動を
   与える機構と、前記ベツド上に位置し、ジグザグ
   針板または直線縫い針板の何れかを転換自在に適
   合させる部分とを有し、前記ジグザグ針板が前記
   主送り歯の前記横方向に隔置された部分と適合す
   る溝孔を有し、かつ前記送り部分と適合する溝孔
   の間に横方向に延びる針孔を有している転換自在
   加工物送り装置において、直線縫い針板にして、
   前記加工物支持ベツド上に適合するように構成さ
   れ、かつ前記主送り歯の前記横方向に隔置された
   送り部分と適合する溝孔を有し、前記送り部分適
   合溝孔の間に円形針孔が形成され、前記直線縫い
   針板内の前記送り部分溝孔の少なくとも一つの中
   に前記針孔の極く近くまで延びる横方向拡大部分
   が形成されている針板と、補助送り歯と、前記補
   助送り歯上に形成され、前記直線縫い針板の前記
   送り部分適合溝孔の前記横方向拡大部分と適合す
   る加工物係合送り部分と、前記主送り歯および補
   助送り歯上に形成され、該主送り歯および補助送
   り歯を連結し、これらを共に動かす係合装置と、
   前記補助送り歯を前記直線縫い針板上において前
   記主送り歯と共に運動させるように拘束するため
   の装置とを有することを特徴とする転換自在加工
   物送り装置。 ２ 前記第１項記載の転換自在加工物送り装置に
   おいて、前記補助送り歯を前記直線縫い針板の上
   において拘束するための前記装置が該針板の下に
   固定された頭部付き締着部材を有し、前記補助送
   り歯がその上の前記加工物係合送り部分と実質的
   に平行に延びる締着部材適合溝孔を有し、前記針
   板と前記締着部材の頭部との間の隙間が、前記補
   助送り歯の加工物係合送り部分を前記直線縫い針
   板の横方向拡大溝孔部分内に維持するように制限
   されている転換自在加工物送り装置。 ３ 前記第１項記載の転換自在加工物送り装置に
   おいて、前記補助送り歯に前記主送り歯の前記横
   方向に隔置された加工物係合送り部分の一つの垂
   直突起と実質的に同じ形の開口が形成され、前記
   主送り歯と補助送り歯との間に係合装置を形成す
   るようになつている転換自在加工物送り装置。 ４ 前記第１項記載の転換自在加工物送り装置に
   おいて、前記補助送り歯が前記直線縫い針板の下
   に実質的に平行となるように配置された平らな基
   礎板を有し、かつ該基礎板から前記補助送り歯の
   前記加工物係合送り部分が突出し、さらに前記平
   らな基礎板に、前記主送り歯の前記横方向に隔置
   された加工物係合送り部分の一つの垂直突起と実
   質的に同じ形の開口が形成され、前記主送り歯と
   補助送り歯との間に係合装置を形成するようにな
   つている転換自在加工物送り装置。 ５ 前記第４項記載の転換自在加工物送り装置に
   おいて、前記補助送り歯を前記直線縫い針板上に
   おいて拘束するための前記装置が該針板の下に固
   定された頭部付き締着部材を有し、前記補助送り
   歯の前記平らな基礎部分にその上の前記加工物係
   合送り部分と実質的に平行に延びる締着部材適合
   溝孔が形成され、前記針板と前記締着部材の頭部
   との間の隙間が、前記補助送り歯の加工物係合送
   り部分を前記直線縫い針板の横方向拡大溝孔部分
   内に維持するように制限されている転換自在加工
   物送り装置。 ６ 前記第５項記載の転換自在加工物送り装置に
   おいて、前記直線縫い針板の下側に凹所が形成さ
   れ、前記頭部付き締着部材が前記凹所内に前記補
   助送り歯の前記平らな基礎部分を拘束するように
   なつている転換自在加工物送り装置。 ７ 前記第６項記載の転換自在加工物送り装置に
   おいて、前記補助送り歯の加工物係合送り部分が
   前記平らな基礎部分の一つの側縁に沿つて形成さ
   れ、前記締着部材適合溝孔が前記平らな基礎部分
   の相対する側縁の極く近くに形成され、前記平ら
   な基礎部分の前記相対する側縁に直立リブが形成
   され、該リブが前記頭部付き締着部材により、前
   記直線縫い針板の下の前記凹所内に形成された溝
   に対して拘束されるように構成されている転換自
   在加工物送り装置。