JPS6227910B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はアークスタツド溶接機の溶接モニタ
装置に関するものである。

アークスタツド溶接機は普通溶接すべき母材の
表面部分からスタツドを引き上げると同時にパイ
ロツトアークを発生し引き続いて溶接アークを発
生し、所定時間後に通電をしや断すると同時にス
タツドを母材溶融面に突つ込んで溶接するように
構成されており、溶接電流、その通電時間および
母材へのスタツドの押し付けのタイミングは溶接
の良否を決定する重要なフアクタである。そして
例えば溶接電流が予定のレベルでない場合や溶接
電流の通電時間を決めるタイマの故障或いは母材
へのスタツドの突つ込みのタイミングのずれ等は
いずれも溶接不良の原因となる。

従来アークスタツド溶接では溶接機ハンマー等
を用いて溶接スタツドの溶接の良否を検査してお
り、溶接スタツドの本数が多い場合には非常な労
力と時間を必要とし非能率的であり、しかもこの
ような検査方法は検査する人により個人差が生じ
易く、正確なものではない。そのため土木建設等
におけるアークスタツド溶接では予じめある程度
の溶接不良を見込んで必要本数より多数のスタツ
ドを溶接しているのが実情である。このことは溶
接電力やスタツドの浪費だけでなく作業コストを
増加させることになる。

この発明の目的は溶接作業と同時に簡単かつ容
易に溶接不良を非破壊的検査できると同時に不良
原因を容易に追求できるようにしたアークスタツ
ド溶接機の溶接モニタ装置を提供するとにある。

従つて、この目的のため、この発明によれば、
パイロツトアーク電流の発生により始動して時間
測定を開始しそしてタイマで予じめ設定された主
溶接アーク電流の通電時間の終了と同時に行なわ
れる母材へのスタツドの押し付け時に生じる短絡
電流を検出して時間測定を停止する測定回路と、
主溶接アーク電流の値を測定する回路と、測定し
たアーク電流の通電時間をデジタル表示する表示
器と、測定した主溶接アーク電流の値をデジタル
表示する表示器とを有し、上記通電時間とアーク
電流の効値とによりスタツドの溶接状態をチエツ
クするようにしたアークスタツド溶設機の溶接モ
ニタ装置が提供される。

この発明による溶接モニタ装置においては好ま
しくは上記チエツクを行なつて各測定値がそれぞ
れ予定の許容範囲内にない場合警報信号を発生す
る装置を設けることができる。

以下この発明を添附図面を参照してさらに説明
する。

第１図にはこの発明による溶接モニタ装置をブ
ロツク線図で示し、１は溶接電源からの溶接アー
ク電流および主溶接アークの発生を導くパイロツ
トアーク電流を検出する入力回路を成す分流回
路、２はアツテネタ、３は波形整形回路、４は増
幅器回路、５はデジタルカウンタから成る通電時
間のデジタル表示器、６は電流値例えば実効値を
測定する回路、７は増幅器回路、８は電流値のデ
ジタル表示器、９は通電時間の許容範囲設定装
置、１０は比較器、１１は警報信号発生装置、１
２は電流値の許容範囲設定装置、１４は比較器、
１５は警報信号発生装置である。入力回路１で検
出したパイロツトアーク電流（第２図に符号Ｉ_P
で概略的に示す）および溶接電源からの主溶接ア
ーク電流Ｉ_W（第２図）はアツテネタ２を介して
一方では時間測定回路へ供給されすなわち波形整
形回路３で波形整形され、増幅器回路４で増幅し
てデジタル表示器５に供給される。こうしてパイ
ロツトアーク電流Ipの発生時点からアーク消失時
の短絡電流Is（第２図）の検出時点までの時間を
測定し、記憶し、表示する。他方アツテネタ２か
らの出力電流は実効値回路６および増幅器回路７
を介してデジタル表示器８へ供給され、溶接アー
ク電流の値をデジタル表示する。各デジタル表示
器５，８の記憶内容は次のパイロツトアーク電流
の検出により解除され、装置はリセツトされる。

またこの発明においては測定した時間が装置９
で設定された許容範囲内にあるかどうかを比較器
１０で比較し、測定した通電時間がその許容範囲
内にない場合には警報ランプまたはブザーから成
る警報信号発生装置１１を作動させて警報を発す
るようにすることができる。同様にデジタル表示
器８に記憶された電流の値が装置１３で設定した
許容範囲内にあるかどうかを比較器１３で比較
し、その値が設定範囲内にない場合には装置１１
と同様な装置１４を作動させて警報を発するよう
にすることができる。

本装置の使用において例えば電流値が設定した
許容範囲内にありそして測定した時間が設定した
許容範囲外である場合には、溶接機の溶接ガンの
スライドまたは傾きが原因であり、また実効電流
値が許容範囲外で時間が許容範囲内である場合に
は溶接機の電源またはケーブルループの故障が原
因であることがわかる。

以上説明してきたようにこの発明による装置に
よれば、溶接電流の値およびその通電時間を測定
するとにより溶接作業と同時スタツドの溶接不良
をチエツクすることができ、また溶接不良の原因
の追求および対策を容易に行なうことができる。
従つて生産性を飛躍的に高めることができると同
時スタツド等の材料の無駄を減少してコストを大
幅に低減することができる。また例えば自動車産
業、家電品等の大量生産工場において利用した場
合には生産効率の上昇と共に製品の質を高めるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による溶接モニタ装置の一実
施例を示すブロツク線図、第２図はこの発明を実
施しているアークスタツド溶接機の溶接電流波形
を概略的に示す図である。 図中、１……入力回路、２……アツテネタ、３
……波形整形回路、４……増幅器回路、５……デ
ジタル表示器、６……電流値測定回路、７……増
幅器回路、８……デジタル表示器である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ パイロツトアーク電流の発生により始動して
   時間測定を開始しそしてタイマで予じめ設定され
   た主溶接アーク電流の通電時間の終了と同時に行
   なわれる母材へのスタツドの押し付け時に生じる
   短絡電流を検出して時間測定を停止する測定回路
   と、主溶接アーク電流の値を測定する回路と、測
   定したアーク電流の通電時間をデジタル表示する
   表示器と、測定した主溶接アーク電流の値をデジ
   タル表示する表示器とを有し、上記通電時間とア
   ーク電流の値とによりスタツドの溶接状態をチエ
   ツクするようにしたことを特徴とするアークスタ
   ツド溶接機の溶接モニタ装置。 ２ 測定したアーク電流の通電時間および値がそ
   れぞれ予じめ設定した許容範囲内にあるか否かを
   チエツクして許容範囲からはずれる場合に警報信
   号を発生する装置を設けたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項に記載の溶接モニタ装置。