JPS6227840B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は洗たく機の排水装置に係り、特に洗た
く機と脱水機を並べて結合したいわゆる二槽式洗
たく機の排水出口部の改良に係るものである。

一般に、二槽式洗たく機においては、洗たく槽
側の洗たく排水孔と脱水水受槽側の脱水排水孔は
別々に設けられている。このため、Ｙ字の排水継
手を用いて一つにまとめ一本の排水ホースで下水
路へ排水を導くようにしていた。

しかし、Ｙ字の排水継手を用いるものにおいて
は次のような欠点があつた。

一つは、排水がよく行なわれなくなることであ
る。洗たく排水ないし脱水排水中に含まれている
糸くず等が管路の狭いＹ字継手の合流点で詰まつ
てしまい排水が悪くなるのである。

もう一つは、排水ホースまで含めると排水路の
接続個所が三つと多く、水漏れが生じ易いという
ことである。

本発明は前記の欠点に対処し、糸くず等の詰ま
り、水漏れの極めて生じにくいものを提供するこ
とを目的とするものである。

本発明は、洗たく槽の底部には仕切壁に近づけ
て洗たく排水孔を設け、洗たく排水孔には下方に
延在する筒状の洗たく排水筒体を槽体と一体に形
成し、脱水水受槽の底部には仕切壁に近づけて脱
水排水孔を設け、脱水排水孔には逆止弁を設け、
洗たく排水筒体および排水孔をぐるりと囲う筒状
の筒体をもつて集合排水筒体を形成するとともに
この集合排水筒体を下方に延在するように槽体の
下面に一体に形成し、集合排水筒体に排水ホース
を嵌合させたことを特徴とするものである。

以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。洗たく槽１と脱水水受槽２を合成樹脂にて一
体に形成して槽体を作つている。槽体の内部を分
割する仕切壁３は合成樹脂にて槽体と一体に形成
されている。この仕切壁３にて槽体は洗たく槽１
と脱水水受槽２に分けられている。

洗たく槽１の底部にはパルセータ４が設けられ
ている。このパルセータ４はモータにて駆動され
るものである。排水目皿５は洗たく槽１の底部に
設けられている。弁体６は洗たく槽１内の水を止
めたり、排水させたりするものである。この弁体
６は上下に動けるように支持されている。常時、
弁体６には弁体６が下方に押し下げられるように
押圧ばね７が設けられている。

脱水槽８は、脱水水受槽２内に置かれている。
この脱水槽８はモータにて高速に回わされるもの
で、脱水槽８内に入れられている洗たく物から水
分を遠心分離するものである。

さて、本発明の主要部である排水回りについて
説明する。

洗たく槽１の底部には仕切壁３に近づけて洗た
く排水孔９が設けられている。この排水孔９には
下方に延在する筒状の洗たく排水筒体１０が槽体
と一体に形成されている。洗たく排水筒体１０の
下端側は絞つて細くなつている。ノズル１１は排
水筒体１０の下端内側に嵌め込まれている。この
ノズル１１により、排水筒体１０の下端はより細
く絞られているのである。

脱水水受槽２の底部には仕切壁３に近づけて脱
水排水孔１２が形成されている。脱水槽水孔１２
の下端は脱水水受槽２の底より少し下がつてい
る。この下端に逆止弁１３が設けられている。

洗たく排水孔９と脱水排水孔１２は仕切壁３の
近傍に寄つた状態で設けられているのである。

集合排水筒体１４は、洗たく排水筒体１０およ
び脱水排水孔１２をぐるりと囲う筒状の筒体をも
つて形成されている。この集合排水筒体１４は槽
体の下面に下方へ延在するように一体に形成され
ている。

洗たく排水孔９と脱水排水孔１２は集合排水筒
体１４内に収まるので、双方の排水はここで一緒
になるのである。

排水ホース１５は、集合排水筒体１４に接続さ
れ、洗たく槽１および脱水水受槽２からの排水を
下水路に導くものである。

集合排水筒体１４は、洗たく排水筒体１０、脱
水排水孔１２をすつぽり囲う大きな空間１６をも
つている。この空間１６は洗たく排水中の空気を
分離する気水分離室の働きをもつている。

次に動作について説明する。

洗たく終了後、弁体６を押圧ばね７に抗に上げ
ると、洗たく槽１内の洗たく水は洗たく排水孔
９、洗たく排水筒体１０を通り、集合排水筒体１
４内に放出され、さらに排水ホース１５内を流れ
て下水路に排水される。

かかる集合排水筒体１４内での洗たく水の放出
において、逆止弁１３が水圧で閉じられるので洗
たく水は脱水水受槽２側には流水しないのであ
る。また狭い洗たく排水筒体１０から大きな空間
１６をもつ集合排水筒体１４の気水分離室に洗た
く水が放出された際に、洗たく水に含まている泡
等の空気分は、水分と分離される。排水ホース１
５を流れる洗たく水の空気分がそれだけ少なるの
で、空気溜まりによる排水性能の低下は改善され
る。空間２に溜つた空気分は、洗たく水排水終了
後に、逆止弁１３が開くので外部へ排気される。

洗たく排水筒体１０の先端は絞られ、さらにそ
の先にノズル１１が設けられているので、洗たく
槽１内の洗たく水は、ノズル１１より勢いよく放
出される。この洗たく水排水中に、脱水槽８を回
わして脱水水受槽２の脱水排水孔１２から脱水の
排水を行なうと、ノズル１１より勢いよく放出さ
れる洗たく排水に引つ張られて脱水の排水はよく
行なわれるのである。

洗たく排水孔９と脱水排水孔１２は大きな空間
１６をもつ集合排水筒体１４内で一つに合流する
ので、洗たく水の排水、脱水の排水に糸くず等が
含まれていても、合流するところでその糸くず等
が詰まつてしまうことは生じにくいものである。

洗たく槽１、脱水水受槽２および排水ホース１
５からなる排水路は、接続個所１つ（集合排水筒
体１４と排水ホース１５の接続部）であるので、
それだけ水漏れが生じにくくなるのである。

洗たく排水孔９には下方に延在するように洗た
く排水筒体１０が槽体と一体形成されている。さ
らにこの洗たく排水筒体１０および脱水排水孔１
２をぐるりと囲う集合排水筒１４を槽体の下面に
下方へ延在するように一体に形成している。この
ように、集合排水筒体１４および洗たく排水筒体
１０が槽体と一体に形成されているので、槽体の
下部の排水部回りは丈夫な構造になつているので
ある。このために洗たく水としてお湯を使用して
も、槽体の排水部回りは熱変形を来たしずらく、
集合排水筒体１４と排水ホース１５の接続部から
水漏れすることが起きにくいものである。

以上述べたように、本発明は洗たく槽の底部に
は仕切壁に近づけて洗たく排水孔を設け、洗たく
排水孔には下方に延在する筒状の洗たく排水筒体
を槽体と一体に形成し脱水水受槽の底部には仕切
壁に近づけて脱水排水孔を設け、脱水排水孔には
逆止弁を設け、洗たく排水筒体および排水孔をぐ
るりと囲う筒状の筒体をもつて集合排水筒体を形
成するとともにこの集合排水筒体を下方に延在す
るように槽体の下面に一体に形成し、集合排水筒
体に排水ホースを嵌合させたことを特徴とするも
のである。

この構成によれば、次のような作用、効果を期
待できる。

(1) 洗たく排水孔側と脱水排水孔側は大きな空間
をもつ集合排水筒体で一つにまとめられている
いるので、この合流部で糸くず等が詰まること
は生じにくいのである。

(2) 排水路の接続個所（集合排水筒体と排水ホー
スの接続）は一つであるので水漏れが起きにく
いのである。

(3) 洗たく排水は大きな空間をもつ集合排水筒体
に放出されて気水分離が行なわれるので、排水
ホースを流れる洗たく水の空気分はそれだけ少
なくなり、よく排水が行なわれるのである。

(4) 洗たく排水筒体およびこの洗たく排水筒体を
ぐるりと囲う集合排水筒体が槽体と一体に形成
されているので、槽体の下部の排水回りは丈夫
である。このために洗たく水としてお湯を使用
しても槽体の排水部回りは熱変形を来たしずら
く、集合排水筒体と排水ホースの接続部から水
漏れすることが起きにくいのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す洗たく機の要
部断面図、第２図は他の実施例を示す洗たく機の
要部断面図である。 １…洗たく槽、２…脱水水受槽、９…洗たく排
水孔、１０…洗たく排水筒体、１２…脱水排水
孔、１４…集合排水筒体、１５…排水ホース。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗たく槽と脱水水受槽を合成樹脂にて一体に
   形成した槽体と、合成樹脂にて槽体と一体に形成
   し、かつ槽体内を洗たく槽と脱水水受槽に仕切る
   仕切壁とからなる洗たく機の排水装置において、 洗たく槽の底部には仕切壁に近づけて洗たく排
   水孔を設け、洗たく排水孔には下方に延在する筒
   状の洗たく排水筒体を槽体と一体に形成し、 脱水水受槽の底部には仕切壁に近づけて脱水排
   水孔を設け、脱水排水孔には逆止弁を設け、 洗たく排水筒体および排水孔をぐるりと囲う筒
   状の筒体をもつて集合排水筒体を形成するととも
   にこの集合排水筒体を下方に延在するように槽体
   の下面に一体に形成し、 集合排水筒体に排水ホースを嵌合させたことを
   特徴とする洗たく機の排水装置。