JPS6227606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は浴室の側壁、天井面等の取付体に結着
され、その裏面に空気室を具備して断熱効果を高
めるように図つた建築パネル構造である。

近年合成樹脂製建築パネルが一般家庭に浴室、
洗面所、台所等の内壁材として広く用いられるよ
うなつた。従来の建築パネル構造の一例として第
８図に示す如く一端に差込端１１を、反対端にこ
の差込端１１を嵌受する差込受溝１２を備え且つ
この差込端１１の近傍に取付体Ａに当止すべき支
脚１３を突設的に具備したパネル１の複数個を、
該パネルの幅方向に連設して互いに隣接的に突き
合う各差込端１１…を相手の差込受溝１２…に差
込嵌合すると共に前記各受溝１２…の溝壁１２１
…の夫々を貫く止具Ｂ…にて取付体Ａに結着して
上記パネル１…をこの取付体Ａの内面に張設し、
この張設したパネルの終端部１０…を浴室Ｒの各
入隅出隅部等に於て受具３、抑え具４及び止具
Ｃ，Ｄにて端仕舞いをしたパネル構造がある。こ
こで取付体Ａとは側壁においては横桟でありまた
天井面では天井梁を意味し、また終端部１０とは
該浴室内での施工にあたつてその形状に合わせて
適当に裁断されるパネルのその裁断部を含めて各
コーナー部（入隅、出隅）に相当する箇所を総称
するものである。パネル１は塩化ビニル樹脂等の
熱可塑性樹脂の低発泡体（発泡率1.5〜2.0倍）で
製せられるものであり、上記支脚１３と受溝１２
との間に取付体Ａに当止する補強リブを長手方向
に複数個有することもある。このような構成のパ
ネル構造は取付方法が簡単でしかも気密性、水密
性に優れ更に止具の頭が表面に露出しない構造で
あるので体裁も良く、特に浴室等に好ましく採用
されるものである。浴室に用いられる場合、上記
パネル１自体断熱性に優れたものであるが上記支
脚１３と受溝１２との間の凹所１４に高発泡合成
樹脂板（例えば、発泡スチロール等）を貼着する
ことによつてその断熱効果を高める創意もなされ
ている。この高発泡合成樹脂板はパネルの製造時
に同時に貼着されるもので、製品としての上記パ
ネルは浴室用とその他断熱性を左程要しないもの
とに区別される必要があつた。

本考案は従来のパネルに加えて別の裏板部材を
用いることによりパネルの裏面に実質的に四方が
閉鎖された空気室を設け断熱効果を更に高めると
共に、用途に応じて使いわけを可能とするよう上
記裏板部材を離脱可能としたことに特徴がある。

本考案の望ましい実施例を図に採つて詳述する
と、第１図は本考案の第１の実施例の取付構造を
示す部分縦断面図、第２図〜第７図は夫々本考案
の第２〜第７の実施例を示す縦断面図である。即
ち本考案は一端に差込端１１を反対端にこの差込
端１１を嵌受する差込受溝１２を備え且つこの差
込端１１の近傍に取付体Ａに当止すべき支脚１３
を突設的に具備したパネル１の複数個を、該パネ
ルの幅方向に連設して互いに隣設的に突き合う各
差込端１１…を相手の差込受溝１２…に差込嵌合
すると共に前記各受溝１２…の溝壁１２１…の
夫々を貫く止具Ｂ…にて取付体Ａに結着して上記
パネル１…をこの取付体Ａの内面に張設し、この
張設したパネル１の終端部１０…を浴室Ｒの各入
隅出隅部等に於て受具３、抑え具４及び止具Ｃ，
Ｄにて端仕舞いをした建築パネル構造に於て、前
記パネル１…の支脚１３…及び受溝１２…との間
に存する凹所１４…内に裏板部材２…を該パネル
１…に対し離脱可能に嵌納して上記凹所１４…内
に実質的に四方閉鎖された空気室５…を縦設せし
めたことを特徴とする建築パネル構造であり、図
例では上記裏板部材２をパネル１と同材質の低発
泡合成樹脂製で、浅い逆Ｕ型の係合子２２，２２
を含む両脚部２１，２１とから成る溝型材としそ
の両脚部２１，２１を上記パネル１の支脚１３及
び溝壁１２１に係合離脱自在としている。この裏
板部材２と対にしてパネル１…を上述の如く連設
して浴室の側壁、天井面に張設するとその裏面に
実質的に四方が閉鎖された空気室５…が縦設され
ることになり、該空気室５…内の空気はほぼ完全
に外部と遮断されてその流動性も少なく浴室内外
の断熱に極めて効果的となる。この裏板部材２は
パネル１に対して離脱可能であるから断熱を左程
要しない洗面所等にはこれを用いずパネル１…で
施工すれば良いことは云うまでもない。

第２の実施例（第２図）は第１の実施例のパネ
ル１に対し無発泡合成樹脂製の裏板部材２を同様
に嵌納したものであり、裏板部材２の板厚が薄い
為空気室５の断面積が大となり断熱効果が更に期
待されるものである。第３の実施例（第３図）は
第１の実施例の裏板部材２のほぼ中央長手方向に
上記凹所１４底壁に当止すべく補強リブ２３が突
設され、パネル１との間に空気室５が２箇隔設さ
れるもので、断熱効果に加えてパネル１の強度ア
ツプが期待される。第４及び第２の実施例（第４
図及び第５図）はいずれもパネル１にその凹所１
４のほぼ中央に補強リブ１５を突設的に有する場
合を示し、係合子２２と補強リブ１５との係合に
より裏板部材２をパネル１に離脱可能に嵌納する
ものであり期待される効果は第３の実施例と同様
である。ここで裏板部材２は無発泡合成樹脂製の
ものを示すが、低発泡合成樹脂製であつても良
い。第６及び第７の実施例（第６図及び第７図）
はいずれもパネル１が幅方向寸法が大の場合で、
前者（第６の実施例）は裏板部材２に補強リブ２
３が複数個形成されパネル１との係合方法は実施
例３等と同様である。また後者（第７の実施例）
はパネル１に補強リブ１５が複数個形成され裏板
部材２との係合方法は実施例４等と同様である。
この実施例はいずれもパネル１と裏板部材２との
係合状態に於て複数個の空気室５…が形成される
ものでその効果は上記と何等変るものではない。
このパネル１の幅方向寸法の大小は使用者の好み
により決められるものであるが、幅大の場合取付
の煩しさが少いという利点がある反面、取付体Ａ
に対する取付強度の面からは幅小の方が好ましく
採用されるものである。

叙述の如く本考案の建築パネル構造にあつては
その裏面に外部と遮断された空気室が連続的に複
数個縦設されるから浴室内外の断熱に極めて効果
的である。特に一般家屋の天井裏は各部屋に共通
であるから、浴室の熱気が天井裏を通して居間等
に侵入して夏場等不快感の原因ともなる。このよ
うに浴室と天井裏又は隣室とを仕切るパネル１に
中空部（空気室）を簡易な方法で設けることによ
り効果的に浴室からの熱の伝熱を防ぐことが出
来、しかも本パネル構造は水密性、気密性に優れ
ているから側壁の裏桟や天井裏の天井梁の腐蝕を
防止するし水蒸気を伴つた不快な熱気が天井裏を
通して他の部屋に侵入することがなく日常生活が
快適なものとなる。また上記裏板部材２はパネル
１に対し離脱可能であるから、断熱を必要としな
い場合には裏板部材２を取り去ることができると
共にこのパネル１は一般建築用として大量生産出
来る利点があり、浴室の施工にあつては別に製せ
られた上記裏板部材２を単に嵌め合わせるという
操作だけで良いから取扱いが極く簡単である。…
等本考案の効果はすこぶる大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例の取付構造を示
す部分縦断面図、第２図〜第７図は夫々本考案の
第２〜第７の実施例を示す縦断面図、第８図は従
来のパネル取付構造を示す部分縦断面図である。 符号の説明、１……パネル、１１……差込端、
１２……差込受溝、１３……支脚、１４……凹
所、２……裏板部材、５……空気室、Ａ……取付
体、Ｂ……止具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に差込端１１を反対端にこの差込端１１を
   嵌受する差込受溝１２を備え且つこの差込端１１
   の近傍に取付体Ａに当止すべき支脚１３を突設的
   に具備したパネル１の複数個を、該パネル１の幅
   方向に連接して互いに隣接的に突き合う各差込端
   １１…を相手の差込受溝１２…に差込嵌合すると
   共に端部に於て止具Ｂ…にて取付体Ａに結着して
   成る建築パネル構造に於て、前記パネル１…の支
   脚１３…及び受溝１２…との間に存する凹所１４
   …内に裏板部材２…を該パネル１…に対し離脱可
   能に嵌納して上記凹所１４…内に実質的に四方閉
   鎖された空気室５…を縦設せしめたことを特徴と
   する建築パネル構造。