JPS62276013A - 耐炎化炉 - Google Patents

耐炎化炉

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JPS62276013A
JPS62276013A JP11552686A JP11552686A JPS62276013A JP S62276013 A JPS62276013 A JP S62276013A JP 11552686 A JP11552686 A JP 11552686A JP 11552686 A JP11552686 A JP 11552686A JP S62276013 A JPS62276013 A JP S62276013A
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fibers
flame
resistant
gas atmosphere
fiber
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JP11552686A
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Tatsuo Akimoto
秋本 龍夫
Masashi Ogasawara
小笠原 正史
Takashi Takada
高田 貴
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 3、発明の詳細な説明 [産業上の利用分野] 本発明は、前駆体繊維の耐炎化炉に関し、特に硫黄含有
ガス等の有毒ガス成分を含む加熱酸化性ガス雰囲気で耐
炎化し、該繊維の中に該有毒ガスの成分の一部または全
部を化学的に結合せしめて含有する、通常の耐炎繊維と
異なる性質を有する耐炎繊維を連続的に製造する耐炎化
炉に関する。
[従来技術] 通常、耐炎繊維は、ポリアクリロニトリル系繊維、再生
セルロース繊維、フェノール系繊維、ピッチ系繊維等の
有機重合体から成る前駆体繊維を平行して焼成装置内に
多糸条に並へ、ローラ間で走行させ、その間で空気また
は酸化性ガス雰囲気中にて、温度200〜300’Cで
焼成処理して製造される。
更に、この耐炎繊維を窒素、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気中にて温度800〜2000℃に焼酸処理すること
によって炭素繊維が製造され、また、更に、温度200
0 ’C以上で黒鉛化を行ない、ヤング率の一段と高い
黒鉛繊維を製造することも行なわれている。
一方、建築用無機質板、たとえば石綿、セメント板、珪
酸カルシウム板、軽量気泡コンクリ−1〜板(ALC)
などのように、石灰質や硅酸質などからなる水硬性無機
物質が高温、水蒸気(オートクレーブ)中で養生される
と、該水硬性無機物質は110〜140’Cにおける水
熱反応によって、11大トバモライト、150−4.0
0℃にお〔ブる水熱反応によって、ジノトライ1〜と呼
ばれる高結晶性の水和物を形成し、この水硬性無機物質
の硬化体を構成する水和物によって、その製品、すなわ
ち屋根材、床材、外壁、および間仕切りなどの建築材料
に優れた断熱性と熱的安定性が付与され、加えてその乾
燥収縮を少なくし、化学的抵抗性を大きくすることがで
きると言われている。
したがって、このような高温の水蒸気中での養生を必須
とする上記高性能水硬性無機質製品の補強用繊維として
は、石綿や鉄筋などが使用されてきた。
また従来、消防服、炉前床、溶接火花防止シートなどの
保護具、ガスケツ1〜、グランドバッキングなどのシー
ル材料、断熱材、バッグフィルターによって代表される
濾材、ブレーキ、クラッチなどの摩擦材、および電気絶
縁材料などの耐熱性と耐炎性を要求される製品にも、石
綿が広く使用されてきた。
しかしながら、天然素材の石綿は、そのほとんどを輸入
に依存しているために、価格の変動が著しい他に、近年
、石綿が健康、衛生上有害であることが明白になったた
めに、その使用が忌避ないし制限されようとしており、
この石綿に代わる補強用繊維に対する要求は極めて強く
なっている。
これまで、石綿に代る補強用IIIA雑として提案され
てきた繊維の中で、アクリル系繊維は安価で、高強力、
耐アルカリ性に優れれているというメリットから、最近
では石綿に代るセメント補強用として使用されようとし
ている。
しかしながら、アクリル系繊維は常温付近では比較的安
定した耐アルカリ性を示すが、100’Cを越える高温
になると、その耐アルカリ性が急激に低下し、強度の低
下が甚だしくなるため、オートクレーブ養生用としては
石綿に代替し得るものではなかった。
また、アクリル系繊維を高温の空気中で加熱、酸化する
ことによって製造される耐炎繊維が、石綿代替繊維とし
て注目されているが、繊維の内部に比較して、繊維の表
皮部の酸化の程度が極めて大きい不均一な酸化構造を有
しているために、機械的強度、特に引張強度が小ざく、
靭性(タフネス)が低く、紡績または紡編織が困難であ
り、仮に紡編織し得たとしても、得られた製品の耐摩耗
性および耐熱性が悪く、たとえば150℃以上の高温下
で長時間使用すると、その強度が低下し、実用性能を失
うなどといった問題があった。
他方、特公昭47−36461号公報には、二酸化硫黄
雰囲気下でアクリロニトリル重合体繊維を200〜50
0’Cに耐炎化し、硫黄含有耐炎域帷を得る例について
記載されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記のような有毒ガス成分を含む加熱酸
化性ガス雰囲気にて、前駆体繊維を連続的に処理し、工
業的に該有毒ガスの成分の一部または全部を含有する耐
炎ll1M、を連続的に製造する耐炎化炉についてはま
だ実用例が見当らない。
本発明者らは、特に前記硫黄含有耐炎繊維が前述の問題
点を解決し得る優れた耐アルカリ性、靭性(タフネス)
を有することに着目し、その連続的製造を可能にする耐
炎化炉について鋭意検討した結果、本発明に至った。
本発明の目的は、有毒ガス成分を含む加熱酸化性ガス雰
囲気(以下、酸化性有毒ガス雰囲気と称す)下で、前駆
体繊維を連続的に耐炎化し、該有毒ガス成分の一部また
は全部を化学的に結合せしめて含有する耐炎繊維を製造
する耐炎化炉を提供することにあり、特に、前記有毒ガ
ス成分が二酸化硫黄等の硫黄含有ガスであって、前記高
温の水蒸気中でオートクレーブ養生される水硬性無機質
製品に対して、申越した補強効果を奏する補強用アクリ
ル系耐炎繊維、あるいは、また、引張強度のみならず、
靭性(タフネス)に優れ、慣用の紡編織技術によって容
易に編織物などの布帛製品に加工でき、石綿代替繊維と
しての耐熱性や耐炎性などの実用性能を具備したアクリ
ル系耐炎繊維を連続的に製造する耐炎化炉を提供せんと
することにある。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成する本発明の耐炎化炉は、次の構成から
なる。すなわち、 前駆体lIi維を、加熱酸化性ガス中に有毒ガス成分を
含む雰囲気で耐炎化し、該有毒ガスの成分の一部または
全部を化学的に結合せしめて含有する耐炎繊維を製造す
るための耐炎化炉において、上記前駆体繊維を移送せし
める互いに相対して配置せしめられたローラ群と、前記
前駆体繊維を囲んで前記有毒ガス成分を含む加熱酸化性
ガス雰囲気を構成するチャンバ(A>と、前記加熱酸化
性ガスを該チャンバ(A>外へ排気し、その一部を加熱
装置を介して再び該チャンバ(A)へ供給する循環系と
、不活性ガスの供給孔を有し、相対する前記ローラ群の
一部または全部を囲んで不活性ガス雰囲気を構成するチ
ャンバ(B)と、で構成してなることを特徴とする耐炎
化炉である。
また、上記耐炎化炉において、前記有毒ガス成分が硫黄
含有ガスであって、少なくともチャンバ(A)と循環系
の該有毒ガスが接する接触ガス面を耐腐蝕性材料で構成
せしめてなることを特徴とする耐炎化炉である。
[補強繊維コ 本発明の方法で製造しようとする水硬性物質補強用アク
リル系耐炎繊維(以下、単に補強繊維という)は、従来
の空気中酸化によって耐炎性が付与された酸化繊維(耐
炎性繊維)とは相違し、該補強繊維中に含有される化学
的結合硫黄によって耐炎性を付与された繊維であって、
硫黄含有率が少なくとも1重量%、好ましくは2重量%
以上であり、引張強度が3,5q/d以上有するもので
ある。
前記補強繊維中に含有される硫黄含有量は、好ましくは
2重量%以上であり、この硫黄含有量が1重量%よりも
少なくなると、補強繊維の耐アルカリ性が低下し、高温
下での水蒸気養生によって繊維の強度が低下し、水硬性
無機質製品に対する補強効果が失われる。また、この硫
黄含有量が余りに多くなり杉ると、補強繊維の強度が低
下するので、前記した3’、’5q/d以上という補強
繊維の引張強度を満足させるためには、該硫黄含有量を
25重量%以下、好ましくは15重量%以下にするのが
よい。そして本発明で得ようとする補強繊維は、好まし
くはその引張強度が少なくとも3゜50/d以上、さら
に好ましくは4.50/d以上であり、このような引張
強度を満足することによって前記水硬性物質無機製品に
対する実用上の補強効果、特にアスベストの補強効果を
凌駕する補強効果を満足するのである。
硫黄含有量が少なくとも1重量%であり、引張強度が3
.5g/d以上である補強繊維は、以下に詳述するアク
リル系繊維を前駆体として使用し、特定の耐炎化工程お
よび条件を採用することによって得ることができる。
前記補強m維を製造するために使用されるアクリル系繊
維としては、その重合度が少なくとも1゜5、好ましく
は2.0〜5.0の高重合度アクリロニトリル(以下、
ANと略す)系ポリマを使用し、この高重合度AN系ポ
リマからできる限り高強度、高弾性率のアクリル系繊維
、たとえば引張強度が少なくとも7C]/dのアクリル
系繊維を形成させることが好ましい。
そして、この高強度アクリル系繊維は、硫黄含有雰囲気
中で比較的緩慢な反応条件下に加熱、硫化せしめ、s紺
内部まで十分に硫黄結合が導入された内外構造差の少な
い耐炎繊維にすることが重要であるが、このような内外
構造差の少ない、高強度の硫黄含有耐炎繊維を製造する
ためには、前駆体のアクリル系繊維としても内外構造差
の少ない、緻密で高強度のアクリル系繊維であることが
望ましい。
ここで、本発明に使用されるアクリル系繊維の製造に用
いられるAN系重合体としては、AN単独または少なく
とも95モル%のANと5モル%以下の該ANに対して
共重合性を有する七ツマ、たとえばアクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、などのジカルボン酸およびそれら
の低級アルキルエステル類、ヒトロキシメヂルアクリレ
ート、ヒドロキシエチルアクリル酸ト、ヒトロキシメヂ
ルメタクリレートなどのカルボン酸の水酸基を含有する
ヒドロキシアルキルアクリレ−1〜、アクリルアミド、
メタクリルアミド、α−クロルアクリロ二1〜リル、ヒ
ドロキシエチルアクリル酸、アリルスルホン酸、メタク
リルスルホン酸などの共重合体を例示することができる
これらのAN系ポリマは、ジメヂルスルホキシド(DM
SO> 、ジメチルアセタミド(DMAc>、ジメチル
アセタミド(DMF)などの有機溶剤、塩化カルシウム
、塩化亜鉛、ロダンソーダなどの無機塩濃厚水溶液、硝
酸などの無機系溶剤に溶解して、溶液粘度が2000ボ
イス以上、好ましくは3.○OO〜10,000ポイズ
、ポリマー 11 = 濃度が5〜20%の紡糸原液を作成する。
かくして得られた前記高重合度AN系ポリマの溶剤溶液
(紡糸原液)から、できる限り高強度、高弾性率の、内
外構造差の少ない緻密な繊維を製造するためには、この
高重合度AN系ポリマの紡糸原液を紡糸口金を通して一
旦空気などの不活性雰囲気中に吐出した後、吐出された
該紡糸原液をi疑問浴中に導いて凝固を完結させる、い
わゆる乾・湿式紡糸法を採用し、高度に延伸することが
望ましい。
この乾・湿式紡糸の具体的条件としては、紡糸原液を紡
糸口金面と凝固浴液面との間の距離を1〜20mm、好
ましくは3〜1Qmmの範囲内に設定し、該紡糸口金孔
から紡糸口金面と凝固浴液面とで形成される微小空間に
吐出した後、凝固浴に導き凝固させ、次いでjqられた
凝固繊維糸条を常法により、水洗、脱溶媒、1次延伸、
屹燥・緻密化、2次延伸、熱処理などの後処理工程を経
由せしめて延伸繊維糸条とする。この乾・湿式紡糸によ
って得られる繊維糸条は、延伸性が極めて優れているが
、好ましくは2次延伸方法として、150〜270℃の
乾熱下に1.1倍、好ましくは1.5倍以上延伸し、全
有効延伸倍率が少なくとも10倍、好ましくは12倍以
上になるように延伸し、その繊度を0.5〜7デニール
(d)、好ましくは1〜5dの範囲内とするのがよい。
この繊度が0,5dよりも小さいと、得られる補強繊維
の水硬性無機物質に対する分散性が不充分になり、補強
効果を十分に発揮させ難くなるし、7dよりも大きくな
ると、耐炎化処理時の繊維断面における耐炎化が不均一
になってくるので好ましくない。
かくして得られるアクリル系前駆体繊維は、通常引張強
度が少なくとも7q/d、好ましくは9CI/d以上、
引張弾性率が130q/d以上の機械的強度を有するが
、上記の乾・湿式紡糸において、極限粘度が少なくとも
2.5の高重合度AN系ポリマを使用した場合には、引
張強度が10Q/d以上、引張弾性率が180CI/d
以上、結節強度2.2c+/d以上、およびX線結晶配
向度が93%以上の優れた機械的物性を有する繊維を得
ることができる。
[石綿代替繊1i1 次に、本発明で1qようとする石綿代替繊維は、引張強
度が少なくとも3.5Q/d、引張強度と引張伸度の平
方根との積で示される靭性(タフネス)が10以上およ
び硫黄含有量が5重量%以上である硫黄含有アクリル系
耐炎繊維によって達成することができる。
本発明で得ようとする石綿代替繊維は、その耐熱性およ
び耐炎性が酸素結合の導入によるものではなくて、硫黄
結合の導入に基因する点に特徴があり、かつその硫黄含
有量が5重量%以上、好ましくは8〜25重量%であっ
て、引張強度が3゜5CI/d、好ましくは4〜9g/
dおよび引張強度(Cl/d)と引張伸度(%)の平方
根の積で表される靭性(タフネス)が10以上、好まし
くは12〜35である。
本発明で得ようとする石綿代替繊維の耐炎性は、硫黄含
有、すなわちアクリル系繊維が硫化されることによって
耐炎性が付与され、かつこの硫化による硫黄の含有量が
少なくとも5重量%以上である点に特徴かある。硫化さ
れた繊維中に含有される硫黄量が5重量%よりも少ない
と、耐炎性のみならず、耐熱性や耐薬品性、特に耐アル
カリ性などの特性を充分に付与できなくなるし、また余
りに多くなると機械的強度が低下する。
そして上記の耐炎繊維に対して、より高度の難燃性を付
与する上で、該耐炎繊維の限界酸素指数(IOI)を4
0以上、好ましくは45〜70にすることが望ましい。
このLOIが40よりも小さいときは、耐炎性または難
燃性が十分でないし、また余りに大きくなると、耐炎繊
維の柔軟性、耐屈曲性が低下するために好ましくない。
そして本発明によって得ようとする石綿代替繊維は、上
記強度特性を満足することが重要であって、引張強度が
3.5q/dよりも小さく、靭性(タフネス)が10よ
りも小さい場合は、該耐炎化繊維を紡績や紡編織などに
よって製品化、たとえば糸条物や布帛などに転換するに
際に、風綿が発生し易く、良好な糸条物や布帛などの製
品を得ることができないし、また製品として使用中に耐
炎化繊維が摩耗、脱落し、耐久性に乏しいものとなり、
実用性を満足しないのである。
しかるに、上記の石綿代替繊維は、引張強度が3.5q
/d以上で、靭性(タフネス)が10以上という特性を
有するために、耐炎繊維そのものの耐摩耗性が改良され
、前記製品化における風綿の発生がなく、製品としの実
用性能を大きく改良するのである。
この引張強度が3.5c+/d以上で、靭性(タフネス
)が10以上および硫黄含有量が5重量%以上である石
綿代替繊維は、以下に詳述する特定のアクリル系muを
前駆体として使用し、かつ特定の硫化工程および条件を
採用することによってはじめて得ることができる。
すなわち、まず前駆体のアクリリル系繊維としては、そ
の重合度が極限粘度で少なくとも1.5、好ましくは2
.0〜5.0の高重合度ポリマを使用し、このような高
重合度ポリマからできる限り高強度、高弾性率のアクリ
ル系繊維、好ましくは引張強度が少なくとも7(J/d
、好ましくは9q/d以上ざらに好ましくは10Q/d
以上のアクリル系繊維を形成させることが重要である。
上記の石綿代替繊維は、該前駆体のアクリル系繊維を硫
黄含有雰囲気中で比較的緩慢な反応条件下に加熱、硫化
し、繊維内部まで十分に硫黄結合を導入し、内外構造差
の少ない耐炎繊維とすることが必要であるが、このよう
な内外構造差の少ない高強度硫黄含有耐炎繊維の製造に
は、前駆体としても内外構造差が小さく、緻密で高強度
のアクリル系繊維であることが要求されるのである。
ここで、前記本発明に使用されるアクリル系繊維を構成
するAN系重合体としては、AN単独ポリマまたは、共
重合成分として、前述したアクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸などのほかに、これらのジカルボン酸の低級
アルキルエステル類、たとえばメチルアクリレート、メ
チルアクリレート、ジカルボン酸の水酸基含有エステル
類、たとえばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
ジエチルメタアクリレートおよびアリルスルホン酸、メ
タクリルスルホン酸など硫化促進能を有する化合物を例
示することができるが、これらの中で入手が容易で安価
なアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのジカル
ボン酸類が好ましく、その共重合量は5モル%以下、好
ましくは2モル%以下で、耐熱性および耐薬品性の上か
らできるだけAN単独ポリマに近い共重合組成にするの
がよい。
これらのAN系ポリマは、その溶剤、たとえばジメチル
スルホキシド(DMSO) 、ジメチルアセタミド(D
MAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの有機
溶剤、塩化力ルシュウム、塩化亜鉛、ロダンソーダなど
の無機塩濃厚水溶液、硝酸などの無機系溶剤に、好まし
くはDMSOなどの有機溶剤に溶解して、ポリマ濃度が
5〜20%の紡糸原液とされる。
そして得られた紡糸原液の紡糸方法としては、該高重合
度のAN系ポリマから高強度、高弾性率の内外構造差の
小さい、緻密なアクリル系繊維を製造する上で、乾・湿
式紡糸、すなわち紡糸口金面と凝固浴液面との間の距離
を1〜20mm、好ましくは3〜10mmの範囲内に設
定し、該紡糸口金孔から紡糸口金面と凝固浴液面とで形
成される微小空間に紡糸原液を吐出した後、凝固浴に導
き凝固させる方法を採用し、次いで得られた凝固繊維糸
条を常法により、水洗、脱溶媒、1次延伸、乾燥・緻密
化、2次延伸、熱処理などのあと処理工程を経由せしめ
て延伸繊維糸条とする。この乾・湿式紡糸によって得、
られる繊維糸条は、延伸性に極めて優れているが、好ま
しくは2次延伸方法トシて、150〜270℃の乾熱下
に少なくとも1.1倍、好ましくは1.5倍以上延伸し
、全有効延伸倍率が少なくとも10倍、好ましくは12
倍以上になるように延伸し、その繊度を0.5〜7デニ
ール(d)、好ましくは1〜5dの範囲内するのがよい
この繊度が0.5dよりも小さいと、得られる耐炎化繊
維の紡績性が低下し、耐摩耗性の良好な繊維製品を得る
ことが難しくなるし、7 d 、、にりも大きいと、硫
化処理時のili[断面における硫化が不均一になるた
めに好ましくない。
かくして得られる繊維は、通常引張強度が7q/d以上
、引張弾性率が1300/d以上の機械的物性を有する
が、特に極限粘度2.5以上の高重合度AN系ポリマか
らなる引張強度が10q/d以上、引張弾性率が180
q/d以上、結節強度2.2q/d以上の機械的物性を
有する繊維を前駆体として使用するのがよい。
[実施例と作用] 以下、本発明に係る耐炎化炉について、実施した例に基
づき更に詳しく説明する。
第7図および第8図は、従来の空気酸化による連続的耐
炎化炉の一例を説明するものであって、第7図は、炉外
ロール型式を示す模式図、第8図は、炉内ロール型式を
示す模式図である。
第7図、第8図において、前駆体繊維1は、相対する0
−7群3a、3b、3G、 および4a。
4b、4Cの回転により、耐炎化炉2内へ導入され、該
炉2内で200〜300℃の加熱空気を該−20= 前駆体繊維1へ吹き付けつつ、所定の滞留時間だけ、該
ローラ間を引廻して耐炎化処理を完了した後、耐炎m雑
として耐炎化炉2から導出される。
もちろん、本耐炎化処理は、1段で完了せしめることも
できるし、徐々に昇温しで数段で処理することもできる
また、第7図および第8図においては、前駆体繊維1が
水平の方向に引廻されて移送する横型炉の例で示したが
、該前駆体繊維1が垂直方向に引回されて移送する竪型
炉も公知である。
第7図で示した炉外ローラ形式は、前駆体繊維1を該ロ
ーラ群から炉内へ導入出するための開孔部を多数有する
ため、熱風の流出、大気の流入による熱ロス、温度分布
の不均一が生じ易い反面、該ローラ群が大気にさらされ
て表面温度が低いため、該前駆体繊維1の単糸間融着、
反応発熱による糸切れ等のトラブルが発生し難く、万が
一該前駆体繊維1が切断しても炉外にローラがあるため
、対処し易いという利点を有している。
一方、第8図に示した炉内ローラ形式は、上記炉外ロー
ラ形式と全く相反する得失を有している。
他方、本発明に係る耐炎化炉は、硫黄含有ガス等の有毒
ガス成分を含む酸化性有毒ガス雰囲気下での処理を必要
とするため、第7図で示した炉外ローラ形式はもらろん
のこと、第8図に示した炉内ローラ形式においても、該
炉2内への前駆体繊維1の導入出孔から有毒ガスが大気
へ流出する恐れがあり、本発明の目的とするような耐炎
繊維の連続的生産には供し得ない。
第1図および第2図は、本発明に係る連続的耐炎化炉の
主要部の一実施態様例を説明するものであって、第1図
は、横型炉の態様例を示す模式図、第2図は、竪型炉の
態様例を示す模式図である。
第1図、第2図において、前駆体繊維1は、相対して配
置せしめられたローラ群3a、3b、3c、3d、およ
び4a、4b、4cの回転により、耐炎化炉2内の当該
ローラ群を各々囲んで不活性ガス雰囲気系6を構成する
チャンバ(B)に先ず導入され、次に酸化性有毒ガス雰
囲気系5を構成するチャンバ(A>へ移送された後、再
び不活性ガス雰囲気系6を構成するチャンバ(B)へ導
入される、という風に、相対する移送用ローラ群をそれ
ぞれ全部囲む不活性ガス雰囲気系6と、その不活性ガス
雰囲気系6にはさまれた酸化性有毒ガス雰囲気系5とを
交互に通過させつつ連続的に耐炎化を進行せしめ、該有
毒ガス成分の一部または全部を含有する耐炎繊維を製造
するものである。
第1図に示した横型炉の例では、隔壁7が前記チャンバ
(A>および(B)の、第2図に示した竪型炉の例では
、酸化性有毒ガスの吹出し、および吸引ノズル8,9が
前記チャンバ(A)および(B)の一部を構成している
。第1図に示した横型炉の例では、前駆体繊維1が通過
するための最少間隙を有する隔壁7で、酸化性有毒ガス
雰囲気系5と不活性ガス雰囲気系6とを分離せしめてい
る。前記酸化性有毒カス雰囲気系5は、循環系で所定の
温度に加熱し、吹出し、および吸引ノズル8.9で垂直
方向の流れを作るのが温度分布均−化上好ましい。
第2図に示した竪型炉の例では、前駆体繊11が通過す
るための最少隙間を保持して吹出しおよび吸引ノズル8
,9を図に示すように配置せしめて、酸化性有毒ガス雰
囲気系5と不活性ガス雰囲気系6とを分離せしめるとと
もに、該酸化性有毒ガス雰囲気系5は、前述の横型炉の
例と同様に循環系を構成して所定の温度に加熱し、前記
吹出しおよび吸引ノズル8,9で垂直方向に流れを作る
のが温度分布上好ましい。
上記第1図および第2図に示した態様例においては、ロ
ーラ群をそれぞれ全部囲んで不活性雰囲気系を形成して
いるため、該雰囲気系での耐炎化反応は進行しないので
、ローラ上で前駆体繊維1の反応発熱に起因する糸切れ
、単糸間融着等のトラブルがない。
第3図、第4図、および第5図は、本発明に係る連続的
耐炎化炉の主要部の他の一実施態様例を、横型炉の態様
例において説明する模式図である。
移送用のローラ群を囲んで不活性ガス雰囲気系6を構成
するチャンバ(B)は、必ずしも第1図、および第2図
で示したように、ローラ群の全部を各々囲んで構成する
必要はなく、ローラごと前駆体繊維1を酸化性有毒ガス
雰囲気で加熱処理しても、反応発熱による暴走、あるい
は糸切れ、単糸間融着等の問題の少ないプロセスや条件
で用いる耐炎化炉においては、ローラ群の一部のみをチ
ャンバ(B)内へ配置せしめ、残りのローラをチャンバ
(A)内へ配置することもできる。
例えば、第3図の例に示す如く、耐炎化反応の激しい前
処理ゾーンのみ、ローラ群の一部のローラ3c、4cを
不活性雰囲気チャンバ(B)へ配置して、該反応の暴走
を抑制し、残りは一気に酸化性有毒ガス雰囲気チャンバ
(B)内で耐炎化処理するものである。
あるいはまた、第4図の例に示す如く、当該ローラ群を
当該チャンバ(A)、(B)へ適宜配置せしめて、耐炎
化反応の制御として考えることもできる。
更にまた、第5図の例で示す如く、当該ローラ群の片側
の例えば3a、3b、3cのみを、不活性ガス雰囲気チ
ャンバ(B)内へ、使方の相対するローラ群4a、4b
、4cを全部酸化性有毒ガス雰囲気チャンバ(A>内へ
配置せしめて、耐炎化の完了した繊維を導出するための
耐炎化炉2内の開孔部に、ガスシールを目的とする不活
性ガス雰囲気チャンバ(B)を配置することもできる。
上述のような構成は、一段処理の耐炎化炉に限定される
ことなく、多段処理の耐炎化炉においても、適宜該ロー
ラの配置を組合せて構成することもできる。また、第3
図、第4図、および第5図は、横型炉における態様例で
示したが、第2図で示したような竪型炉においても、上
述のような構成は可能である。
第6図は、第1図に示した本発明に係る耐炎化炉2の他
の一実施態様例を説明する模式図である。
前述の本発明に係る横型炉の実施態様例においては、隔
壁7を1枚で酸化性有毒ガス雰囲気系5と不活性ガス雰
囲気系6とを分離せしめていたが、このような構成では
、有毒ガス雰囲気シールが不十分な場合には、第6図に
示す如く、隔壁7を二重もしくはそれ以上に構成すれば
、ガスシール性、および温度分布均一性の上から好まし
い態様となる。本態様例で示す考え型は、第3図〜第5
図で説明した態様例においても、第2図で示した竪型炉
の態様例においても有効である。
次に、ガスフローについて、第9図を用いて説明する。
第1図で説明した本発明に係る横型炉の態様例において
、8を酸化性有毒ガスの吹出しノズル、9を同吸引ノズ
ルとして、ガスフローの一実施態様例を説明する模式図
である。
先ず、反応に必要な有毒ガスは、供給孔11を介して循
環ファン12とヒータ13と循環ダクト14とで構成さ
れる循環系10に供給され、吹出しノズル8からチャン
バ(A>内の酸化性有毒ガス雰囲気5へ吹出される。そ
の際、特に、前記有毒ガス成分が硫黄含有ガスで市って
、補強用アクリル系耐炎繊維あるいは石綿代替繊維を製
造する目的の場合、例えば該硫黄含有ガスとして二酸化
硫黄を用いる場合は、前記酸化性有毒ガスは全て二酸化
硫黄ガスである必要はなく、場合によっては他のガス、
例えば窒素との混合ガスとして供給孔11から供給する
こともできる。また、耐炎化処理が進行するに従って、
前駆体繊維1から熱分解物が発生するので、これを焼却
する排ガス焼却炉21と、必要に応じて有毒物回収設備
22からなる排ガス処理系20を形成し、ガス供給孔1
1から供給される酸化性有毒ガスの量に見合う量を排気
ダクト23から排気せしめて処理する。
また、チャンバ(B)へ供給される不活性ガスは、窒素
、アルゴン等を用い、供給孔31より供給されて不活性
ガス雰囲気系6を形成せしめている。酸化性有毒ガス雰
囲気系5が、後述のように二酸化硫黄と不活性ガスとの
混合気でも十分なような場合には、該酸化性有毒ガス雰
囲気圧力を不活性ガス雰囲気圧力より低く維持せしめて
、不活性ガス雰囲気系6へ供給した不活性ガスを隔壁7
の隙間から酸化性有毒ガス雰囲気系5側へもれ込ますこ
とによって、該有毒ガスの大気側への流出を防止し得る
また、酸化性有毒ガス雰囲気系5へ不活性ガス2が流入
することが不都合である場合には、第7図中の破線で示
すように、排気ファン32と排気グクト33からなる排
気系30を構成せしめて、流出した酸化性有毒ガスおよ
び流入する大気側への流出を防止するとともに、不活性
ガスの酸化性有毒ガス雰囲気系5への流入を防止する。
この場合、排気ファン32から排出したガスは、排ガス
焼却系20へ導入して処理するのが環境保全上好ましい
すなわち、 不活性ガス雰囲気圧〉大気圧 の場合においては、同時に、 不活性ガス雰囲気圧〉酸化性有毒ガス雰囲気圧とするの
が好ましく、また、 不活性ガス雰囲気圧く大気圧 の場合では、同時に、 不活性ガス雰囲気圧く酸化性有毒ガス雰囲気圧とするの
が好ましい。
上述のような雰囲気条件を作ることによって、少なくと
も有毒ガス成分が大気へ流出するのを防止できる。
どうしても、 酸化性有毒ガス雰囲気圧≧不活性ガス雰囲気圧≧大気圧 の条件下で処理する必要がある場合は、当該繊維のチャ
ンバ(B)への人出口部に更に別の小さいチャンバ(C
)を設けてこの中へ不活性ガスを供給し、 チャンバ(C>雰囲気圧〉チャンバ(B)雰囲気圧 とすれば良い。
酸化性有毒ガス雰囲気系5が不活性ガスとの混合気でも
許容されるなら、前記排気ファン32から排出されるガ
スを、酸化性有毒ガス雰囲気系5側の循環系10へ給気
して、該雰囲気系5に使用する不活性ガスの消費最を低
減することもできる。
以上述べたガスフローの態様例は、第2図で説明した本
発明に係る竪型炉の態様例においても、あるいはまた、
第3図〜第6図で説明した態様例においても同様に適用
することができる。
−3〇 − 以上説明したように、本発明に係る耐炎化炉においては
、当該酸化性有毒ガス雰囲気系5を構成するチャンバ(
A>の開孔部を、移送用ローラ群の一部または全部を囲
む不活性ガス雰囲気系6で左右もしくは上下にはさみ込
んで、前駆体繊維1を前記雰囲気系5および6を交互に
通過させつつ前述したような条件で処理できるので、有
毒ガス成分が大気側へ流出する恐れがない。
また、特に、前記有毒ガス成分が硫黄含有ガスであって
、補強用アクリル系耐炎繊維あるいは石綿代替用アクリ
ル系耐炎繊維を連続的に生産するには、前述した前駆体
繊維を硫黄含有雰囲気、たとえば二硫化炭素、硫化水素
、二酸化硫黄および硫黄ガスなどの単独または混合カス
中で加熱、硫化されるが、好ましくは繊維断面全体が均
一に硫化された(二重構造ではない)繊維を再現性よく
製造できる二酸化硫黄雰囲気がよく、また加熱温度は2
50〜400℃の温度領域が好ましい。
上記硫黄含有雰囲気は、前記の硫黄含有雰囲気中に、窒
素、酸素などの伯のガスを適宜混合した加熱雰囲気であ
ってもよいため、第1図〜第6図、および第9図の例で
説明した耐炎化炉の方法で十分可能である。特に二酸化
硫黄と窒素との混合ガスは、二酸化硫黄を効率よく繊維
と反応させる上で有効である。
加熱、硫化工程は、一定温度条件下でもよいし、昇温下
でもよいが、第1図〜第6図、および第9図の例で説明
した本発明に係る耐炎化炉で連続処理するには、例えば
、第1段加熱の雰囲気系5を250〜290℃の温度範
囲に保たれた加熱炉中で行い、第2段加熱の雰囲気系5
を290〜400℃の温度範囲内に昇温条件に設定され
た加熱炉内で加熱して繊維を硫化し、耐炎化を完結させ
る方法を例示することができる。
また、アクリル系前駆体繊維は、緊張および定長のいず
れの条件下に加熱してもよいが、引張強度の大きい補強
繊維を製造する上では、できるだけ高張力下、たとえば
少なくとも0.3g/dの張力を与えて、加熱して繊維
を硫化し、耐炎化せしめるのがよく、本発明に係る耐炎
化炉は、ローラによる張力制御ができるため最適である
上記アクリル系前駆体繊維を硫黄含有雰囲気中で加熱し
、繊維を硫化せしめる場合には、通常の空気などの酸化
性雰囲気で加熱し、繊維を酸化する場合とは異なり、反
応が緩慢であり、二酸化硫黄が繊維中にスムースに浸透
し、結果として硫黄原子が繊維の表面から中心までの繊
維断面全体に均一に分布した構造の耐炎繊維を形成する
が、かかる構造の耐炎1維が繊維強度はもちろん、品質
面でも従来の酸化による耐炎繊維に比較して優れている
ことはいうまでもない。
その場合、二酸化硫黄等の硫黄含有加熱雰囲気において
は、鉄鋼材料はいわゆる高温ガス腐蝕に起因する硫化物
スケールを発生する。従って、特に、本発明の目的の一
つとするところの硫黄含有耐炎繊維を製造するための本
発明に係る耐炎化炉においては、第1図〜第6図、およ
び第9図を用いて説明した少なくともチャンバ(A)と
酸化性有毒ガスの循環系10の当該ガス接ガス面を、耐
腐蝕材料で構成するのが好ましい。該耐腐蝕性材料とし
ては、無機材料、例えば、ガラスや、セラミック、ある
いはそのライニングやコーティングとか、金属材料では
、5US304.5US316等の、Or含有合金が好
ましい。
[効果] 以上説明したように、前駆体繊維を有毒ガス成分を含む
酸化性有毒ガス雰囲気下で耐炎化し、該有毒ガスの一部
または全部を化学的に結合ゼしめて含有する耐炎繊維を
製造せんとする場合、本発明に係る耐炎化炉では、有毒
ガス成分を含む酸化性有毒ガス雰囲気系を構成するチャ
ンバの開孔部を不活性ガス雰囲気系が左右もしくは上下
にはさみ込んだ構成であるため、当該i維の導入出孔か
ら有毒ガス成分が大気へリークしない条件を容易に作り
得るので、酸化性有毒ガス雰囲気下での連続的耐炎化が
可能となったこと、また、相対するローラ群の一部また
は全部を囲んで不活性ガス雰囲気系を成しているため、
ロール上で前駆体繊維の反応発熱に起因する糸切れ、単
糸間融管等のトラブルを発生しない等の効果を有する。
あるいはまた、前駆体繊維を有毒ガス成分を含む酸化性
有毒ガス雰囲気系と不活性ガス雰囲気系とを交互に通過
させつつ連続処理するものであるから、該酸化性有毒ガ
ス雰囲気系での前駆体繊維の耐炎化反応暴走を次の不活
性ガス雰囲気系で抑制できるとい′う例随的な効果を有
するものである。
また特に、前記有毒ガス成分が硫黄含有ガスである場合
には、本発明に係る耐炎化炉を用いることによって、以
下に述べる効果を如実に示すものである。
第10図および第11図は、本発明の一実施態様によっ
て得られた硫黄含有アクリル系耐炎繊維断面、および同
一条件の空気雰囲気中で酸化された従来のアクリル系耐
炎繊維断面をそれぞれ光学顕微鏡観察することによって
作成した横断面模式図である。図を対比すれば明確なよ
うに、本発明の耐炎化炉による耐炎繊維は繊維の中心部
まで硫化された内外差のない均一な耐炎化構造を有して
いるのに対して、従来の耐炎ll1i維は酸化が中心部
まで至ってない、不均一な二重構造を形成していること
か判る。
このような構造の相異に基づいて、本発明の耐炎化炉に
よって得られる耐炎繊維は、その機械的強度、特に引張
強度、靭性(タフネス)、耐熱性、耐炎性、耐アルカリ
性などに著しく優れており、通常の衣料用繊維と同等の
紡績性を示し、布帛、その他の繊維製品への加工が容易
で、取扱い性に優れている。しかも本発明の耐炎化炉に
よって得られる耐炎繊維の製品は、耐久性、耐摩耗性、
難燃性等に優れているので、オートクレーブ養生セメン
ト補強材、摩擦材、グランドバッキング、ガスケットな
どのシール材料など石綿代替繊維としての用途はもちろ
ん、消防服、溶接火花防護シートなど広い用途に使用す
ることができ、その工業的意義は極めて大きい。
また、本発明の耐炎化炉によって得られる補強繊維は、
少なくとも1重量%の硫黄を含有していることによって
耐炎性を付与された少なくとも3゜5q/dという高強
度を有し、高温下における耐アルカリ性に優れた繊維で
あるから、アスベスト同様180℃の水蒸気中でオート
クレーブ養生を行い、高強度、高品質の繊維強化水硬性
無機質製品を容易に製造することができる。
上述の如く、本発明に係る耐炎化炉は、特に、アクリル
系繊組に加硫して得られる前記アスベスト代替i維、セ
メント補強繊維を製造する上で、その連続的製造を可能
にするものであって、大量消費されているアスベストの
代替繊維の実用化、およびセメント補強繊維の利用拡大
を、量的・コスト的な面から実現し得るという工業的に
も大きな意味を有する。
本発明の耐炎化炉に適用する前駆体繊維は、その形態を
限定するものでなく、フィラメント状でも、トウ状であ
っても有効である。
また、酸化性有毒ガス雰囲気は、酸化性を有する有毒ガ
ス、あるいは該有毒ガス成分と他のガス成分との混合ガ
ス、さらには、非酸化性有毒ガス成分と伯の酸化性ガス
成分との混合ガス、の何れであっても有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明に係る連続的耐炎化炉主
要部の一実施態様例を説明するものであって、第1図は
、横型炉の態様例を示す模式図、第2図は、竪型炉の態
様例を示す模式図である。 第3図、第4図、および第5図は、本発明に係る連続的
耐炎化炉主要部の他の一実施態様例を、横型炉の例を用
いて説明する模式図である。 第6図は、第1図に示した本発明に係る耐炎化炉の隔壁
の他の一実施態様例を説明する模式図である。 第7図および第8図は、従来の空気酸化による連続的耐
炎化炉の一例を説明するものであり、第7図は、炉外ロ
ール形式を示す模式図、第8図は、炉内ロール形式を示
す模式図である。 第9図は、第1図で説明した本発明に係る横型炉の態様
例において、ガスフローの一実施態様例を説明する模式
図である。 第10図および第11図は、それぞれ本発明の好ましい
一実M態様によって得られた耐炎繊維断面、および同一
条件の空気雰囲気中で酸化された従来の耐炎繊維断面を
光学的顕微鏡によって観察し、作成した横断面模式図で
ある。 図面の簡単な説明 1:前駆体繊維    2:耐炎化炉 3a、3b、3c、3d :ローラ群 4a、4b、4C:ローラ群 5:i12化性有毒ガス雰囲気系 6:不活性ガス雰囲気系 7:隔壁 8.9:吹出し、吸引ノズル 10:循環系 11.31:ガス供給孔 12:循環ファン   13:ヒータ 14:循環ダクト 20:排ガス処理系  21:排ガス焼却炉22:有毒
物回収設備 23:排気ダクト30:排気系     
32:排気ファン33:排気ダクト (A)、(B):チャンバ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)前駆体繊維を、加熱酸化性ガス中に有毒ガス成分
    を含む雰囲気で耐炎化し、該有毒ガスの成分の一部また
    は全部を化学的に結合せしめて含有する耐炎繊維を製造
    するための耐炎化炉において、上記前駆体繊維を移送せ
    しめる互いに相対して配置せしめられたローラ群と、前
    記前駆体繊維を囲んで前記有毒ガス成分を含む加熱酸化
    性ガス雰囲気を構成するチャンバ(A)と、前記加熱酸
    化性ガスを該チャンバ(A)外へ排気し、その一部を加
    熱装置を介して再び該チャンバ(A)へ供給する循環系
    と、不活性ガスの供給孔を有し、相対する前記ローラ群
    の一部または全部を囲んで不活性ガス雰囲気を構成する
    チャンバ(B)と、で構成してなることを特徴とする耐
    炎化炉。
  2. (2)少なくともチャンバ(A)と循環系の有毒ガスが
    接する接ガス面が耐腐蝕性材料で構成されていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の耐炎化炉。
JP11552686A 1986-05-20 1986-05-20 耐炎化炉 Pending JPS62276013A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106591979A (zh) * 2015-10-14 2017-04-26 中国石化仪征化纤有限责任公司 一种紧张热定型设备

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106591979A (zh) * 2015-10-14 2017-04-26 中国石化仪征化纤有限责任公司 一种紧张热定型设备

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