JPS6227293B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は火力発電所、化学プラント等の配管系
に用いる制振器に関するもので、温度変化等によ
る管の緩漫な変位はこれを拘束せず、地震或は風
圧等による急激な振動は制振できるようにしたも
のである。

図面についてその実施例を説明する。主ケース
１は大径部１ａと小径部１ｂとから成る筒状体
で、大径部外端にふた１ｃと引手１ｄとを固着し
ている。副ケース２も一端に引手２ａを具えた中
空筒状体で、他端部は中心線に貫通ねじ孔が穿た
れ、次記するねじ棒３と螺合可能である。副ケー
ス２はねじ孔部を主ケース開口部へ対向挿入さ
れ、キー１ｅとキー溝２ｂにより主ケース内軸線
方向出入自在である。ねじ棒３は前記の如く副ケ
ース２のねじ孔と螺合し、端部に円盤３ａを備え
る。この螺合部はボールねじとすることが望まし
いが、ねじのリード角を適当に大きくとれば、角
ねじでもよい。制動軸４は一端がふた１ｃに設け
た軸受５により、また他端は主ケース大径部１ａ
へ嵌挿した球軸受Ｂにより、回転自在に軸支さ
れ、中央部にウエイトＷを装着している。球軸受
Ｂは外輪６、内輪７、球８、リテーナ９から成
る。リテーナ９は中空筒状体で、一端部に於てピ
ン１０により円盤３ａへ固着され、他端部は複数
等角度のフインガ９ａを形成し、球８を両輪６，
７間で回転自在に抱持する。

本発明は以上のように構成される。いま管系に
熱変化による変位が生じ、主ケースと副ケース間
に緩慢な出入運動が発生したとする。ねじ棒３は
球軸受Ｂで軸線方向移動を拘束されているので、
ねじの作用で回転する。しかし回転が緩慢である
ため、球と内外輪対応面との間の摩擦は少なく、
球８は両輪間を空転或は摺動するだけで、ウエイ
トＷの負荷された制動軸４を回転させるには至ら
ない。即ち配管の緩慢な変位は拘束されない。し
かし地震等の原因で両ケースの間に急激な往復運
動が発生した場合には、往復の都度球８が両輪の
対応面へ押しつけられ、その摩擦力によつて制動
軸４を回転させる。即ちその都度ウエイトＷの慣
性抵抗が作用して制振がなされる。球軸受に代え
コロ軸受を用いても作用は同じである。

冒頭で述べた目的を達するものとして特公昭50
―39236号が公知である。この公知例は配管の緩
慢な変位にも、急激な振動にも常にウエイトを回
転させるもので、そのため実際問題として、ねじ
棒の螺合部は螺合を円滑にするため、著しい高価
格にも拘らずボールねじの採用を余儀なくされて
いる。これに対し本発明では、ウエイトが往復作
動するのは急激な振動のときだけである。従つて
ねじ棒の螺合部は必ずしもボールねじとする必要
はない。リード角さえ適当に大きくすれば、通常
の角ねじで十分となる。これが本発明の特徴であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の切断正面図、第２図はリテー
ナの斜視図、第３図はフインガの形状説明図であ
る。 １……主ケース、１ａ……大径部、１ｂ……小
径部、１ｃ……ふた、１ｄ……引手、１ｅ……キ
ー、２……副ケース、２ａ……引手、２ｂ……キ
ー溝、３……ねじ棒、３ａ……円盤、４……制動
軸、５……軸受、６……外輪、７……内輪、８…
…球、９……リテーナ、９ａ……フインガ、１０
……ピン、Ｂ……球軸受、Ｗ……ウエイト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 大径部と小径部とから成り大径部外端にふた
   と引手とを備えた筒状の主ケースと、一端に他の
   引手とを備え他端に軸線方向貫通ねじ孔が穿たれ
   主ケース小径部へ出入自在に対向挿入された中空
   筒状副ケースと、一端は主ケースの前記ふた附設
   の軸受により他端は主ケース大径部へ嵌挿された
   球軸受により大径部内へ回転自在に軸支されウエ
   イトを固着した制動軸と、一端部で副ケースのね
   じ孔と螺合し他端部を前記球軸受のリテーナと結
   合させたねじ棒とから構成され、ねじ棒の急速回
   動により前記球軸受の球の強圧摩擦が制動軸を回
   動させるようにしたことを特徴とする軸受接続式
   制振器。