JPS6227139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スナツプ釦の雌型止着部材に関し、
その目的は、対の雄型止着部材の中央嵌係止部の
係入および離脱が容易で、しかも一旦係入した状
態では強力、確実な抜止め効果を発揮できるもの
を、極力薄く、かつ材料節減する状態で提供する
ことにある。

先ず本考案の実施態様を図面に基づいて説明す
る。

雌型止着部材Ａは第１図ないし第４図で示すよ
うに、環状基盤１の中心部開口２に臨ませて、６
個の周方向に沿つた嵌係止用突部３を、それらの
相隣るものどうし間に中心部開口２に連通する切
込溝４を形成する状態で環状基盤１に一体連設
し、各突部３の外側近傍の基盤１部分に、各突部
３に１つずつ対応させて周方向に沿う状態の溝５
を形成したもので、基盤１は周方向５箇所におい
て先端尖鋭なピン状の結合用の脚６を一体連設し
てあり、その付け根部には半径方向内方に向かう
補強リブ７が基盤１へも連なるように付設され、
全体が合成樹脂材から一連一体に成形されてい
る。突部３は断面において上下中間部の内径寸法
ｃが最小となるような半円弧状の内面と、上下方
向に沿う外面、すなわち溝７に臨む面とを有す
る。脚６はすべて平行である。基盤１の直径は11
mmである。

第１図、第２図および第５図に示す雄型止着部
材Ｂは、基盤８の中心部に雄の嵌係止部９を有す
るとともに周方向等間隔の５箇所に先端尖鋭なピ
ン状の結合用の脚１０を有し、全体が合成樹脂材
から一連一体に成形されている。嵌係止部９遊端
周辺の膨出により、雌の嵌係止部である中心部開
口２に対して嵌入したときの抜止め部１１が形成
されている。嵌係止部９外側の周溝１２は嵌係止
部成形用の型部材の抜きを容易にするために形成
されたものである。嵌係止部９の内側には一側方
に開口する円柱状の空洞１３が形成されている。
脚１０はすべて互いに平行であり、その付け根部
は太くなつている。脚１０は嵌係止部９とは反対
側に突出している。この雄型止着部材Ｂの直径は
11mmである。尚、 ａ＝3.9mm，ｂ＝3.5mm，ｃ＝3.6mm，ｄ＝4.0
mm，であり、脚６，１０の中心線までの半径ｒは
何れも4.4mmである。

第１図、第２図および第６図に示す止め座Ｃ
は、上述の雌型、雄型各止着部材Ａ，Ｂに適合す
るもので扁平な円環状の板金を素材としてプレス
加工したもので、脚６，１０の挿通用開口１４を
形成する内外２つの環状板部分１５，１６と、そ
れらに各別に引続く内外２つの筒部１７，１８
と、底板を構成するテーパー状の環状部材１９と
を有している。打込みにより開口１４から進入し
た脚６，１０は底板１９に激突して塑性変形しな
がらテーパーに沿つて内側へ強制的に曲げられ
る。打込み時に内側へ変位された内側の板部分１
５がその復元力により脚６，１０の周面に抱き着
き、強力な抜止めとなる。この様子を第２図で示
してある。２０は基布である。

尚、雌型止着部材Ａに対する嵌係止対象は図の
雄型止着部材Ｂ以外のものでもよい。又、雌型止
着部材Ａとしても脚６のないものであつてもよ
い。この場合、止め座Ｃの方に脚を設けるとか止
め座Ｃに止着部材Ａ全体を落し込む凹部を設け
る。突部３、溝５の数、脚６の数は任意である。
止着部材Ａの形、大きさ、色なども任意である。

要するに本考案によるスナツプ釦の雌型止着部
材は、環状基盤１の中心部開口２に臨ませて、複
数個の、周方向に沿つた嵌係止用突部３を、相隣
るものどうし間に前記中心部開口２に連通する切
込溝４を形成した状態で前記基盤１に一体連設す
るとともに、前記各突部３の外側近傍の前記基盤
１部分に、各突部３に対応させて周方向に沿う状
態の溝５を形成してあることを特徴とする。

即ち、相隣る突部３，３間に切込溝４を形成
し、かつ外側に溝５を形成してあるから、個々の
突部３は基盤１への付け根部を支点として外側へ
弾性的に十分に変位しやすく、また内側へ容易に
弾性復帰するから、雄型止着部材の中央嵌係止部
の係入および離脱が容易で、しかも一旦係入した
状態では所定の操作を加えない限り確実強力な抜
止め効果を発揮するというスナツプ釦にとつての
要求機能を十分良好に果しながらも、突部３群を
基盤１の肉厚範囲内、あるいはそれから余りはみ
出さない位置に設けることができ、これによつ
て、薄くてシンプルな形態としつつ材料節減をも
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るスナツプ釦の雌型止着部材
の実施の態様を例示し、第１図は打込み前の断面
図、第２図は打込み後、使用状態での断面図、第
３図、第４図は夫々、第１図における−線、
−線での矢視図、第５図、第６図は夫々第１
図における−線、−線での矢視図であ
る。 １……環状基盤、２……中心部開口、３……嵌
係止用突部、４……切込溝、５……溝、６……
脚。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 環状基盤１の中心部開口２に臨ませて、複数
   個の、周方向に沿つた嵌係止用突部３を、相隣
   るものどうし間に前記中心部開口２に連通する
   切込溝４を形成した状態で前記基盤１に一体連
   設するとともに、前記各突部３の外側近傍の前
   記基盤１部分に、各突部３に対応させて周方向
   に沿う状態の溝５を形成してあることを特徴と
   するスナツプ釦の雌型止着部材。 前記突部３、溝５が各々６個設けられている
   実用新案登録請求の範囲第項に記載のスナツ
   プ釦の雌型止着部材。 前記基盤１が、周方向複数箇所において、止
   め座に対する結合用の脚６を一体連設状態で有
   するものに構成されている実用新案登録請求の
   範囲第項又は第項に記載のスナツプ釦の雌
   型止着部材。 全体が合成樹脂材で一体成形されている実用
   新案登録請求の範囲第項ないし第項の何れ
   かに記載のスナツプ釦の雌型止着部材。