JPS6226650B2 - - Google Patents

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JPS6226650B2
JPS6226650B2 JP21944782A JP21944782A JPS6226650B2 JP S6226650 B2 JPS6226650 B2 JP S6226650B2 JP 21944782 A JP21944782 A JP 21944782A JP 21944782 A JP21944782 A JP 21944782A JP S6226650 B2 JPS6226650 B2 JP S6226650B2
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JP
Japan
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resin
heat
amount
liquid
curing
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JP21944782A
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JPS59109517A (ja
Inventor
Yoshio Yoshizawa
Hideki Makise
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP21944782A priority Critical patent/JPS59109517A/ja
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Publication of JPS6226650B2 publication Critical patent/JPS6226650B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、耐熱性を有する樹脂組成物に関する
ものであつて、その目的とするところは、熱が加
わる金属製の機械、装置、部品等の補修用として
または耐熱性を必要とする検査治具、焼付塗装用
治具として、もしくは真空成形、射出成形、ウレ
タン発泡成形、RIM成形などのプラスチツク熱間
成形用の型材などとして使用するのに適した耐熱
性を有する樹脂組成物を提供することにある。 従来、金属製の機械、装置、部品等の補修用と
してまたは樹脂製の治具や型材としてはエポキシ
樹脂が最も一般的に使用されている。その理由と
しては次の諸点があげられる。 (1) 接着力が強い。 (2) 常温硬化のみで比較的高い機械的強度が得ら
れる。 (3) 硬化収縮率が低く治具や型の製作において寸
法安定性がよい。 しかしながら、前述のような熱の加わる個所の
補修用として、またはプラスチツク熱間成形用の
型材としてはエポキシ樹脂は耐熱性が不十分なの
である。エポキシ樹脂の耐熱性は、主に硬化剤の
種類に依存するが、最も一般的な硬化剤である脂
肪族アミンまたはその変性品(エチレンオキサイ
ドまたはプロピレンオキサイドの付加物が多い)
を使用している。このエポキシ樹脂の長時間使用
可能温度は80℃以下である。そこで芳香族ポリア
ミンまたはその変性品を硬化剤として使用すれば
耐熱性の向上が期待できるが、常温での硬化性が
悪く十分な耐熱性を得るには通常130℃以上の加
熱硬化が必要である。このような常温硬化性が悪
いエポキシ樹脂は前述のような補修用治具または
樹脂型としては使用できないのが現状である。 機械、装置、部品等の補修の具体例としては、
蒸気または熱媒用のパイプ、バルブ、フランジ等
の漏れ止め、加熱タンク接続部の漏れ止めや防
蝕、自動車のエンジンブロツクやクランクケース
等のクラツク部や腐蝕部の肉盛補修や熱交換器プ
レートの腐蝕部の補修などがある。補修用材料の
使用形態は、まず補修個所とその周辺をグライン
ダーやワイヤーブラシ等を使用してゴミ、泥、
錆、タールや塗料等を除去し金属面を露出させた
後、溶剤を用いてウエス等で脱脂する。次いで補
修材料を定められている適正な配合比でパテナイ
フや竹ベラなどで十分に混合して補修個所とその
周辺を厚めに塗る。亀裂や穴が大きめの場合また
は圧力が内部から加わつているような個所の補修
には目の粗いガラスクロス等に混合物を塗つて貼
りつけるか包帯のように巻きつける。このような
補修材料の使用形態においては補修材料の粘度は
適切でなければならない。樹脂が硬化する前に垂
れたり流れ出したりしてはならないし、また補修
個所は補修する際熱が加わつている状態とそうで
ない時がある。熱が加わつていない状態では補修
個所は気温と同じ温度となるが、補修材料はこの
温度で硬化しなければならない。常温で硬化しな
ければ運転再開で熱が加わつた際に例えば漏れ個
所の内圧により蒸気や熱媒が漏れたりすることに
なる。加えて補修材料が硬化する前に運転再開に
よる熱のために粘度が低下し垂れたり流れたりす
る。また、一般に常温で硬化しない材料は常温で
硬化する材料に比し、加熱状態での硬化性も悪い
ので、熱の加わつている個所の補修においても硬
化する前に垂れたり流れたりし易い。無論、加熱
状態において補修材料が垂れたり流れたりしない
ように始めから粘度を高くしておくことは可能で
はあるが、2液性の補修材料においては2液の混
合は常温で行うのが通常であるため2液の混合が
困難になつたり不可能になつたりするのでこの方
法は採用できないのが現状である。 以上詳述してきたが、要するに補修材料は常温
で硬化しなければ現実的に使用できないのであ
る。 治具または樹脂型の作製の際の樹脂の使用形態
は、先ず原型に離型剤を塗布した後、ハケによつ
てゲルコートし次いで流し込み注型したり、ガラ
スクロスで積層することによつて行われる。また
ゲルコートなしに直接注型することもある。 治具や樹脂型の製作の際に使用される原型は、
通常木、石こう、樹脂等から造られる。しかし、
木型と石こうによる原型は吸湿による歪が大き
く、温度にも敏感であつて、温度により木や石こ
う中の水分が放散されそれらの接触する樹脂表面
層の硬化が阻害され、木や石こうと融着を起こし
て離型が困難となる。これらの対策として木型や
石こうによる原型はラツカーにより目止め処理が
通常行われるが、それでも木型の使用温度は50℃
以下、石こう型は100℃以下と制約される。 樹脂による原型は木型や石こう型よりも使用温
度は高く、通常120℃位までは使用可能である
が、樹脂の原型は原則として木型や石こう型から
反転して製作する必要があるので製作に日数を要
したり、コストが高くなつたりする欠点がある。
したがつて治具または型を製作する際に使用され
る樹脂は常温で硬化し、硬化後離型できる程度に
常温での硬化性が優れたものあるいは木型や石こ
うの耐熱温度以下にて十分に硬化し離型できるも
のでなければならない。 また、常温硬化性の樹脂は加熱しないと硬化し
ない樹脂に比して、実用上硬化収縮率が小さく治
具または型の製作上有利である。樹脂を硬化する
温度が高いと樹脂が液体状態から固体状態へ変化
するゲル化点近辺の熱線膨張係数に基づいて硬化
後常温に戻した際の温度差に応じて樹脂は収縮す
る。そしてこの樹脂のゲル化する前後の熱線膨張
係数はかなり大きく、当然のことながら原型より
も大きな値を示す。一般にゲル化時点の熱線膨張
係数は樹脂によつてあまり変らないと考えられる
ので、どの樹脂も収縮率を低くするにはゲル化の
温度を下げるのが最も効果がある。加えて樹脂が
硬化する際に発熱が少ないことも収縮率を低くす
る上に有利ともいえる。樹脂がゲル化し離型可能
な迄に硬化した後、更に加熱してほぼ完全に硬化
させるとこの段階でも樹脂はある程度収縮する
が、この時点では樹脂の熱線膨張係数は小さくな
つており、結果的に収縮率は小さく、実質上問題
にならないことが多い。以上のことから、樹脂の
硬化温度は常温に近い程収縮率が小さくなるので
ある。 補修用と治具または樹脂型として使用されるエ
ポキシ樹脂のもう一つの欠点は、樹脂と硬化剤の
配合比が厳密に規定されることである。その理由
は、エポキシ樹脂は樹脂と硬化剤の当モル反応で
あるからどちらかが多くても少なくても所期の物
性からはずれるためである。加えて一般に耐熱性
の良いエポキシ樹脂ほど硬化剤の配合量が少ない
ので少しの配合量のズレが大きくエポキシ樹脂の
物性に影響を与える。 補修用と治具または樹脂型などとして使用され
る樹脂を取扱う作業においては1回に2液を配合
する量はその都度変化することが多い。したがつ
て各液の必要量は簡単に計算でき、間違いにくい
配合比にすべきである。現実に補修材料や治具ま
たは樹脂型などの型材を使用するユーザーからの
配合ミスが生じにくい配合比の樹脂の要望は非常
に根強いものがある。 この場合、樹脂と硬化剤の比をa:b(a,b
は自然数)とすると、a+bが10の約数(2,
5,10)となる配合比が最も望ましく計算が間違
いにくいといえる。しかしながら、エポキシ樹脂
では樹脂と硬化剤の配合比が厳密であるため、望
ましい配合比にならないことが多いのが現状であ
る。 以上から、本発明において使用される樹脂は2
液の採取量のミスが生じにくい配合比であること
が重要であるといえる。更に2液性の樹脂におい
てはたとえ配合比を人為的に間違つても硬化物の
物性の変化が少ないもの程よいといえる。 本発明者らは、前述のこのような認識のもとに
永年これらの諸点を満足する耐熱性樹脂組成物の
開発に取組み鋭意研究した結果、本発明に到達し
た。 すなわち、本発明によつて得られる耐熱性樹脂
組成物は、(イ)脂環式エポキシ樹脂と(ロ)1分子中に
2個以上のシラノール基を有する有機けい素化合
物及び(ハ)脂環式エポキシ樹脂と末端にカルボキシ
ル基を有するポリブタジエンまたはブタジエン・
アクリロニトリル共重合体とのエステル化反応生
成物を(ニ)有機アルミニウム化合物の存在下で硬化
させることによつて得られるものであることを基
本とし、これに適当な充填剤及び/または沈降防
止剤を添加したものから構成される。そして、こ
の耐熱性樹脂組成物は、常温硬化性に優れ、収縮
率が小さく、配合比は計算間違いをしにくく、ま
たたとえ間違つても硬化物の物性の変化が少ない
などの数多くの利点を有している。 本発明において使用されるエポキシ樹脂は、脂
環式エポキシ樹脂に限定される。ビスフエノール
AまたはビスフエノールFとエピクロロヒドリン
から合成されるエポキシ樹脂は本発明の意図する
常温での硬化性が不十分であり、本発明の内容を
達成できないので使用できない。同様な理由によ
りノボラツクタイプのエポキシ樹脂も使用できな
い。 脂環式エポキシ樹脂としては 市販品名:ERL―4221(ユニオンカーバイ
ト) セロキサイド#2021(ダイセル化学工業) 市販品名:ERL―4229(ユニオンカーバイ
ト) 市販品名:ERL―4234(ユニオンカーバイ
ド) 1,2結合ポリブタジエン骨格の脂環式エポキシ 市販品名:エポキシンEPB―27,EPB―23(日
本曹達) などがある。これらは単独ないし混合して使用で
きる。 本発明において使用される有機けい素化合物
は、1分子中に2個以上のシラノール基を有する
必要がある。1分子中に1個のシラノール基を有
する有機けい素化合物は本発明の目的とする耐熱
性樹脂組成物としては好ましくない。その理由と
しては、常温で硬化はするが、十分な耐熱性が得
られないからである。但し、1分子中に1個のシ
ラノール基を有する有機けい素化合物の少量の添
加は硬化物の架橋密度を下げ、材料の脆さを減少
させるには有効な手段となり得るので差支えな
い。その添加量は全有機けい素化合物の30%を超
えると耐熱性が著しく低下するので30%以下に抑
えるべきである。 本発明において使用される有機けい素化合物
は、平均組成式 〔(R1)a(R2O)b(HO)cSiO 4−a−b−c/2 (上記式中、R1およびR2は水素原子、置換も
しくは非置換の一価有機基から選択される同種類
もしくは異種の基 0<a<4 0≦b<4 0<c<4 0<a+b+c≦4)〕 で表わされるものであり、有機基の10モル%以上
がフエニル基であつて、シラノール基量は1分子
中に2個以上のものがよい。フエニル基が10モル
%未満では脂環式エポキシ樹脂との相溶に劣るも
のとなるので使用できない。 本発明において使用される末端にカルボキシル
基を有するポリブタジエンとしては、 市販品名:HycarCTB 2000×162,2000×
156,2000×165(宇部興産) 末端にカルボキシル基をもつブタジエン・アクリ
ロニトリル共重合体としては、 市販品名:HycarCTBN 1300×8,1300×
13,1300×15(宇部興産) などがある。一般にこれらのブタジエンのホモポ
リマーまたはコポリマーは液状ゴムであつて、本
発明において使用される脂環式エポキシ樹脂と有
機けい素化合物の混合物に相溶するが、混合前に
予め脂環式エポキシとエステル化反応を行うのが
好ましい。 本発明の脂環式エポキシと有機けい素化合物か
らのみの硬化物は、本発明の意図する用途として
は硬くて脆いため衝撃に弱く、機械的強度と接着
力も低いという欠点がある。液状ゴムを添加する
理由は可撓性を付与させ、耐衝撃性を増大させ、
機械的強度と接着力を高め、併せて硬化発熱量を
抑えて収縮率を低下させるためである。 本発明において添加される末端にカルボキシル
基を有する液状ゴムの含有量は、全樹脂量に対し
0.5〜20%、好ましくは2〜10%である。添加量
が20%を超えると硬化物の耐熱性が低下し、機械
的強度も低くなるので本発明の意図する目的から
はずれてしまう。0.5%未満では硬化物は脆く機
械的強度も接着力も不十分で補修用、治具または
型材用としては不適当である。 本発明において使用される有機アルミニウム化
合物は、アルミニウムキレート化合物とアルミニ
ウムアルコラートが挙げられる。具体的にはアル
ミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム3
―ブロモアセチルアセトネート、アルミニウムエ
チルアセチルアセトネート、アルミニウムメチル
アセチルアセトネート、アルミニウムトリイソプ
ロポキシド、アルミニウムトリ―sec―ブトキシ
ドなどである。 シラノール基を有する有機けい素化合物とエポ
キシ樹脂の反応に有機アルミニウム化合物が有効
な触媒であることは公知であつて、例えば特開昭
51―118728号公報に記載されている。 本発明において使用される有機アルミニウム化
合物は、充填剤を除く樹脂に対して0.05〜5%程
度であるが、好ましくは0.2〜2%である。この
範囲の触媒量が耐熱性樹脂組成物として常温硬化
性、耐熱性の点から最もバランスがとれる。触媒
量を多くすると常温硬化性は良くなるが、耐熱性
は低下する傾向がある。同様に触媒量が少ないと
常温硬化性が悪くなる。 また、脂環式エポキシと1分子中に2個以上の
シラノール基を有する有機けい素化合物の重量比
は15/1〜1/5であり、特に7/1〜1/2で
実施されることが好ましい。本発明の耐熱性を有
する樹脂組成物の常温硬化性は前述の液状ゴムと
触媒の添加量にも左右されるが、前述のように液
状ゴムの添加量が全樹脂に対し2〜10%、触媒が
アルミニウムアセチルアセトネートが全樹脂に対
し0.2〜2%の範囲内において、脂環式エポキシ
と有機けい素化合物の重量比が15/1を超えると
常温硬化性が悪くなり、特に2mm厚以下の薄膜状
態での硬化性は25℃で3日間経つても十分でなく
実用的ではない。重量比が1/5より少ないと硬
化が十分でなく、機械的強度が低く耐熱性も不十
分なので好ましくない。 本発明の耐熱性を有する樹脂組成物は2液性で
あるが、各液の樹脂成分は、A液が(イ)脂環式エポ
キシ及び(ハ)脂環式エポキシと末端にカルボキシル
基を有するポリブタジエンまたはブタジエン・ア
クリロニトリル共重合体とのエステル化反応生成
物であり、B液は(イ)脂環式エポキシと(ロ)1分子中
に2個以上のシラノール基を有する有機けい素化
合物である。触媒の(ニ)有機アルミニウム化合物は
A液に配合される。 また、充填剤はA液およびB液またはA液もし
くはB液に添加されるが、前述のように2液の配
合比は人為的なミスが発生しにくいように充填剤
のAまたはB液に添加される量が決定される。 本発明において使用される充填剤は微粉末シリ
カ系を除けば特に限定されない。微粉末シリカ系
充填剤としては溶融シリカ、ホワイトカーボンな
どがあるが、これらはA液またはB液に加えると
A,B両液共に経日的に粘度が上昇する難点があ
る。その理由は必ずしも明確ではないが、A液中
に添加されると充填剤中に少量含有されるシラノ
ール基が脂環式エポキシ基と有機アルミニウム化
合物の存在下で反応し増粘するものと解される。
増粘の程度はA液中に添加される液状ゴムの割合
にも影響を受け、液状ゴムが少ない程増粘しやす
い傾向がある。また、B液中に添加される微粉末
シリカ系充填剤中に少量含まれるアルミニウムま
たはシリカそのものが触媒作用を有するものと考
えられる。A液またはB液を製造する際は、通常
30〜80重量%添加される充填剤を高速で撹拌し充
填剤を十分に分散させる必要があるので、撹拌熱
により混合系は40〜75℃程度に温度上昇する。し
たがつて、常温での経日的な粘度上昇が緩やかな
充填剤でも製造中の粘度上昇により品質のバラツ
キを生じさせることがある。 鉄粉やアルミニウム粉のような金属粉と水酸化
アルミニウムは、脂環式エポキシとシラノール基
を有する化合物との反応の触媒作用が少しあるた
めB液中には添加できないので、A液中に添加す
る必要がある。その他の充填剤としては炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、タルク、ガラスビーズ、
ガラスチヨツプドストランド、酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタンやカーボンブラツクな
どが好ましく用いられる。 充填剤を加える目的は、樹脂の粘度を増し作業
に都合の良い流動性を得たり熱線膨張係数を小さ
くし、樹脂成分より安価な充填剤を加えることに
よつて耐熱性樹脂組成物のコストを下げたり、硬
化発熱を抑え可使時間を長くするなどにある。 脂環式エポキシ樹脂と1分子中に2個以上のシ
ラノール基を有する有機けい素化合物と有機アル
ミニウムの混合系は極めて急速に硬化してしま
う。可使時間は混合量200gで25℃において約1
分であるから、本発明の主たる用途である補修
用、治具または型材などとしては2液を混合また
は混合後肉盛もしくは注入する。時間が殆んどな
いので現実には使用できない。 可使時間は混合量200gで25℃において少なく
とも10分以上、好ましくは20分以上は必要であ
る。充填剤を添加することによつて可使時間をあ
る程度延長することが可能であり、充填剤の量に
応じて延長されるが、これに伴つて系の粘度も上
昇するので添加量にも限度があり、通常可使時間
は10分程度にしか延長できない。 本発明者らは、末端にカルボキシル基を有する
ポリブタジエンまたはブタジエン・アクリロニト
リル共重合体が可使時間を調整するのに極めて有
効に機能することを見い出した。これらの液状ゴ
ムは全樹脂量に対し好ましくは2〜10%の範囲で
添加されるが、この範囲内で可使時間は20〜40分
程度となり、補修用、治具または型材として最も
適切な可使時間に一致した。 本発明において使用される液状ゴムは予め過剰
の脂環式エポキシとエステル化反応を行つたもの
を使用するが、この反応生成物は末端にエポキシ
基を有するので、シラノール基を有する有機けい
素化合物と有機アルミニウム化合物の存在下で反
応する。したがつて、一般にエポキシ樹脂の変性
において可使時間を延長させる最も効果的な手段
であるジブチルフタレートのような非反応性希釈
剤の添加とは全く異質な可使時間の延長方法であ
る。液状ゴムの添加は可使時間を延長させるが、
常温硬化性をあまり低下させない利点を有してい
る。更に液状ゴムは非反応性希釈剤に比し反応に
関与するので耐熱性の低下が少ない。また、機械
的強度は全樹脂に対して10%程度まで液状ゴムの
添加量が増加すると高くなる傾向がある。 末端にカルボキシル基を有する液状ゴムの添加
が可使時間の延長に有効な理由は必ずしも明確で
はないが、脂環式エポキシ樹脂とのエステル化物
のカルボニル基が触媒であるアルミニウムキレー
ト化合物またはアルミニウムアルコラートのアル
ミニウム原子に配位し、誘導期間の延長に何らか
の寄与をしているものと推定される。 本発明における耐熱性樹脂組成物の粘度は肉盛
用に使用される際は、25℃で10万〜100万センチ
ポアズが適当であり、ゲルコートとしては1万〜
10万センチポアズ、注型用として5万センチポア
ズ以下、ガラスクロスとのラミネート用としては
2万センチポアズ以下が適当である。 粘度を調節するための効果的な手段は充填剤の
種類と量及び沈降防止剤(チクロトロピー付与剤
でもある)の種類と量を適当に選ぶことである。
適切な沈降防止剤を使えば充填剤を使わずに適当
な粘度に調節することも可能である。一般に粒子
の細い充填剤や吸油率の高い充填剤の添加は増粘
しやすく、また細い粒子は沈降しにくいので沈降
防止剤の量は低減できる。 本発明において使用される沈降防止剤は塩基性
窒素基を有するレシチンやモンモリロナイトのア
ミン複合体は除かれる。このような塩基性窒素基
を有する沈降防止剤は触媒である有機アルミニウ
ム化合物を分解し活性を低下せしめるので難点が
ある。本発明において沈降防止剤は0.1〜10%の
添加量であるが、シラノール基を有する微粉末無
定形シリカはA液中に添加すると経日的に増粘が
認められる。しかしながら、B液に添加すると経
日的な粘度上昇は認められなかつた。その理由と
しては、無定形シリカの添加量が10%以下と少な
いこと及び4%以上添加すると系はペースト状と
なるため各成分の易動度が低下し、無定形シリカ
の有するわずかな触媒作用も経日的に増粘する程
の作用を及ぼさないものと考えられる。 その他に本発明において使用される沈降防止剤
としては、水添ひまし油、ポリエチレンオキサイ
ド、メチルセルロースやアスベストなどがあげら
れる。ただし、有機系の沈降防止剤は可使時間を
延長する効果はあるが、常温硬化性と耐熱性を低
下させるので添加量は少なくした方がよい。 以上詳細に述べてきたが、本発明の有する意義
は要するに(イ)脂環式エポキシ樹脂と(ロ)1分子中に
2個以上のシラノール基を有する有機けい素化合
物及び(ハ)末端にカルボキシル基を有するポリブタ
ジエンまたはブタジエン・アクリロニトリル共重
合体とのエステル化反応生成物とを(ニ)有機アルミ
ニウムの存在下で硬化させることによつて常温硬
化性が良く、耐熱性に優れ、硬化収縮率が小さい
樹脂組成物を得るということに存するのである。
そして、これは人為的なミスが生じにくい配合比
となり、かつたとえ配合を間違つても物性の変化
が少ない組成でもあるので、補修用もしくは治具
または型材として従来のエポキシ樹脂にはない全
く新しい特徴を有する耐熱性樹脂組成物である。 以下、実施例にて本発明の内容を更に詳しく説
明する。 実施例 1 セロキサイド#2021(商品名ダイセル化学工
業)200部に、セロキサイド#2021(商品名)と
HycarCTBN1300×8(商品名宇部興産)を重量
比1対1で予め100℃で3時間加熱したエステル
化物(反応率99.1%)50部とアルミニウムアセチ
ルアセトネート1.5部及び水添ひまし油系の沈降
防止剤デイスパロン#305(商品名楠本化成)10
部を加え80℃にて30分デイゾルバーにてかきまぜ
た。40℃に冷却後平均粒度300メツシユの鉄粉740
部を加え更に1時間かきまぜた。撹拌熱により混
合物の温度は68℃に達した。この液(A液)はパ
テ状である。 別に平均組成式がRaSiO4−a/2で示され、Rは65 モル%のメチル基と35モル%のフエニル基からな
り、a=1.58でシラノール基のOH基濃度が5%
のシリコーン580部とセロキサイド#2021(商品
名)340部及び沈降防止剤としてアエロジル200
(商品名 日本アエロジル)を80部加えてデイゾ
ルバーにて30分かきまぜた。この液(B液)はペ
ースト状である。 A液とB液の配合比は9対1で混合される。こ
の時の液状ゴムの含有量は全樹脂量に対し6.9%
である。混合後の粘度は25℃にて約65万センチポ
アズであつた。 A液とB液の配合比を正規の9対1に加えて意
識的にずらした配合比にて与えられた条件下で硬
化させた結果を表1に示した。 可使時間は混合量200gになるようA,B両液
を紙コツプに採取し、すばやく均一にかきまぜた
後、25℃の雰囲気中に静置し内容物が70℃に達す
るまでの時間とした。また、引張試験はJIS―
K6911に基づいたダンベルを25℃の雰囲気下で厚
さ3mmにて作製した。約3時間で硬化した。その
後50℃の乾燥機に5時間養生後、恒温槽つき万能
試験機で23℃、100℃と150℃にて測定した。
【表】 表1の結果から150℃の温度においても180Kg/
cm2以上の引張強度を有し、耐熱性が優れているこ
とがいえる。また、配合比が2割程度変化しても
硬化物の機械的性質は殆んど変化していない。し
たがつて、配合ミスの許容範囲が広いといえる。 実施例 2 実施例1のA液とB液を重量比で9対1に混合
し、厚さ11mmの鉄板の上に1〜2mmの厚さに塗布
した。この時の雰囲気温度は27℃であつたが、塗
布後約4時間で金属棒で叩くと金属音がする程に
硬化した。この鉄板を電気炉の中に入れ10分間で
350℃にまで加熱した。同温度にて更に10分間放
置した後パテナイフで硬化物を叩いたり剥がそう
としたが、割れも剥離もしなかつた。 また、同じ鉄板に塗布した硬化物を150℃にて
3時間加熱処理した後、この鉄板をガスコンロの
上に置き下から加熱した。約10分間で鉄板の上の
硬化物は表面温度計で測定したら500℃に達し
た。同温度で10秒間保ちその間パテナイフで硬化
物を叩いたり剥がそうとしたが剥れなかつた。 実施例 3 末端にカルボキシル基を有する液状ゴムを添加
する効果をみるため次のような実験を行つた。 実施例1に使用したシリコーンとセロキサイド
#2021(商品名)とCTBN1300×8(商品名)を
所定の配合に組合せて与えられた条件下で硬化さ
せた。各硬化物については引張強度とIZOD衝撃
値はJIS―K6911、引張剪断接着力はJIS―K6850
に準拠して鉄と鉄を被着体として測定した。 硬化物の作製は充填剤も沈降防止剤も添加せず
に予めアルミニウムアセチルアセトネートをセロ
キサイド#2021(商品名)に溶解した液(6%)
を用いて適当に希釈して触媒濃度を全樹脂成分に
対して0.5%とした。硬化物はいずれも28℃で30
時間放置した後所定の温度に設定された恒温槽に
10分間入れ定常とした後測定した。また、各配合
のものについて23℃で混合量200gにて可使時間
を測定した。実施例1と同じく内容物が70℃に達
した時間を可使時間とした。結果を表2に示し
た。
【表】
【表】 実施例 4 ERL4229(商品名ユニオンカーバイト)200部
とHycarCTB2000×162(商品名 宇部興産)200
部を170℃にて1.5時間エステル化反応を行つた。
冷却後セロキサイド#2021(商品名)800部を加
えて混合した。この混合液100部にアルミニウム
トリイソプロポキシド2部を加え100℃で1時間
かきまぜた。アルミニウムトリイソプロポキシド
は完全には溶解しなかつた。室温に冷却後実施例
1で使用したシリコーン40部を加えよく混合し
た。この混合物をJIS―K6850に準拠してサンド
ペーパー(100番)で表面を粗面化したアルミ板
2枚にオーバーラツプさせて接着させた試験片を
50℃で3時間加熱すると見掛上硬化した。更に
100℃で5時間加熱後23℃と100℃で引張剪断力を
測定した。接着力は23℃で107Kg/cm2、100℃で96
Kg/cm2であつた。 実施例 5 平均組成式がRaSiO4−a/2で示され、Rは54モル %のメチル基と46モル%のフエニル基からなり、
a=1.5で1分子当り2.2個のシラノール基を有す
るシリコーンを用いる以外は全て実施例1と同様
にB液を作製した。実施例1のA液とこのB液を
重量比で9対1に混合した液を実施例4と同様に
アルミ板に塗布し引張剪断接着力の試験片を作成
した。 この試験片を50℃で3時間加熱後23℃で引張剪
断接着力を測定すると115Kg/cm2であつた。 比較例 1分子中に1個のシラノール基しか有しないジ
フエニルメチルシラノールを用いた以外は実施例
1と同様にB液を作製し、これに実施例1のA液
を使用してA液とB液の重量比を9対1にした液
を実施例4と同様にアルミ板に塗布し、50℃で3
時間加熱後23℃で引張剪断接着力を測定しようと
したが、硬化が十分でなく実質的に接着していな
かつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (イ)脂環式エポキシ樹脂と(ロ)1分子中に2個以
    上のシラノール基を有する有機けい素化合物で
    (イ),(ロ)の重量比は15/1〜1/5であり、(ハ)脂環
    式エポキシ樹脂と末端にカルボキミル基を有する
    ポリブタジエンまたはブタジエン・アクリロニト
    リル共重合体とのエステル化反応生成物であつ
    て、この末端にカルボキシル基を有するポリブタ
    ジエンまたはブタジエン・アクリロニトリル共重
    合体の含有量は全樹脂量に対し0.5〜20%であ
    り、(ニ)前記(イ),(ロ),(ハ)を全樹脂量に対し0.05〜

    %である有機アルミニウムの存在下で硬化させた
    耐熱性を有する樹脂組成物。 2 硬化の際に存在する有機アルミニウム化合物
    はアルミニウムキレート化合物またはアルミニウ
    ムアルコラートである特許請求の範囲第1項記載
    の耐熱性を有する樹脂組成物。
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